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作家デビュー50周年に放つ、物語愛に溢れる大傑作
キング史上最も美しいラストに涙せよ
狙撃を実行したが結局、司直からも依頼人たちからも身を隠す羽目になったビリー。しかもたまたま、潜伏する家に転がり込んできた若い女性アリスを助けることになってしまった。
いったい何が起きているのか。依頼人は何を狙っていたのか――。ビリーは殺しの仕事の真相に近づくべく、策を練りはじめる。しかし、追い出すに追い出せないままのアリスをどうすればいいのか。執筆途中の小説も気にかかる。物語は急転回から加速して、ビリーの運命は思わぬ方向に動き出す!
事件の真の目的と黒幕とは!? 先読み不能な展開の末に、キング史上最も美しい名場面が――。殺し屋史上最高にカッコいい男の罪と罰、贖罪と復讐。そして物語を読むことと紡ぐことへの愛。巨匠がついに生み出した最高のクライム・ノヴェルに、震撼せよ。
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Posted by ブクログ
狙いを外さない殺し屋が、悪党だけを始末してきた自分に区切りをつけるため、最後の仕事は“作家”として潜伏する物語です。
原稿用紙に向かううち、過去の戦場や殺しの記憶が物語になって立ち上がり、クライム小説がいつの間にか「書くことで生き直す話」へ変わっていくのがたまらなかったです。
狙撃の緊張と、郊外での地味な生活、偶然出会う他者の痛みが同じ重さで描かれていて、乾いた暴力の匂いと、ふと差し込む優しさの温度差で何度も飲み込まれました。
反面、道中は寄り道も多く、展開が都合よく転がる瞬間もあるし、著者特有の長尺には体力は要りましたし、上巻の前振りの長さに少し退屈さを覚えました。
しかし、下巻での回収は素晴らしく、読む手が止まりませんでした。
Posted by ブクログ
凄腕の暗殺者が最後の仕事として請け負ったのは、200万ドルという破格の報酬の仕事。ただし暗殺のチャンスが巡ってくるまでに時間がかかる。それまでに町の住人として馴染んでおくという準備期間も含めた報酬。仮の仕事は駆け出しの小説家。どうせならと自伝を描き始める。彼の過去と現在が並行して語られていく。いつもと違うスタイルの仕事に、違和感もあり警戒しながら、偽装の日常生活を送る主人公。生き生きと描かれた日常生活も魅力的だ。読者としても、あぁ、このまま暗殺なんて起こらず、このままの日常が続けば良いのにと思ってしまう。(それでは小説にならないのはわかっているのだけど。)とても面白かった。
Posted by ブクログ
長かったー。2段組の小説なんて久しぶり。細かい描写が多すぎてもっと文字数減らしても話の筋は通るのでは…と上巻の最中は思ったけれども、下巻からはハイスピードで物語が進み始めて読む手が止まらなかった。あの上巻じれったくなるご近所さんとの平和な日常や子供たちとの時間は下巻への伏線だったと、今なら分かる。
物語の背景では、アメリカの所得階層と生活レベルがよく分かるし、銃とドラッグが合法的な文化ならではの不幸もよく読み取れる。トランプとメディアのことも。
スティーブン・キングの作品は初めて読んだ。心に残る作品だと思う。しばらくじっくりと余韻に浸りたい。隅々にまで本当らしさを感じる作家だと思う。悪人を殺すスナイパーは、大部分は善人で本人も自分は悪人であることを知っていて葛藤しながら、善くありたいと望む姿が人間らしく素晴らしく感じた。
壮大なる殺し屋のストーリーだった。
Posted by ブクログ
下巻の要約は本書カバー見返しに書かれてあるとおり。追われる身となり潜伏中のアパートで、ビリーはある雨の夜、男たちから酷いことをされた女の子アリスを助けてしまう。
仕事の残りの支払いはされず、傷ついた女の子を追い出すわけにもいかず、ビリーは身動きを取りづらい状況に追い込まれるが、自分をはめた連中、そしてアリスを傷つけた男たちへの制裁に、ビリーは仕事の相棒バッキーの手を借り、動き出す。自伝の続きを執筆しながら。
さて、ここから少しネタバレモード。
ビリーが助けた女の子アリス。21歳になったばかりというが、見た目はティーンエイジャーにも見える美少女。アリスといえば、キングの作品では『セル』に登場した勇敢で聡明な少女だ。お世辞にも成功した作品とは言い難い『セル』において、一つの希望のような存在だったアリス。絶望的な状況を切り開いた彼女はしかし、物語の中盤で命を落としてしまう。このことは多くの読者を失望させ、キング自身も「失敗した」と感じたんじゃなかったけ…。とにかく、「アリス」という名前のヒロインに私はある希望を見出さずにはいられなかったのです。キング先生、今回はアリスを殺すなよ、と。
そして、もう一つ、キングファンのお楽しみ、いや、ニヤリと笑うか、心がざわつくか。
バッキーノ住まいというのがコロラドの山中。しかも、山道を登った先の見晴らしの良い場所からは、あの「展望台ホテル」の焼け跡が見える。さらに、バッキーの山小屋のすぐ上にある〈夏別荘〉と呼ばれる小さな小屋には、不気味な絵が。子どもが描いたと思われるその絵は、オーバールックホテルの庭園にあった動物のトピアリーを描いたものだった。しかもその絵は見るたびに少しづつ姿を変え…。もう、いやな予感しかしない。
嫌な予感はもう一つ、ビリーとアリスが最後の敵を倒しに行く道すがら、ハイウェイで追い越して行った車の後部座席に乗っていたピエロ…。読者はいやでも「最悪の結末」を予感してしまうのです。
さて、ビリーの自伝は、最後にわれわれ読者にも思いがけないプレゼントを残してくれます。ええっ、こんなのあり…?!ていうか、そうか、その手があったか!とキング先生の手腕に快哉を送らずにはおられません。ノベル・イン・ノベルという構造を巧みに利用した構成に、私は救われる思いがしました。
上下二巻、今回もあっという間に読んでしまいました…。
Posted by ブクログ
2025年に読んだ本の中で、最も「読んでよかった」と思った上下2巻であった。
スティーヴン・キングというとホラーの巨匠、話題の映画化小説を何冊も生み出した大作家の印象が強く手を出すのに気遅れしていたが、こちらはこのミス2025年版海外編にランクインしていたため手に取った。
とても面白く上下巻一気に通読(あえて言うなら、ミステリーというよりはサスペンスのような?)。主人公が殺し屋ということもあってアリスを迎えてからの後半は映画レオンを彷彿とさせる部分もあったが、ビリーとアリスの別れ際の情景の美しさが目に浮かび、個人的にはこちらの方こそ映画の大画面で見たいものだと思った。上巻を読んでいるときはまさかこんな流れになるとは思っておらず、やたらビリーの潜伏生活が詳しく語られていて、まさかこれが下巻まで続くのか…?と訝しみながら残りのページ数を確認したりしていた。
ビリーが潜伏生活をするうえで作家として自分の半生を書き起こしていくが、それによってビリーの生い立ちだけでなく人となりが分かり、いつしかビリーに肩入れする気持ちが生まれる。そんなビリーがこの仕事を無事にやり遂げ、穏やかな余生を送れるよう願う気持ちがさらに読むスピードを加速させ、手に汗握らせる。それだけでなく、この物語の形式が結末にも関わるので、さすが巨匠が書くとこれほどまでに完成した作品になるのだなあと感服した。
Posted by ブクログ
読書備忘録915号(下)。
★★★★★
【再掲】キングですから。★の数は。
本作はスーパーナチュラルな要素のない普通のクライムサスペンス小説。
改めて、主人公は凄腕のスナイパーで殺し屋のビリー・サマーズ。
殺し屋家業を引退することに。
最後の仕事のターゲットは殺人事件で収監されている殺し屋ジョエル・アレン。
狙撃でターゲットを仕留めるビリーとして、いつどこで狙うか?
依頼者のニックから、裁判所に入る一瞬を狙ってくれと。
ビリーは小説家デイヴィット・ロックリッジとして裁判所が見下ろせるビルに事務所を構える。同じビルに働く若手弁護士、会計事務所の社員ともめちゃくちゃいい関係に。ランチとか一緒に!
住処は、落ち着いた住宅街。近隣住民の家族ともとんでもなく良い関係に。ビールとか一緒に!
しかし用心深い凄腕の殺し屋ビリーは、念のためニックにも明かしていないもう一つの偽名、IT技術者ドルトン・スミスとして別の地域で生活することに。
ビリーはここでもアパートメントの住民とちょ~良い関係に。鉢植えの水やりとか!
そしてビリー。どうせなら小説家として自らの自伝的小説を書いてみることにした。
小説を通じて、妹を父親に殺されたところから始まる壮絶な生い立ちが語られる。
この小説内小説が、この作品の大きな意味と役割を持つ。
上巻はターゲットを仕留めるまでの半年、小説家デイヴィットとIT技術者ドルトンの穏やかな生活と、自伝小説という形でビリーの生い立ちを描く。
そして、暗殺ターゲットの処理を無事終了。
そうです。まだ丸々下巻がありますよ。
物語はここからでしょう!
なぜ、すでに殺人罪で捕まって収監され裁判に掛けられる犯罪者を暗殺しないといけないのか?ターゲットだったジョエル・アレンは何を知っていた?
それがバレたらやばい黒幕がいるのか?ニックの背後に?
ということは、ビリーもジョエル暗殺を成功したあと消される!当たり前?
暗殺終了後ドルトンとして姿を消すビリー!
そしてアリス登場!
街のごろつきにレイプされ瀕死の重傷を負ったアリスをビリーが助けたことで運命共同体に!アリスを妹と重ねるビリー。アリスの回復に全てを注ぐビリー。
そして目的を果たすために動き出すビリー!
自伝小説の後半はどうなる!
下巻の内容は一切割愛!
最後の巻末解説より。
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犯罪者を描くクライム・ノヴェルへの愛着をことあるごとに語ってきたキングが、ついに最高の犯罪小説を生み出した本書の価値。
『ドクター・スリープ」以降の一気読みエンタメ路線からギアをひとつ落とし、低重心でじっくりと、小説的な遊びや技巧を凝らして、罪と罰、贖罪と復讐、そして物語を読むことと物語を書くことへの愛をも編み込んで書き上げた傑作と言っていいでしょう。
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自伝小説のエンディングと現実のエンディング。
そういうことですね。切ない・・・。
で、上下巻を並び替えて一枚の表紙絵に。と思ったら機能が無くなってる!
がびょ~ん!
と思ったら、Web版での機能は4/Eでお終いだけど、スマホアプリに機能を追加するから待ってろ!とお知らせに載っていた!
待つしかない!
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