【感想・ネタバレ】ミスター・チームリーダーのレビュー

あらすじ

勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それとも――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

序盤は薄情な筋トレバカの話かと思ったら、そこそこ深刻な部分に触れていく純文学でした。
ページ数も少ないので、余白が多い部分が、より一人一人の読者に振り返らせるような、一人一人のスピンオフを与えてくれるような物語でした。

無理はよくないよ。筋トレも人間関係も。

0
2025年08月23日

Posted by ブクログ

読書備忘録931号。
★★★★★。

繰り返します!
この薄さでこの満足!★5つです。

そして石田さんのテッパンネタ。
問題ありません。
マンネリでも大いに楽しめます!

主人公は大手リース会社、株式会社レンタールの社員。後藤。
最近リーダー(係長)になった。

そして彼はボディビルダー!(石田さんテッパン!)
JBBCという硬派な協会の大会にエントリしている。
階級は5kg下げた75kg以下級。
大会が近い減量期にも関わらず81kg界隈をウロウロしてしまっている!
やばいやばい。

主人公が所属するのは建設資機材課第2係。
建設業界の大手顧客が相手だ。
出社すると、机にちんすこう!とか、サーダーアンダギーが置かれている。
土産か。すッと横の机に動かす。小麦、砂糖、卵、ラード、揚げ、焼き・・・。
これは絶対にダメだ!
という感じ。

そして同僚。
課長はデブ。
野田は推定体脂肪率28%のデブ。
大島は推定体脂肪率35%のデブ。
執務のミエちゃん(おばさん)は推定体脂肪率45%のぽっちゃり。

どいつもこいつも使えない。
唯一の救いは菊池。体形はスッキリしており、仕事も出来る!

ボディビルという種目は、大会に向けて決まったルーティーンをひたすら繰り返すことが最も重要。イレギュラーを最も嫌う。
かたや、建設業界を顧客にしたリース業務。日々起こるイレギュラー。
使えない部下。自分が肩代わり!
秒で筋繊維が分解される!今プロテインを吸収しないといけないのに!イライラ!
減らない体重!
脂肪が減らない!脂肪が減らない!

仕事を回すために使えないデブの配置転換を提案する後藤。
組織として使えない脂肪が減った。仕事が回る!
あら不思議、体重が80kgを切る!

組織を筋肉質に!(良く言われる言葉)
自分の体脂肪が減り体重が減る!
連動している????えええええっ!

でもね。
脂肪って必要なんですよ。健康的に過ごすにはね。
疲労していく菊池(組織の筋肉)。

大会時のボディビルダーは体脂肪率5%以下。これって病気と隣り合わせ。
筋肉を作ることが前提なんですが、筋肉が無くても表面の脂肪を無くせばどんな細身の方でも鍛えているように見えるんですよ。
保健室の人形のように筋肉がむき出しになるのでね!

そして大会の結果は・・・。
後藤の係はどうなる・・・。

想像の通りです。笑
でも、来年は優勝するぞ!という明るいエンディング!

例によって、ジムの風景はホンマに良いよね。
最近ハック・スクワットをスミスマシンでやっているジジイ、ハック・スクワットのくだりはおおおおっ!ってなった。

面白かった!

0
2025年07月16日

Posted by ブクログ

ボディビルダー側から見えるカイシャの風景に思わず噴き出しながら読んだ。
しかしなかなか哲学的でもあり思わずうなったフレーズも多い。

P7 ボディビルでは本来順位をつけられない者に順位をつける。そのために必ず隣の選手と比較される。ボディビルも「自分との戦い」とはよく言われるが、後藤は決して、そうは思わなかった。それは、どこまでも、他人との戦いだ。

P21 仕事を断るデブって、何なんだろうな。

P22 なぜ筋肉の上に脂肪が乗って、その逆ではないのか。それは、筋肉は脂肪よりも、価値の高い組織だからだ。

P27 真に自分の身体というのは、自分の意思で動かせる範囲のことだ。筋肉は自分の意志で動かせるが、脂肪はその限りではない。だから太ることは自分を大きくすることとは違って、逆に自分を小さくすることだ。

P65 減量のコツというのは、以下に尽きる。ひたすら同じ生活に徹することだ。今日を昨日のコピーのように生きること。

P69 皮下脂肪はバカの脳味噌のように密度が小さいから、正規の動作に追従できず、タイムラグでブヨヨとなる。【中略】きっといまの自分は体脂肪なのだ。組織の意志に従わないから。

P89 この世に素のままで評価される人間はいない。「自分らしく」では第三者に認められない。人間のやることなすことで審美に値するものは、必ず作為的だと後藤は思う。

P125 そうだ。今回の半生を基に、今度はたくさんの人を集めよう。多少ポンコツだったとしても、弱ったチームをガッチリ、ムッチリさせるやつを。そして減量期(オン)になったらいらないやつから切る。自分の意志で動かせないやつから。あとは、今年は失敗したが、できるやつのメンテは決して怠らない。
「今年は心配マネージャーだったんです」
係の人は「ああそうですか」と言った。

0
2025年05月06日

Posted by ブクログ

おもしろい!
ぼくもライトなジム通いしてるのでなんとなーーく気持ちはわかります
自分に厳しくなると他人にもつい厳しくなってしまう。なんで自分は頑張ってるのにあいつはがんばらないのだろうと
本書は筋トレを主軸にそんな考え方をテーマにしていますがこれは筋トレに限らずついつい思ってしまいますね。

0
2025年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最高。面白すぎる。リース会社に勤める主人公・後藤は係長に出世する。彼はボディビルダーの選手でもあり、過酷な減量に取り組んでいる、という話。自分が体型にストイックであるために、肥満体型の同僚や部下がどうしても目につくし気に入らない……という話。減量しているからエネルギーが足りないのに、マッチョだから職場の引越しを手伝わされるのを見て、今の世の中、趣味で絵が上手い人に仕事の絵を描かせたり、趣味でホームページ作ってる人に会社のホームページ作らせたりするのはハラスメントな気がしてくるのに、趣味でムキムキな人には力仕事頼んじゃうよなあと思った。あと、後藤は太っている同僚が仕事中にお菓子を食べることを軽蔑しているけど、後藤も減量のために食事をこまめにとっていて、息抜きのための間食と、崇高なボディビルのためのこまめな食事、どちらも仕事中にほかごとをやっているという意味では同じで、なぜ前者のみ咎められるのかと問われたら確かにぐぬぬとなるなあと思った。

0
2025年10月02日

Posted by ブクログ

ボディビルをしている中間管理職後藤の理想を追求してやまない奮闘記
チームが締まれば己の肉体も仕上がる!?話

後藤は体脂肪率十パーセントのボディビルの選手
大会に向けて減量トレーニングに励むが肥満体型揃いの職場仲間から邪魔される
この飽食の職場は締まらなければならないと考え部内の人材の無駄に切り込み始めると、自身の体にも変化が見え始める
組織の代謝を上げると自身の減量もなぜか進む!?

ボディビルの選手が顔だけゲッソリしてることに今まで気がつかなった。
増量期と減量期があることも知らず身体のムキムキさだけみてた。

身体と組織をシンクロさせるとか発想が?はてなだったけど読んでみると
分かりやすく切り口が面白い。
後藤を見てみたい。

0
2025年09月13日

Posted by ブクログ

ー 後藤はデブが嫌いだった。自分の身体に対するリスペクトに欠けているから。自分の体型なんて、自分の意思で、どうにもでなることなのに。(P13)

ボディ・ビルダーである後藤係長。
脂肪は後藤係長にとって無駄なものの象徴。
筋肉と違って自分の意志で動かすことができない。脂肪は勝手気ままに振る舞ってただ身体にぶら下がっているだけ。

そして、使えない部下は脂肪のごとく無駄な存在。
あたかも脂肪を除去するように係から追い出し、引き締まった筋肉質の組織を作ろうとする。

後藤係長の奮闘の結果やいかに

苦笑いが止まらない小説。
不快に思う方もいるかもだけど、石田さんのこういうシニカルさ、僕は大好き。

早く芥川賞獲ってほしい

0
2025年08月22日

Posted by ブクログ

石田夏穂さんの作品は初めましてです。
身体を構成する筋肉と脂肪を、職場の組織とシンクロさせているところが斬新でした。
主人公の後藤は会社で係長を務めており、ボディビルの選手でもある。ボディビルの大会に出場するために無駄な脂肪を落とし、筋肉をつけることに執着するために、その考えが職場にも反映されていく
無駄な脂肪=役に立たない人材を排除していくことで、仕事がスムーズに進むように思えますが、本当に脂肪(ここで言う役に立たない人材を含めて)はいらないものなのか?という問いが突きつけられます。
組織の筋肉(仕事ができる人材)だけが残ると、その人材に負荷がかかり過ぎてしまう。
何事もバランスなんだろうなぁと感じた作品でした。

0
2025年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブランチで紹介されているのを見て面白そうだったので手に取りました。

主人公の彼は係長に昇進したばかりの新米管理職。
趣味で頑張っているボディビルの大会に向けて、2か月で7キロの減量中。筋トレはもちろん、口に入れるものもグラム数を計ってきっちり管理しながら1日6食。涙ぐましい努力を重ねています。
んな彼のチームは、お菓子ばかり食べているぽっちゃり系使えない人ばかり。デブの彼らにイライラし、次第に彼らを脂肪とみなし排除作戦に出ます。。

自分の体脂肪を減らす過程と、チームの働かないメンバーを脂肪とみなして排除していくことをシンクロさせて描いているのが面白く、自分の意志で動かせる筋肉を賛美し、動かせない脂肪をカットしていく、という考え方はツボ。
見た目に対する批評をしてはいけない時代ではあるけれど、怠惰で自分に甘いからデブになる、だから仕事もできない、という考え方には共感してしまうので、このブラックユーモア的な風刺が効いたストーリー、私は気に入りました。。

でも、読後は、体脂肪は0パーセントにできないし、そもそも必要なものでもあるし、社会にはいろんな人がいるからね、、と主人公に優しく声を掛けてあげたくなりました。

0
2025年07月13日

Posted by ブクログ

面白いです!最初から最後まで常に口元が緩んでしまう作品です面白いです✨

会社では係長、プライベートではボディビルの選手でもある後藤さんは無駄が嫌い。
社内でも私生活でも効率を求める男です。

そんな彼の迫りくる大会までの日数と係長としての葛藤が面白可笑しく描かれています!

特に後藤さんがストレスを受けると【ブヨヨ】とお肉が揺れる瞬間があります。
この時読者の私にも“あれ?今私のお腹も揺れなかった?!”と感じさせられました(≖ㅂ≖)


物語が体感を持って楽しめる1冊です✨
石田夏穂さんの作品は初めて読みましたが、これをきっかけに他の作品を読んでみようと思います!

0
2025年06月20日

Posted by ブクログ

主人公の後藤は、ボディビルの大会に出るために、あと二ヶ月弱で七キロ落とさなければならない。
会社では係長に任命され部下を持つ立場になったばかり。
今までは人に頼るより自分でやってしまった方が早いと、何でも一人で仕事をこなしてきたが、これからは部下を育て、動かす立場に。
後藤の脳内は、ボディビルのためのボディメイクと係長の立場がシンクロしてくる。
仕事のできない部下(不必要な脂肪)は削ぎ落とす!
自分にとっての理想の職場環境は、仕上がったボディと同じ。
でも、いらない脂肪にばかり目を向けていた後藤は大事な筋肉を育てることがおろそかになり……
ボディメイクのためのストイックな生活、自分に厳しいがために他人へも厳しくなる目、これらが飄々と描かれ、だからこそ面白おかしく、ある意味コントを見ているような感覚の1冊でした。
後藤さん、これからもボディメイク頑張って!

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

あまりにも[デブ]という言葉が繰り出される回数が多くて、クラクラしました。ラストは[そりゃそうだ]と[そうきたか]という2つの感想。面白いし考えさせられるし、なんとも言えない読後感でした。

0
2025年05月02日

Posted by ブクログ

かなり昔、太っている方は自分にも甘いと思うと言っていた友人を思い出した。

タバコも同じく、吸っていない人からすれば意思が弱く、酒も同じ構図だと思う。

また、チームについても、目に見えた成果を出さずとも、地味な仕事をする人も大事だし、優秀な人だけだと争い始めたりするので、などなど、ビジネス関係でなく、小説だからこそ突っ込めることが醍醐味だった。

0
2025年04月23日

Posted by ブクログ

自己管理のあり方を、他人にも押し付けてしまう主人公の思考。幸せな生き方ではないと思いつつも、共感できる部分もあり、複雑な気持ちに。

0
2025年03月02日

Posted by ブクログ

ストーリーは面白く、文章量も少ないのであっという間に読み終わった。
組織で働いている人なら誰もが「あるある」と思うような場面や、「いるいる」というようなキャラクターが出てきて面白いのだが、自分にも後藤のような一面や、大島やミエちゃんのような一面があるのかも…と、ブヨヨとさせられる。

以下ハッとさせられた引用。
「後藤はデブが嫌いだった。自分の身体に対するリスペクトに欠けているから。自分の体型なんて、自分の意志で、どうにでもなることなのに。」
「デブは総じて理解が遅い。自分の身体もコントロールできないやつに、ものを人並みのスピードで理解できるわけがないのだ。」

0
2025年02月27日

Posted by ブクログ

シニカルなお仕事小説。ボディビルの大会に出る係長の後藤。太っている部下や上司の描写が半端ない…。部下を脂肪のように不要だと切り捨てると、後藤の体重も減るんだけど、最後はまさかの結末でした。

0
2025年02月18日

Posted by ブクログ

身体のスリム化と職場の能力とか人員のスリム化。設定として面白いけど、んー…あまりにもその事に注視し過ぎて、偏った物差しやなぁと。
ま、仕事ができない、やろうとしないは頂けないけど。
でも全部切っていったら何も残らなくなりそう。

0
2025年10月27日

Posted by ブクログ

自分のいる組織のスリム化と、自分自身の身体のスリム化が連動する、という発想はなかなか面白いと思いました。
けど、会社組織の体脂肪(いわゆる使えない奴)は切って捨ててしまえばいい、という発想は担当レベルの発想で、中間管理職以上の人間の発想としてはいかがなものかと思われます。
また、体育会系の暑苦しい上司というのも個人的にはあまりいただけないなと思いました。

0
2025年10月08日

Posted by ブクログ

薄いのに、中盤からようやくエンジンかかって読み進めた。ボディビルダーの大変さとか体重と環境がリンクするのは面白かったけど、独りよがりすぎな主人公にはなかなか共感も笑いも起きないな〜。
(20250417)

0
2025年09月11日

Posted by ブクログ

大好きな作家さんの一人である。石田夏穂さんはいまでも一般職で働いている方で、その働く中でのあれこれを書いている「9.5時間、戦えますか。」というエッセイが毎回本当に面白い。天才だなぁと思いながら、早く本になってくんねぇかなぁと思っている。
今回の作品も、仕事や趣味でうまくいかない人が、あることをきっかけにそれらがうまく回りだすのだか…という話なので、「ケチる貴方」や「黄金比の縁」が好きな私からするとどんなアプローチなのか楽しみだった。
読んで思うのは、中編が多い作家さんなので、もう少し書いてほしいなと思うときがある。面白いからこそ読んでみたくなってしまう。でもまずはご自身の体を寵愛していただいて、健康に執筆活動を進めてほしいなという思いでいっぱいです。もっと読みたいですね。

0
2025年08月02日

Posted by ブクログ

「後藤が思うに「自分らしく」は、人が手を抜くときの常套句で、それを口癖のように唱えていたら、人間は最もヘナチョコな状態になってしまう。だって、この世に素のままで評価される人はいない。赤の他人に認められるために、誰しも懸命に努力するものだ。人間の価値はいつだって自分らしくを超えたところにある」

多様性の時代という言葉で自分らしさを簡単に片付けている令和では叩かれる文章かもしれないけど、心のどこかで、そうなんだよねとも思う。

頑張ってる人は自分らしさがどうのいう前に、今日も一生懸命働いている。

0
2025年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

体づくりと組織づくりをリンクさせているチームリーダーの話。
組織に貢献しない人材=脂肪、組織に貢献する人材=筋肉として、脂肪を排除することに躍起になるリーダー。
脂肪は落としすぎたらダメっていう結果になった訳だけど、リーダーは脂肪を許せるかな?
ケチる貴方と似てるなぁと思いながら読んでて、読み終わった後に同じ作者だと気付いた。

読む前はマッチョで優しいリーダーと仲間たちの話かと思ってたから、ブラックな面が全面に出ているリーダーにびっくりしたけど、否定もしきれずテンポも良くて読みやすく…
ストイックな後藤の一喜一憂にこちらも巻き込まれるのが気持ち良い。楽しい読書体験だった。

0
2025年07月18日

Posted by ブクログ

ボディービルにあまり興味は無いものの、怖いもの見たさなところはあり、その小説は珍しいのではと気になっていた本です。

相容れない事だらけだろうし、耳の痛いセリフが満載だろうし、何なら腹が立つだろうな。
と、わかっていながら読んだので、苦笑いしながら楽しめましたました。
ボディービルダーとお仕事がうまく掛け合わさっていると思います。

「自分らしく」はひとが手を抜く時の常套句。
これには少々ドキッとさせられてしまいました。

0
2025年07月06日

Posted by ブクログ

相変わらず淡々とシニカルで面白いが、
“社会生活と自分の身体が連動する”という本筋がケチる貴方と同じやないかーい、と感じてしまった。
ボディビルという題材、上記の展開等、
石田さんの作品がマンネリしているように感じる。
他の側面が見たい。

0
2025年06月23日

Posted by ブクログ

自分をしっかり律してコントロールできる人は凄いけど、みんなができるわけじゃないんだよな。怠けてるようにしか見えなくても、どうしてもできない事もある。そんな言い訳して自分に甘い自分だけど、気がついてるだけ良しとして。自分の常識を人に押し付けて勝手にイライラしないようにしよ。効率より塩梅。課長が1番大人ね。

0
2025年06月07日

Posted by ブクログ

ボディビルと会社の人間関係をうまく関連させて、無駄をなくす、削ぎ落とす、効率化を図ろうとする主人公の行動や発言が歯に衣着せぬもので面白かった。

0
2025年06月01日

Posted by ブクログ

自分がストイックにやってると、他人が手を抜いているように感じたりする。それって勝手に自分を追い込んで勝手にカリカリしてるだけなんだけど、それに気づけるかどうかで大分人間関係が変わってくるよなと。
体型の話が地雷の人は読まない方がいい。主人公がボディビルダーである以上は避けられないので。

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

岸辺露伴は動かない、に出てくる短編のRANに似た傾向の内容だった。RANは、ランニングマシーンに取り憑かれた男で、ミスターチームリーダーはボディビルに取り憑かれた男が主人公。

0
2025年04月10日

Posted by ブクログ

読みながら続きがとにかく気になる、何が起こるかわからない
自分に厳しいから他人に厳しいこんな管理職いやだ…
後藤にもボディビルの事情はあるけど、それと同じように他者にも私的な事情があるところまで気がつけない
なにも筋トレに拘らず、全能感は判断を狂わせてしまう怖さがあった
ずっと一人称の語りだから菊池が本当はどんな表情でどう思ってたのかあんまりわからないのがみそだよな

めっちゃ面白かったけど、行き過ぎてぬるっと現実に戻る、以外のパターンが読みたいかも

0
2025年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ボディビルの大会出場を目指してウェイトコントロールしている男性が主人公。
この小説がとにかく面白いのは、気持ちいいくらい体型至上主義なところ。
そのため、デブにはかなり厳しい。
「バルルルルン!」とか、「ブヨヨと全身で驚く。」とか、「デブなら動く機会になるからちょうどいい。」とか、コンプラ的には大アウトな文言が並ぶ。が、それが小気味いい。
(私自身全然スリムではないので、後藤の言葉に耳が痛い部分はあったが。)

どれだけコンプラに反した言動・思考でも、この本の中の正義は後藤にあるから、デブは悪だし、会社にとって使えない社員はチームにとってただの脂肪なのだ。ここまではっきりしてると本当に気持ちいい。

物語の中では、組織をシャープにするとそれに連動して後藤の体もシャープになっていく。なんて面白い発想。
最終的には、組織を削り過ぎてギリギリ制限体重下回ってしまうというオチ。
ほどよいバランスが大事なんだろうけど、後藤は全然めげてない。むしろチームも自分の体と同じように増量してから絞ろうとしてる。後藤の思考もヤバいけど、後藤が主人公だからしょうがない。

こんな時代にこんなお話を書けるのは石田さんだからだろう。ケチる貴方もおもしろかった。身体にまつわる話を書かれることが多いのかなーと思ってネットのインタビュー記事を読んでみたら、この小説の読み方が深まったのでオススメです。

0
2025年02月21日

「小説」ランキング