【感想・ネタバレ】ポプラの秋のレビュー

あらすじ

父が急死した夏、母は幼い私を連れて知らない町をあてもなく歩いた。やがて大きなポプラの木のあるアパートを見つけ、引っ越すことにした。こわそうな大家のおばあさんと少しずつ親しくなると、おばあさんは私に不思議な秘密を話してくれた──。大人になった私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに蘇る。『夏の庭』の著者による、あたたかな再生の物語。

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Posted by ブクログ

大好きだった父を突然亡くした8歳の少女。母に連れられ、小さなアパートへと引っ越すと、そこで出会ったのは不思議な大家のおばあさんだった。悲しみと不安で心を閉ざしてしまった少女に対し、おばあさんはとっておきの秘密を打ち明ける。おばあさんは天国に手紙を届けることができるというのだった…

小さなアパート、父のいない暮らし、不安や悲しみを抱えながら過ごす毎日。
全てが自分に起きているかのようで、幼い頃に感じた心細さ、好奇心、温かさが蘇る。いい意味で昔に引きずられる1冊。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

夏の庭に続き読んでみました。
今回も大泣きしながら読みました。

懸命に、いろいろなことを胸に抱えながら、転びながら歩んでいく想い。
亡くした人に対する想い。
わかりにくい心遣いも含めて、人の営みがぐさぐさ…児童書コーナーにあったんです。何故なのでしょう。人生経験積んだ大人にも、たくさん読んでほしいです。
次は「春のオルガン」を読みたいと思います。

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2024年11月20日

Posted by ブクログ

本当に優しくて、せつなくて、人が恋しくなる本だと思う。私もおばあさんのようになりたいなぁ。
また来年ので秋に再読したい。
『夏の庭』も大好きだけど、こちらも好き。
何だろう。この、悲しいような、せつないような、でもあったかくて、清々しい読後感。

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2022年10月15日

Posted by ブクログ

はあ、ってため息の出るお話
疲れるとか、つまらないとかでは全くなくて
ただただ切なくて、美しくて、優しい
愛は、暖かくて幸せで冷たくて苦しい

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2022年10月06日

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父親を亡くした少女。母と二人、ポプラの木があるアパートに移り住む。
そこで繰り広げられる大家のおばあちゃん、隣人との心暖まる交流を描いた話。

戸惑いや悩みを抱えながらも人を大切に思う気持ち、何かを守る気持ちが少女に芽生えていく、そんな場面をポプラの木が揺れる風や光、空気感を感じながら読めた。
隣人との関わりや、オサム君との遊び、おかあさんへの思い、おばあちゃんへの思いなど日々の思いをお父さんへ綴る手紙には涙腺が緩む。

ずっと少女目線で読んでいくが、最後のお母さんからの手紙でお母さんの娘への思い、お父さんへの思い、これまで生きてきた葛藤、苦難の時間を感じ、お母さん目線になる。

人は人を許し、受け入れながら前を向いて生きていく大切さを感じた。

読んでいて穏やかな時間が過ごせる本です。

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2022年01月28日

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季節を感じさせる物語。少女の心の傷が癒やされ、成長していく。あたたかい気持ちになりました。また秋になったら読みます。

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2022年01月12日

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夏の庭に続く第2作目。
自分のオススメ欄に出できて鵜呑みにして読んだ、
サラッと読めた最後の方が衝撃だった
この事実を持って再読すればなにか違う事が分かる

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2021年12月26日

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十代の頃は、「私」とおばあさんの関係ばかりが気になった。
今は母親の置かれた状況と決心に震える。
何十年後には、おばあさんのように生きるにはどうしたらいいかと考えるかもしれない。
こういうのが、世代を超えて読むことのできる本というのじゃないか。私の人生を支える存在と呼べるのじゃないか。

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2021年03月03日

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再読。
よかった。
生と死。子どもと老人。
亡くなった人へ届けられる手紙。
生きている人の再生。
千秋がポプラ荘の大家のおばあちゃんによって、生きる力を得て行く。そしておばあちゃんの死によって、再びそのことに気づく。

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2020年04月28日

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もうじき7歳の私は父を亡くし、母と小さなアパートに移る。そこには近寄り難い大家のおばあさんがいた。おばあさんは死ぬ時に預かっている手紙を死の国へと旅立った人に届けるという。私は父に手紙を書くことにした。

大人になった私が、当時のことを回想する形で書かれているため、アパートでの生活やおばあさんとのやり取りも、幼い心で感じたことと、その奥にあったできごとが並列して描かれています。とっつきにくく感じたおばあさんと心を通じあわせたこと、夫を亡くした母の心、母親の再婚に心を揺らす少年。みんなそれぞれに自分の道を行き、私とすれ違っていく。そして亡き父に手紙を書くことで、喪失から再生される私の心。おばあさんがそれを導いてくれたこと、母がそれを見つめていたこと。最後おばあさんの死によって新たに再生される心。静かに力強く迫ってきます。

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2015年07月20日

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いい話。静かで優しく、深遠な話。

ただ、私と元パートナーとの流産の話の部分は、唐突な感じ、やや付け足した感じがした

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2025年10月22日

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『ポプラの秋』は、静かだけれど強い感情が込められた物語です。読後には、誰かを想う優しさや、前を向く勇気について深く考えさせられました。
特に思春期の読者にとっては、「大切なものを失う痛み」と「それでも生きていく強さ」を教えてくれる一冊だと思います。

涙が溢れました

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2025年09月13日

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湯本香樹実さんの作品で1番好きな1冊。
子供の視点と大人の視点、それぞれの想いが優しく描かれていて、温かい気持ちになりました

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2024年06月11日

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私がおばあちゃんになるまで大好きだと言い続けるであろう「夏の庭」の湯本香樹実さん作品。
最近秋めいてきたので、よし!とページを開く。

夫を失ったばかりで虚ろな母と7歳の主人公の、ポプラ荘でのおばあさんや住人との交流。

「おばあさんがあの世に行く時に郵便してもらう」為に書き溜めた亡くなった父への手紙。

静かで、物哀しい雰囲気が漂うけど(秋という季節がそう思わせるのかも)、とても穏やかで優しい気持ちになる。不思議とすっと心が落ち着くような。好きだなぁ。

千秋に強迫性障害の症状が出た時(はっきりと書いていないけれど)、比喩表現に身に覚えがあり過ぎて、幼い自分と重ね合わせてしまった。
私も「家族に何かがあったらどうしよう、悪いことが起きたらどうしよう」という緊張から始まったような気がする。


焼き芋の場面好きだなぁ。焚き火の煙の匂いを思い出した。もう少し寒くなってから読んでも良かったかもしれない。
ああ、もうすぐ大好きな秋本番だな。

夏は「夏の庭」、秋は「ポプラの秋」。季節の節々で湯本香樹実さんを読み返したくなるんだろうな。

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2023年09月18日

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読後に心が暖かくなる物語。

心に深い傷を負った母娘の、再生の物語だ。特に娘の。
だから、当てもなく乗った電車で当てもなく降りた駅で、あのアパートに辿り着いたんだと思う。

深い傷を負った人間は、SOSのような何かを発しているのかもしれない。それは無意識のレベルで何かに共鳴して、何かに助けられる。
救済のなにかは、甘い言葉でもおためごかしの親切でもない。時には厳しいことだったりする。
その場しのぎでなんかではない、何か。

おばあさんはどんな人生を送ってきたのだろう。物語では深く語られることはなかったけれど。気になる。
きっと、人と人との出会いや繋がりを大切にしてきた人なんじゃないかと思う。一見大切にしているようには見えないけれど、その実大切にしてるんだ。それを相手も分かっている。

おばあさんが亡くなったとき、大勢の人々が集う。
わたしがもし今死んでも、集まる人はいないだろう。知らせてほしい友達もいないから。
そんな生き方をしている自分を、あらためて恥じた。

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2022年11月09日

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夏の庭以来二作目。

どちらもお年寄りと子供の交流を
優しく書いた作品で
どちらがいいかと聞かれるとなかなか甲乙つけ難い。

夏の庭はやってることが結構インパクトがあるので
印象に残りやすいかな。
こちらは細々したことはあるものの
長い人生を見続けた、という感じなので
穏やかな感じがする。

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2021年07月06日

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短編小説ではないが、短い小説だった。
私は、ネタバレなど、絶対言いたくない類の人間だ。
少なくともそれくらいの、デリカシーはあるつもりだ。
だから、ネタバレは言わない。
ただ、黙って最後まで読めばわかる、と言いたい。
父親を亡くした少女と、大家のおばあさんの関係が、
交通事故で、9歳の時に父を失くした私と、私の祖母を思い出させた。
祖母は、とても優しくて、大家のおばあさんのような、性格ではなかったが、
年寄りというのは、優しくて、包容力があり、子供を和ませるものだ。
私は、一癖あろうとも、自分が年を取った時に、子供に親しまれる老人でありたい。
読み終えた後も、ポパイのようなおばあさんの顔が、クシャっとなるのが
頭の中に映像を結ぶような気がした。

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2021年06月21日

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じんわり心が温まる、時間の流れが穏やかな小説だった。
悲しいことや寂しいことはあるけれど、急いで消化しなくていいんだよ、ゆっくりでいいんだよと言ってくれているような気がした。

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2021年01月20日

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ネタバレ

全体的に悲しいことの多いお話でしたが、おばあさんを中心としたポプラ荘の人たちの暖かさにほっとしました。
大事な人は生きているうちに大事しなきゃな〜

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2020年12月23日

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一気に読んだけれど、素晴らしかった。
人の痛みやどうしようもない辛さなどを掘り下げていながら、暗くならない。
なかなかないレベルで、なにも賞を取っていないのが不思議なくらいの完成度の高さだと思う。
おすすめしまくりたい本。

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2020年02月17日

Posted by ブクログ

胸の奥で眠っていた懐かしい思い出が、みずみずしくよみがえりました。

ポプラの木を眺め、おばあちゃんと焼芋をした主人公と、
自分が祖母と過ごした記憶が重なって、
ラストシーンに涙しました。
(私は、おばあちゃんっこだったのですが、亡くなってずいぶん経つので、最近では思い出すことも少なくなっていました。思い出せたことが嬉しかったです。)


幼いころの幸せの原風景。
おばあちゃんが自分の死に託したファンタジー。
心温まるストーリーでした。

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2019年10月26日

Posted by ブクログ

父を亡くした少女と、大家さんのお婆さんとの心の交流を描いた物語。
とても変わり者のお婆さんだけど、多感な少女の心に寄り添い、生きる力を与えていた。
今は少なくなった心の触れ合いが、心に沁みた。

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2025年04月17日

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夏の庭は中学生頃読書感想文を書くのに読んだことがあって、凄く好きだったのでそれからだいぶ経ちましたが他の作品も読みたくなり、ようやくこちらを読みました。家族愛や周りの人たちの温かい雰囲気が感じられ湯本さんらしいなと思いました。ただ凄く個人的なことですが私はそういったものに無縁だったため見ていて辛かったです。あと、千秋ちゃんの文章があまりに漢字が少ないので年齢より幼く感じられ、そこが少し違和感でした。

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2024年11月16日

Posted by ブクログ

生きるのが寂しい人がいるのだな、と思いました。
生きるのをやめてしまった人のことを思って、苦しむことはなくならないと思うけど、元気を出して、って声をかける以外のやり方で、そっとその苦しみを思いやることができるのだと思いました。
そうされた人は、苦しんでいる人の気持ちを、思いやることができるようになるんだな、と思いました。

生きるのは苦しいけど、苦しみを抱えているのに、周りの苦しみを思いやろうとする人がいるなら、明日、生きてみようかな、と思いました。

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2023年07月11日

Posted by ブクログ

子供の頃にそばで見守る大人は多い方が良い。
特に親がいない子供は安心できる大人が必要だ。
片親だとどうしても補えないものがある。
私がそうだった。
父の代わりは母にはできない。
母の代わりも父にはできない。
どんなに愛してくれたとしてもどうしようもなく本人ではないのだ。

大家のおばあさんはうってつけだったと思う。
家族ではないがいつでもいてくれる存在。
小さな子供にとってどんなに心強かったことだろう。
おばあさんは本当に色んな人に秘密を実行していた。
私はそれが主人公にだけ話していた嘘でも良いと思っていた。
色黒の悪者のポパイの様な顔をしたおばあさんの優しさ。
最後のおばあさんの『落ち葉を掃いておくれよ』に表れる信頼関係が良かった。
オサム君との関係も良かった。
現在の主人公が不幸そうなのが残念だった。

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

 ゆったりと静謐な時間が流れる作品。映画化もされている。
 お葬式というのが作品を貫くテーマになっているが、決して喪失感が滲み出るわけではなく、むしろ過去の思い出が蘇ってきてむしろ明るい雰囲気すら持っている。
 日常生活のように慌ただしくドタバタする作品も面白いが、この作品のようにゆっくりとした雰囲気を味わうのも時にはいいものだと思う。

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2022年11月04日

Posted by ブクログ

幼くした父を亡くした子と母と、移り住んだ先にいた少し風変わりな大家のお婆さん。

「きっとまた、いい日が来る。だって私、まだ生きてるんだから。」

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

さらりと読んだ。

疲れ休め(ややこしい読書の後)にはもってこいの作者の資質。こういう癒し系の効用というところ。
ロバート・A・ハイラインの『夏の扉』しかり、スザンナ・タマーロ『心のおもむくままに』もそう。

ポプラの木を見に行きたくなった。

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い頃に母と暮らしていた『ポプラ荘』の大家のおばあさんの訃報。
そこで暮らした3年間を思いながら、千秋は居ても立ってもいられない思いで、ポプラ荘に向かう。

その頃、まだ7歳にもなっていなかった私=千秋は、交通事故で突然いなくなってしまった父の死を理解できず、得体の知れない不安や恐怖を抱えていた。
病気になった時、はじめ不気味でおそろしかった大家のおばあさんから、不思議な話を聞かされる。
おばあさんは、自分が天国へ行く時に持っていけるように、先に天国に行っている人たちへの手紙を預かっているというのだ。

それ以来、千秋はおとうさんに宛てた手紙を書いてはおばあさんに預けるようになり…


幼い頃の千秋の、脈絡のない心の震えは、忘れてしまっていたような、どこか記憶にあるような。
読み終えて、何かを思い出したような心地になった。これからきっと起こるに違いないおそろしい事に出くわさずにすむにはどうしたらいいのかと、ぐるぐる考えていたんだった。
今でも、その傾向は変わらないけれど。

『夏の庭』でも本作でも、それまで身近に感じたことのなかった血縁のない年長者との交流で、子供たちは心のなかに健やかな芯のようなものを得て、前を向いて生きる力を持つようになった。
人はみな、生まれた瞬間から死に向かって歩き始める、とよく言われる。
老いも死も知らないで生きるということは、自分もやがて通る道を知らないということ。
死への恐れは、逃れられない変化への恐れでもあるのかな…

『長生きすることのリスク』を無視することはできないけれど、生きることを楽しんでいる大人〜高齢者でいることで、年若い誰かに、“歳を取るのは悪いことばかりではない”と教えられるような歳の取り方をしたいものです。

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2020年12月10日

Posted by ブクログ

秋を感じたくて再読。
こんな話だっけ…?と思ったけど子供千秋の心の声に所々笑って、大人千秋の心の声にちょっと切なくなった。

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2020年11月10日

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