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傷とともに生きる人のための、こころのケア論。 SNSの多様化、リモートワークの波及、デジタル社会の加速――。人と人との距離感が変わりつつある現代では、誰もが多くの「傷つき」を経験する。自分と他者はなぜ傷つき合い、それはどのように癒やせるのか。トラウマ研究の第一人者が、現代に特有の「傷つき」の背景を分析し、「レジリエンス」「エンパワメント」「ポスト・トラウマティック・グロウス」など、数十年培ってきた専門的知識を初めて私たちの日常生活に落とし込んで解説する。
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Posted by ブクログ
薄く、文字が大きく、読みやすいのは「ハードルを下げて届いてほしい人に届けるため」なんだろうなぁ。内容はざっくりとしているながら、「傷ついている」という心に寄り添い、シンプルかつ普遍的な内容を書いていると思う。すごくいい本で、今の私に本当に必要な本だった。
色々思うところあった。よかったすごくよかった。優しかった。 みんなそうだから安心してって言葉をもっと細かく自分の言葉にすること。
久しぶりの宮地尚子さん。 薄くて読みやすい。イラストも可愛い。 「どうして誰かに話を聞いてもらうと楽になるのか」や、無傷で生きるのは不可能という「傷つきの練習」の話、人間の残虐性の話も興味深かった。 「安全な場所に、共感性をもった相手といることで、気持ちの整理がついていく」 たったこの短い一文。...続きを読む 子どもにとってのそういう場でありたいとわたしは思って過ごしていたんだなと、ストンと思ったし、そういう誰かにとっての他者になるべく勉強しているんだなと思う。 ・よい聞き手に出会うことが出来たとき、「傷つき」体験によって喪われた他者への信頼感を取り戻すことが出来る。 ・聞き手からの共鳴や共感をとおして感じる「私はひとりではない」という感覚は、回復の過程においてとても効果のある薬になる。 の文も印象に残った。 難しいけど。
とても読みやすかった。傷つくことなく生きることはできないけれど、傷ついても回復することはできる。大切なことに気付かせてくれた心強い一冊。 自分も知らないうちに誰かを傷つけないよう気をつけたい。
最近気に入って繰り返し聴いている米津玄師の「がらくた」という歌を思い出します。 壊れていても構わないと謳う米津玄師 傷つき、傷つけることは避けられない…傷とともに生きる。 無条件に許すことではない、自分も痛みを知り円熟していく 明日も頑張ろうという気持ちになります。
1.読みたくなったキッカケ 読書会の課題本になったため購入。 これまでこういった内容の本には触れてこなかったため、新しいジャンルの本を読むきっかけとしてもいい機会だと思った。 2.著者の紹介 一橋大学大学院教授。精神科医の医師として臨床を行いつつ、トラウマやジェンダーの研究を行っている。 3.本...続きを読むの構成と読みやすさ 「2時間で読める教養の入り口」とあるように、非常に読みやすい内容。 かといって、内容がスカスカとかいうわけでもなく、著者の考えがコンパクトにまとめられているように感じだ。 構成としては、序盤で傷つくとはどういうことかをまとめ、終盤で、その癒し方をまとめている。 4.本の序章のまとめ 過去と比べて、現在では傷つく際の環境が変化している。具体的にはSNS等の普及により、コミュニケーションのあり方が変化したため。 常時スマホを手元に置いておくため、気持ちは常に緊張している。 このような、心のあり方を巡る環境に変化が起こっているため、気持ちの余裕がなくなってきている。 5.暮らしに役立つ内容 「セルフ・コンパッション」について。 コンパッションとは、思いやりや慈しみという意味。つまり、自分を責めないことや、自分を褒めること。 例として、子どもが独立した女性。夫と二人暮らし。息子たちからは好きなことをしていいと言われているが、これまで家族の世話しかしてこなかったため、これといった趣味もない。息子や孫たちを気にかけるたびにうっとおしがられている気がする。 このような事例でも、セルフ・コンパッションにより、これまで家族の面倒を見てきて、子どもたちをちゃんと育て上げた自分を褒めてあげる。 自分にご褒美をあげることは自分を甘やかすことである、というネガティブな感情は持たない。 自分に適切にご褒美をあげることはとても大事なこと。 ショックを受けたり、傷ついたりした時には、ちょっと美味しいものを食べにいくといったご褒美を自分に与えてあげる。 6.最も大切な内容 傷(トラウマ等)を抱えた人たちは、自分の心が狭いから、自分の心が弱いからと、自分を責めてしまいがち。 なので、自分だけでなく、人間が普遍的に経験することだと理解することが回復の大きな手助けとなる。 傷ついている人たちには、「その状況に置かれたら、自分でも同じように感じると思う」など、共感を持った言葉で寄り添うことが大切。 7.おすすめの理由 課題解決に重きを置いている人にとって、特におすすめできる本。 大なり小なり傷ついている人は自分の身の周りにもいる。そのような人たちに対して、自身の考え方を変えないといけないなと感じたのは、その傷ついている原因を取り除いてあげようとしか考えてこなかったことだ。 そうじゃなく、共感して寄り添ってあげることが大切だと、読んでいて感じた。 確かに、何か相談事に対して、その原因を探ろうとしたことにより相手と衝突してしまったことが思い出される。 多分、そういうことじゃないんだろう。 これまで、自分の生き方として、何か問題が発生した際には、まず課題を探り出し、その解決に向けてどうすればいいか考えることを優先にしてきた。 それは自分が傷ついた際にも同じで、どうして傷ついたのか、この傷つきを解消するためのベストな方法は何か、ということを考えるようにしてきた。 ただ、自分がそうだからといって、他人もそうだとは限らない。 共感するという考えを自分の中に入れておくことにより、明日からの自分の考え方が多少なりとも変わるかもしれない。 傷ついている人に共感し、寄り添ってあげるだけでなく、自分自身の傷つきも周りに伝え、一緒に共感してもらうということも必要なのかもしれない。
環状島ーー崖の様な高い島ではなく、内側に海を溜めたドーナツ型の島をモデリングして、内海で溺れた多くの人々が環の上に避難して身を寄せるーーというモデルが興味深かった。 考えないために「歩く」という行為が推奨されているものの、「歩く」ことによって思考がキマってしまうタイプがいて…みたいなの、私がそのタ...続きを読むイプなので納得しましたね。
自分が傷ついたことばかり考えていたけど、読んでいて相手を傷つけていた事にも気付いたし、自分や他の人のケアの仕方も少し分かったように思う。
傷つくことと、傷つけること。それらは通常ネガティブなイメージを伴うものだが、本書を読むとそれらからすら人は学び、成長し得るのだということもわかる。また、トラウマや傷、そしてそれらを抱える人たちは多種多様なので、一様な最適解などないこともわかる。SNSに良い使い方と悪い使い方があるみたいに。
2時間で読める教養の入口というキャッチフレーズのシリーズ。1時間で読める。トラウマ研究および臨床の第一人者の著者の書なので、事例みれられ、分かりやすく、しかもツボをきちんと押さえられている。もう少し深く学びたい人は著者の書に進めば良いと思う。著者のトラウマ理解のモデル、環状島も出ており、このモデルは...続きを読む当事者と支援をするものにっって非常に理解しやすいモデルである。まやトラウマはコミュニケーションエラーから起こり、そしてコミュニケーションの回復から起こるが、現代的なコミュニケーション、オンラインとリアルという「二つのコミュニケーション」への言及もされている。特にコロナ禍以降、この状況が広がっており、社会問題にも至っていると考える。オンラインでは現時点ではリアルほどルールがない中ではそれぞれ自信が気をつけるしかない部分があるが、ある程度、社会的なルール作りも求められてくるのではないだろうか。
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