あらすじ
老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームへ異動した涼音。夢にまで見た職場で初めて提出した企画書は、シェフ・パティシエの達也に却下される。
悩む涼音だが、お客様、先輩、そして達也の隠れた努力を垣間見ることで、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を練り直し……。
頑張りたい。だからこれは、自分への最高のご褒美!
「マカン・マラン」シリーズが大ヒット
心に染みると評判の著者待望の新作!
感情タグBEST3
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マカンマランシリーズを読んで古内先生の作品にハマった。美味しそうなお菓子がたくさん登場して、癒される。飛鳥井さんが苦しみを抱えながらも新しい世界が開けた時、胸が熱くなった。常連の京子さんを馬鹿にした同僚には猛烈に腹がたったけど、涼音さんが鮮やかに対処してスカッとした。
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食べ物系の小説が好きで、しかも古内一絵さんの小説ならばと手にしたが、想像以上の面白さだった。
四季折々の美しさが素晴らしい桜山ホテルでの鈴音をはじめとする皆の悩んだり、葛藤しながらも頑張っていく姿にうるっとくることが多々あった。
一人でアフタヌーンティーを楽しむ西村さんを馬鹿にする職場の面々への鈴音やソロアフタヌーンティーの鉄人の言葉が良かった!
人は時に大きく心が傷つくが、それを乗り越えた時に度量が大きくなり優しく強くなることをしみじみと確信した。己の至らなさや不甲斐なさに傷ついたり、思いもかけない失敗をすることもあるたろうが、「失敗は成功の母」「何かをつかむ機会」と心して、私も乗り越えていきたいと思う。
いろんなことがあった2025年、ご褒美のような小説に出会えて本当に幸せだ!そして、今年の締めくくりは「成瀬は都を駆け抜ける」。読むのが楽しみだ!
【心に残った言葉】
・人が生きていくのは苦いもんだ。だからこそ、甘いもんが必要なんだ 鈴音の祖父
・自分に都合のいい面じゃなくて、できるだけ、物事の美しい面を見るように心がけようって
・今まで心のどこかでうっすらと感じていたジレンマのような欠落が埋められた時、そこに新しい未来図が浮かぶこともあるのだろうか 235
・無用の勝敗は、物事をつまらなくする
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◆この本を手に取った理由
近々、生まれて初めてアフタヌーンティーに行くので(しかもこの小説の舞台!)、少しでも知識を深めたく、大好きなマカンマランシリーズの古内作品なら楽しみながら知識も得られそうと思ったから。
◆この本のあらすじ
主人公は、老舗ホテルのアフタヌーンティー部門に念願叶って異動。来るイベントに向けて、溢れんばかりの情熱を注いた企画を提案するも有能なパティシエにより玉砕。
主人公には親しい祖父がいる。幼い頃、戦後をたった一人で生き抜いた祖父の口癖は、「おかしはご褒美」。そんな祖父の影響で興味を抱き、なによりも心惹かれたのがアフタヌーンティーだった主人公。
個性あるラウンジスタッフ、ややとっつきにくいが有能なパティシエ、シニアのベテランシェフなど、日々ともに働くスタッフと関係性を築きながら、約半年をかけて特別で“最高のアフタヌーンティー”を作り上げる。
そこには、たった一人でアフタヌーンティーを心ゆくまで堪能する常連客との会話にヒントがあった。
◆この本から得られたこと
・アフタヌーンティーは、社交の場といわれている。でも実は、1840年代の侯爵夫人が一人自室でこっそりと空腹を満たしたことがアフタヌーンティーのはじまり。
その秘密の時間が近しい人たちの間に知られ、気がつけば女性たちの間で話題になり、男女問わず楽しむ社交の場に変わっていったそう。
・午◯の紅茶のパッケージにいる女性が、今から約180年前に自室でこっそりとコルセットをゆるめ、一人アフタヌーンティーを楽しんでいた方なのだ。
作品内にもあったけど、本人もまさか自分が亡くなってから100年以上の時を経て、日本でパッケージ化されるとは思いもしなかったろう。
・祖父「おかしはご褒美」
アフタヌーンティーは、食べる順番や食べ方、スコーンの割り方など、マナーはいくつもある。だけど、それらを気にしすぎないで時間の許す限り、“ご褒美”である特別な時間を自分が心から楽しんで過ごすことがいちばんだと思った。
スタッフの方もゲストのマナーを意識しつつ、その人自身の過ごし方というところを見ているものらしい(アフタヌーンティーをサービスしているお店のYouTubeでも同じことを言っていた)。
・主人公「美しいところを見るようにする」
ついつい嫌なことに目が向いてしまったり、自分にとって良い面しか見なかったり、そんなことをいつまでも気にしている自分がいる。
性格なのでなかなか簡単には変えられないが、意識することはできる。
何かあったとしても“美しいところ”を見いだすことを心掛けていきたいと思った。
・主人公の異動前の職場は、宴会場のスタッフ。酔客を対応しなくてはならない環境で培った冷静な対応力は感心した。
30を過ぎても、ふとした瞬間につい感情的になってしまう私からしたら理想にならないぐらい完璧に近い人物像だけど、見習いたいと思った。
◆この本の感想
お仕事小説であり、恋愛小説でもある。
私は恋愛小説はあまり読まないけれど、甘すぎないストーリーなので“ふふふ”とじんわり楽しめた。
そして、マカンマランシリーズ読者なら歓喜の“あの人”が登場(私は喜びと驚きのあまり声が出てしまった)。
マカンマランシリーズが好きで、本作品が未読の方は心から読むことをおすすめしたい。
本作の続編は、「最高の◯◯◯◯◯◯ケーキの作り方」。タイトルを見れば、ナルホドとなってしまうけど、一筋縄では行かないのが古内作品でしょう、と今から読むのが楽しみでならない。
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マカン・マランを読んで好きで、検索して見つけた物を片っ端から読み始めた第一弾。
アフタヌーンティー行きたくなった!マカンマランの登場人物がちょっとだけやけど出てきてくれるのもまた楽しい。
庭がある職場、いいなぁとしみじみ。草木がある庭でぼんやりできる時間、いいよね。
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この本を読むと、アフタヌーンティーを楽しむ時のような、特別で美味しい時間を過ごせます。
特に、お菓子の表現が素敵で、読むと美味しいものを食べてるような多幸感を感じれました〜!
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見事にはまりました、古内さんの本。
アフタヌーンティー...
すごくおいしそうなお菓子もたくさんでてくるし
わかるーーー!!!ていう部分も相変わらずたくさん。
人生苦いことがたくさんあるから甘いものを。
本当にその通り!!
続編あるのかな?涼音と達也の今後も気になります。
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読んでてとても楽しかった。
スイーツとセイボリーの味を楽しむためにソロでアフタヌーンティーに行きたくなる!
出てくるお菓子も美味しそうだし、アフタヌーンティーの歴史も分かるし、雇用問題、偏見、女性の社会進出、職場の人間関係と色んな要素も絡んでいてかつ自然に主人公の落ち込みと浮上も描かれている単なるお食事小説じゃない。でも主役はちゃんとタイトル通りアフタヌーンティーなんです。ブレない。
ツーラインのアフタヌーンティー行きたいなあ。
作者さんの作品読むのはこれが初めてだったけど著作を見るとジャンルが競馬、伝統芸能、カフェものと多岐に渡るようで、かつご本人は中国語の翻訳者さんということで多才な方が描く作品は面白いんですねえ。他作品も読みたくなります。
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やっぱり古内さんの本が好き。この本を読んで改めて感じた。「マカンマラン」が最初の出会い。本を読んでいて心から楽しい!って思えた作品。からの「アフタヌーンティーの作り方」読んでいるうちにこちらの作品も引き込まれてしまう。登場人物も目に見えるように浮かんでくる。楽しい。ホテルのアフタヌーンティー行きたくなった。
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やっぱり古内一絵さんの本が好き。
前向きに頑張っている事を白い目で見られたり、陰口叩かれたり、出し抜かれたり。でもお爺ちゃんの「だったら、それで、いいじゃないか」が温かくて心にしみました。色んな感情に押しつぶされそうにもなるけど、美しい面を見られる人に私もなりたい。
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読後感がとてもよくて、続編を作って欲しい。
タイトルから、仕事にまつわるお話かと思ったけれど、それだけではない。偏見や差別、育児、家族にも踏み込んでいて、身近に感じられたストーリーであり、自分自身はどうだろうかと考えさせられた。
達也が鈴音のことを「この人は元々、美しいものを探させる眼を持っているんだ」と思ったように、「美しいものを探せる眼」を持ちたいと、読み終わって思う。
アフタヌーンティー。この本を読むまでは、午後に飲む紅茶のことだと思っていました。アフタヌーンティーとは、スイーツを紅茶と一緒に楽しむこと。スイーツは2段あるいは3段のスタンドに盛りつけられている。贅沢だけど、1度はアフタヌーンティーを楽しんでみたい。
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老舗ホテルラウンジのアフタヌーンティーチームの一年間 華やかなお茶とお菓子のエピソードだけでなく、ラウンジで働く人々の葛藤、コンプレックス、雇用問題も丁寧に描いた一冊 最高に心から楽しめる空間を提供するために尽力するスタッフ、それぞれの思いを抱えて訪れるゲスト、芳しい紅茶と季節のスイーツが結ぶ最高の時間に思わずうっとり モデルとなった椿山荘のアフタヌーンティーにまた行きたくなってしまった
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好きなマカンマランシリーズの作家さんなので、読むのが楽しみでしたが、やっぱりこちらも良かったです。
単純なお仕事小説に終わらず、ディスレクシア、女性の結婚出産育児、差別や偏見など色々な問題が絡ませられていて、読んでいて何度も共感したり、考えさせられました。
また、アフタヌーンティーやお菓子のことも色々知れて、楽しかったです。(某メーカーの紅茶のペットボトルのラベルの話も知って、すぐ調べてしまいました)
終わり方も良かったので、早く続きが読みたくなりました。
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温かな紅茶と美味しそうなお菓子、素敵なホテルのラウンジが目に浮かぶようでした
読んでいても心地よく彼ら彼女らを
応援したくなりました
古内一絵さんの作品はいいですね
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読む順番間違えて、『最高のウェディングケーキ・・・』から読んでしまい。
これはなんだかエピソードゼロ的な感じでした。アフタヌーンティーなるものをしてみたい。今年の目標にしよう。
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お話がとても好きな内容でした。
お菓子やアフタヌーンティーに対しての熱意が強く、念願叶ってアフタヌーンティーチームへと異動が決まった涼音。初めてのアフタヌーンティーの企画を考える際に達也に「爪痕残さなくていいから」と言われ、"最高のアフタヌーンティーを作りたい"と考える涼音のお話です。
読んでる中で「お菓子はご褒美 ━━ 」と書いてあり確かに……!!と感動しました。アフタヌーンティーが最高のご褒美、なんて言葉を聞いて居たらアフタヌーンティーに行きたくなってきました。もうさっきからそれしか調べてないです(՞⸝⸝o̴̶̷̥᷅ ̫ o̴̶̷̥᷅⸝⸝՞)笑
表現がとても美しくて、でも時折お菓子のこと以外(障害や差別)も話に組み込まれています。
最後の結末が気になりすぎて仕方なかったです笑
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老舗ホテル「桜山ホテル」のアフタヌーンティーチームに配属された涼音が、新企画をシェフ・パティシエに却下され、「最高とは何か?」を問いながら、お客様や同僚との関わりの中で自分らしいアフタヌーンティーを作り上げていく物語です。お菓子や紅茶の繊細な描写と共に、働く女性の悩みや社会の現実も描かれる、心温まるヒューマンドラマ・お仕事小説です。
‥‥‥
あのマカンマランシリーズの作者ということで、シャールさんを超えられるのかしら?
と思って読んだけど。やはりあのキャラクター設定は最強だったのかも。
やっぱり物足りないけど、素敵な話でした。
続編もあるそうです。
古内一絵さん、アフタヌーンティーに関しての深掘りが素晴らしい。
勉強になりました。アフタヌーンティーは、そもそも一人でこっそり食べるものだと。笑
そして。マカンマランシリーズの登場人物がこっそり出演!それも楽しみにして是非読んでください。
Posted by ブクログ
甘いスイーツと紅茶の香り、そしてアフタヌーンティーに関わるすべての人の優しさに包まれる物語。
綺麗な景色を眺めながらアフタヌーンティーを堪能する時間は尊いもの。たくさん悩み、葛藤し、ひと手間かけることの温かさを思い出させてくれる。
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アフタヌーンティー
自分は味わったことがないけれど、味わうことはもちろん、見た目の美しさや、そこにいるという満たされる時間、など、色んなものをひっくるめて楽しんでいるんだ。
大好きな桜山ホテル、念願のアフタヌーンティー担当、大好きな仕事に就きながらも真摯に努力し続ける姿は素敵だ。
アフタヌーンティーって、家族や友だちや大切な人と楽しむものと思ってたけど、鉄人の様に一人でも楽しむ、その人それぞれの楽しみ方があり、それもまたいいなと思った。
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主人公、涼音のひたむきさと明るさが時折、苦しくなるけど読んでいたい小説。
あるハンディを持っている、シェフ、達也
憧れだったのに現実では変わり果てた先輩、香織
アフタヌーンティーの達人
おひとり様アフタヌーンティーの眼鏡っ子
そしてなにより、涼音のことを見守る甘党のおじいちゃん、滋。
色んな人の色んな苦労があるけど、
甘いデザートで解きほぐす、そんなお話。
…作中に出てくる「クリスタ」ってマカンマランの人かな?って一瞬思った。
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久しぶりに1日で読みきった作品
あっという間に読み進んでいた!
どの章もほっこりする話で、美味しそうなおやつがたくさん出てきて暖かな気持ちになった
このまま続編を読んでくる!
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2021年出版。アフタヌーンティーを供する老舗ホテルが舞台、最高のアフタヌーンティーの提供を夢見て実現の階段を登りゆく女性が中心人物。描写視点は中心人物と、「気になる存在」のチーフパティシエの男性。主題は「既存の価値観や常識」に自らを縛り、可能性や幸せを棄てたり、他人を傷付けるのってどうよ?って事らしい。その主題が、少し押し付けがましく感じられる記述が重なって感じたのは、自分のココロの貧しさ故だろうか?
女性に対する偏見の多さ・深さに関する記述が多め。その点で共感する人も多いかも知れない。
評価感としては3.5位の印象だが、アフタヌーンティーと云う自分にはまったく縁のない事象世界を間接体験出来たので、4としました。
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アフタヌーンティーって貴族の楽しみだって言うイメージがあった。
でもこの本読んでいきたくなった。
自分の生活に幸福を与えてくれる時間を提供する。すごい素敵な空間だと思った。
アフタヌーンティーの話だけじゃなくて、ホテルスタッフの皆さんの人生の話も満載。
アフタヌーンティーを提供することに対する情熱とか仕事の取り組み方とかそういうエネルギーもビシビシ伝わってすごい元気もらった。
カフェ好きお仕事小説好きの私にとってドンピシャでした。読めてよかった。達也シェフかっこよかった。
Posted by ブクログ
素敵なアフタヌーンティーをたくさんたくさん想像して読んで、読んでる間も紅茶を淹れて静かにゆっくり読もうと思える本でした。
育休中の先輩の愚痴と葛藤が生々しすぎて、これは体験した人にしか書けないんじゃないかなと感じた。あの頃を思い出して気持ちが塞ぐほど。
Posted by ブクログ
アフタヌーンティー、一生に一度でいいから是非食べてみたい。近いうちに行ってみようと思う。
終わり方が潔いというか、爽やかにサラッと終わる感じがいい。
涼音、達也、彗怜、香織、瑠璃、滋、秀夫。
桜山ホテルでアフタヌーンティーを作る人たちの話。
Posted by ブクログ
マカン・マランシリーズ以降久しぶりに
この作者の本を読みました。
アフタヌーンティー。優雅で高貴なイメージだから
自分も経験してみたいけれど、勇気が出ない。
けれど、この本を読む中で気軽にアフタヌーンティーに行っても大丈夫なのかもと思うことができました。
本の中では、何かに対する偏見というのも裏テーマなのかなと思いました。人種や障害、性差、そして
何かに対して頑張り、努力している人をバカにするなど
私たち自身も気づかないだけで無意識的に偏見の目を他人に向けているのではとハッとさせられた本でもありました。それと同時にどんな人でも平等に
受け入れる姿勢というのは難しいけれど
あなたはあなた、私は私と割り切ることも大切だと思いました。
今年こそはホテルでのアフタヌーンティー
是非ともチャレンジするぞ!
そう思えるほど、アフタヌーンティーの魅力が
詰まった作品でした。
Posted by ブクログ
アフタヌーンティーをテーマにした素敵な物語!
デザートって高貴な者なんだなー、と、
アフタヌーンティーの起源を少し垣間見て感じる。
ホテルのアフタヌーンティーのセットの裏側、これは物語だけれども…
企画する側と、シェフ長がいて、
その他のスタッフもいて、
いろいろな人間関係ややり取りがあって、
季節ごとのメニューが決まっている、という側面は、
もちろんアフタヌーンティーだけの話ではないのだろうと思いつつ…
…
主人公遠山涼音29歳は、入社7年目で、ついに希望していたアフタヌーンティーの企画を担当できる部署に配属になり、そこでの試行錯誤がこのストーリーのメインになる。
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お菓子
甘いお菓子に並々ならぬ思いを寄せていた涼音の祖父ー
「お菓子はな、ご褒美なんだ。だから、だらしない気持ちで食べてたら、もったいない」
受け取る側も誇りを持たなければならないのだ、と祖父は語った。
私の日常では、完全にだらだらと食べるものになってしまっているお菓子!
この機に高貴さをもう少し取り戻したいところです。
涼音の話していた、19世紀のイギリスのヴィクトリア時代に一人の貴婦人の空腹から始まったアフタヌーンティーの起源にまつわるお話は、とてもロマンがありました。
食事は一日二回で、コルセットをつけている女性は気軽に間食も許されない。そこで貴婦人アンナ・マリアは、自身の寝室に紅茶とお菓子をこっそり持ち込み、一人ティータイムを開始した。コルセットを外し、甘いお菓子を堪能する幸福を友人にも分かち合いたいと思い、親友たちを招いて秘密のお茶会を催すことに。これが広まり、華やかさを増して、会場も寝室からサロンへと、そして最終的にはイギリスと伝統的な社交の場へと発展した。
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女性と仕事と
涼音は先輩スタッフが産休に入る代替として、アフタヌーンティー開発のリードを務めることになったという経緯がありました。
いろいろな情報に触れる中で、現実の様々な側面を意識し始める。
_会社から一歩外に出ると、自分は高齢出産者でしかないと香織は言った。一方、結婚や出産などどこ吹く風と、仕事に邁進してきた女性たちは、職場を失ったら、いったいどこに道を見つければいいのだろう。
_アフタヌーンティー開発に夢中になるあまり、婚期を逃し、産期を逸し、最終的にはラウンジを追い出されて、にっちもさっちもいかなくなっている将来の自分の姿が浮かび、涼音はお本気で怖ろしくなる。
経営陣にはオジサンばかり、役員には初老男性ばかり。キャリア女性たちはどこへ消えたのか、という話はとてもリアル。
「本当に実力のある人は自分で起業して、今もきらっきらのぎらぎらぎんだそうです」
「そうじゃない人は?」
「母曰く、怖くて連絡取れないそうです」
…
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人の様々な側面
_都合の良い面を見ることと、物ごとの美しい面を見ることは、きっと違う。香織が自分にとって良い先輩で、彗怜が頼りになる仕事仲間だったこともまた、れっきとした真実だ。
知りたくなかった情報に触れたりしたときに、これまで信じていた他者の人物像や物ごとへの見方が崩れてしまったときにどう解釈するか、って本当に難しい。
たとえ噂であっても影響を受けてしまう私たち。でもこうして読みながらも、とくに人間には、ひとつの固定した偏見を持たないように気を付けたいと思ったりした。受け入れがたい側面もあったとしても、でも大抵はそれだけがその人を作っているわけではない。情報だけではなくて、生の感覚とか、自分にとって、というところに自覚的に、自立的に、物事へのとらえ方を捉えられるようにすることは大事だなーと思った。
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過去へのしがらみ
_「自分に照れてる暇なんで、どこにもない」…「偏見を持っているのは、僕自身だったのかもしれないー」…今後、自分がどうするのはまだわからない。ただ、この先に進むためには、目をそらせ続けてきたものと、一度きちんと向き合う必要があるだろう。大事なのは、傍から見たときの”普通”か否かにこだわることではなく、己にとってなにが一番大切かを見極め、それを選び取るための覚悟を引き受けていくことだ。そう。もう自分も、いつまでも自身に臆しているわけにはいかない。
達也は中年でシェフとして活躍しながらも、自分の中に押さえ込んできた本来やりたいと思っていること、それを抱えているときのもやもやがストーリーの中で表現されていて、それがほぐされていく過程っていうのは、だれもが待ち望んでいることなのかもしれない。でももちろん自分で覚悟しないとほぐされるものではないということも自分では分かっているつもりなのに!!!行動に移せないってことは分かっていないってこと?
留学する、海外に出る勇気、というのはよくドラマとかでもあるストーリーなのかもしれませんが、そう、それだけじゃない、勇気を出して本来取り組みたいことに気づく、確信する、そして覚悟する、というプロセスは、どうやって回り始めるのだろうか。達也の場合、過去にシェフの巨匠のような人からもらった言葉がずっと胸に残っていて、その響きと自分の心のうちの声との共鳴に耳を傾けられたから、かなー。人の声を聞きながら、結局自分の声を聞く、そのためにはまず心を研ぎ澄ませておくことがとても大事なんだろうと思う。