ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • すべて真夜中の恋人たち

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    静かで胸がじんわりする物語だった。
    川上未映子さんの描く情景はなんでこんなに胸を打つんだろうか。同じ女性だからだろうか。
    私とは生き方も環境も違うのに、でもなぜだか彼女の考えていることを私も考えたことがあるし、わかるのだ。
    はじめと最後で、彼女の置かれた環境はほとんど変わってない、なのに彼女自身が少しだけ、でもとても大事な部分において変わったことがよくわかる。変わったという表現もなんか違う、もっと適切な言い方で表したい。
    この本のことを軽く扱いたくない、この本を読んで感じたことを大切にしたい、冬子の生き方や存在ひとつひとつを大切に思える、そんなような気持ちになる読後感だった。

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    2026年03月29日
  • ホビットの冒険 (全1冊)

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    今まで指輪物語を読んだことがなく‥。いろいろな物語の中に登場するお話しなのに、なんとなく合わないんじゃないかと思っていた。指輪物語は、ハードカバーで重そうだったので、まずは文庫本があったホビットから読んだのだが、想像以上に読みやすくおもしろかった!これは、みんな夢中になるわけだ!

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    2026年03月29日
  • この国のかたち(一)

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    統帥権の発想は今も生きているかもしれない

    コロナ対策は自由と人権を圧迫した。当時、専門家として対策を担った尾身茂氏は、菅首相と並んで記者会見し、首相と並ぶ権力者の風であった。新型インフルエンザ等対策推進会議の議長、あるいはその下部組織の分科会会長に過ぎない立場にもかかわらず、だ。本来の姿でない権力体制が容易にまかり通ってしまった時期だった。歪んだ権力に勢いを得て増長した専門家は、控えめに言っても多かったと思う。司馬遼太郎は本書で、旧日本軍が振りかざした「統帥権」を考察している。軍参謀本部が本にした『統帥参考』に、次のような興味深い記述を見つけている。冒頭の「統帥権」という章に、以下のように書

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    2026年03月29日
  • スノーデン 独白 消せない記録

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    本物のスパイ

    現代外交でいまや公然の秘密になっているのは、大使館の現在の機能はスパイ活動のプラットフォームなのだとういことだ。なぜある国が、別の国の国土上に独立主権を持つ物理的な存在を確保すべきかという古くさい説明は、電気通信やジェット旅客機の台頭でもはや完全に古びてしまった。(本書引用)こういう記述を見ると、はやりこの筆者は内部の人なのだなあ、と感じてしまう。現代の本物のスパイが書いた本というだけで、読む価値は大いにある。それにしても、あらゆるデータが政府に筒抜けになってしまう現代の監視社会は、実に恐ろしい。それに実際にかかわっていた人が書いたのが、この本。

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    2026年03月29日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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    『ジェイン』の大人の会話満喫

    モームの短編6作品を掲載。冒頭作品の『ジェイン』を推す。英国の大人社会の会話が何と言ってもいい。毒と品とテンポが心地よく、読んでいて楽しい。読後、大人の趣味を満喫した気になる。主要人物のジェインは、本当のことを言うだけで周囲の人を笑わせ魅了して急に人生の階段を駆け上がっていくのだけれど、本当のことは、どんな飾られた話よりも、面白いのかもしれない。

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    2026年03月29日
  • 松岡まどか、起業します

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    スタートアップの「吐き気がするほどの壮絶さ」と、それを上回る「挑戦の魅力」に痺れた。自分も猛烈に働き、己の価値を世界に残す。

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    2026年03月29日
  • 未明の砦

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    地元をその支配下に置く大手自動車メーカー「ユシマ」に勤める非正規工員たちは、ある出来事を通して自分たちの扱われ方に疑問を抱く。過酷な労働環境、抑えられる賃金、そして蔑ろにされる安全と健康。仲間を集め立ち上がろうとする彼らだったが、ユシマは公安と手を組み、共謀罪の名目で彼らを犯罪者にしようとする。骨太な社会派サスペンスです。
    リアリティ抜群なのですが、こんな現実があるとは信じたくないような……でもかなり現実にありそうなんですよね。誰にでもできる仕事とは決して言えないのに、簡単に替えのきいてしまう工員たち。命の危険にさらされながらも耐えるしかできない環境にはぞっとします。
    非正規工員の彼らだけれど

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    2026年03月29日
  • 普天を我が手に 第二部

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    4人の主人公は、かけ離れた能力の持ち主であることは間違いない。しかし、ちょっとした人間なんだと思える場面を追いかけて読みました。

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    2026年03月29日
  • 扉は閉ざされたまま

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    ネタバレ

    ペンションで行われた同窓会で起きた密室殺人。
    犯人である伏見は事故を装い殺害。密室の扉を開けさせないよう言葉巧みに皆を誘導しようとする倒叙ミステリー。

    個人的にかなり好きな部類の作品だった。倒叙ミステリーはあまり読んだことが無かったが、犯人も殺し方も工作も全て明かした上でここまで面白くできるのかと感嘆した。
    探偵役である優佳が実に論理的に推理していく様も気持ちよかったし、「何故犯人は時間を稼いでいるのか」という疑問が解けた時もスッキリとした。

    動機的にも伏見が完全な悪として描かれない点、優佳も正義の為というより自身の疑問を解く為だけに推理している点。
    他人のために殺人した伏見・自身のために

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    2026年03月29日
  • 恋歌

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    なぜか『風と共に去りぬ』に似た読後感

    全く違う話だというのに、読後の印象はミッチェルの『風と共に去りぬ』に似ている、だった。激動の時代に生きた女の一代記だからだろうか。少女時代からの一途な恋、苦難、そして男勝りの力強さを持つまでに至る成長。江戸でもなければ外様藩でもない水戸という雄藩の独特の人間模様。その辺りが、スカーレットと共に彼女が生きた米国南部社会を描いた、かの作品に通じたように感じたのかもしれない。ただ、全く違う話である。天狗党の志士の妻子が入獄させられ、次々と首を刎ねられていく場面は、さすがに胃が痛くなった。

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    2026年03月29日
  • 坂の上の雲(一)

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    1巻目ですが、早く先が読みたい気分になりました。司馬遼太郎さんは私が若い頃からの著名作家でしたが、読みきれなかった経験ありずっと遠ざかっていましたが、今回は今の所先が読みたい気持ち大です。

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    2026年03月29日
  • 黒い家

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    ネタバレ

    今更この有名すぎる本を読む
    当たり前だけどふっつーにネタバレくらって読む。笑
    保険金殺人で人を殺しまくる大竹しのぶはみんな知ってるんじゃない?

    でも知っててもめっちゃ楽しめた!怖すぎ、強すぎ!!
    最後の決戦なんてまじでホラーでしかない。

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    2026年03月29日
  • 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

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    ものすごく久しぶりに読み返しました。
    十代の頃はわからなかったけれど、オバチャンになってから読むと萌絵ってかわいいなあと感じました。癖のあるところがまた魅力的な良いキャラクターです。
    犀川先生も不器用で可愛らしいところがありますね。

    トリックをほとんど忘れていたので楽しく読めました。館モノとしてもトリックがとてもよく出来ていると思います。
    もちろん小説としても面白いのですが、大胆な仕掛けにもわくわくします。
    作者の森博嗣先生が建築を学んでいる人なので、たぶん本当にできるのだろうと思わせてくれるところがいいです。
    『封印再度』のトリックはファンの方たちが実際にミニチュアで実験したそうなので、そ

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    2026年03月29日
  • 熱源

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    ​普段は歴史小説をあまり好まないがこの作品が放つ圧倒的な「熱」に、気づけば最後まで引き込まれていた。
    極寒の地を舞台にしながらそこに生きる人々の生命の息吹き、
    守り抜こうとする文化、そして剥き出しの葛藤が、
    文字通り熱源となって読者の胸に迫ってくる、
    ​境遇の異なる二人の主人公の人生が時代という荒波の中で交錯していく群像劇。
    単なる歴史の記録ではなく人が人として尊厳を持って生きるための「想いの源」が丁寧に描かれている。
    読み終えた後も、彼らが放った熱い鼓動が自分の中に残り続けるような生命力に満ちた長編傑作だ。

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    2026年03月29日
  • かわいそうだね?

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    編集者激推しと特別表紙と女友達と自分を比べて悩んだことがある、すべての女子、必読から大事に読んだ。
    女同士の友情とはドロドロとか男性よりは重いよねってきっと思われがちかもしれないけれど、男が関わらなければサラッとしてる。男がいなければ。
    圧倒的な表現力。お酒の力でサラサラと出たような感情の波。(褒めてます)
    でもこれは計算そのもの。女性って賢いんですよね、特にこの登場人物の女性は賢さが前面に出ている。女性作家ならではの感情表現だった。面白かった。

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    2026年03月29日
  • ロング・グッドバイ

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    本物の生きる屍に会う

    主人公の私立探偵マーロウは周囲の人間をスケルトンのように見ていて、彼らの醜い骸骨姿に唾を吐きかけながら接している。しかし、あるときテリーとアイリーンという本物の生きる屍に出会い、強く惹かれていった。魂が抜けた空っぽな人間であるテリーとアイリーン。そこに見たものは何だったのか。あとがきで訳者の村上春樹は、マロウがテリーに見出したのはマロウ自身だと指摘しているが、それはマロウ自身が空であることを述べているに等しい。マロウはたまらなく孤独な人間だった。ラストの場面は、再開した友人との触れ合いをも拒んだ。その徹底した孤独ぶりは、胸に深い読後感を残した。

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    2026年03月29日
  • リトル・シスター

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    饒舌全部で7冊あるマウロウものの長編の5冊目の作品。マウロウは4冊目の「湖中の女」や6冊目の「ロング・グッドバイ」に比べても饒舌で、もしかしたらシリーズで最高に漫談が面白い作品かもしれない。いくつかは声に出して笑ってしまうし、いくつかは気が利いた表現で感心させられる。アメリカン・ジョークは日本人の私には笑うどころか意味が通じないものも多いが、マウロウの呟きはわりに理解できる。日本のお笑いにない表現で、新鮮にも感じる。村上春樹氏の翻訳がうまいせいかもしれない。読みながら、筋はどう展開してもよいから、時間のある限り読み続けたいと思う不思議な作品であった。

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    2026年03月29日
  • 大いなる眠り

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    チャンドラーの知識ゼロで読み進めた私は

    レイモンド・チャンドラーの知識ゼロで本書を読み進めた私は、主人公マーロウを追ううちに、その人物像がかつて見た映画の探偵と重なった。当時大学生の娘がレポートを課されていた授業の題材で、私も横からちらちら観ていた映画だった。その探偵は、たばこを常にスパスパと吸っていて呼吸の8割は喫煙している感じで、紫煙を文字通り纏っていた。本書読後、その映画を早速探そうと、「映画」「探偵」「たばこ」の言葉でネットで検索した。記憶と重なるのがすぐに出てきた。映画のタイトルは『ロンググッバイ』。この映画の探偵もマーロウと呼ばれていたから、私が本を読んで想像した人物と同じだった

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    2026年03月29日
  • 水底【みなそこ】の女

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    抑制的なマーロウ

    『水底の女』のフィリップ・マーロウは、他作品と比べてやや抑制的な男として描かれている。挑発的な発言やアクションが少なく、女性に対する眼差しも薄い。正確に数えたわけではないが、タバコに火を付ける場面も少ないかもしれない。マーロウといえど、エネルギーに満ちた時期とそうでない時期があったに違いない。

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    2026年03月29日
  • お探し物は図書室まで

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    ネタバレ

    気がついたらポロっと涙が出てしまうところがあった。

    第一章
    「大したことない仕事」ではなく、「自分の仕事が大したことない」って気がついた主人公、大きな一歩前進。
    私も今の仕事つまらないって思い始めてるけど、自分がつまらない仕事を生み出してるのかも、と、考えさせられた。

    第三章
    「異動させられた」「家事育児をさせられている」という感覚に陥ってしまっている主人公が考え方を変えて、今の自分にぴったりな職場に転職できてよかった。

    第五章
    自分が思っている「社会」が必ずしも定年まで勤めていた会社だけではないということを小野さんとのやりとりを通して気がついて、その後自分の行動に幅を広げた65歳の正雄

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    2026年03月29日