あらすじ
世界的な指揮者の父とふたりで暮らす、和音十六歳。そこへ型破りな“新しい母”がやってきて――。親子の葛藤と和解、友情と愛情。そしてある奇跡が起こる……。音楽を通して描く感動物語。
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心が暖かくなる作品。
文字から伝わるバッハのアリア。
母と娘の愛が真弓と和音それぞれで描かれる、3つの愛。和音が永遠を見つけられて良かったと思う。
家族の話はどうしても泣いてしまう!
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とにかくまっすぐな友人、まっすぐすぎる新しい母、少し不器用な父に囲まれて、自分を、永遠を見つける和音。それぞれの母娘がすれ違いながらも、大切なことに気付いていく姿に涙した。
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ちょっとお疲れ気味で、ホッコリしたくて手に取った本。
原田マハさんならと思って選んで、やっぱり良かった。
音楽家族の物語、3つの母娘の形。
そしてお友達も。
チェロが聞きたくなりました。
原田マハさん 本当に尊敬する作家さんです。
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心が温まるだけではなく、驚きや悲しみを感じられて面白い一冊。
父と母が離婚して、父と2人(実際には父がボストンに行くので1人)で過ごすことになるかと思いきや、突然再婚相手だと言われた女、真弓と主人公、和音が2人で暮らすことになってからもう面白い一冊であることを確信した。
そのあと、様々な困難等がありながらも和音と真弓の関係性が出来上がって良い3人家族になっていくのかと予想しながら読んでいたらそんな単純なものではなく、飼っていたカナリアが逃げたのは何故なのか、離婚した母、時依が何も言わずに突然居なくなったのは何故なのか、真弓が再婚相手の父について行かず和音と2人で暮らすことを望んだのは何故なのか、が和音の16歳の誕生日を機に解き明かされ、さらに真弓が抱えていた秘密が明らかになるところまで一気に読み進めてしまった。1人孤独を感じていた和音が実はみんなに守られ、愛を捧げられていたことがわかったとき、心がギュッとなる気がした。
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2025/08/31
主人公の和音は、日本を代表するオーケストラ指揮者の梶ヶ谷奏一郎の娘なのだが、ある日母親が家を出て行き父と2人で暮らすことになった。家政婦が全てをやってくれるため父親からの愛情を感じられなかった。
そんな時に父親の海外行きが決まりついてくるように言われるが断固拒否。さてどうするというところに突然父と結婚して母親になることになったという破天荒な女性の真弓が現れる…というユニークなスタートの物語。
音楽家の娘だけど音楽を拒み続けてきた自分と真由美をきっかけにして段々と向き合うようになっていく。
本当の母の行く末も後々分かるのだが、先は気になるし読めば心もあったまるしとても読みやすい小説だと思います。
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久しぶりにマハさんの小説を読んだ。
読み始めた時は、軽いタッチの小説だなと思ったが、全く違っていた。
なんていうか人間の心の奥のそのまた奥をとらえたあたたかさ、やさしさ満載の物語だった。
まさにこれがマハさんの小説の真髄と思えるものだった。
夢中で読んでしまった。
またマハさんの新作を読みたい!
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指揮者の父とチェロ奏者の母のもとに生まれた和音。ある時突然いなくなってしまった母。父と2人で暮らしていた突然新しい母がやってくる。
原田マハさんというだけで前情報なしで購入したら、ラブカに続けてまさかのチェロと音楽に関わる人たちの物語。
大人たちはみんな、和音に自分たちが求めてきたり持っていた煌めきの欠片をを感じている。けれど今の和音には決して押し付けない。そばにいたり待ったりすることは難しいことだと思う。それが大切で期待する子ども相手ならなおさら。
真弓さんもお父さんもお母さんも親友の2人も、みんな素敵。愛があってだからこその厳しさもあって。原田さんのアートを題材にしたフィクションとノンフィクションの境目がわからなくなるような緻密なお話も大好きだけど、どんなお話でもほんといつも登場人物が魅力的なんだよなぁ。
十六歳の誕生日からの後半は次々と明らかになるそれぞれの物語に涙流れっぱなし。
こういう真っ直ぐなお話を読んで素直に泣けるのが嬉しかった。前向きな力をくれるお話でした。
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色々な登場人物が出てくるなか、真弓さんみたいに若者たちを勇気づけられる人になりたいと思った。人のために生きる事は、自分の生きる意味をも教えてくれる気がする。
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作家の名前で購入。あまり見かけない題名だったので期待していなかった分、感動的な内容だった。
永遠(とわ)という名のカナリアを父親に反対されながら飼い始めた娘の和音。ある日、カナリアが居なくなり、その後、離婚で母親も居なくなるという暗い展開から始まる。世界的な指揮者の父親に反発しながら生活する和音。高校生になってできた友人二人が素晴らしい。
父親はアメリカの有名楽団に行くことになったが、和音は残ることに。そこに現れたのは新しい母親と名乗る女性。無理矢理の新母親との二人暮らし。
母親のチェロ教育から逃げていた和音。逃げた母親と新母親には秘密の関係があった。
意外な男友達のピアノの進路やチェロに復帰して、二人でのコンサートなど劇的な展開。真母親と新母親に起きた難病など、次々に起きる不幸。それを乗り越える若い和音達。新しい未来に涙が溢れてくる。救われる最後で良かった。
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ねえ原田マハさんってなんでこんなにもかっこいい女性が描けるの?真弓さんも大好きになってしまって本当かっこいいまっすぐでブレなくて芯があって熱くて温かくて何よりも相手のことを考えて包んでくれる憧れの女性像。なんか表紙なんだこれって感じなのに、読むと音楽を中心に目まぐるしくみんなの人生が動くとてもダイナミックな感じ!常に追い風って感じ!でも繊細で敏感なところもあって、高校生の和音、朱里、文斗のひたむきな姿に心打たれたり感情をありのまま受け止めるところに共感したり、なんだか親近感も感じる。奇跡がたくさん重なって、それぞれにとって素敵な形で物語が完結した。読んだ後に爽やかな気持ちになりました。
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一年以上遠ざかっていた原田マハさん。
美術の話は敷居が高く、頑張らないと読めない時があるけど、音楽の話はスッと入ってくる。特にクラシック音楽の好きな私にはもってこいの小説だった。
父子の確執?母子の逸話?友情や恋物語?いえいえこの話の中核を成すのは16歳を迎える和音といきなり母として家に居座ることになった真弓の物語だ。少なくとも私にとってはこの二人の繋がりがど真ん中だ。
不器用で真っ直ぐな者たちがぶつかり合うさまは心地よい。真実(ほんとう)をぶつけ合っているから。
チェロにさわれなかった和音が、母のために真弓とチェロを奏でる。しかし真弓を襲った悲劇。でも、和音は鼓膜でなく胸に響かせようと、チェロと一体化していく。
「あなたたちが奏でた旋律は、すうっと沁みこんで、
震えるように光を放っていた」
真弓の胸の真ん中にまっすぐ響く。
母のために開いた病院のコンサート。演奏前の固唾を飲む瞬間、読みながら音の始まりに耳を澄ます自分がいた。『G線上のアリア』に。
和音が真弓と実の母時依とチェロを通して響き合ったように、読んでいる私にも響いてきて、涙がにじんだ。
原田マハさんの美しいストーリー。感謝。
Posted by ブクログ
このような評価とレビューになるのは
私だけの特殊な事情によるのかもしれない。
私はトランペット奏者として
一時はプロになることを夢想した。
和音のように 私もまた演奏家が感じる
「永遠」の瞬間を知っている。
トランペット奏者になる夢は
叶わなかったが
別の楽器で 演奏家として
活動していたこともある。
楽器とひとつになる感覚もその幸せも
私はよく知っている。
でも私は 自分の夢を子供たちの夢で
置き換えるような…真弓の母みたいな
我執には とらわれることはなかった。
早くにトランペットをあきらめた私の
吹くトランペットの音を 子供たちは
聴いたこともないし 吹いている姿すら
見たこともない。
私は平凡に生き もうとっくに
音楽そのものからも
遠ざかってしまっている。
でも本当に人生は不思議である。
国内ながら コンクールでグランプリを
獲ったこともある娘は現在
とあるオーケストラの席が空くのを
待ちながら 演奏に磨きをかけるために
一日中練習に明け暮れている。
私もまた楽しみになってきた。
娘のあの輝かしいトランペットの
音がオーケストラに溶け込み
ひとつの音楽になる…その日の訪れを。
作者の紡ぐストーリーは
いつも素晴らしい。
でも かつてこれほどに
共鳴したことはなかった。
心震えるほどに素敵な人たちと
まるで奇蹟のように出逢えたことに感謝。
2019.8.4 追記
娘は2年前に 自分に欠けている音楽表現力を
身につけたいと ドイツに渡りました。
語学の習得とレッスンに明け暮れた2年間を経て
とある音楽大学のマスターコース(修士課程)に
入学することに。まだあと2年の音楽修行です。
本当の私は 「日本に帰らなくていい」と思ってます。
音楽にひたる人生は ヨーロッパでしか送れません。
でもそれは 娘が決めること。
素敵な人生は 本人の胸の中にきっとあるはずです。
2025.1.5 追記
娘は帰国しました。それが彼女の選択。
中学生の頃から憧れていた場所で吹くために。
今、彼女はそこで自分の居場所を確保しつつあります。
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父の愛、母の愛を感じて心温まった。私は結構人を基本は信じず(すぐに傷つくことを言われると感じて信じると辛いから)上辺だけうまくいけばいいや、ほんとに仲いい人だけ心からの交流ができればそれでいいってスタンス。だけど、私が信じてない人(両親、妹、友人、同僚)の中にも愛をもって接してくれてる人もいるのかもなと希望と温かさを感じられた。
やっぱり私は小説が好きだ、本を読むことが好きだということを改めて実感した。
Posted by ブクログ
キュレーター原田マハさんならではの美術系の小説もいいけど、それ以外のジャンル、キネマの神様や本日はお日柄もよく、風のマジムみたいな小説が個人的には好きです。この作品もその類で、やっぱり心を打たれるんですよね。音楽にも造詣がおありなんだなぁと。かといって、家族モノや青春群像だからだから読みやすくグイグイ引き込まれます。
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世界的な指揮者の父とふたりで暮らす娘を中心に、元チェロ奏者の母、そして母がいなくなってから来た新たな母親。家族の愛と友情をクラシック音楽を通して描いたこの作品は、これまで読んできた原田マハ小説と同じ優しさと芸術愛に溢れていた。
やや作り物すぎるかのようなドラマチックな展開はテレビドラマか漫画のような軽さもあるが、登場人物たちのテンポのいい会話で辛い場面も楽しく進んでいく。チェロの響きが聴きたくなって、ドヴォルザークのチェロ協奏曲のCDを取り出した。美しい響きが文章からも聞こえてくる。
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ずっと気になっていたけどなかなか読めずにいて、この作品がはじめましての原田マハさん。
〜『愛情と才能。選ぶものと選ばれるもの、そして選べないもの。』全ての選べない人へ〜
本屋さんで見たポップに惹かれて手に取った。
1文1文が美しくて、冒頭の和音と母のやり取りで一気に物語の中に引き込まれた。原田マハさんは、物語のなかに読者を連れていくのがすごく丁寧で上手。
和音も父も母も、皆んなお互いのことを大切に想い合っているのに、大切に想うが故に一歩を踏み出すことができなくて、見えない壁に隔たれてしまう。ひとつ屋根の下で、それぞれがどうしようもなく孤独だった。その孤独さがとても切なかった。
期待して叶わなくて、意識的に期待しないでいることで自分を守ろうとする和音の姿は、まるで自分を見ているようだった。チェロもお父さんのことも、本心ではきっと嫌いじゃないことが文章の端々から伝わってくるから、色々な事が邪魔をして自分の本心に近づけないのがもどかしかった。
そんな日々のなか突然現れた「新しい母」という存在。
真弓さんと過ごす新たな日常を通して、和音が少しずつ前向きに変化していく日々は、暖かさと優しさに溢れていて、読んでいて心がほかほかした。
すべて読み終わったあともう一度プロローグを読むと、はじめとは少し違った色に見えるのも面白い。
この本をきっかけにクラシック音楽も聴いてみようかなぁって、すこしだけ。
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久々に本屋さんで気になった一冊。楽器を弾く苦しさと楽しさが痛いほど伝わってきました。わたしもピアノお家に買おうかな………!!無性に弾きたくなったときに、弾ける環境でありたい。
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ゴッホの次の原田マハさんは音楽!
音楽と言う芸術。
こちらも私には到底わからない世界なので少し緊張する。
音楽一家の心のチグハグがどう整っていくか?
一見、傍若無人な真弓の登場で、どんなふうに真弓が和音と関わって、家庭が整っていくのか期待が高まる。
和音のお母さんからの手紙や真弓さんからの告白以降、切なさに心が締め付けられて涙が止まらない。
母親の、どこまでも子供を包み込む優しさ、強さ、厳しさ、苦悩、そんなようなもの全てが滲み出る言葉の数々に誰もが共感し涙するであろう。
親が子供に夢を託すのは悪なのか?
この本では和音が確実に母親や真弓の夢を引き継ぎ再びチェロに向き合っていこうとする。
終わり方も、和音や他の登場人物達のキラキラした未来が想像でき、ちょっぴり寂しいけれど、心あたたまる余韻が残った。
Posted by ブクログ
世界的指揮者の父と二人暮らしの高校生、和音。
そこへ型破りな「新しいお母さん」がやってくる。
原田マハの描く感動的な物語。音楽を通して語られるところも魅力的。
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原田マハさんの本は人間味が溢れて好きなので、なんとなくジャケ買いした。
楽器を通じて人と人とかつながっていく物語。日本を代表する指揮者と、トップチェロリストの夫婦から生まれた主人公は、両親が離婚し、あまり好きではない。父親と2人で暮らしているという設定、幼い頃のスパルタ教育でチェロに嫌気が差して、しばらく弾いていなかった。
ただ高校での出会いがあり、父親の新たな婚約者、という程の母親を尊敬していた。再婚相手を装っていた女性との出会いにより、母親やチェロへの愛着、父親への感情が芽生え、最終的にはチェロを弾くと言う物語だった。
自分も幼い頃は特に何も言われずに、好き勝手育ててもらったが、大学生になった頃からあれやこれやと両親に言われるようになり、また有名な企業を2年ほどで辞めたことにより両親との関係を粗悪になっていった。しかし時が経てばわかることもあり、今35歳になって、両親がいかに大変な思いをして、自分の幼い頃や学生時代、子育てをしていたということを身に染みてわかる。この本を読んでいると、両親へしっかりと親孝行をしないとなと思うし、もうそこまで長くは生きられないとは思うので、少なくとも顔を見せに行ったりとか何かできることから始めてみようと思う。
また、この本を読んでいると、人の表面上の態度からその人の本心を読み取れないなぁと思う。あくまでその人の本心とか人間性と言うものは、たくさんコミュニケーションをとって、一緒にいる時間をたくさんとって、相手を知ると言う事は、自分のことを知ってもらうことでもあると感じた。とても良い本だった。
強いて言うなら、アメリカ帰国後にどんなチェロリストとして活躍していったかと言う部分まで見れたらもっと点数をつけていたと思う。
Posted by ブクログ
原田マハさんの小説としては珍しく音楽が物語の主軸にある。楽しめるかな、と不安に思いつつも読み進めたが何の問題もない。素人の僕からしたらむしろ馴染みやすい。音楽に対する描写もとても繊細で、緻密で、胸にスッと入る言葉の数々。登場人物たちの強さにもうらやましさがある。
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お母さんは永遠を絶対にだれにも見つけられないものといい、真弓は永遠を演奏がはじまり旋律でつながる1秒前だといった。
死や別れ、終わりの先なのか、生や喜び、始まりの前なのか。どちらも正しいと思うけど、追い求めるのは後者でありたい。
だれかと何かをわかちあい響き合う、つながりを感じられる体験を重ねたい。
Posted by ブクログ
原田マハさんのアートものといえば、“美術“というイメージですが、本書は音楽が題材となっております。
ただ、こちらはアートものというより、ハートフルものって感じでした。
世界的な指揮者の父とチェリストの母の元で育った梶ヶ谷和音。
やがて両親は離婚し、母は家を出て行ってしまった為、現在は父と高校生の和音の二人暮らしという状況です。
ある時、父が渡米することになり、和音は一人日本に残る事を選択しますが、そんな梶ヶ谷家に真弓という型破りな“新しい母”が現れて・・。
チェリストの母からチェロの手ほどきを受けていたものの、チェロを挫折してしまった和音と、自身もチェリストでしたが“とある事情”で引退し、今は音楽ライターをしている真弓。
はじめは真弓の存在に戸惑っていた和音が、徐々に彼女のペースに巻き込まれるように心を開いていく様子や、和音の友人達との心温まる交流を通して、一旦は挫折したチェロへの情熱を取り戻していく展開です。
親子の葛藤や絆、友情、夢・・等々が音楽を軸に描かれていて、眩しいようなキラキラエピソードだったり、真弓に降りかかった思わぬ苦難だったりを経て、感動のラストへと持って行く・・ドラマとして上手すぎて、“もう、マハさん狙いすぎやで!”と言いたくなる程、あざとい(?)構成でございます。
例えば
「・・私たちのチェロが、ひとつになってる。響き合ってる。
この世に音楽がある幸せ。チェロを奏でられる喜び。
私たち、分かち合ってる。」
・・とか、もうポエムでしょ!という感じの“あざとポエムモード”な箇所がちょいちょいあって、多分ここは“泣き”のポイントなんだろうな・・と、そういう目で読んでしまう“汚れちまった自分”が悲しいぜ・・なんて( ;∀;)
・・・あ、言うておきますが、作品自体は爽やかな読後感のええ話ですよ~。
通常の心が綺麗な方はジーンとくること請け合い!なのでご安心を!
『本日は、お日柄もよく』で“感涙”した方は、本書でもグッとくるんじゃないかなー・・と、思います~。