【感想・ネタバレ】ミスター・チームリーダーのレビュー

あらすじ

勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それとも――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

女性のボディビルを書いた「わが友、スミス」の主人公と、男性のボディビルを書いた本書でこんなに主人公の性格が違うのか!というのが衝撃的だった。
男性ボディビルダーの主人公の他者(デブ)を見る目の辛辣なこと辛辣なこと。
脂肪=無駄なもの、というストイックな考え方が、現実の自分の会社のチームにまで及び、ついには自分の肉体にまで影響を与えていくっていうのはなかなか面白いなと思った。
最後、まぁうまく行かないという結末だろうなとは思ったけど、痩せすぎて失格、しかもそれに対しての主人公の帰結がいろんなやつを(チームに)入れよう、まではよかったけど、そしてそのあとにいらないやつは切ろうって繋がっていったのには思わず笑ってしまった。全然反省してない。というか主人公における反省というのは優秀な奴はちゃんと労わろうっていうところだけで、これは、すごいなんというか、それでいいのだろうか?と思っちゃうような物語だった。
いや、これじ石田夏穂!肉体を書かせたら右に出るものはいないって感じで大好きなんで面白かった。

男性ボディビルは女性ボディビルとは同じところもあるけど全然違うものなんだなぁと思った。
そして、この主人公は私は人間的に好きじゃねぇなって思いました笑
お前はチームリーダー失格だよ!

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最高。面白すぎる。リース会社に勤める主人公・後藤は係長に出世する。彼はボディビルダーの選手でもあり、過酷な減量に取り組んでいる、という話。自分が体型にストイックであるために、肥満体型の同僚や部下がどうしても目につくし気に入らない……という話。減量しているからエネルギーが足りないのに、マッチョだから職場の引越しを手伝わされるのを見て、今の世の中、趣味で絵が上手い人に仕事の絵を描かせたり、趣味でホームページ作ってる人に会社のホームページ作らせたりするのはハラスメントな気がしてくるのに、趣味でムキムキな人には力仕事頼んじゃうよなあと思った。あと、後藤は太っている同僚が仕事中にお菓子を食べることを軽蔑しているけど、後藤も減量のために食事をこまめにとっていて、息抜きのための間食と、崇高なボディビルのためのこまめな食事、どちらも仕事中にほかごとをやっているという意味では同じで、なぜ前者のみ咎められるのかと問われたら確かにぐぬぬとなるなあと思った。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブランチで紹介されているのを見て面白そうだったので手に取りました。

主人公の彼は係長に昇進したばかりの新米管理職。
趣味で頑張っているボディビルの大会に向けて、2か月で7キロの減量中。筋トレはもちろん、口に入れるものもグラム数を計ってきっちり管理しながら1日6食。涙ぐましい努力を重ねています。
んな彼のチームは、お菓子ばかり食べているぽっちゃり系使えない人ばかり。デブの彼らにイライラし、次第に彼らを脂肪とみなし排除作戦に出ます。。

自分の体脂肪を減らす過程と、チームの働かないメンバーを脂肪とみなして排除していくことをシンクロさせて描いているのが面白く、自分の意志で動かせる筋肉を賛美し、動かせない脂肪をカットしていく、という考え方はツボ。
見た目に対する批評をしてはいけない時代ではあるけれど、怠惰で自分に甘いからデブになる、だから仕事もできない、という考え方には共感してしまうので、このブラックユーモア的な風刺が効いたストーリー、私は気に入りました。。

でも、読後は、体脂肪は0パーセントにできないし、そもそも必要なものでもあるし、社会にはいろんな人がいるからね、、と主人公に優しく声を掛けてあげたくなりました。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

趣味のボディビルに精を出す主人公の会社生活を主軸に、ボディービルディングにおけるボディメイク(筋肉と体脂肪)と、職場におけるチームメイク(仕事の出来るやつと出来ないやつ)を重ね展開される作品。トレーニングを重ねて体脂肪率を下げていく=怠惰な同僚や気の利かない事務の女性を切ってスリムなチームを目指していくことであり、そこに達成感を覚える主人公の後藤。本番に向けて身体を絞っていく過程で立ちはだかる様々な困難を乗り越えて最終的に臨んだ計量では、逆に階級の下限を下回り失格になるという結末。身体でも組織でも、多少の体脂肪は必要というメタファーか。
帯には「朝井リョウ絶賛」「爆笑と感嘆」の文字が躍り期待させられたが、少なくとも爆笑はなく、主人公の抱える焦燥感にヤキモキ、周囲の怠惰な同僚たちに憤りを覚える、なかなかクセが強く、あまり読後感の良いとは言えない小説だった。

上手いなと思った表現メモ;
p.72 (地方勤務で各地を転々としていた頃は日ごとに筋量が減り、大会では予選落ち。毎日決まったものを食べて同じジムでトレーニングをして同じ時間に寝る、生活環境を整えて初めて身体づくりが出来るということについて)ビルダーとは全般に都会の生き物である。前に「野生児」云々と言われたが、ビルダーほど「自然」から遠い人たちを、後藤は他に知らなかった。

p.122 (頼りにしていた部下の菊池が会社を辞めることになりチームメンバーがいなくなるとき)筋肉のメンテを疎かにしちゃ駄目だよ。そうだ、自分は何度もそう言われていたのに。筋肉は脂肪と違って儚い。少しでもメンテを疎かにすると、あっという間にいなくなってしまう。

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2025年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

体づくりと組織づくりをリンクさせているチームリーダーの話。
組織に貢献しない人材=脂肪、組織に貢献する人材=筋肉として、脂肪を排除することに躍起になるリーダー。
脂肪は落としすぎたらダメっていう結果になった訳だけど、リーダーは脂肪を許せるかな?
ケチる貴方と似てるなぁと思いながら読んでて、読み終わった後に同じ作者だと気付いた。

読む前はマッチョで優しいリーダーと仲間たちの話かと思ってたから、ブラックな面が全面に出ているリーダーにびっくりしたけど、否定もしきれずテンポも良くて読みやすく…
ストイックな後藤の一喜一憂にこちらも巻き込まれるのが気持ち良い。楽しい読書体験だった。

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2025年07月18日

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