小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
映画「ライ麦畑の反逆児」がおもしろく、サリンジャー関連でそういえばこの本持ってたと思い出して再読。(初読のとき感想書いたかな?と思って本棚内検索したら、わたしは2007年から感想書きはじめていたようで、2003年出版のこの本は出てこなかった)。
最初に村上春樹氏による「キャッチャー・イン・ザ・ライ」訳者解説を読んだら、「ライ麦畑の反逆者」のストーリーがよりよくわかって、さらに細部が補完される感じですごくよかった。村上氏は、サリンジャーは戦争体験がショッキングすぎて小説にすることができず、「キャッチャー~」は書かれることのなかった彼の個人的な「戦争小説」かもしれない、ということを書いていた。
で、結局全部再読してしまい、村上氏と翻訳家の柴田元幸氏の対談も隅から隅までおもしろかったんだけど、特に印象に残ったのは、「キャッチャー~」が読み継がれているのは、イノセンスを礼賛しているからではなくて、『人々が巨大なシステムを前にしたときの恐怖や、苛立ちや、絶望感や、無力感や、焦りのようなものを自然に呑み込み、ユーモアをもって優しく受け入れてくれるから』というところとか。あと、『イノセンスに代わるものは必ずあります。たとえばそれは愛情です。広義な意味での愛情。』というところとか。
あと、柴田先生が「キャッチャー~」をアメリカ文学史のなかに位置づけるために書いた「Call me Holden」もすごくおもしろくてためになり、「アメリカの息子」とか「ハックルベリーフィンの冒険」はやっぱり読まないといけないかも、と今さらながら思った。 -
Posted by ブクログ
私が必要としていた言葉がたくさん見つかった。
今この瞬間も起きている愚かで不条理で納得のいかないことと、愛おしくて満ち足りた日々の一瞬一瞬を、どう共存させたらよいのか。どう考えれば納得いくのか。それは妥協のようにも聞こえるけれど、戦争体験者がもがき苦しみたどり着いた真理だと思う。決して諦めではなく、この瞬間を生きることに集中するということ。
「美しい瞬間をながめながら、われわれは永遠をついやす」
素晴らしい作品で、私のベスト10に入りました。
もう一度読もう、原書も読もう。
日本に生まれ育った自分としては、ドレスデン爆撃を広島の原爆と比較して語られることにモヤっとするけれど、伊藤典夫さんの後書きでそれはのみこめた。死者数ではなく、そこにあった一人一人の美しい瞬間に目を向けることを忘れないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
「自分が求めていた安心」をこんなにも包み込むように与えてくれる人が現れたら、好きになってしまうのも当然だと思いました。
読み進めていく上で、主人公の奥深い気持ちを知るほど、2人の恋愛は誰も踏み込んではいけない2人の世界のように感じます。
何かに囚われながら束縛されて、自分の気持ちのままに恋愛ができないことは、とっても辛くて苦しいこと…! 恋愛は、自分の自然な気持ちと向き合いながら進んでいくものだと思うからこそ!!
籍を入れているかどうかに関係なく、これからの未来2人が生涯一緒に幸せに暮らしていると願いたいです。
P149 新しいものがいつも美しいとは限らない
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いや〜面白かった!
主人公は杏ちゃん。結婚詐欺師の叔父と一緒に暮らしている女子高校生。
そして、この本の物語は、その結婚詐欺師の叔父に騙されてたことに気づいたキヨエさんが、杏の家に来たことから始まる、2人の、たった1週間の、一夏の、旅の物語です。
この本、物語がずっと面白かった、というよりかは、最後のしてやられた感。これが、読後の感想をより一層「面白かった!」にさせてくれています。
「きっとあなたも騙される。」
って言葉が、しっくりくるんじゃないかな。
物語全体の印象としては、すごく読みやすい。疾走感や爽やかさもある。
計画性のない旅、突如起こる旅のトラブル。それらをその場その場で対応していくからこそ、サクサク進むけど、先が読めない。
だからずっと「これ最後ってどうなるんだろう?」「綺麗に終わる?」って思いながら読んでいました。
そして読後、思ったことは、人って分かり合えなくていいのかも。ということ。
つい意見が違うと、説得しようとなりがちで、分かってもらえないと、もういい!と突き放しがち。
でもどちらもする必要はなくて。
否定も肯定もせず。タイミングが重なれば、一緒にいて、一緒に何かして。何かが違えば離れるだけ。
うまく説明できないけど、人間関係って、人って、色んな一面があるけれども、そして色んな一面があるからこそ、もっともっとさっぱりしてて良い。そんなことを考えさせてくれた本でした。
いや〜、、、
これ人にオススメしたいなぁ!
そして騙されたもの同士、感想を言い合いたい!笑
そんな本でした! -
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吉本ばななと宮本輝の対談集。温かい雰囲気で、素敵な時間だったのだろうと思われる。
宮本輝の温かい言葉が並べられたあとの(あとがきで本人は言葉を省略していることを反省しているけれど)、吉本ばななの鋭い一言に何度も考えさせられた。きっかけをもらって、その対談とは全然違うことを考えることも多かった。
吉本ばななが「世界中のひきこもりのような感じの人に『あなたの本を読んで救われた』と言ってもらえるんです」と述べているとおり、生きづらさを抱えながらもがんばって生きている人たち(私を含む)にとって、吉本ばななの職人のようにコツコツと救いを届けるための本を書いてくれる人がいることは、非常にありがたいと思う。 -
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ネタバレ宙が実母と暮らし始めてざっくり高校卒業するまでのお話
ごはんを通じて、家族の身勝手な事情に振り回されて傷ついた人たちが立ち直っていくエピソードが5本ほどある。
どうしてこんなにもと思わされるような自己中心的な人間が毎回出てきてそのたびに心がざわつかされた。
家庭トラブルは人それぞれで傍から見たら実にくだらなく感じるけど当事者にとってはまさに人生を左右する問題であって逃げ場がなかなか作れない。宙の人生の要所要所で自分だったりそんな境遇の人たちに出会っていくが、そういう場面を見るたびに家族というもっとも小さな社会単位の大きさに圧倒された。
そんな事情を持った人たちに料理とともに寄り添うことで立ち直るきっかけを与える過程に希望があり、毎話毎話良い読後感を感じながら読み進めてた。
各話の間の出来事がどれも少し重くて救いがないなと思うけどその分、宙や母の花野の成長が際立ってたと思う。
各エピソードで感情の上がり下がりを感じたジェットコースターのような作品だった。 -
Posted by ブクログ
ラングドンシリーズはこれまで全作読んできたので、新作が出たと知った瞬間に迷わず購入。上下巻で5000円超えには「高っ!」と思いましたが(笑)、やっぱり買ってしまいました。
今回のテーマは「意識」と「脳」の秘密。こういう題材は一歩間違えるとスピリチュアルな話になりそうですが、それを科学的な視点から解き明かしていくところがとても面白く、なるほど!と納得しながら読み進めました。
そしてダン・ブラウンらしく、冒頭からいきなり衝撃的。実在するプラハの場所や施設が物語に組み込まれているのも魅力で、読んでいるうちに「ここ、本当に行って自分の目で見てみたい!」という気持ちに。
歴史や科学、謎解き、実在する場所が次々につながっていくワクワク感は、やっぱりラングドンシリーズならでは。
上下巻の長さを感じさせず、最後までワクワクの連続でした。
映像になったら、あの場所やあの場面がどう描かれるのだろう。映画化される日が今から楽しみです。
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