【感想・ネタバレ】デミアンのレビュー

あらすじ

ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、真の自己を求めていく過程を描く。

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ネタバレ

自分自身に達することこそが、人間の真の目的であるという主張に感動した。この世には自分を偽りながら生きて、自分がわからなくなっている人々が沢山いる。そんな時、孤独が自分と向き合うきっかけになり、ひとを成長させるのかもしれない。
また、幼少期のシンクレールが二つの世界を持っているという場面にすごく共感できた。家庭と学校とでは世界が全く違うんだよな。

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2025年11月02日

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文学国語の問題集にあって、気になって読んだ。

後半になるにつれて難しい言葉は増えるが共感できる内容が多かった。

人間関係、考え方の差異など私達が生きる中で通る道を別の視点から追体験できる本。

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2025年09月04日

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ネタバレ

幼年時代に属していたのは道徳的で明るい、アベルの世界。クローマーはそれと対照的な闇の世界にシンクレールを引き込むが、本当の意味で対照的なのは、そのクローマーからシンクレールを救ったデミアンの、カインの世界なのか。
デミアンの神は、善と悪を併せ持つ神。道徳的でないものを排除するのではなく、清濁併呑のアプラクサス。平和に道徳的に生きるアベルと違い、カインは来たるべきものに備え、必要とあらば平和から人々を追い出す準備をしていた。そのカインのしるしをもつ者は、新しいもの、孤立したもの、来たるべきものを自然に受け入れる準備がある。その準備とは「私たちのめいめいがまったく自分自身になり、自分の中に働いている自然の芽ばえを完全に正しく遇し、その心にかなうように生き、不確実な未来がもたらすいっさいのものに対して、準備をしておくようにすること」
最初は、道徳的な明るい世界しか知らなかった少年が、そうではない別の世界を知って、価値観の葛藤を経て(つまり思春期反抗期を超えて)世界を広げ、成長する話かと思った。生まれ出ようとする鳥は世界である卵を破壊するために戦うように。でも最後は、自分が自分として生きることができるように、っていう話なのかな?と思った。自分らしく、ということは、いわゆるよくない面も含めて自分として受け入れることで、そこがデミアンの世界、アプラクサスとつながる?
エヴァ夫人は結局何を象徴してるのか?
最後にシンクレールは自分の中にデミアンを見るようになるけど、つまりデミアンはシンクレールの闇の部分だったってこと?(デミアンはデーモンと同根らしい。)
人間は人間になりつつある存在。自分になりつつある状態。シンクレールは最後にデミアンを回収して、明暗併せ持つ自分になっていったのだろうか。
カインのしるしをもつもの、の意味がわからない。特殊な人々の話になっちゃうから。

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2025年08月05日

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Demian
Hermann Hesse, 1919

ヘッセの「デミアン」は誰もが聞いたことのある一冊、意外と短いので同じような少年、青年にも読んでほしい。読みたかった。
じっくり、急がず成長する。100年経っても普遍的な物語。

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2025年08月06日

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こんなにも心を動かす本は稀で、
古典と呼ばれるような一冊からどれだけ未知に触れたのか、
若いうち、発育の真っ只中でこの本に触れられて本当に良かったと思える本だった、
少なくとも個人的には。
シンクレアの魂の成長というものを俯瞰して眺めたその中で、
自分の道に従う人生を知った、道からは逃れられないという残酷さも。

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2025年06月12日

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音楽は道徳的でないから好きだ。そして、神と悪魔を兼ね備える神が私には必要だ。そうシンクレールは言う。

シンクレールは、幼少期から、明るい世界と暗い世界を行ったり来たりしながら自己について葛藤し悩み苦しんでいた。そんな時出会った、少し大人びたデミアンによって少しずつ導かれていく。時にはデミアンを離れ、堕落しながらも、心のどこかにデミアンがいた。

鳥は、殻を破り外に出ようとしている。その絵をシンクレールは描いた。誰なのかわからない愛する人の絵を、何度も書き直し、その絵は少女ベアトリーチェにも見え、デミアンの母にも見え、デミアンにも見え、シンクレール自分自身にも見えた。

結末を読んで、デミアンはシンクレールにとって鏡のような存在だったんじゃないかなと思った。デミアンとの対話を通じて、自分自身と話してたんだ。

誰かの存在を通してしか、自分自身はみることができないから、だから安心するのだと思う。シンクレールも、クナウエルという臆病な少年と接する時は、デミアンのような役割を果たすようになる。でも、デミアンの前だと、クナウエルと同じような態度に戻ってしまうのだ。ぼくをみつけてくれたの?って。やりとりがオーバーラップしていた。そして、デミアンの母の登場。

「そうです。人は自分の夢を見いださねばなりません。そうすれば道は容易になります。でも、たえず続く夢というものはありません。どんな夢でも新しい夢に代わられます。どんな夢でも固執しようとしてはなりません」

ここが、いちばん刺さった。デミアンの母が、シンクレールに言った言葉だ。

上手くいくかわからないけれど、自分自身の夢を生きようと思った。この本を読んで、なんだかふしぎと、背中を押された。

もがきながら生きて、ひとは少しずつ夢を新しい電池に交換しながら、原動力に、報われない、でも理想だけは失いたくなくて。信念とか、ゆずれないものが、あって。

この本は、職場のベテランおばあさんにおすすめされた本。「むかしはね、この本を読んで、青年は強くなったものよ」と。

なにか、行動したくなる本だった。

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2025年09月17日

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『われわれは互いに理解する事はできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことができない。』

本書を読んだ動機はアニメ「Ave Mujica」で主人公の豊川祥子が、社会の歯車に狂わされ、選択を迫られた際に本書を読んでいた描写が存在したからです。

本書では、はしがきに書かれている、冒頭に書いた一文が全てを物語っています。『アプラクサス』という神、すなわち自分自身の心に存在する意志に従え、さすれば何事にも覚悟を持って挑めるだろう、というところでしょうか。

キリスト教圏の絶対的な世界で、密かに神は居ない、自身の内から湧き出る衝動こそが従うべきものだという反キリスト思想に目覚めた主人公シンクレールの物語で、多くの物語が聖書から引用されます。(偶然キリスト教についてある程度知見を持っていたのでついていけましたが、何も知らないと度々調べることになりそうです)

物語が進む中で、シンクレールはデミアンとピストーリウスという友人と出会い、その中で内なる意志である『アプラクサス』を知るに至ります。この境地に至った人のみぞ知る『アプラクサス』という存在が神秘的かつ異端にならなければ知ることの無いワードという中二感溢れる存在でとてもわくわくしました。

『鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという』

そして、内なる衝動を知り、それに従うことはそれ即ち形骸化した社会の変化を望み、また時代の変遷における覚悟を持ち得ることだと知り、最後には時代の転換点である戦争に赴くところで物語は終わります。

自身を知ることが社会を知ることに繋がり、そしてそれを変える覚悟を持つものこそが、時代を進めるにふさわしい。とても力になる話で大変面白かったです。

最後に余談ですが、冒頭で述べたAve Mujicaのキャッチフレーズは『信じられるのは、我が身ひとつ。』
苦しい時こそ、自分を信じて覚悟を持つことが世界を変える為のきっかけとなるのです。

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2025年03月24日

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少年から青年へと成長する過程での宗教的・哲学的葛藤が、非常に精緻に描かれた作品。主人公の内面を深く掘り下げる心理描写と、彼に影響を与える人物たちの台詞が、全編の大部分を占めている。哲学的で難解な内容ではあるものの、薄い文庫本なので意外とすんなりと読めた。簡単な哲学書を一冊読破した気分になれるので、知的な「お得感」を求める読者にはお薦めしたい。
ただ、凡人の私からすると、主人公に強いシンパシーを感じることはなかった。ここまで自分の内面に向き合い、深く掘り下げる人間がいるのかと興味深く読み終えた。

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2024年12月30日

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ネタバレ

カインやアプラクサスなど、宗教に関する言葉はあまり理解できなかった。しかし明るい善の世界、暗い悪の世界の狭間でどう自己を突き詰め、生きていくかが大切だと本作を通じて理解はできた気がする。
「鳥は卵の中を〜」などの名台詞が多くあったが、理想は選ばず、運命は用意して待つものだということをデミアンが語っているシーンがお気に入り。

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2024年11月13日

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感想を書くのが難しい。哲学書寄りだが、小説の域を超えていないのがこの作品の魅力のように感じる。やはり少年時代特有の複雑な心情を描き出すのが抜群にうまい。読者は主人公と一緒にそれをなぞりつつ、各物語を共に体験し、共に考えることで、一緒に成長しているような気分になってくる。そういったさまざまな自己形成の段階を重ね、最後は生きていくことに対して一つの自信、指標のようなものを得られる。これは小説の読書体験として不思議で、そこがとてもユニークで魅力的に感じた。
どうしてこんなに巧いんだと、恐ろしく感じるくらい繊細かつ的確な心理描写で、没入感がすごい。

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2024年08月13日

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第一次世界大戦に巻き込まれていく中、母国ドイツに対して反戦を訴えたことで社会的な批判を浴びたヘルマン・ヘッセ。初めて、自己の内面の追求というテーマに正面から取り組み、自身の罪に悩めるシンクレールに、罪を悪か善かで二分すること以外の選択肢を与える存在としての友人デミアンが、人生を通して関わってくる。夢の分析に傾倒していたヘッセの思考がよく反映されており、デミアンに似た女性、エヴァ夫人との現実での体験は超体験として新鮮に映っている。当時のヨーロッパの青年に大きな影響を与えたとされる短編小説。

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2024年01月03日

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中学3年生のとき、父に手渡されたヘッセの『デミアン』。それからずっと、もうほんとうにずっと、私はデミアンの面影を追いかけている。
文庫は父から引き継ぎ、わたしの本棚にある。高校1年、2年、3年、大学1年…毎年読み返した。(父がそう読んでいて、年々感じることが変化していった、と言っていたから)
本当に大好きな小説。もろてをあげておすすめ!大大おすすめ!というのはなんだか違うかもしれないけれど、もしこれを読んでくださっているあなたが国語の教科書に載っていた『少年の日の思い出』に魅了されたのなら、ぜひ読んでほしいです。

わたしの方は、そこからウテナを見て(お察し…)

サンタ本

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2024年01月22日

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心を病んでいた時に読んだので心苦しくなる場面も多々ありましたが、デミアンの言葉やシンクレールの移り変わる心情が所々で私の救いになりました。
また読みたいな。

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2023年11月23日

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ヘッセの本はあらかた読んだが、個人的にはこの作品が一番引きが強かった。

見栄のためにホラ話をしたのがきっかけで秘密を抱えたシンクレール少年は、デミアンという転校生に助けられる。そのデミアンとの接近が、シンクレールの自立と自己の深淵を覗き込む動きを間接的に手助けし、彼は思想的にも成長していく。
最後の方は少しスピリチュアルすぎる感もあるが、だからこそタイトルが「デミアン」なのだ、という感じのある印象的な終わり方。

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2023年09月09日

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われわれが一度きりの人間以上のものでないとしたら、われわれのだれもが一発の銃丸で実際に完全に葬り去られうるのだとしたら、物語を話すことなんか、なんの意味も持たないだろう。しかし、すべての人間は、彼自身であるばかりでなく、一度きりの、まったく特殊な、だれの場合にも世界のさまざまな現象が、ただ一度だけ二度とはない仕方で交錯するところの、重要な、顕著の点なのだ。だから、すべての人間の物語は、重要で不滅で神聖なのだ。だから、すべての人間は、とにかく生きていて、自然の意志を実現している限り、驚きと注目とに値する。すべての人の中で、精神が形となり、生物が悩み、救世主がはりつけにされているのだ。

すべての人間の生活は、自己自身への道であり、一つの道の試みであり、一つのささやかな道の暗示である。どんな人もかつて完全に彼自身ではなかった。しかし、めいめい自分自身になろうと努めている。ある人はもうろうと、ある人はより明るく。

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

裕福で光しかない世界に産まれた少年が密かに闇に憧れを抱く。嘘の悪さ自慢をしたらシンクレールに脅されて1時不幸に陥ったが転校生の年長者で神学校にいながらも聖書の内容を先生が教えるものと反した解釈をする不思議なデミアンに救われた。その後主人公はデミアンに惹かれっぱなしだったがある日デミアンが思考の深みに入った時から話さなくなり高校生になった。高校生になってから主人公は酒を飲んだり途中デミアンと出会ったもずっと堕落していたが途中自分にとって神と言えるような少女を見つけ絵を描き神と名付けピアノ奏者に出会い別れてからまた元に戻った。その頃にデミアンと再開し、デミアンの母と出会えた。母は主人公が信仰してた絵の女性そのものだった。そこからゆるやかに3人の生活が始まるがある日デミアンがまた深みに入りその数日後に戦争が始まることになる。シンクレールももちろん徴兵されて弱った状態で爆撃にあい土の中で暫く放置されていた。テントに帰り治療を受けていると隣にデミアンがいて母がデミアンにしてくれたキスを新クレールにもしてくれたが寝て起きるとデミアンではなく知らない兵士だった。


一つ一つの描写が綺麗で、導く者、導かれるもの、悪と善の対比、デミアンの神聖さ、読心術、爆撃の時の幻覚、読んでて楽しい。最後はシンクレールの幻覚でデミアンもシンクレールも死んでしまったのかな。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

かなり哲学的であり、宗教的でもあった。集中して読む必要がある。自分にはやや難しく感じたので、数年後また読みたい。ヘッセの描く思春期の少年の葛藤や苦難がやはり好きだと思った また、ヘッセ自身はこんなにも自己と向き合っていたのかと驚かされる。

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2025年03月28日

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 自分の理解の範疇を超えた意見を受け止められるような人間でありたいし、過去に幸福や逃げ場を探し続けるのはやめようとも思った。
 文章については、直訳が多いのか比喩が多いのか、私の読解力が足りない故か、まわりくどく分かりにくく感じてしまった。翻訳者のバイアスがかからないように訳すのも素敵だけれど、翻訳者の解釈も混じった文章も魅力的なのになと思った。

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

前半は幼少期の承認欲求から生まれる、大人になってみればなんでもないような、いわゆる「黒歴史」からの偶然の脱却。そこからズルズルと「自分とは」を現代人とは異なるアプローチで追求していく。他と交わっては離れ交わっては離れ、追い求めては突き放し、読者誰にでも通ずるようで、どこか気持ちの悪い不思議な作品。途中何度も読みながらぼーっとしていかんいかんと思い直しながら読んだけど、実際読み方はあれくらいがちょうどいいかもしれません。

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2023年03月13日

Posted by ブクログ

つらい
後半になるにつれどんどん辛い
読み終わりこのドヨンとした気持ち
また読み返した時はどんな気持ちになるのだろうか

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2023年02月19日

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デミアンはエーミールの生涯をかけての理想とする人物で、遂には理想を果たせたか、果たせなかったかは分からない。
物語で、デミアンに出会ってからそれ以降はずっと理想を貫くことに邁進し、如何なる障壁があろうとも極めて禁欲的に、自らの理想をベースとして物事を対処していた。
だが、序盤に書いてあるが理想に向かって一途に向かうのは非常に困難だと語っている。
デミアンに出会った直後は幸福だっただろうが、デミアンを理想に生きているエーミールは理知的で感情的になることはなく、修行をしている過程を見ているようだった。
「理想」この言葉は心の枷となり、自らを縛り付ける罰のようであると同時に、憧れや希望を抱き、理想に向かい専一に努力する勇気を与えてくれる。
この本を読んだ所感としてまず挙がったのが、「理想を貫くことは幸福に繋がらないのでは。」ということだ。
理想というのは内面の話であり、現実的に捉えると自分のやっていることに利益があるかと問われたら無駄と感じる。「こんな風になりたい」と思ったところで、感情で満足感を得るようなモノに一体なんの価値があるのだろうか。
理想というものは意識的に掲げるのではなく、自らの行動を分析し、無意識的に好んでいる物事に関して考えることにより、自然と見えてくるモノであると思う。
理想は自己啓発本を読んで「よし、これから頑張ろう!」と意気込んでその通りに行動していくのと一緒だ。
ここでの問題点は、刹那的なモノに対して信頼を置いてしまうということだ。
昨日の自分が明日と同じ感情で過ごしているか。表面上の理由だけでは努力をするに値しない、と行動を起こせないだろう。
感情は信頼できない。理想を掲げて進む行為は重荷にしかならないだろう。
2023.1/26

「ぼくたちはしゃべりすぎる」……「利口なおしゃぺりなんかまったく無価値だ。まったく無価値だ。自分自身から離れるだけだ。自分自身から離れるのは罪だ。人はカメのように自分自身の中に完全にもぐり込まなければならない」

「アブラクサスは、神でも悪魔でもある神だった」

「音楽は、いたって道徳的でない」

「火を見つめたまえ、雲を見つめたまえ。予感がやって来て、きみの魂の中の声が語り始めたら、それにまかせきるがいい。」

「われわれ自身の中に宿っているものを憎んでいるのだ。われわれ自身の中にないものは、われわれを興奮させはしない」

「だれでも孤独のつらさをいかほどか感じなければならない。もっともたいていの人はそれに耐えることができないで、すぐにまたこそこそとはいこんで行くのだが。」

喪章 カインの物語 回教徒 温床 不染懐胎 小心翼々 ノヴァーリス一巻 拝火教
デミアンとはダイモーンであるのだ。

火を眺めよう……
2023.5/3

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2024年05月03日

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ウワ難儀 でも家柄も仕事も信仰もあらゆるものは自分にただ付随しているだけ 運命を自分以外の事象に見出すのではなく自分の中に運命を見出してそれを生き抜くこと 自分にとっての最善を絶えず考えていきたいと思わせてくれる本だった シンクレールは賢く純粋で時として愚か 彼が善にも悪にも簡単に揺れ動き 心を波立たせる姿が やけに共感できてしんどい場面もあった

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

弱みを握られて怯えるあたりはすごく心情や情景が分かりやすかった。デミアンが登場してよりこの小説に惹かれた気がする。主人公シンクレールが彼や、彼の母に惹かれる気持ちはよく分かる。デミアンとの出会いのお陰で彼は彼自身の心の闇と光と向き合えた、そんな青春〜成年へ〜なドイツ文学。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

p96までで断念。
デミアンが出て来たところくらいから述べられる、物事に対する考えが、少し面倒だなあと思ってしまい読みにくく。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

10歳の少年シンクレールが、明るく正しい父母の世界と、漠然と憧れていた暗い悪の世界、この明暗2つの世界を揺れ動きながら、年長の友人デミアンとの出会いにより自我を求めていく成長過程を描いた小説でした。

正直なところ、翻訳された文章に手こずり、私には少々難解な小説となってしまいました。結局ストーリーを追うばかりで、シンクレールやデミアンの心の動きをつぶさに感じとることが出来ませんでした。明暗2つの世界、自我の確立など、哲学的な内容であったにも関わらず、翻訳が原文の直訳なのか原文に書かれているであろう比喩的表現の翻訳が読み難く、内容が十分に伝わってこないのは残念でした。テーマは誰もが成長期に経験する内面的な苦悩を描いたそれなりに興味深いものだったとは思うのですが、遺憾ながら翻訳された文章の理解に苦労しました。

また、おそらく宗教的なものが作品に影響していると思うのですが、その予備知識があれば少しは理解の手助けになったのかなと思います。

例えば、「カインのしるし」について。旧約聖書のカインとアベルの話は知っていましたが、それでもデミアンの指摘とカインのしるしの本来の意味とどう関係するのか理解できませんでした。そして、「明暗2つの世界」について。信仰する宗教の教義に則した行動しているときが明るい善の世界、教義に反した行動をしているときが暗い悪の世界、ということかと思いましたが、信仰するその宗教のことがわからないと、2つの世界あるいは各々を半分の世界と表現するほど大袈裟なものなのかと思ってしまいました。

善と悪と2つの世界を経験することは、成長過程で普通のことだと思いますが、育った環境のせいなのか、普通のこととは考えられず自己確立への成長過程にあるシンクレールの深層心理が比喩的表現をまじえて描れていたのなら、翻訳された文章からそれを読み取れなかったのは残念です。

この小説を賞賛する多くの人たちが、この翻訳された文章を十分に理解されているのだと思うと、私の読解力不足を嘆くばかりです。

さて、読んでいていちばん心に残ったのは、牧師を目指した音楽家ビストーリウスがシンクレールを励ました次の言葉です。

「きみはときどき自分をふうがわりだと考え、たいていの人たちと違った道を歩んでいる自分を非難する。そんなことは忘れなければいけない。火を見つめたまえ、雲を見つめたまえ。予感がやって来て、きみの魂の中の声が語り始めたら、それにまかせきるがいい。それが先生やおとうさんや、いずれの神の心にかなうか、お気に召すかなんて問わないことだ。」

これには、ちょっと心に感じるところがありました。

長い間にわたって読み継がれてきた素晴らしい小説なのですから、私の読解力不足は棚に上げてしまいますが、もっと分かりやすく読みやすい翻訳本が出ることを望みます。

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2025年07月31日

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時代背景や国は違うものの、青少年が自己について葛藤する姿には、エネルギーや焦燥感のようなものが混じった何とも言えない気分にさせられる。

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

宗教的、哲学的でだいぶ難しかった。でも所謂哲学書を読むよりは、小説なのでトライしやすいかもしれない。私は主人公みたいに色々深く考えるタイプではないんだなと思った笑

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

難しい作品だった。
もう少し私の内側が成熟した時に読んだら、
また見方が変わるかもしれないな、とおもった作品

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2024年11月06日

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ネタバレ

感想と言われると難しい、宗教というか、信仰というか自分の信じるものに傾倒する主人公の心情をつぶさに描いている。

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2024年09月03日

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善悪、明暗、自他。
二元的に背反するものを超越した先に真理を追い求め、自我を懸命に模索する少年とその葛藤が、印象に残った。
宗教、哲学の色が強く、難解な箇所も多いが、再読したいと思える作品。

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2022年05月06日

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