あらすじ
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす! 第37回横溝ミステリ大賞優秀賞受賞作。
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Posted by ブクログ
どうしてこんなにも
落ちぶれていってしまったのか。
いつからこんなに。
どこかで踏み止まれなかったのか?
どこかで気付けなかったのか?
止めることはできなかったのか。
もっと、自分のことを大事にできなかったのか。
映画とはまた違った、ドロドロの内容でとても面白かった。
人間の怖さ、弱さがぎゅっと詰まっていて、こんな世界もあるのかと思うと怖くてたまらない。
とことん落ちぶれていく姿は見ていて苦しかったけれど、目が離せなかった。
生活が苦しくて本当に生活保護が必要な人、働きたくなくて不正受給をする人。
あの親子を思い返すと胸が痛い。
本当に必要としている人に、どうか、救いの手を出せるような世の中になってほしいと思った。
2026.5.24(日)
Posted by ブクログ
平凡に見える日常の裏側に潜む不穏さや、人間の弱さ・欲望をじわじわと浮き彫りにしていく作品。物語は大きな事件や派手な展開に頼るのではなく、登場人物たちの心理や関係の歪みを丁寧に積み重ねることで、読者にじっとりとした緊張感を与える。そのため、読み進めるうちに「何かがおかしい」という感覚が徐々に膨らみ、気づけば抜け出せない空気に引き込まれていく。
特に印象的なのは、人間の現実的で生々しい描写。善悪がはっきり分かれるわけではなく、誰もが少しずつ歪んでいて、その積み重ねが状況を悪化させていく過程がリアルに描かれている。この点が作品に深みを与える一方で、読後にはすっきりした解放感ではなく、重たい余韻や不快感が残る。
一方で、ストーリー展開は比較的ゆっくりで、明確なカタルシスを求める読者にはやや物足りなく感じられるかもしれない。また、全体を通して救いの少ない雰囲気が続くため、読む人を選ぶ作品とも言える。しかし、その陰鬱さや不安感こそが本作の魅力でもあり、静かに心をざわつかせる読書体験を求める人には強く印象に残る一冊。
Posted by ブクログ
メチャクチャ胸糞悪い作品だった。クズがクズを呼ぶ、クズ大戦!そんな小説だった。
文自体はとても読みやすいが、読むごとに高まる『これから胸糞悪くなるぞ〜』と思わせる展開には気が滅入ってしまった。(作者の狙い通りだとは思うが)
そして本作は、ムードをキッチリ上げて、ドーンと下げるという胸糞作品の王道をこれでもかと綿密に描写し切っており、その上、最後の最後に数多く出てきたクズの末路をコンパクトに締めているのが見ていて気持ち良かった。
Posted by ブクログ
展開が早く読みやすかった。
グスと悪しか登場人物しないのか?!?
何かもうーめちゃくちゃ過ぎって感想言えない。
漫画を読んでる感覚だった。
悲劇だけど喜劇みたい。
最後の方えー嘘ーそーなの⁈てなった。
佐々木君‥残念過ぎる(๑•ૅㅁ•๑)
匿名
人間の転落をさまざまと見せつけられた感じでした。
前半はたんたんと進んでゆくが後半のスピードは凄かった。話の展開がすごく引き込まれましま。
真っ当に生きてても、最悪な人間達に関わったら人生真っ逆さまってあるんだろう。でも全力で争わなくては引きずり込まれる。子供の美空だけが可哀想でした。
匿名
一気に読んでしまった‼️
寝しなに読み始めたら一気に読み終わってしまいました。
すごく面白かったです。
この作者の方の本がもっと読みたくなりました。
Posted by ブクログ
ケースワーカーとして働く地方公務員の佐々木。ある日、同じ職場のケースワーカーが不審な動きをしているという話を聞き、調査をすることに。そして1人の生活保護受給者と出会ったことから、人生の転落が始まる。
どうしようもなく救いのない話。読み進めれば読み進めるほど次々と悪い方に話が進んでしまい、皆が不幸になっていく。
でもその転落する様子やその先の展開が気になり、読む手が止まらない。普段は小説をゆっくり読む自分が、この本は駆け抜けるように1日で読み終わってしまった。
なるほど確かにこれは物語として読む分には“喜劇”だが、自分の身に置き換えれば救いようのない“悲劇”としか言うほかない。
人生の落とし穴はどこに潜んでいるか分からない、そしてもし足を踏み外せば奈落の底まで転がり落ちるのはあっという間。そんな恐ろしさに背筋が凍るような思いをした。
また、生活保護の不正受給者により本来救われるべき本当の弱者が割を食うという現代社会の課題のようなものについても考えさせられた。
Posted by ブクログ
染井さんの本の中で初めて読んだ本です。
私達は今この平和な世界で暮らしている一方で苦しんでる人たちがこんなにいるんだなと最初は思いました。真面目に働いてる人でも悪い人に関わっていくとこんなにも人生を変えてしまうんだなとすごく怖くなりました。
人は簡単に変わらないと言いますが、1番簡単に変えてしまうのは人間なんだなと思いました。
父にもこの本をすすめたら、染井さんの本が大好きになって気づけば全部の作品読んでいました。
染井さんの本の中で1番好きかも
Posted by ブクログ
横溝ミステリ大賞優秀受賞作(2017年)。
福祉事務所のケースワーカーという地味な主人公ながら、導入からその過酷な働きっぷりに引き込まれます。次々に登場するキャラクターは良くも悪くも強烈な個性の持ち主で、どんどん転がるストーリーの中でそれぞれが存在感をイキイキと発揮してくれます。
デビュー作とは思えない上手な展開と文章力ですが、最後はちょっと無理やり片付けた感があるかなぁ。初めて読んだ作家ですが、他の作品も読んでみたくなります。3.7
※知らずに原作の映画は観てました。
Posted by ブクログ
生活保護というキーワードをモトに、貧困に苦しむ親子や不正受給であぐらをかくババア。それらとかかわるケースワーカーを中心にストーリーは展開される。
貧困ビジネスで一儲けを企むヤクザも交じって物語は想像を超える展開を為していった。
改めて言葉にすると、お腹いっぱいなかんじなんだけど、読みやすかった。
上述した人々がうまい具合にストーリーにからんで、読み応えがあった。テーマを深掘りしてる感じがとてもいい。
最後にあいつをギャフンと言わせてくれたら、もっと評価が上がったように思う。スカッとしただろうからね。
面白かったけど、笑えない話だったな。
Posted by ブクログ
善人がほぼいなくてクズばかり。気分が落ち込むけれど、面白くて一気読みしました。生活保護の不正受給の闇が深いと思いました。この国のシステムを変えなければどうにもならないのかな。
Posted by ブクログ
生活保護受給というテーマを軸に物語が広がる。ケースワーカーの日常かと思いきや、どんどんシビアな展開に…闇落ちしていく感じ…本当にこの人の作品好きすぎる。全ては繋がっているのに、全当事者が何だか他人事で、起きている事象に興味がない感じ。こんなにまでも人は思考停止するのかな。奇妙だけど雰囲気があってよかった。
Posted by ブクログ
ケースワーカーである主人公が、ひょんなことから社会の闇に巻き込まれ、自分がかつて軽蔑していた生活保護受給者の立場へと転落していく物語。立場の逆転を通して、福祉や貧困の現実が容赦なく描かれており、非常に考えさせられる内容だった。
物語としては、すべての登場人物がどこかで繋がっており、それぞれの視点が絡み合いながら進んでいく構成が見事で、自然とページをめくる手が止まらなくなる読みやすさがあった。
一方で、題材の重さゆえに気分が沈む展開も多く、読んでいて苦しくなる場面も少なくない。特に、主人公が薬物の禁断症状によって正常な判断ができなくなり、本来支援すべき母子家庭に対して十分な対応ができず、結果的に自死を招いてしまう場面は非常に胸が痛んだ。
エンタメとしての面白さだけでなく、人間の弱さや社会の歪みを突きつけられるような作品であり、読後もしばらく考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
市役所で働く、生活保護受給者の家を回るケースワーカーが主人公の話し。主人公がヤバい女に恋に落ちたばかりに、人生がめちゃくちゃになって行く様がすごくリアルに描かれていた。
自分も何かの間違いをきっかけに、一気に奈落の底へ落ちてしまう事もあるような気になり、少し恐ろしく思ってしまった。
Posted by ブクログ
おもろーい!
前半の佐々木めっちゃ好きだな、でも女性に抱きしめられただけで好きになるのかなとか思っちゃった。今まで恋愛経験が乏しいからこそ求められてる感に弱いのかな?
まぁシャブ中になったのは可哀想、惚れた女が悪すぎた
でもこういう人たち世の中にいるんだろうなと思うと1個の選択ミスが人生狂わすこともあるから怖いよね
Posted by ブクログ
生活保護受給者を担当するケースワーカーである守が、同僚、そしてケースたちの企みに巻き込まれていくサスペンス。
楽をするために生活保護を不正受給する者、唆されて不正受給をはたらく者、さらには不正受給者から金を流してもらう者と、悪だくみが横行する中で、社会にうまく馴染めず、本当に苦しい思いをしている者もいて、そこに手が差し伸べられない描写などは、読んでいて暗い気持ちになりそうなところだが、緩急ある構成とスッと入ってくる文体で、夢中になって読み進めた。悪の極みとも言える金本の生活保護に対する持論は、まさに現状を言い当てたものであり、社会風刺的な面でもこの問題を少し客観的に見ることができたと思う。
ラストも、立場が変われば、といった感じで少しゾッとするような終わり方だったのが、タイトルの通り「夏」に読むのにぴったりな作品だった。他の作品もぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
社会問題をエンタメとして作品にすることについて、いつもそれって良いのかな?と言う気持ちが起こる。
でもこの作品はそんな気持ちを起こす隙を与えないぐらい、次々とヤバいことが起こり、読むのをやめられない作品でした。
映画化のキャストで言うと北村匠海はイケメンすぎたのでは?と思います。それ以外は概ね良い感じですね。
Posted by ブクログ
生保を担当する部署の地方公務員を主軸とした物語。つまり、それを取り巻く不正受給が大きな題材の一つとなっている。
欲望のために人を食い物にする者とされる者。
食い物にされる者はとことん報われない。ただ、何故か食い物にする方も「俺はなんて運がないんだ」と嘆くことがある。
真っ当に必要な生保を受給しようとして叶わない者、不正に受給する者、その違いは何なのか。色々と考えさせられる内容でした。
最後に、これを読んだ地方公務員(市町村の職員)は、生保の担当部署に対して戦慄するだろうと感じた。※実際は本著のような行き過ぎた案件は稀有と信じたいが
Posted by ブクログ
生活保護費の不正受給者たちと
その担当者であるケースワーカーたちが
なんでそうなるかな?な闇に堕ちていく
お話し
生活保護費のことは詳しくは
わからないけれど、
最近読んだ「護られなかった者たちへ」
でも題材になっていて
小説とはいえ問題だなと思う
ただこの悪い夏はちょっと喜劇みたいな
一面もあったし
なんやかんやあなたたち強いなみたいな
(山田とか愛美とか)
重いばかりではなく読めた
#悪い夏
#染井為人
Posted by ブクログ
生活保護のケースワーカー、不正受給者、それをビジネスにするヤクザ。
希望もなく停滞感の漂う生活を送る登場人物達がズルズルと堕ちていく様子は現実にどこかで起こっているかもしれず深刻な社会問題かもしれないが、作者あとがきたの通りエンターテイメントとして見る分には面白かった。
Posted by ブクログ
各々が微妙に繋がっていてそれがドンドン最悪な展開になっていく構成に続きが気になって胸糞悪い展開ですが一気読みしてしまいました。
映画化もされてるのでそちらがどの様な展開になるか見てみようと思います。
Posted by ブクログ
自分って、何のために小説読んでるんだろうな。
この小説読み終わって思ったのがそれだった。
なぜなら読後感が最悪だったから。謎解きの面白さや勧善懲悪のスッキリ、ハッピーエンドのホッコリ感、それらがまるで存在しないのだ、この小説には。
読んでいるうちはページを捲る手が止まらないほど、ハマるし面白く読めたんだけど、最後は酷かった。
救いがないのはまあ仕方ないとしても、一番悪いやつの懲罰シーン無いし、スッキリ来ないのだ。
私は小説を書くこともあるけど、これは自分の書きたい小説じゃない、と思った。
人の不幸は蜜の味、的な人以外にはおすすめしない。
Posted by ブクログ
ケースワーカーの佐々木は同僚の脅迫行為を見つけたことから闇に飲まれていく。
なんというか、とにかく辛い。平易な読みやすい文章でするっと話が入ってくるし、展開の紆余曲折がスピーディで飽きさせない一気読み作品です。ラストの設定を全部詰め込んだドタバタ感は「無茶苦茶」にも感じた”ちょっとやりすぎ”を感じますが、とはいえうまいこと織り込んだなあという感じ。
問題は、さすがにあんまりにもバッドエンド過ぎませんかというこの辛い読後感…「ひきこもり家族」などではまだしも希望を持たせるエンドだったのに比べると、もう地獄の底にたどり着いたら二重底の地獄が待ってましたみたいなしんどさでたまんなぇなこれってなりました。
また、古川母子をあれだけ描いておいた割には話の本筋に特にかかわらせなかったのは何なのかという疑問も残りました。さらりでよかったじゃんあれ、と。最終的にパズルのピースが余っちゃった感じだったのでしょうか。
なにしろ、ハチャメチャでもいいからもうちょっとホッとする終わりにしてほしかった…なんだかんだ言ってもええ感じに終わるよね?ね?と思いながらこのラストはキツかったです。
Posted by ブクログ
読んでいて、本当に苦しかった。
ほとんどの登場人物に、えっ..どうして..なんで..と
誰か事態を好転させてほしいと願いながら読み進めました。
でもこういう事が現実にあるかも知れないという臨場感がこの本にはあって。
生活に追い詰められ、精神的にも苦しい、八方塞がりの状況になると人間は思考を放棄するのかなと考えさせられました。
読み終わりしばらく呆然としてしまい...さくらももこ先生の本で気持ちを立て直しました。笑
Posted by ブクログ
知り合いの読書家さんから勧められて読みました。たしかに、社会問題と絡めたストーリーは「知ってよかった」と思えるものだったし、ドキドキハラハラ一気読みできた。が、すごく救いようのない結末。
その結末の直後のページのあとがきで、著者が「これは悲劇だが、喜劇でもある」と書いていたのはかなり悪趣味なのではないか。フィクションとはいえ、「そういう人がリアルにいる可能性がある」と捉える人が少なくないはずの作品で、不幸な人、救われない人に対して「喜劇」と言い切る感性ってなんなんだ?人の悲しみ、やりきれなさをエンタメと言い切っていいんか?
実用書類はやけにいい子ぶるというかモラルを気にしすぎるというか(不要で冗長な注釈ばかりだったり、少しでも議論を呼びそうな話題には「著者の個人的な考えです」とわざわざ書き添えたり、踏み込んだことを書けなかったり、言い切り表現をどこまでも避けてたり…)な傾向のある版元なのに、ラノベ、漫画、エンタメ小説となると途端に品が悪くなる。私はそういうの嫌だなと思う。完全に私個人の感覚ですが。
Posted by ブクログ
ケースワーカーが主題の物語であるが、基本的に文章の空気が重い。中盤以降、登場人物全員が不幸に見舞われるので平等ではあるが、悪い意味での完全燃焼感が強い作品。子供含めてあまりにも救いがなさすぎる。唯一の良心は課長の嶺本。
Posted by ブクログ
生活保護受給者、ケースワーカー、ヤクザ等が登場するアウトローな話。誰の身にも訪れるかもしれないと感じてしまう不幸な話。軽い気持ちや出来心で人生が狂う危険性を感じた
Posted by ブクログ
何気なく書店で手に取った1冊。
タイトル通りじとーっとジリジリする夏のうなだれるような暑さのように読んでて暗く苦しい気持ちになった。とにかく主人公が可哀想としか言えないが、人生ってひょんなことでこの主人公みたいに転落することもあるのかも。愛美が最後に自分の命よりも娘だけは守ろうと身体が動いたことにやっぱり母親は母親なんだと安心した。佐々木が生活保護を受ける側になっててラストが何とも言えんなぁ。