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旧家・蒔岡家の四人姉妹、鶴子・幸子・雪子・妙子。上流社会に暮らす一家の日々が描かれる。上巻では、奔放な四女・妙子の新聞沙汰、美しいが無口で未婚の三女・雪子の縁談を巡って物語が展開してゆく――。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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Posted by ブクログ
すごい昔に読んだので詳細は覚えていませんが、雪や桜の花が舞ってキラキラ輝いているような小説だったことは覚えています I read it so long ago that I don’t remember the details, but I recall it was a novel as if ...続きを読むsnow and cherry blossoms danced and sparkled.
当時の風習や時代背景の雰囲気を感じることが出来る素敵な作品です。 内容は3女の雪子の縁談についての話なのですが破談ばかりで上手くいかないという内容です。 御大家であった昔の格式に囚われて縁談が破断したり、自分の家柄に合う人を探すばかり周りが呆れてしまう。 義兄が進めた婚約を断ってしまい、仕事関係でギ...続きを読むクシャクさせ、兄はその後婚約の話をしなくなったりなど。 縁談は今では馴染みがないので読んでいて複雑なのだなと感じることが出来ました。 また民俗学的な興味深い話も多かったです ・丙午は関東では忌み嫌われる。迷信が多い ・未年では関西は嫌われる。縁遠いなど ・興信所→ 企業や個人の信用や所在、行動等について調査を行う民間の機関である 主に縁談の相手を調べてもらうことが多い。今で言う探偵な感じです。 ・結婚の縁談の下調べでも学校の成績表みる。しかも欠席日数まで。 ・季節外れに雛人形を飾ると女の子は縁遠くなる ・東京は流行物ではなく自分に似合う服を着る これは全然当時の風習とかと関係ないのですが いけている花がまさかのケシの花だったのが驚きでした。 ケシの花はアヘンの原料です。 「その花見てたら花の中に吸い込まれそうになる」 と、当時から思われてるほど感じる何かがあったんだと思います。 流産した幸子の表現には感嘆しました。 「妻の眼の中にある涙の玉が大きく膨らんで、破れて、頬に伝わる」 幸子の言葉選びも未だにその出来事が尾を引いてるのだと分かる表現でした。 「今雪子のお腹の中にある思いがどう云うことであるのか、明かに読めるのであった」 「ライラックや小手毬の花がもう直ぐ咲き揃うのを見届けるまでは滞在していられますように」 今の姿が当時の人にとっては感動を得たのかもしれません。本は現代よりも身近な存在だったのだろうと思いました。 また、題名が細雪ってとこに何故なのかを全ての作品を読み終わるまでに気づけるようになりたいと思いました。
少し前の日本は恋の延長戦に結婚があるのではなく、家の発展や今後の過程が、どのくらいうまく行くのかという、極めて現実的な側面を重要視していて、それが愛を作り出していたのかなぁと思った。もちろん恋愛結婚もあっただろうが、まだ家柄や結婚の順番に縛られたり、体裁が重要視されていることに、少し歯痒さを感じた。
細雪読み始める。 上巻ということもあって、四姉妹の状況説明にだいぶ費やされている。 ですがやはり、谷崎潤一郎の筆致の美しさに読み進めるうちにウットリ。 京都の桜巡りの箇所は、実際にそこに桜が見えるよう。読めば誰でも、平安神宮の枝垂れ桜を見にいきたくなると思う。
上流階級、関西の四姉妹。 思ったより読みやすいが、「、」で延々続く口述や心情を言い切るのには慣れないといけない。 関西にいる間は姉妹仲良さに微笑ましかったが、体面の為何度も見合い、雪子まで東京へ行くなど約90年前の上流階級はここまでしきたりが多いかと驚く。雪子は結果良いように利用されてる。 谷崎は戦...続きを読む時中休載されても自費出版でも書き続け、モデルは夫人夫婦とのこと。(解説) 末妹の妙子は男と駆け落ちし新聞にまで載ったが今も関係は続き姉の雪子の結婚待ち。 雪子の見合い(破談)、京都でのお花見、妙子の人形手芸の生徒のロシア人家族との交流、一番上の姉本家鶴子の東京行き、体面で雪子も東京へ、幸子の子悦子の神経衰弱、幸子の流産、雪子の見合い(破談)など。
一気に読みました。 谷崎潤一郎ってすごい作家ですね。昔の上流家庭の暮らしぶりの中に様々な人間模様が描かれていてやはり後世残る作家さんはすごいです♡
中学の頃、国語の問題で『細雪』の花見のシーンが一部出てきたのだが、当時は本に興味がなくスルーしてしまっていた。なぜかそれをふと思い出し、年末、実家に帰省する新幹線の中で読み始めた。 蒔岡家が持つ高貴な雰囲気とコテコテな大阪弁が相まって、4姉妹の上品さが際立っている。会話形式が多いため、長編小説の割...続きを読むにはすぐに読み終えられる手軽さもある。
少し前に読んだ「罪と罰」のロシア貧乏文学の余韻が頭の中に未だこびりついていたので、こういう戦前の品の良い上流階級の描写が心地いい。ただ単に経済的に豊かというだけでなく、品があるというところがいい。 それにしても、野村とのお見合いは本当にイライラした。よく最後まで感情を表に出さずに堪えきれるもんだ。自...続きを読む分ならすぐ顔に出てしまうに違いない。そのへんが彼らと私との品格の差か。
本格的に戦争に突入する前の時代、兵庫の芦屋に暮らす家族の物語。幸子や貞之介の細かい心理描写から、当時の慣習、価値観がわかって面白い。 社会的身分が結婚、仕事、その他いろいろな場面で影響するところや、一族のメンツを保つためなら多少の犠牲は厭わない空気など、現代に生きる身としては辛いものがある。生き方に...続きを読むもっと余白がほしい。
由緒正しき旧家の四姉妹の様子を記した本作は普遍的ホームドラマのようでもあり、文学染みた堅苦しさなどを感じさせず読み易い。特に関西言葉による会話部の描写は活き活きとしていて思わず惹き込まれる。中巻以降の展開が愉しみだ
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