あらすじ
私は本を諦めない──今村翔吾初エッセイ集。
第166回直木三十五賞を受賞し、作品だけでなくテレビ出演などでも注目を集める著者の初エッセイ集。地元・滋賀の情報誌に連載された「湖上の空」を始め、新聞や雑誌などで発表されたエッセイ・書評などを収録する。
織田信長や石田三成など滋賀にまつわる人物のエピソード、文学賞の仕組み、年号について、季節の果物について等々、折々の話題のほか、作家を目指したきっかけや、自著に込めた思い、忘れられないヒーロー、少年時代の思い出、家族やダンスインストラクター時代の教え子との交流など、著者の素顔が見えてくる。
「人の評価がいかなるものであっても書き続ける。いかなる声も正面から受け止め、ただ黙然と書き続ける。一人でも多くの人に『面白い』と思って頂けるために」とは、デビューシリーズ「羽州ぼろ鳶組」の読者に向けたメッセージ。また、直木賞受賞後、新聞各紙に寄稿したエッセイも網羅する。
「たとえ誰が諦めても私は本を諦めない」
「たった一冊の本が、次の本との出会いを作り、揚げ句は書かせるに至り、一人の作家を作った」
「私に夢をくれた出版界を微力ながら盛り上げたい」
こうした著者の熱い思いが胸を打つ、必読の一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ご縁をいただき今村翔吾さんの講演会を聴かせていただく予定があり、今回こちらを拝読させていただきました。
今村翔吾さんのことがよくわかる素敵なエッセイでした。
生まれは京都ですが、滋賀に住むことを愛し、本を愛し、ご縁をすごく大切にする方だと感じました。
生い立ち、両親、兄弟、幼少期、転職、出会い、30歳に小説家を目指すようになるまでや直木賞受賞のことなど赤裸々に書かれてある。それはそれは今村翔吾さんの魅力がたっぷり詰まっており、一気にファンになりました。
私は歴史が学生の頃から苦手ですが、湖上の空を拝読させていただいて、今村さんの歴史・時代小説を読みたい欲が突如出てきました!不思議なものです。
今村さんは、「また新たな縁が、私の作品を強くする」とおっしゃってますが、私もこの本とのご縁、今村さんとのご縁を大切にしていきたいものです。
Posted by ブクログ
軽い話かなと手に取ってみたらエッセイでした。でもさすがエンターテイメントに優れていて傑物でいらっしゃるなと思いました。良い挿話がいくつもありましたが、直木賞にノミネートされた初年から自費で人力車を用意してて数年後とうとう受賞の場にそれ乗って行った話が本当によかった。
Posted by ブクログ
今村翔吾さんの作品は今まで読んだことがないのですが、作品からの先入観なく作家さんが何を考え、どんなことをしているのか知りたかったのでこの本を手に取りました。
それに、歴史作家といえば、年上で年配の方というイメージだったので、自分より若い、歴史小説を書く方にとても興味がありました。
本との出会い。
作家になるきっかけ。
賞を目指す気持ち。
直木賞にノミネートされること。
直木賞を受賞すること。
他の作家さんとの交流。
執筆について。
膨大な歴史の知識。
好きな本のこと。
作家としての今村さんがとてもよくわかり、楽しかったです。
全国的に書店の数が減っていることに関して、
「毎日数多くの本が出版され、書店員さんも多忙を極める。それでも夜なべしてポップを作ったりしてくれる書店員さんがいるのは、やはり皆本が好きだからだろうし、本の可能性を信じているからではないか。この業界に足を踏み入れらそれは本に携わる全ての人の思いであると感じている。そんな中、一作家の私に何が出来るだろうかと考えた時、詰まるところ、これからも良い本を書いていくことが一番なのだろう。」
本好きとしてはとても嬉しい言葉で、本に携わり、良い物を届けようとしている人たちのためにも、やっぱり私は本を買い、本を読み続けようと思います。
Posted by ブクログ
主に今村さんの生い立ちや作家への転身について語られたエッセイ集。あちこちに掲載されたもののまとめなので、繰り返しは多い。彼がどういう人かは全く知らなかったので、なかなか興味深かった。加茂台で育って、中高は奈良で、今は滋賀のどっかですか。近いやん!
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今村翔吾氏がなぜ小説を書き始めたか、彼の根底には何があるのか。
今村翔吾氏の著書で時代小説にハマったのもあって、初めてのエッセイを読みましたが面白かったです。
作家さんのことを知ると、より小説が楽しくなるのを実感しました。
まだまだ、読んでいない今村翔吾氏の小説は沢山あるので、楽しみたいと思います。
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歴史・時代小説作家、今村翔吾先生のエッセイ本
本との出会い、小説を書き始めるまでの経験、そして直木賞受賞までが赤裸々に綴られていて、なお一層気を引き締めて、著書の一言一句に込められた想いを読みとりたくなりました
コレは今村ファンは絶対読むといいと思うのに、あまり書店で見かけないのと、時代小説とエッセイ本がリンクしなさすぎて見逃されやすそう
本屋さんで、ぼろ鳶組シリーズ等の文庫と一緒に棚に置いて欲しいな
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今村先生、滋賀が大好きなんやなというのが伝わった。
今村翔吾についてちょっと詳しくなった。
先生は太陽みたいな人だなあと改めて感じ入った。
これで今村先生単独で出されている本コンプした。やったぜ。
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先日滋賀にプライベートで初上陸した。今村氏の居住地であるということと歴史的に興味深い街ということで大津を中心に回ったが実に心地よい街だった。その旅の中で本作を購入(実際に買ったのは京都だが…)。
エッセイはあまり読んでこなかったが、至る所に滋賀の香りがして旅の後の作品としてはピッタリだった。脚色もあるのだろうが過去も現在も物語のような人生を歩んでいるなと感じた。なるべくして作家になったという感じ。今村氏が作家を始めた歳が今の私くらいの年齢だが、これを読んで私でも出来るとは残念ながらならなかった。
ここ2年間で一番読んでいる作家であり、まだまだ未読も多い。今後も面白い作品を書くだろうというのは疑わないし、非常に楽しみ。
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冒頭、滋賀県のみなさんはじめまして…の一文で滋賀県育ちの私は速攻でレジに並んだ。
小説はまだ読んだ事はないけれど、近いうちに手に取るだろう予感はしている。
そして北方謙三先生カッコいいです。
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全く知らなかった今村さんのあれこれ。車で全国お礼行脚に出ておられたのは知っていましたが、その途中でも心温まるお話があったようで、読んでいて嬉しくなりました。なかなか深い人生を送っておられるようで、作品の深みに納得できてしまいます。北方謙三先生にがぜん興味がわきました。これからも応援したいな、と心から思います。私は「八本目の槍」が好き。
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湖上の空/今村翔吾をつくるもの/自著を語る/
本を読む/受賞のことば/直木賞を受賞して/あとがき
今まで読んできた作品から受ける印象と変わらないイメージのエッセイが読めて何だか嬉しくなった。
前職で活動中の映像を見てみたい気もするし、見なくても構わない気もするし。たまたま目にすることがあれば ふふふです。
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じんかんを読んだ時から、はまっている今村翔吾さんのエッセイ。書く事が好きなんだな。
エンタメが好きなんだな。プロだな。熱量を感じる。
余談ですが遠い昔、宮部みゆきさんのレベル7を読んで、宮部さんに、はまった幸せな記憶が思い出されました。
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私の大好きな作家、今村翔吾先生の初のエッセイ集。
これまで作者のことを漠然と知っていましたが、この作品を読んだことで、新たな発見がたくさんあったのとこれからも作者の作品を読んでいきたいと改めて感じました。
そして、作者のこれまでの人生を知り、意外な一面と共感できる部分とよい意味で自分とは違う一面も知ることができました。
その中で一番感じたのは、人との思いや人とのつながりでした。
それが作者の作品の根底にあることがよくわかりました。
作者の時代小説を通して、こんな今の時代だからこそ大事にしなければと思うのでした。
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敬愛する今村翔吾さんの初のエッセイ。
全体的にはさまざまな媒体に寄稿したエッセイを一冊にまとめたもので内容の重複の連続という冗長したものになってしまっていますが、筆を取るタイミングで機微があり面白いものでした。
冒頭は滋賀への愛が溢れる内容で滋賀県出身の身としては嬉しい本です。
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この方の小説は読んだことがないのに、エッセイから先に読んでしまった。
色んなところで話されたり書かれたりしているものをまとめられているので、話の内容が重複してる。そこがちょっと勿体ないというか…私のわがままなんですが(笑)
読もう。とりあえずどの作品からがいいのかわからないけど。
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今村翔吾が色々なところで書いた短編の寄せ集め。
同じ話が何度も出てくる。
直木賞の受賞による短編まである。
ある意味、残さず収録されているとも言える。
何より何故経歴が元ダンスインストラクターなのかが分かってスッキリした。
そういう意味では読んで良かったと言える。
今村翔吾が筆が早いのは確かだろうが、10分の隙間でも書くという姿勢もあるのだろう。色々、凄いよ、今村翔吾!
どんどん書いてもらいたい作家だ。
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「八本目の槍」、「じんかん」しかまだ読めていないけれど、独特の歴史小説を書く今村翔吾さんの人となりに興味があってエッセイ集を手に取った。
表題の「湖」は琵琶湖のこと。京都出身ながら、滋賀をこよなく愛し、滋賀在住に拘り続けているのだそう。
30歳の時に、ダンススクールの教え子から、「そういう翔ちゃんだって、夢を諦めてるじゃない」と言われて、一念発起して作家を目指す、という展開が素敵だ。
直木賞受賞の際に元カノから届いたメールもよかったが、全文公開して良かったのかしら。
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今、注目の歴史時代小説の作家のエッセイ。
まだ著者の作品はほとんど読めてないものの、
TVやYouTubeなど、メディア露出も多くて話も惹きつけられるところがあり、気になって購入。
多少話の内容が重複するところもありましたが、
あえてそのまま掲載されているとのこと。
おかげさまで、2025年は(個人的に)著者の作品を含め、時代小説にもハマりそうな気がしています。
Posted by ブクログ
直木賞作家今村将吾のエッセー。自身の半生を振り返り、ダンスインストラクターから小説家と転身に至った動機やきっかけなどが描かれている。単純にこう書くとサクセスストーリーで、華麗なる転身と思われがちであるが、まだこのエッセーですら、何処かその行間に苦労や葛藤がだいぶ抑えられているように思うのは、サラッとした文体のためか。
多少自身の作品の宣伝が多いと、ツッコミを入れたくなるが、解説自体は大いに助かる。
また午前7時に起きて、翌午前2時まで移動までの数分も無駄にせず文章を書いていくというスタイルには、やはり直木賞を獲るともなると、ここまでしなくてはならないかと驚愕である。
Posted by ブクログ
作家の素性と半生をかなり赤裸々に描いており、なかなか勇気を持って書いてあると思う。
生い立ちがなかなかハードで、執筆に影響されてるだろうことも理解できた。
作者の昔からのドリームストーリーだけではなく、滋賀の魅力や影響を受けた作家のことも書かれている。
Posted by ブクログ
今村将吾先生の小説家になるまでの過程が書かれていました。
幼い時から本が好きで、むさぼるように読みあさっていたそうです。
その背景があるからこそ、直木賞を取るよう作品が書けたのでしょうね。
自分も本が好きで大学生の頃から現在にいたるまで絶えず読んでいますが、賞を取るほどにはならなくても良いので何か小説を書いてみたくなりました。
この本は、そう思わせてくれる本でした。
Posted by ブクログ
滋賀県が気に入り、京都から住まいを移した直木賞作家の著者が、地元紙への連載と、様々な雑誌や新聞に寄稿した短文を収録したエッセイ集。
著者の、滋賀県愛がたっぷりと綴られている。
Posted by ブクログ
今村翔吾氏の初エッセイ集。
小説家は豊富な知識と経験が物を言うと思う。小説の中に豆知識、風習や事の起源など、色んな事がさらっと書かれてたりする。
著者が、ダンススクールの講師、埋蔵文化財調査員、作家という変わった経歴を持つ事は知っていたけど、家庭の事情、家族との関係など初めて知ることも多々あった。そんないろんな経験があったから、どの作品の登場人物もとても魅力的で、読んでいるといつしか今村ワールドに惹き込まれるのだろう。
私がこの歳になって歴史小説に興味を持つきっかけになったのは『じんかん』。これからも著者の作品を追っかけていきたいと思う。