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Posted by ブクログ
先に『傷を愛せるか』を読んでから手に取った。要するに、ちくま文庫から再刊された順に読んだことになるが、この本のほうが、著者が若い頃に書かれたものであるので、『傷を愛せるか』よりも、著者の揺れや戸惑いがストレートに感じられる。内容はアメリカ在住の日本人たちのメンタルヘルスであり、エスノグラフィの形式で書かれている。「あとがき」(pp219-226)で著者が述べているように、一九八〇年代後半から一九九〇年代初頭にかけて接した人々を、一九九〇年代後半から二〇〇〇年代初頭にかけての連載で振り返って書かれたものなので、流れた時の分、著者のなかで、かつて接した人々(やこの世を去った人々)が抽象化され、より深みのある記述となっている気がする。著者は「まだまだ一年もののワインのよう」(p226)と謙遜しているけれども。
Posted by ブクログ
『傷を愛せるか ちくま文庫(増補版)』に惹かれて、『トラウマ ( 新潮社)』を時間を掛けて読み込んできた、宮地尚子先生のストーカーです。
精神科医であるからなのか…宮地さんの文章には、独特の魅力がある。
一つ一つの言葉を大切に、全体の話の流れを構築し、自分自身の体験として美しくまとめ上げて行く。
それは、読者から見ると「読みやすい」し「印象に残る」と言う効果として現れる。
現代のボストンに住む日本人が、この頃と同じとは思えないが、精神的には同じことが繰り返されているのだと思う。
(インターネット技術の進歩で、電話がチャットになり、手紙はEメールに変わったとは言え)
環境も整備されるようになって頼れる場所も増えたかも知れないが。
ひとつの社会を出て、別の社会に暮らすことがヒトの心に与える問題の多くは変わっていないのではないか。
発行されることの無かったハンドブックも見てみたかった…な。
また、時間をかけて、澄んだ視線で、周囲・患者さんと対峙した宮地さんの心の記憶を読ませて頂けるのを楽しみにしています。
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