小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
どこでこの本を見つけたか忘れてしまいましたが、これはおもしろいと読む前から確信がありました。
そんな期待を裏切らない、むしろ超えていくほどの大作です。
ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツにピアニストを目指して留学をする主人公シュウジ。
彼のピアニストとしての苦悩と成長を軸に、日本の元号が平成になった日からベルリンの壁が崩壊するまでが描かれています。
世界史の知識がほとんどない私は、この小説を通して当時の東ドイツとその周辺国の状況に驚くことばかりでした。
美しい音楽の描写はもちろん、登場人物の心理、そして最後のミステリー要素まですべて圧巻です。
最後のページはとびきりのサプライズで震えまし -
Posted by ブクログ
この秋は熊の目撃情報が私の住む町で毎日報道されています。熊騒動のなか、賢治のなめとこ山の熊が浮かびました。本屋さんで賢治の童話集と出会い早速購入しました。昔は人間の都合で狩猟され皮と熊の胆を売られていた熊が今では生活のためではなく人間の暮らしを脅かす為に退治の対象になっています。今年の猛暑は野生動物をはじめとした大自然の中で生きるもの達に大きな打撃を与えてしまったようです。いつもなら冬眠する熊が人里で食べ物を探し彷徨う姿は可哀想に見えます。人間の都合で温暖化し自然の摂理が乱れている地球を賢治が見たらどんな想いを抱きどんな物語を書くのでしょう。