あらすじ
誰かが死ななきゃ分かんないの?
首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いやー面白かった!別の小説を読んでいる最中読み始めたので、結構ボリュームある作品だな、読み切れるかなと不安だったのもなんのその。一気にのめり込んでしまった。ラストは少し綺麗に終わりすぎてる印象だが、最後くらい報われてもいいじゃないかと自問自答。SNS社会へ一石を投じるものになったらいいな。
Posted by ブクログ
最初は、ネットでの誹謗中傷に制裁を加える話だと思いながら読み進めると、なぜそこへ至ったのかを知ることとなる。
制裁を加えた瀬尾を弁護する久代は、瀬尾や誹謗中傷の被害者である芸人、歌手を知る人たちに話を聞く。
この物語は彼らの人生をたどる追憶の物語でもある。
作中に度々登場する「The Way We were」はバーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォード主演の日本では「追憶」というタイトルの映画主題歌である。
Posted by ブクログ
ネットやSNSの怖さがリアルに感じられる本だった。
ネットの情報は真実のほんの一片だけ切り取っていたり、もしくは真実ですらないかもしれない。そんな危ういものだというのは頭では理解していても、文字や映像となってそれらしく差し出されるとつい疑うことを忘れてしまう。自分もそうなっている部分があることに気付かされた。
それだけでなく、自分が信じて進む道への想いなど、感情の描写にも心が動かされる本だった。
Posted by ブクログ
いつ起きてもおかしくない
言葉の暴力本当に怖い
SNSをやってる全ての人に
読んでもらいたいなぁ
塩田さんの本は何冊か読んだけど
どれも時間を忘れてしまうくらい
引き込まれる
Posted by ブクログ
めっちゃおもしろかった!
話が現代的にリアルで正義のつもりでも言葉行き過ぎてるかんじとそんな人のリアルでの生活もあって、、ていう内容は重厚だけど面白くてサクサク読めた。伏線回収も最高
天童ショージ、事の発端は自身の不倫で作中にはそれについては詳しく描写はないけど、リアルな芸能人とかでもLINE流出とかしてるの結構きもいなてやっぱ思うことあるから当たり前だけど自分のした事とはいえこんなダメージ受けるんだていうのは思ったかも
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「内と外」
2人と当事者、内側の葛藤、栄光と挫折を描く。それらを外側から主に攻撃する得体の知れないもの。日本人だから?SNSだから?
まぁこれ読んで改めてSNSはやらんでおこうと思いました。多角的な視点から描いているが故に表現が被っていて、やや冗長的な部分がありますが、きっと音楽の表現など、真に迫るものがあるのでしょう。私には分かりませんでした。それを差し引いても5点です。
Posted by ブクログ
塩田さんはこれまで丁寧な取材でノンフィクションと思えるような作品を書いてきたけど、いつかは本作が描きたかったのかなぁと思うくらい、壮大で心を動かされる。携帯もない時代、ザベストテンなんかを毎週見ていた世代にとっても、SNSの悪意は非常に気持ち悪い。出来るなら本作を中学校の教科書にしてほしい。
Posted by ブクログ
素晴らしい読み味の小説は、私をどんどん高く遠くへ連れて行ってくれる。
でもこの本は、深く静かに潜っていくような感じがした。
大分弁や久留米の言葉がごく自然だったことも嬉しい。そこがいい加減だと、興冷めしてしまう。
瀬尾の言葉ひとつひとつが沁みた。久代奏もとても魅力的。よいお話だった。
Posted by ブクログ
SNSやマスコミの言葉の暴力がテーマ。誹謗中傷でストレス解消する人、追い詰められる人…人生が崩壊していく。大切な人を誹謗中傷した人83人を逆にネットに晒し復讐する。現代のネット社会のひずみと、登場人物の人間関係が奥深いところまで描かれていて、一気に読んだ。
Posted by ブクログ
人間の中のドロドロとしたところ、そして本能で生きているところが掴まれる、触れられる作品。特に前半の次々と匿名でやっていたことが暴かれるシーンは、「誰もが爽快になった」とはちょっと違うけれど、読む手が止まらない感覚を得られるのではないだろうか。
著者の作品も好きで色々と読んでいるが、重く暗いテーマであっても重厚なまま正面からぶつかって書くそのあり方は、人の生き様や自分とは何なのかみたいなものを毎回突きつけられている気がする。
今回も素敵な作品だった。
Posted by ブクログ
時期は早いが、今年1番の作品は塩田武士さんの「存在のすべてを」と思っていたが、本作は肩を並べる、いや超えた作品になった。
「歪んだ波紋」、「デルタの羊」も傑作だったが、「騙し絵の牙(大泉洋が表紙だったからかw)」、「盤上のアルファ」は今ひとつ楽しめず、私にとっては「ムラのある作家さん」というイメージがあったが、圧倒的な筆力にただただ脱帽。
全作読もう。
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった作品。読んでよかった。
告発文から始まる物語。いま、この時代について上手く書かれていたように思う。
なにか不祥事があったとき、未だに誹謗中傷のコメントを目にするが、この本に書かれているとおり「放っておけよ」と思うことも多い。全く関係のない人ならば特にそうだ。自分の行動による、他人の人生への関与に自信をもって接することができるのか。常に考えていきたい。
苦しい場面もたくさんあったが、そこを乗り越えたからこそ、私の心に最後は光が射した。
いいタイミングでこの小説に出会えたことに感謝したい。
匿名
現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。
でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。
Posted by ブクログ
タイトルと紹介文から、SNSに踊らされて誹謗中傷してる人の話だと思ってたら違った。
美月の過去の話がSNSより恐ろしい。
瀬尾さんの訴えは胸に響くものばかりだった。
『「匿名性」は悪意の免罪符ではありません。人間の成熟度をシビアに測る物差しです。』
Posted by ブクログ
SNSで誹謗中傷されたお笑い芸人が自殺をした。
ある日、誹謗中傷した八十三人の個人情報がネットに公開された。
その中には三十年以上前に人気女性アイドルの不倫の捏造記事を書いた者も含まれている。
現代の行き過ぎたネット状況についての警鐘を訴えた作品と思ったがそれについては正直、突っ込みが甘く物足りない感じがした。
それ以上に強烈なのは人気女性アイドル奥田美月の生涯。あまりにも内容が酷すぎて、読むのを止めてしまう。また、瀬尾が個人を特定していくやり方には執念を感じ、恐ろしくなる。
塩田さんは人の優しさ、怖さの表現がとても上手でそれが今回も丁寧に描かれていてとても嬉しい。
Posted by ブクログ
攻撃的な冒頭から想像されたより、読み進めるにつれ、切ない想いが溢れて、最後は愛の物語になっていました。
それにしても、昭和から令和のメディア考としてもとても面白く、また、音楽的な面でもありありと情景が浮かび、とても密度の濃いお話だったと思います。
Posted by ブクログ
数年前、コロナ禍で自粛が呼び掛けられてる中、著名人が飲み会に参加したとして炎上してるSNSをみて、「なぜ、メディアに露出しているというだけで、自分の周りに飲み会参加している人たちはこんなにも沢山いるのに、人でなしのように罵られ、芸能界を干されなくてはならないのだろう」と、家族に愚痴を溢した事を思い出した。
本作は、宣戦布告というタイトルでアップされたひとつの記事から始まる。「私が愛してやまない天童ショージ(芸能人)と奥田美月(歌手)を陥れた83人に、天罰を」という趣旨のもと放たれた爆弾は、83人の日常生活を悉く瓦解させる。「本性」を晒された83人のうちの1人から名誉毀損として訴えられた瀬尾と、その弁護人として選ばれた久代奏を中心に物語は進む。久代奏は天童ショージと古くからの知り合い(同じ学校)であるものの、瀬尾から指名された理由が分からなかった。久代は、瀬尾が拘り続ける天童ショージと奥田美月の繋がりを見つけるため、多くの人に取材を行っていくが、そこで形成される瀬尾、天童、奥田の人物像が、リアルで、彼らの繋がりがとても尊く温かいものであったかを知る。
ラストはハッピーエンド?で、瀬尾は罰金程度で済んだものの、ラストの天童の遺書が、とにかく心に刺さりすぎた。以下は、ほんの一部。
「SNSの最大の罪は、バラバラにあった多様性の象徴みたいな種々の物差しを、銀行の合併みたいに画一的にしてったことや。広まったように見えて狭まったんや。名もなき奴らが粗く編んだ「正しさ」の網に、首を傾けながら絡まってるんが現代人とちゃうんか。」
匿名性という防護服を纏って、安全圏から刃を投げ続ける現代人。SNSが復旧した現代において、自分の意見に正当性を持たせ、日頃の鬱憤をネットにあげ、サンドバッグを血眼になって探しているハイエナたち(ハイエナに失礼)、評価を得るため、または、くだらない承認欲求に囚われ嘘八百ばかりの現代人。本当に自分の行いを見直した方がいい。私はSNSを一つもやらないので、SNSの闇がどこまで深いのかは分からないが、あらゆる人間からゴミのような扱いをされ、死ねと言われ続ける天童の立場にたったときに、あ、これは折れるかも、と感じた。勝手に苦しくなった。
精神的なの暴力は、時として物理的な暴力を上回ると思う。読まなければいいと、理解はしてても、心が納得できない。表現の自由は分かるが、それは自分の発言に責任を持たなくていいという訳ではない。情報に溺れ、自分達の勝手な正義を振りかざす人間が減ればいい。
本当に1人でも天童、奥田のような人が減ることを祈ってます。
「踊りつかれて」というタイトルの伏線回収も好きでした。
Posted by ブクログ
著者の作品はいつも、扱うテーマの選び方が絶妙だと感じています。本作で取り上げられているのは、私自身ずっと気になっていた「SNS上の匿名による行き過ぎた集団糾弾」。
ああいう光景を目にするだけで胸がざわつくし、ニュースになるような事件に発展すると、怒りを通り越して脱力してしまう。だからこそ、こうして警鐘を鳴らす作品が存在することに大きな意味があると思いました。
ただ本書は、SNSの誹謗中傷を批判するだけの内容ではありません。
その先にある“個々の心の動き”を丁寧に掘り下げていく点こそ、むしろ本書の核だと感じました。
短絡的に他者を傷つけてしまう人、想像力が働かないまま加害側に回ってしまう人には、ぜひこの本を読んで自分の内側を見つめ直してほしいです。
他の方のレビューでは「冗長」「テーマがぶれている」といった意見も見かけましたが、私はむしろこの構成だからこそ伝わるものがあったと思います。
読後に静かな余韻が残る一冊でした。
Posted by ブクログ
一般人の仮面を被った人々に大切な人がすり潰されていく様子が丹念に描かれている。瀬尾が二人に向ける長年の想いを時を超えてたっぷり描く一方、犯行声明からの加害者・被害者たちの行うはずだった償いなどはとてもあっさりとしている。女性が自殺したかも?や、奏を襲った犯人、一幸など、今までの人生が終わったことへの後悔はあれど、自分が傷つけた相手への罪の意識や反省が見られなかったことが残念。
ストーリーはどんどん美月と瀬尾を取り巻く過去へフォーカスされていき、現在のSNSの持つ生々しさからは乖離していき、前半と後半で全く別の読み口の作品になっていた。最初のギラギラした瀬尾の序文と本人の性格がかけ離れていることも、ネットでは別人感を出しているのかも。
個人的にBUTTERや羊たちの沈黙など、犯人とそれに向き合う主人公が、事件を介して互いをどこまで信じられるか?という探り合い歩み寄るストーリーが好きなので、瀬尾の献身も何か裏があるのでは?と疑ってしまった。
Posted by ブクログ
SNSの誹謗中傷や週刊誌報道がテーマだが、単純に「悪いのは誹謗中傷する人」と片付けられないところが怖い。
発信する側、見る側、拡散する側。 自分もその一人になり得ると思うと、他人事ではいられなかった。
SNSとの向き合い方を改めて考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
塩田武士さんの作品は3作目
これまでの2作は俯瞰で読んでしまうところがありましたが、今作はいきなり没入型でした。
軸となるのは今までの作風と同じ、ゆっくり丁寧に描写される人物像や社会性。
それでも今作に関しては
みんなにも読んでほしい!そしてみんなの意見も聞きたい!と思わせるもなのでした。
書店員でもないけれど本屋大賞にします
Posted by ブクログ
SNS匿名の誹謗中傷が社会問題になっている現代に生きる一人一人に問いかける本
最後の数ページを読む為に、この分厚い本を読んで来たんだと思った
瀬尾と美月、奏と天童
こんな形の愛もあるんだなぁ、、、
深い愛に感動した
塩田武士さん初読み
他作品も読んでみよう♪
Posted by ブクログ
私刑という社会問題を題材にしたお話。 3つ心に残った点があった。
1つ目はSNSでの過剰な情報発信。誰でも匿名で感想という名の悪口を書けるようになったけれど、「悪口を書いていい」となったわけではないし、そんなこと許されるはずもないんだよな。自由と責任は表裏一体だから、自由な言論が許される世界であるならば発言への責任も背負って当然なわけで。
2つ目は瀬尾さんと美月、久代さんと天童の関係性。なんの脈絡もないけどマラソン大会を思い浮かべた。「どれだけ辛くてもこの人の背中だけ見て走り続けよう」みたいな揺るがない目標というか。尊い関係性だなぁと思い羨ましい気持ちすら覚えた。
3つ目はしっっっかり伏線回収してきて思わず声が出たこと。これってこの長さできっちり読ませたからこその驚きだと思うんだよな。だから諦めずに読んで欲しい。心から。
Posted by ブクログ
SNSの匿名性が起こした悲劇をきっかけに、被告人にまつわるさまざまな点が次第と強く鋭くつながっていき、動機が解明されていく。とても丁寧に編み上げられている布を一目一目読み進めていく気持ちになる。辻褄があちこちで合っていくのにも納得感があって良いと感じた。
今だからこそ読んでほしい作品
これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。
SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、実際あると思います。私も何度か同じ轍を踏みかけました。
気軽に発言ができてしまいますが、そこが世界という大舞台であり何億人という人々の視線が自身に向いているんだという事を常に心に留め置かねばいけません。誰だって人前で立つのは緊張するものです。そういう緊張感を持ってSNSに向かい合うべきだと改めて深く心に刻みました。
気づきと教訓を与えてくれる点では素晴らしい作品ですが、裁判以降の美月のエピソードがちょっと冗長だった印象。壮絶な過去でしたが、前半のSNSへの教訓でめちゃくちゃ釘が刺さったので、そこで切り上げても良かったかなぁと。でも瀬尾と美月と天童の関係性が紐解かれる様はドラマティックでよかったです。ヒューマンドラマとしてすごく密度が高く、読み応えがありました。
Posted by ブクログ
ネット上の誹謗中傷により才能のある一人の芸人が自死した。誹謗中傷した人たちの個人情報を晒すことで復讐をした男を弁護する女性弁護士の話。
ネット上の匿名の過激な中傷に一石を投じる物語かと思ったか、復讐した人物の過去を巡る物語だった。
話は面白いけど、少し主題がボケてる感じは否めない。そして長い…。
Posted by ブクログ
ネットでの誹謗中傷をテーマにした作品。冒頭の罵詈雑言でいきなり心が折られそうになるが、展開としては文句なしに面白く、引き込まれた。だが、途中から登場人物の細かな心情や動機などがつらつらと長く書き連ねられていて、中弛み気味になるのが残念。そしてラスト。感動するべきなのだろうが、正直安易すぎると感じ、自分には響かなかった。テーマ自体は大いに考えさせられるので、ネット社会に生きる人々、特に若い世代に読んでほしい作品。
Posted by ブクログ
瀬尾さんの美月と天童に対する想いが真っ直ぐで筋が通っていて、私は真似できないけどこんな人もいるんだなあと思った。
正直、炎上する理由はそれぞれ本人自身にあるから仕方ないけど加減はあるよなぁって感想。
犯罪者になってしまったけど、瀬尾さんみたいに裏表なく目的にまっすぐな人は大好き!だから周りも瀬尾さんのことを悪く言わないし守るんだろうな!
Posted by ブクログ
別作品の『存在のすべてを』があまりに感動してしまったので、新作は読まねば!と思っており、やっと読むことができた作品。
インターネットに溢れる匿名の誹謗中傷や、承認欲求から他者を貶める行為など、現代の問題を題材にした群像劇。主人公の弁護士が、何も語らない被告人・瀬尾の思いを理解するために関係者たちから話を聞き、事件の真相を追いかけていく物語だ。
あまりにもリアルで、実際に起きた事件をモチーフにしているのかと思うほど現実味があった。事件のきっかけとなった二人の芸能人の背景もかなり事細かに描かれていて、作り込みが素晴らしい。
ただ、説明が少し長すぎるように感じた。判決後のエピローグで瀬尾が自身の思いをかなり長尺で語ってしまうところは、ずっと語らずに読み手に主人公を通して考えさせていたのに、そこで余白が埋まってしまったのが勿体なかった。もっと余韻を残したまま終わって、浸らせてほしかった。
Posted by ブクログ
ネットの「踊りつかれて」というブログに、宣戦布告として告発文が載せられた。
ネット掲示板やSNSでの匿名性のたかいところでの、批判、中傷、罵詈雑言・・などなどに対して。
天童ショージという芸人が自殺した。
彼は才能ある芸人だった。マイク一つで人を笑わせた。
あるとき不倫をしてしまい、それが糾弾された。ネットではものすごい攻撃があり、週刊誌は毎日家をはり、奥さんと子供にまで危険が及んだ末、自殺してしまった
奥田美月という歌手がいた。
16歳からアイドルとして活動していた。幼い頃バレエで培った体はダンスにも生かされていたし、アイドルらしからぬ歌声は神から与えられた才能だった。
だが、彼女も不倫疑惑の写真をすっぱぬかれた。打ち上げ終わりにスタッフたちと共演者との飲み会のあと、よろけて腕を組んだ数秒をとられ、きりとり、週刊誌に載った。その後、追われる身となり、最後、記者に「害虫!!」と叫んだテープが出回わった。そして、彼女は行方不明となった。
その2人をネットなどで糾弾した83人をブログに氏名、住所、年齢、職業や学校などの情報を載せた。
今度はこの83人が、糾弾される番だ!
で、この犯人はすぐに特定されて、瀬尾という音楽プロデューサーが名誉棄損で逮捕された。その弁護を久代奏(かなで)が受け持つことになった。
瀬尾は多くは語らない。
そこで奏はこの事件の真相を知るべくいろんな人に話を聞く
ってシーンが全体の半分ぐらいまで。
そこで、天堂ショージがどんな思いでお笑いをしていたのか、美月がどういう姿勢で歌を歌っていたのか、瀬尾はどれだけ二人に力をそそいでいたのか・・が語られます。
正直、ここまでそこそこ退屈だった。「わかったわかった」って気持ちもありつつ読んでいた。
でもここからどんどん面白くなっていく。
美月と瀬尾の出会い、そのころの美月の家庭環境がヘビーすぎてやばい。
よく、「歌」という神様のプレゼントがあったよって思う。
そしてそこから、天堂ショージとのつながりには「えぇ~そういうこと!?」ってなる。
だから、音楽プロデューサーがお笑いの天堂を支援していたのか~。
ラストは少しほろっとした。
私はSNSで中傷するとかしない(と思っている)し、だからか私のSNSに流れてくるのもとても平和なオタクと、読書の話しかないんだけど、
旦那のSNSは結構、荒れた話題も多そう。
平和がいいや、平和が~