【感想・ネタバレ】踊りつかれてのレビュー

あらすじ

誰かが死ななきゃ分かんないの?

首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人間の中のドロドロとしたところ、そして本能で生きているところが掴まれる、触れられる作品。特に前半の次々と匿名でやっていたことが暴かれるシーンは、「誰もが爽快になった」とはちょっと違うけれど、読む手が止まらない感覚を得られるのではないだろうか。

著者の作品も好きで色々と読んでいるが、重く暗いテーマであっても重厚なまま正面からぶつかって書くそのあり方は、人の生き様や自分とは何なのかみたいなものを毎回突きつけられている気がする。

今回も素敵な作品だった。

0
2026年08月30日

Posted by ブクログ

時期は早いが、今年1番の作品は塩田武士さんの「存在のすべてを」と思っていたが、本作は肩を並べる、いや超えた作品になった。
「歪んだ波紋」、「デルタの羊」も傑作だったが、「騙し絵の牙(大泉洋が表紙だったからかw)」、「盤上のアルファ」は今ひとつ楽しめず、私にとっては「ムラのある作家さん」というイメージがあったが、圧倒的な筆力にただただ脱帽。
全作読もう。

0
2026年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたかった作品。読んでよかった。
告発文から始まる物語。いま、この時代について上手く書かれていたように思う。
なにか不祥事があったとき、未だに誹謗中傷のコメントを目にするが、この本に書かれているとおり「放っておけよ」と思うことも多い。全く関係のない人ならば特にそうだ。自分の行動による、他人の人生への関与に自信をもって接することができるのか。常に考えていきたい。
苦しい場面もたくさんあったが、そこを乗り越えたからこそ、私の心に最後は光が射した。
いいタイミングでこの小説に出会えたことに感謝したい。

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

「想像力の欠けた言葉は銃弾に等しいと。
ネット空間で無数の弾が目の前で飛び交っていること、そして自らも引き金を引いていることに
あまりに無自覚な社会がある」

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

芸能人を自殺に追いやったSNSの誹謗中傷のなかで、特にひどかった83人の一般人の個人情報を晒すところから始まる社会派作品。
とっても重たいけど刺さる作品

0
2026年08月20日

Posted by ブクログ

読み応えあった。
SNSは見るだけで、一切自分発信はしていない。
限られた文字数の中で、真実や伝えたいことが伝わらない、伝えられないとも思うし、責任も持てない。
でもそれは普段自分が発する言葉も同じであって、言葉の与える影響は、SNSだけに限らないとも思う。

0
2026年08月08日

Posted by ブクログ

SNSの誹謗中傷を取り扱った小説、現代に必要な一冊
塩田武士氏、やはり凄い、面白い!!

長過ぎるかな、とも正直思ったが、感動的な最後で全てチャラ
「弁護士は人間に興味を」という先輩からのアドバイスを頭の片隅に残しつつ、弁護することになった音楽プロデューサー、瀬尾政夫の関わる人々の人生を紐解いていく作業、まるッと最後に繋がり鳥肌モノ…
罪の声のようにその作業が塩田氏の作品の醍醐味かな

宣戦布告文を書いて、ネット社会の奴隷達に制裁を与えた、として捕まった瀬尾政夫。
そこには晒されて心が折れた芸人、天童ショージと、奇跡の歌姫、奥田美月への愛や無念など複雑な感情があった。瀬尾を弁護することになった久代奏の目線から紐解いていく話
美月の生い立ちの悲惨さやデビュー後に瀬尾と出会う、再会?するシーン、そのもっと前に天童ショージを知っていた、というところ、色々なポイントでゾクっとする!すごい作品だ!

冒頭の宣戦布告、文字のフォントも変えて太文字の章、作者の枯葉で、わかる人にはわかるところ、いろんな仕掛けの数々が読んでて楽しい。内容が重くなったり、これは昭和の歌姫、中森明菜なのか?という勝手な想像もまた楽し、芸人と、弁護士のつながり、瀬尾と美月のつながり… 東京、京都、福岡、大分、それぞれのストーリーも行ったり来たりでとてもリアル
面白かったーーー



付き合いのある芸能事務所から依頼されてタレントの提灯記事を書く

『炎上保険』ってネタを考えてるときに、彼、言ってたんです『ネットであぶない世の中になったなぁ』って。



アンドレ・ギャニオン『セピア色の写真』
映画、追憶の主題歌『The way we are』
坂東千寿子『声』
菅原都々子『踊りつかれて』
江利チエミ『テネシー・ワルツ』


ネット以後の情報化社会の問題を巧みにまとめた論文
匿名性がもたらす「無責任の毒」の深刻さ


エントロピー増大の法則: 部屋がどんどん汚くなっていく、物事は秩序から無秩序に進んで、かってに元には戻らない、ということ


「SNSは個発言って言いますけど、すぐに他の発倍と結合して大きな塊になりまふ。一人ひとりりに見えて、実はマスになっていく性質があると思うんです。でも責任感が分散するから情報を発することの重みや怖さが分からない・・・」


「この人たちは恐らく、面と向かっては同様の悪態をつくことはないだろうと思いました。目の前で傷つく人を見るのはきついですし、自らの俗悪さを他者に知られるのはバツが悪い。その他反論されるリスク、自信のなさなど対面では生じるはずのブレーキの諸要素が、ネットになると全て消え去ります。質感がなくなった途端、果てしなく増長してしまうんです。目の前にいるときは「実在」の人間で、ネットになると『虚像』へと化ける」

「礼儀正しさ」の裏側には「他者を想う心」と「他者の目を気にする心」があり瀬尾は後者が生み出す底意地の悪さに言及しているのだと、奏は理解した。


天童ショージ= 天童昇士
「真珠夫人』の面白さを共有できなくても、天童は周囲の目に明るく鈍感だ。一幸が持つ物差しは「ダサさ」や「カッコよさ」といった外枠を測るものでしかなく、受け売りの知識でバカにされないよう予防線を張り続けている。

大学一年で、枯葉、ってコンビを組んでた

バレエやってたんで体幹が強いし、スタイルがいいから何やっても様になる。ピンヒールでターン決めても全く軸がブレない。そんなアイドルいましたか?


「愛読書の『月と六ペンス』という小説の中に『義憤には必ず自己満足がふくまれていて、ユーモアのセンスがある人間ならだれでもきまり悪さを感じるものだ』

「SNSに蔓延る『一言もの申したい』人間たちは、日々怒りの種を物色し、或る者は聖人のような立場から、或る者は極めて下品な言葉で"正しさ”を撒き散らしています。「つまり"正しさ”を表明することが『義憤』であると?」「ええ。『ユーモアのセンスがある人間』とは、慧眼というより分別のある人だと解釈しています。ネット情報をイメージだけで信じ込み、決定事項のように拡散していく人たちに必要なるのは、当たり前の分別です」
 

片桐道夫、政夫と道夫、『マサミチ』ってセットで呼ばれてました。
外山美月、雅の地元の子どもにステージで歌ってもらう、夏休みイベント
父、外山英雄は別府で写真館を営む、母は石川美紀子、妹の美咲に当時の話を聞く

小川和枝に家族をめちゃくちゃに…


一番強いのは、諦めない人だー

弁護士柴原を介して奥田美月と天童ショージが繋がる


「いやぁ、でも法律って社会の根幹やん。久代さんが弁護することによって、依頼人は法的に守られるわけやろ?それってめちゃくちゃ大きいことやで。芸人なんかほんま役に立たんからね」


創る人間が楽するのは、毒を飲むのに等しい


人間、真の「正しさ」の前にはひれ伏すようにできてる。でも、個人にそれが備わらんことは、みんな百も承知や。その不完全さを笑いに変えることで食べていくんが芸人とちゃうか。

柴原さんは決して偉ぶることのない人だった。
「息子には自分の存在そのものが輝くような人になってほしいんですよ。」

0
2026年08月01日

Posted by ブクログ

刺さったフレーズを登録するのが好きなんですが、多すぎて断念しました。いずれ購入すると思います。本作と『イン・ザ・メガチャーチ』、必読です。SNSとかいう、得体のしれない巨大な力を窺い知るという意味で。

0
2026年07月27日

Posted by ブクログ

珍しく朝から降雪の長崎。塩田武士さんの『踊りつかれて』を読み終えて涙がとまらない。この作品が広く読まれることは、SNSでの誹謗中傷の抑止力になるのではないか。少なくとも自分は決してやるまいと思った。丸山圭子さんの『どうぞこのまま』、とても良い曲だった。ラストの仕掛けは、ズルすぎた。

0
2026年07月12日

購入済み

幾重もの真実が明かされるたび、くちびるを強く結ばなきゃならなかった。

0
2026年06月29日

匿名

購入済み

現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。

でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。

#深い

0
2026年05月15日

Posted by ブクログ

僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからSNSの世界への「宣戦布告」というこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰ひとり楽には生きられていない。読んでいてやるせなく、苦しい、それでも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。僕は人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。そして、人間は他人を認め、想う世界を作れると信じたい。

0
2026年07月23日

Posted by ブクログ

SNSでの言葉の暴力がメインテーマでした。均一な正しさの押し付けや失敗が許されない空気感は、生きづらい世の中になったなと思いました。後半も面白かったですが、少し色んな要素を詰め込みすぎた感もありました。

0
2026年08月22日

Posted by ブクログ

【良かった点】SNS社会の危うさを描いたテーマが強く心に響いた。ミステリーとしても意外性があり、作品として申し分なかった。

【おすすめ度】★★★★☆。SNSを利用する人には一度読んでほしい。現代のSNS社会について考えさせられる作品だと思う。

【読後の印象】読み終えて、自分もSNSのアカウントを消したくなった。さらに、読書メーターに書いている感想も、人を傷つけていないかと怖くなった。自分の言葉や発信について考え直すきっかけになった一冊だった。読後にも長く残る作品だった。

0
2026年08月21日

Posted by ブクログ

塩田武士さんの作品は、『存在のすべてを』に続き2作目。
扱うテーマとしても、文章量としてもかなりのボリュームでした。

序章は「宣戦布告」と題した衝撃的な文章から始まります。現代のSNSによる誹謗中傷、芸能人のみなし公人化により、多数の一般人から攻撃の標的にされ自殺した芸人と表舞台から姿を消した歌手を悼み、
特に酷い発信をしていた83人の個人情報をばら撒くというもの。

83人はもれなくネットで名前、住所や勤め先を晒され、正義を振りかざす一般人達「安全圏のスナイパー」による集中攻撃を受けます。
誹謗中傷のみならず勤め先への嫌がらせ電話、実際に暴行を受ける者も出てきました。

中盤からは、被告人 瀬尾政夫の知人たちによる情状酌量のためのエピソード集めなど。

自分は決して誹謗中傷をしないです。
受ける人の気持ちを考えれば当たり前のことだと思いますが、匿名性のあるネットだからこそ、直接関わらないということが判断を鈍らせるのだと思いました。

正しく現代の社会問題だと思います。

0
2026年08月12日

Posted by ブクログ

有名芸人・天童ショージが自殺をした。天童は週刊誌に不倫を暴露され、その後ネットによる執拗な誹謗中傷に耐えきれずその命を絶った。
天童のファンだった枯葉という人物がブログサイト「踊りつかれて」に「宣戦布告」という記事を書き、その中で83人の詳細な個人情報を暴露した。選ばれた83人は天童に一線を越えた執拗な中傷を行った者、またもう一つ枯葉が好きだったという「奥田美月」という歌手が表舞台から消えた原因を作った者たちだった。
一方、京都で小さな弁護士事務所で働く久代奏は三年前まで東京の超大手弁護士事務所に所属していた。中華料理屋を営んでいた父が急死したのをきっかけに京都に戻ってきた久代は所長・山城に逮捕された枯葉から久代に弁護を頼みたいという指名があったと告げられる。
刑事弁護を避けていた久代は断りたかったのだが枯葉が暴露を行った理由である天童ショージは久代の中学時代の同級生であり思い出深い人物だったのだ。
久代は接見した枯葉が理知的で自己弁護を一切せず、多くを語らない姿勢に違和感を覚える。枯葉が暴露を行った本当の理由は何なのか。どうしてそこまでしなければならなかったのか。久代は弁護士として情状証人・情状証拠を探すため枯葉と親しかった人々に話を聞いて回るうちに彼の人物像だけでなく、隠された「理由」についても知ることになり。


この本は荒らしい憤りの「宣戦布告」から始まる。その憤りの深さ、血が噴き出ているのではないかと思われるような叫び。一見するとその憤りは匿名という陰に隠れて事実無根な誹謗中傷、あるいは無責任な批判をした人々に向けられているようにみえる。しかしそこにあるのは無力な自己への怒りも感じる。匿名であるがゆえに無責任に放たれるコメントやストレス発散・優越感・承認欲求のための心無い言葉たち。
学校・テレビ・ニュースなどでいくらネットの怖さを伝えても実感のない人、匿名だから大丈夫という謎の自信。それゆえに後を絶たないネットの誹謗中傷。
そうしたむき出しの人の裏側を「人として」「社会として」どうしていくのかを考える時期にきているのではないかとこの本は問いかけている。
通常この分厚さと内容の濃さでは高校生は手に取りにくいだろうと思うが、ぜひとも初めの「宣戦布告」だけでも良いから読んでみてほしい。匿名のコメントだけでなくLINEでの友人とのやり取りにも何かしら思うことがあれば良いと思う。

0
2026年08月12日

Posted by ブクログ

SNSで誹謗中傷された芸能人、天童ショージと奥田美月。2人の人生に深く関わり、やがて加害者になる瀬尾政夫とその弁護士久代奏。

久代弁護士の活躍が主で、瀬尾の関連人物数人にインタビューして、瀬尾、天童、美月の人生を浮き彫りにしていく過程が興味深く、頁をめくる手が止まらなかった。ドキュメント記事を読んでる感覚だった。

美咲から聞く美月の幼少期は、実際に起きた事件を想像させるもので、これはこれで一つの小説になりそうな話だった。

SNSで身上を明かされた瀬尾の被害者83人!の人生はどうなったの?ってことよりも、加害者である瀬尾と天童、美月。この3人を俯瞰する久代弁護士の活躍と4人それぞれの意外な接点に驚愕した。

0
2026年08月11日

Posted by ブクログ

SNSでの誹謗中傷やらネット私刑、プライバシーを無視して傲慢なマスゴミがテーマの話、日常の延長で目にする問題なのであな恐ろしや…という感じだったのだが、それらをした人の個人情報が曝されてどうなったのかではなく、曝した側の怒りの元を辿る献身的な愛のお話だったな。
なんか少し拍子抜けというかいい感じに終わってしまった感はある。
フィルターバブルにエコーチャンバーとかもそうだけど、SNSのルールや常識もちゃんと変わっていくのかな。
でも今回の二人の犠牲者である美月とジョージは数十年の違いがあるのに、やってることは変わってないというか、むしろ全く関係のない普通の人がステレス発散くらいの気持ちで誰かを死に追いやってしまう今のほうが悪質なのかもしれない。

0
2026年08月09日

Posted by ブクログ

とても読み応えがあり面白かった


芸能人スキャンダルに対してSNSでの度を超えた誹謗中傷をしていた者への制裁(第三者による個人情報の開示)から始まる

その犯人から指名された弁護士が関係者に聴取していく展開で事件の真相や犯人の人柄が氷解する
まずそこが面白い
そして犯人が良い人なのも救い

どう結末を迎えるのか気になっていたがどんでん返しとかでなく予想外だった

また読み返したい

0
2026年08月04日

Posted by ブクログ

SNSが普及したことで、良くも悪くも人からの評価が目に入るようになった現代。どれだけ叩かれていてもきっとその陰で味方をしてくれている人はいるはずなのにこういう時って悪意しか認識できないんだよなあ…。これから先もアンチが消えることは一生無いのだろうけど、だからこそみんな読むべき本だと思いました。いつか映像化されそう、、

0
2026年07月28日

Posted by ブクログ

正義を錦の御旗に掲げたSNSと週刊誌によって、自殺に追いやられたお笑い芸人天童と芸能活動をやめざるを得なかった昭和の歌姫美月。
彼らを追い詰めた人々の個人情報を晒した記事「踊りつかれて」を掲載して逮捕された瀬尾。瀬尾の弁護をすることとなった久代奏という女性が辿る瀬尾、美月、天童の人生。
まわりが全員敵に見えたとき、ひとりでも寄り添えたら…そんな印象を持った。

0
2026年07月19日

Posted by ブクログ

SNSの誹謗中傷を苦にして自殺したお笑い芸人と表舞台から引きずり降ろされた伝説の歌姫。ある日、二人を追い詰めるひどい書き込みをした83人の個人名、住所、会社がSNSで晒さられる。今度は書き込みした側が「追われる立場」になるのだ。個人情報を晒した犯人はやがて捕まるが、物語はそこで終わらない。世間が無責任に潰した人間たちは、芸に歌にどれほど真剣に向き合って生きていたか…。その生い立ちや覚悟を丁寧に描き出していく展開も見事。

0
2026年07月18日

Posted by ブクログ

直木賞候補にも上がっていた作品であり、著者の作品は注目していることもあり、楽しみながら読めた。SNSを取り上げたテーマ選定や、巷に溢れる批評を折り込みながら、見落としがちな法制面から見たプラットフォームの問題点を的確に表現している前半は、著者のバックグラウンドを活かしつつ、更なる探究心の深さに対して感銘を受けた。中盤以降、登場人物の過去の物語が冗長気味であることや、終章は明らかにまとめと解説になっており、作品全体がくどくどしくなったのは多いに残念。

0
2026年07月10日

mii

ネタバレ 購入済み

今だからこそ読んでほしい作品

これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。

SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、実際あると思います。私も何度か同じ轍を踏みかけました。

気軽に発言ができてしまいますが、そこが世界という大舞台であり何億人という人々の視線が自身に向いているんだという事を常に心に留め置かねばいけません。誰だって人前で立つのは緊張するものです。そういう緊張感を持ってSNSに向かい合うべきだと改めて深く心に刻みました。

気づきと教訓を与えてくれる点では素晴らしい作品ですが、裁判以降の美月のエピソードがちょっと冗長だった印象。壮絶な過去でしたが、前半のSNSへの教訓でめちゃくちゃ釘が刺さったので、そこで切り上げても良かったかなぁと。でも瀬尾と美月と天童の関係性が紐解かれる様はドラマティックでよかったです。ヒューマンドラマとしてすごく密度が高く、読み応えがありました。

#深い #ドロドロ #ダーク

0
2026年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットの「踊りつかれて」というブログに、宣戦布告として告発文が載せられた。

ネット掲示板やSNSでの匿名性のたかいところでの、批判、中傷、罵詈雑言・・などなどに対して。

天童ショージという芸人が自殺した。
彼は才能ある芸人だった。マイク一つで人を笑わせた。
あるとき不倫をしてしまい、それが糾弾された。ネットではものすごい攻撃があり、週刊誌は毎日家をはり、奥さんと子供にまで危険が及んだ末、自殺してしまった

奥田美月という歌手がいた。
16歳からアイドルとして活動していた。幼い頃バレエで培った体はダンスにも生かされていたし、アイドルらしからぬ歌声は神から与えられた才能だった。
だが、彼女も不倫疑惑の写真をすっぱぬかれた。打ち上げ終わりにスタッフたちと共演者との飲み会のあと、よろけて腕を組んだ数秒をとられ、きりとり、週刊誌に載った。その後、追われる身となり、最後、記者に「害虫!!」と叫んだテープが出回わった。そして、彼女は行方不明となった。

その2人をネットなどで糾弾した83人をブログに氏名、住所、年齢、職業や学校などの情報を載せた。
今度はこの83人が、糾弾される番だ!

で、この犯人はすぐに特定されて、瀬尾という音楽プロデューサーが名誉棄損で逮捕された。その弁護を久代奏(かなで)が受け持つことになった。
瀬尾は多くは語らない。
そこで奏はこの事件の真相を知るべくいろんな人に話を聞く

ってシーンが全体の半分ぐらいまで。
そこで、天堂ショージがどんな思いでお笑いをしていたのか、美月がどういう姿勢で歌を歌っていたのか、瀬尾はどれだけ二人に力をそそいでいたのか・・が語られます。

正直、ここまでそこそこ退屈だった。「わかったわかった」って気持ちもありつつ読んでいた。
でもここからどんどん面白くなっていく。
美月と瀬尾の出会い、そのころの美月の家庭環境がヘビーすぎてやばい。
よく、「歌」という神様のプレゼントがあったよって思う。
そしてそこから、天堂ショージとのつながりには「えぇ~そういうこと!?」ってなる。
だから、音楽プロデューサーがお笑いの天堂を支援していたのか~。

ラストは少しほろっとした。

私はSNSで中傷するとかしない(と思っている)し、だからか私のSNSに流れてくるのもとても平和なオタクと、読書の話しかないんだけど、
旦那のSNSは結構、荒れた話題も多そう。

平和がいいや、平和が~

0
2026年08月28日

Posted by ブクログ

SNSで誹謗中傷した人を訴える
っていうのが最近増えてきて
何でも言っていいわけないとなってきてはいるけど
それはさらされるから?
訴えられて処罰されるから?
そうなって初めて気づくの?

かつて一世を風靡した人気歌手美月や
苦しかった下積み時代を経て
売れたお笑い芸人天童のように

一人一人のその背景にはこんなに
ちゃんと人生が積み重ねられているんだ
愛されたり努力したり巻き込まれたり酷い目に遭わされたり
どんな人生であれ
その人の人生があるということを忘れてはいけない

そして
批評批判と誹謗中傷は違うもの
面と向かって言えないことは
書いてもダメなんだよね

最後の天童の手記が追い詰められてく過程が手に取るようで
つらかった

おもんない
まだいたの
やめればいいのに

言わぬが花って言葉があるね
心のなかで思うのは自由だけど
口に出すなら責任を持たないといけない
自重の意味を込めて

(しかし最近この厚みの本は
長時間読むのがこたえる…笑)

0
2026年08月15日

Posted by ブクログ

現在進行形の社会問題を扱うからには物語に著者の信念が、あるいは葛藤が滲んでいるだろうと思いながら読み進めたけどそうでもなかった……
あと、「雪の香り」を読んだときにこの人の書く男女関係は苦手だな、と感じたのだけど本作においても同様だった。性愛を含まなくても。というか、だから、男女関係というか女性の解釈が合わないんだな。
「存在のすべてを」も気になってたけどこの先購入はないかも。

0
2026年08月12日

Posted by ブクログ

3.5

必要な週刊誌に追われ芸能界を追われた昭和の歌姫、不倫をきっかけに地に落とされた人気芸人。 芸人はSNS叩かれ追い込まれ自死を選ぶ。

2人と懇意にしていた瀬尾は憤り、SNSで特に酷い投稿していた人物80数名のあらゆる個人情報をさらした。

さらされた人物が今度は逆に追い込まれていく。

SNSの功罪がメインの話かと思ったが、その半分は人との繋がりの物語でもあった。

途中の美月が怪物のような女に虐げられる描写が長々と、これは必要だったか?

最後タオルの伏線回収はよかった。

0
2026年08月10日

Posted by ブクログ

無責任な有象無象の匿名な人々(安全圏のスパイナー)が、簡単に参加できる誹謗中傷ゲームみたいなSNSの世界の禍々しさを生々しく描いている。踊らされているのは誰?

0
2026年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

snsでの誹謗中傷が原因で自殺した芸人と、表舞台から引きずり下ろされた伝説の歌姫。
その2人を誹謗中傷した人々がsnsで晒される。

snsの恐ろしさを感じられる話。【安全圏のスナイパー】で気が大きくなって強い言葉は確かに沢山目にする。
我が子にはやっぱり面と向かって言えないことは、snsでも言わないという事を伝えたいなと思った。
弁護士用語が多い辺りは集中力が途切れたりもしたけれど、美月の過去辺りからまた一気に引き込まれた。
天童君と久代さん、こうなる前に連絡を取れていたら結果は変わっていたのかな。

0
2026年08月04日

Posted by ブクログ

言葉が異次元の暴力になる時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷を受けた人気お笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。
一方、バブル期の華やかなりし芸能界を駆け抜けた伝説の歌姫・奥田美月は写真週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らが目にした絶望、それはー

序盤のつかみとラストの100ページは面白く引き込まれて楽しかったが中盤は中弛みと言うか盛り上がりに欠けモチベーションが上がらず読み進めるのが遅くなってしまいました。その後どうなったのか分からないままの所もありモヤモヤした気持ちで終わったのもありました。

この本を読んでて女子プロレスラーの方がSNSでの誹謗中傷が原因で亡くなったことを思い出しました。この事があって法整備が進むきっかけとなったが未だに多く見られます。
本書にあった『安全圏のスナイパー』とは上手い表現だと思います。

顔が見えないからって自分がされて嫌なことを他人にするなよ…いつか自分に返ってくるのよ。

0
2026年07月20日

Posted by ブクログ

美月の家壮絶すぎる。誰にでも発信できる時代に、啓蒙を促す作品だな。今までの作品よりもインパクトがなかったな。

p.356
「美月ちゃん、人生、悪いことばっかりじゃないし、この世の中、悪い人ばっかりでもない。必ず君のことを想ってくれる人が現れるから。一番強いのは、諦めない人だ」
美月が頷くと、支配人は「髪なんてすぐ伸びるぜ」と言って白い歯を見せ、颯爽と部屋を出た。
「さぁ、行こうか」
インダに促され、美月は最後に母のもとへ駆け寄って、おもいきり抱き締めてもらった。
「美咲叔母ちゃんが絶対守ってくれるけんな」
「お母さんも早く逃げてな・・・・・・お願いやけん」
「分かった。絶対に会いに行くけん.....・美月、元気でな・・・・・・」

0
2026年07月12日

Posted by ブクログ

天童ジョージ 芸人 不倫 飛び降り自殺 週刊誌とネットメディア 妻 静香
奥田美月 歌手 暴言テープ 週刊誌報道 姿を消す 父亡くなり叔母に育てられる

「踊りつかれて」 枯葉 宣戦布告 犯罪者たち 83人

藤島一幸 大学勤務
久代奏 東大卒弁護士 同級生の藤島の告訴担当 35歳 亡き従姉の勧めで弁護士に
瀬尾政夫=「枯葉」 逮捕 音楽プロデューサー 奥田美月担当 63歳 創業家次男
 週刊誌が机の上を汚くし SNSが散らかした ウイルスで個人情報収集

「枯葉」 天童の元コンビ名  人を傷つけない笑い
アンドレ ギャニオン「踊りつかれて」に合わせて踊る美月 瀬尾が教えた
管原 都々子「踊りつかれて」美月の母 美紀子が好きだった歌

瀬尾 罰金20万円
別府 21年前と同じ洋館 美月復活コンサート 54歳

0
2026年07月12日

「小説」ランキング