【感想・ネタバレ】踊りつかれてのレビュー

あらすじ

誰かが死ななきゃ分かんないの?

首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

SNSやメディアはじめとした現代の課題や人が抱える暗い過去が題材の本だと思いながら読んでいたら違った。
もちろんその側面もあるけど、間違いなくあまりに大きな愛だった。終章は圧巻。
いつか映像化するだろうな。天童を粗品が演じてくれたらいいのに。
存在のすべてをと同じ作者だったことを知り、納得

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2026年05月16日

匿名

購入済み

現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。

でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。

#深い

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

思うところ大いにあり。特に匿名で誹謗中傷を繰り返すネット社会には正義はない。社会の混乱と未来を思えば、禁止もありなんとも思うほどだ。確かに今は、コンプライアンスや個人情報保護が叫ばれるようになったが、悪用するものには瀬尾を行ったようなペナルティも許されるべきである。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

素晴らしい。
最初はネットで匿名で誹謗中傷を行うゴミについて、私も思うところが言語化されていると興奮して読み進めた。
ネットに生息する魑魅魍魎共がこれを読んで改心しないだろかと思ったりもしたけど、そんな奴らじゃ無いよなぁー。
さらに素晴らしいのは、そういった魑魅魍魎共への批判に終始するだけではなく、この事件にまつわるそれぞれの人生のストーリーに読み応えがあったこと。
ドラマチックで物語としてとても惹かれる。
自分の思いの言語化と惹きつけられるドラマ。
文章の表現もとても好き。
ラストも良かったなぁ。
私の好きなタイプの小説でした!

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

存在のすべてをでも感じたが、1章と終章でもつ印象が全くかわる。
SNSには他者を追い詰める誹謗中傷が溢れている。眺める側の人間だが、その言葉たちがある日突然自分1人に向かって降り注いでくると考えたら恐怖でしかないだろう。
それを想像すること、匿名は免罪符ではないということ、きちんと考えることが発信する人の責任だと思う。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

「ウケるから」「売れるから」という理由で生まれる誹謗中傷の構造や拡散のされ方を1980年代と現代で生々しく突きつけられた。

SNSに人の悪口を書く誰かや、誰々が炎上しているとわざわざ拡散する誰かが最低だと思ってはいても、自分が誰かの不祥事や炎上の理由を知るきっかけはその誰かのコメントや記事。
うっかり加害者側にならないよう注意しなきゃ。

ちなみに、このアプリに本の感想を正直に書くのは加害になるのでしょうか。なるべく、ネガティブな感想は書かないようにしてるけど、作品によって星の数を変えるのも、良くないの?

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

とても良かった
強いて言えば、特にけったくそ悪い大分の件はなくても良かったかと思うけど、ところどころに救いとなる人がいて、作者の世界への期待なのかと勝手に思いました
最後、ささやかな光があって救われました

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

天ちゃん、生きててほしかった
ほんと「生きてこそーーー」

繋がりにふるえた


ネットの「みんな」はみんなじゃない
書きたい人は書きたいことしか書いてない
どんな人にも見られる可能性はある
広くて狭い
玉石混交

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

宣戦布告から物語が始まる。
冒頭からぐっと引き込まれる。
不倫をきっかけにSNSで袋叩きにあい自ら命を絶った天童ショージ。
天性の歌声と美貌を武器に一時代を気づいた奥田美月、彼女は週刊誌の記事をきっかけに歌うことを辞めた。
彼らふたりのファンを名乗る男が復讐なのか、彼らを貶めた83名の人々の個人情報をネットにあげるところから物語が始まる。

彼らがどうやって生きてきたのか。匿名を武器に好き勝手言う数多の人にどのように潰されていったのか。
ネットにあげた犯人とその弁護士を通じて本当にこんな世の中が正しいのかを問いかける。
正しいって何なんだろう。
正義面して、他人を蹴落とすことができるネット社会の現代に一石を投じる作品。
根底には人が大事な人と顔をあわせて相手のことに興味を持ち愛するということの大事さを感じることの伝えたかったのだと思う。

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

『踊りつかれて』(塩田武士)
作者は新聞記者として長らく活動した後、作家になった人と聞いています。綿密な取材を重ねた彼の本には、グリコ森永事件を扱い犯人から脅迫の録音に使われた子供の声を追った「罪の声」や、写実絵画をテーマに扱った「存在のすべて」は印象に残っています。
塩田さんの新作との事で読んだ本作も長い物語の最後まで読んで、静かな印象を受けました。

最初はSNS時代のリテラシーのない人を警告する目的だと思って読みはじめました。私は悪意のある小説とか、悪魔ものは、あまり好きでありません。この小説は最初、ネットで人の事を自分の不満の捌け口として非難中傷した人達の悪意と、それを私刑にしたものをこれでもかと書きたてて、気持ち悪いと思って、我慢して読みました。
最後まで読んで歌手のモデルかはわかりませんが、好きだった山口百恵さんや、お笑いタレントの誰かを私も思い出しました。

今読み終えて、この長い物語は、友情の物語だと思います。彼氏とか彼女とかの関係ではなく、一人の人間としてその人を敬い、心から相手の幸せを願う人が描かれてやっと自分事として読み終える事が出来た気がします。

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

SNSはうまく活用できれば生活は豊かになる。
でも、きっと依存しすぎると自らが名無しのモンスターのようになってしまうのかもしれない…と、恐ろしく感じました。

『匿名性』『集団心理』
どの年代でも当てはまる脅威。
それをわかりやすく形にしてくれた小説だと感じました。

自分の『正義』は他人にとっても正義であるとは限らない。自分の『正義』が誰かを傷つけているかもしれないということを肝に銘じて生きていきたい。
それはSNS上だけではないけれど…。
そんなわかっていたようなことを改めて強く思わせてくれました。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰も楽には生きられていない。でも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

匿名のSNSで自分は安全圏にいながら人を傷つけたり陥れたりする現代の社会問題を題材にした、自分を省みはっとさせられる小説。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

SNSでの誹謗中傷。匿名性による、歯止めのきかなさ。見えない相手への言葉の暴力に対する想像力の欠如。

考えさせられる社会派小説でした。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

冒頭の「宣戦布告」になるほどそういうことかと引き込まれた。途中少し退屈に感じたがラストは良かった。天童には生きていてほしかった。わからない単語がいくつかあって、調べてしまった!

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の言葉遣いが知的で美しく、景色や人物の表情、雰囲気がよく伝わってくるような文章であった。どの頁も大切な場面であるところが特に良かった。驚くような伏線や予想外の展開があるわけではないが、現代社会における問題を鋭く提起しており的確、かつ自分事として捉えることのできる内容で現実的な点も良かった。
著者は研究者気質あるいは観察力のある方ではないかと思う。思想の偏りはないが、自分の意見、目的のようなものをはっきりと感じられた。
SNSやマスコミを通して一部を切り取られた人間たち、そして切り取られた一部を我々がその人の全てのように見てしまう気持ち悪さ、対して、リアルに面と向かって会ったときの人間の魅力、そのコントラストを感じられるのがこの本の素敵なところであると私は思う。

個人的には、昭和の完璧な(※私は平成生まれなのでイメージ)アイドル、平成や令和に不倫騒動で干された芸人、読んでいて顔の思い浮かぶ人間が何人か居た。しかし私の立場としてはマスメディアやSNSを通して彼らを見ているので、これをもしテレビ関係者や芸能界に携わる人間が読んだら、我々とは違う感想もあるのではないか、というのは気になるところである。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

まず、この作品が文春で連載していたということがおもしろい。


誰にでもその人の生きてきた年数分の思いがある。

それを、顔も知らない他人が、本人が目の前にいたら言えないくせに匿名性を利用して土足で踏み躙っていいのか??

どんな人にだって生活があり、周囲に大切な人がいて夢があって努力して泣いたり笑ったり困ったり悩んだり。

そんな人としてのごく当たり前の感情を、全く無関係の他人が弄んでいいのか。


SNSと無責任なネットニュース、ゴシップ記事に翻弄されて、それらに人生を大きく変えられてしまった人たち。

そして、そのゴシップに群がりネットを利用し無責任に相手の人生を破壊した人たちがこれまたネットで告発されて自分の人生を詰んでいく。


〜言葉は時として、心を突き刺す刄となります。人の身体ではなく精神を傷つける唯一の凶器。

〜1番強いのは諦めない人だ。


自分も心に刻んでおく。


80年代に小高学年〜大学生だった自分には、作中のテレビ番組も覚えがあり、美月のモデルはあの人かな?とも思ったり。




似たようなケースで今でもこういう作品に触れると思い出すのは 

人気女優と結婚していた俳優の不倫スキャンダル。
自分は、主演ではなかったが彼の代表作の1つが好きで(我が家はBlu-rayも買った。)スキャンダル後もあの役は彼しかいないと思っていたが世間は違ってた。

今だに出てこないし。お相手は最近ぼちぼち出てきたけれど、彼的には出てきても風当たりがまだ強いだろうから今のままでいいのかな。

新作観たいけど。



彼と、当時はネット社会ではなかったけれど世間の猛バッシングを浴びせられたマイケル・ジャクソンの2人がスキャンダルで最悪の選択をしなかったことを尊敬している。



〜生きてこそ。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

『罪の声』での細かい描写、綿密な情景にうならされた塩田武士。期待して!
昨今問題となってるSNSでの誹謗中傷、以前からあったマスコミによる芸能人へのバッシング…を題材とした作品。どうして縁もゆかりもない人の事をそこまで叩いてしまうのか少しは理解したかも、共感はできないけど。
少しづつ、なぜ犯罪を犯してまで個人情報を晒すことにまでなったのか…弁護をする事になった主人公が調べていく事で話は進んでいくのですが、まぁ何とも切なかったり辛い。最後は少し救われました。おもしろかったです。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マスコミ、ネット、誹謗中傷、問題提起が主題だと思ったら純愛だった
どんな人にも過去があり、受け入れられること受け入れないことさまざま、よく作り込まれて詰め込まれていて、お腹いっぱい
ときおり入るポップな掛け合いが救いではあったが、全体的に重かった。そして冗長、想像にまかせて欲しいところも全部出し切られた気がする。
そうは言いつつほぼ一気読み、次が気になるというより、なんか途中で置きにくい一冊でした。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

audibleにて。途中まで「なんかずっと拗らせおじさんの自語り聞いてるみたいでしんどいなあ」とうっすら思ってたんだけど、途中からただただエモかった。メルヘンおじさん満足です。現代のネット社会の歪みみたいな題材を扱ってる作品はとても多いけど、それだけで読まないのはもったいない作品だなと感じた。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

最近気になっている塩田武士さんの最新作。
冒頭の「宣戦布告」の文章に引き込まれる。激しい口調で書かれているんだけど、たしかにそうだな、と思わせられる。
「匿名性」の世界で、「正義感」を盾に誹謗中傷をする。相手を限界まで叩きのめす。いつからこんな歪んだ世の中になったんだろう。
「誰かが死ななきゃ分かんないの?」
許されない社会って怖いし、物事の一面だけを見て、すべてわかった風に糾弾することの怖さ。でも本人はそれを正しさだと思っている。
「ほっといてほしい」は本当に心からの声だと思った。SNSって便利かもしれない。誰かを救っているかもしれない。でも、誰かを傷つけ、心を殺しているかもしれない。そういう想像力を持って使わなきゃいけないんだと改めて思う。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

読書備忘録982号。
★★★★。

新年度に入って半月ほど。
やっぱ疲れますよねぇ~。
会社員の皆様疲れますよねぇ~。
しかもうちの会社は組織を大幅に見直し。
システムから業務から動かない動かない!笑

備忘録書く気力が・・・。
最低限の備忘だけでも・・・。

序章。
キタァーーーーーー!
ネットの匿名性を利用した誹謗中傷、人格否定などなど、なんでこんな書き込みが出来るのか?その行為が相手に与える影響を想像できない輩。
そしてピン芸人天童ショージが自殺。歌手の奥田美月は姿を消した。
そんな輩に正義の鉄槌を下す神が現れた!
2人に対する加害者83人のクズどもの個人情報をすべてネットに晒す宣戦布告!
これは!ワクワクする勧善懲悪のものがたりか!
★5つ決定やな!ってなりました・・・。

蓋を開けてみたら、強烈な昭和恋愛ストーリーでございました。
踊りつかれたね。2人とも。
それでも★4つに踏みとどまりました!

なんたって心に響いたもん!
芸人、天童ショージのこの叫びが!
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もう吐き出したい。つらくて堪らん。
今はただただ「正しさ」が憎い。「正しさ」ってそんなあっけらかんと口にするもんやったか。みんな心の片隅で「正しさ」が持つ息苦しさを分かってなかったか。人は「正しさ」のために怒りたがる。でも、芯のない「正しさ」は、人間の神経を麻痺させる。人を責めて蹴落とす快感、堕ちてゆく人間をせせら笑う優越感、自分は地に足がついているという肯定感。そんな胸焼けするような感情のパーツを寄せ集めてできたのが「正しさ」や。
人間、真の「正しさ」の前にはひれ伏すようにできてる。でも、個人にそれが備わらんことは、みんな百も承知や。その不完全さを笑いに変えることで食べていくんが芸人とちゃうか。
-----
不完全さを笑いに変えて小市民の気持ちを楽にしてくれるのがお笑いやねん!と思う!
最近はヒトを傷つけないネタとか。アリとは思うけどモヤモヤするぅ!
もっと毒々しいネタが欲しい!

まあ、ええか。

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2026年04月17日

Posted by ブクログ

ネットの中傷で芸人が自殺、悪質な投稿をした83人をさらす。その人たちの一瞬の人生の変化がとにかく怖い冒頭だった。その後全員どうなったかを知りたくなる誰にでもある野次馬心…
今SNSをやっている人は冒頭だけでも読むべきだと思ってしまう。結局こんな恐ろしい事態になっても、他に興味のひく話題があがればすぐに流れてしまう。教訓になるのは一瞬。それでも一度ネット上に投下されたものは消えないし、その後の人生も続いていく。
被告人の瀬尾と美月、天童の繋がりがわかる後半も面白かったけど、とにかく前半の衝撃だけで読んで良かったと思う一冊。

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2026年04月09日

Posted by ブクログ

 匿名だからと思ってネットで無責任な噂を流した市中の人々が、逆に実名をさらされて被害者になる。自業自得といえばその通りだが、それにしてもあまりに悲惨な反撃にあってしまう。それを仕掛けた瀬尾という人物の人柄、30年前からの日とのつながりが解き明かされてゆく。読み応えのある社会派の小説だった。

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2026年04月06日

mii

ネタバレ 購入済み

今だからこそ読んでほしい作品

これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。

SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、実際あると思います。私も何度か同じ轍を踏みかけました。

気軽に発言ができてしまいますが、そこが世界という大舞台であり何億人という人々の視線が自身に向いているんだという事を常に心に留め置かねばいけません。誰だって人前で立つのは緊張するものです。そういう緊張感を持ってSNSに向かい合うべきだと改めて深く心に刻みました。

気づきと教訓を与えてくれる点では素晴らしい作品ですが、裁判以降の美月のエピソードがちょっと冗長だった印象。壮絶な過去でしたが、前半のSNSへの教訓でめちゃくちゃ釘が刺さったので、そこで切り上げても良かったかなぁと。でも瀬尾と美月と天童の関係性が紐解かれる様はドラマティックでよかったです。ヒューマンドラマとしてすごく密度が高く、読み応えがありました。

#深い #ドロドロ #ダーク

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ネット上での誹謗中傷が自殺や社会的制裁を招くという現代ならではのテーマ作品。意外と犯人はあっさり判明して、その動機が何だったのかを追っていくストーリー。意外な過去や思わぬ人物との繋がりが徐々に紐解かれていく仕掛けは、読み進めていて面白かった。もっと重い感じの結末かと思ったけど、意外と。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

匿名SNSで苛烈な誹謗中傷にさらされ命を絶った芸人と、週刊誌に事実以上に書き立てられ表舞台から姿を消した歌手。 本作は、そんな二人を大切に思っていた人物による“ネット制裁”を描いている。 便利になった現代のネット社会では、何気ない一言が思いもよらない反響を呼び、ときに人を追い詰めてしまう。 この作品を通して、言葉が持つ暴力性の重さと、有名人も私たちと同じ一人の人間であることを改めて考えさせられた。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

冒頭の狂気じみた文章は迫力!犯人探しかと思いきや...。頭のいい登場人物が多いからか、理路整然としていて所々実用書読んでる感覚だったけどSNS時代の怖さや私達のモラルを問う問題意識の高い作品であり、今を生きる一人一人の人生を意識させる作品でした。

〈心に残った言葉〉
"「匿名性」は悪意の免罪符ではありません。人間の成熟度をシビアに測る物差しです。"

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は、ネットの誹謗中傷に一石を投じる物語だと思っていた。
けれど読み終えて残ったのは、誰が加害者で、誰が被害者なのかを簡単には決められない、視点の揺らぎだった。

瀬尾が個人情報を晒した83人は、美月や天堂を苦しめた加害者だった。けれど同時に、その83人もまた、それぞれの人生を持つひとりの人間だ。
復讐は許されるのか。もちろん、簡単に許されるものではない。
それでも「許せない」と断じるだけでは、この物語の核には届かない。

ネットで流れてくる断片的な情報を鵜呑みにし、誰かに貼られたラベルをそのまま信じてしまう。
自分の目で見たものではないのに、知った気になり、いつの間にかそれを自分の意見のように感じてしまう。
その危うさは、この物語や今の社会だけでなく、自分自身の中に確かに存在する。
だからこそ、肩書やラベルではなく、その人自身を見つめることの難しさを突きつけられた。

ラストシーンは情景が目に浮かび、特に印象的だった。瀬尾にとって、かつて仕事のパートナーとして互いに尊敬し合っていた美月と"生きて"再会できたこと、そして久代と出会い、今後の人生でも支える対象を持てたことは救いだっただろう。

また、久代の先輩である青山も印象に残った。
軽く見えるのに、人に興味を持つという芯が仕事に生きている。
押し付けがましくない優しさを持つ彼の存在は、この重い物語の中で静かに光っていた。

人を一面的に裁くことは簡単だ。
けれど、人を理解することはずっと難しい。
自分の人生においても、この難問はずっと付きまとうのだろうと感じた。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

SNSの闇。
コメントとかしたことないけど、気をつけよう。
しかし倍速で動画をみちゃう私には長かった。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語としての価値というよりも、
「今のSNS社会の風潮って、どうなんですか」
「匿名性に隠れた、責任を持たない加害者/殺害者になっていませんか」
という、過渡期ならではの空気感を痛烈に批判する強いメッセージを感じた。

冒頭に提示される「宣戦布告」。
これは作中の犯人・瀬尾によるブログの文章だが、
著者、あるいは登場人物が現実社会に対して投げ込んだ、“意見の火炎瓶”のようにも見えた。

芸能人への誹謗中傷、匿名性の陰に隠れた暴言、
承認欲求や優越感を満たすために人を叩く愚かさ。
さらに、過激な意見や陰謀論的見解を、
単純な真実として盲目的に信じてしまう構造。
そうしたSNSにおける現代人の傾向を、
ここまで詳細に言語化している点にも大きな価値がある。


印象的だったのは、「情報のエントロピー」に関する比喩。

「エントロピーの値は、高ければ高いほど乱雑であるということです。つまり、現代ほど情報のエントロピー値が高い時代はありません。ネット以前は紙という物理的制限の中でギリギリ秩序が保たれていましたが、今や人々がグラブもつけずに殴り合っている状態です。机の上が汚いのと家全体、いや、街全体が散らかっているのとでは、比べ物にならないでしょ?」
「つまり、机の上を汚くしたのが昔の週刊誌で、街全体を散らかしたのがSNSを主体とするネットメディアである、と?」

また、ネット上では人が「実在」から「虚像」へと変わってしまう、という指摘も鋭い。

「この人たちは恐らく、面と向かっては同様の悪態をつくことはないだろうと思いました。目の前で傷つく人を見るのはきついですし、自らの俗悪さを他者に知られるのはバツが悪い。その他、反論されるリスクや自制のなさなど、対面では生じるはずのブレーキの諸要素が、ネットになると全て消え去ります。質感がなくなった途端、果てしなく増長してしまうんです」

さらに「コスパ」や「タイパ」、「アシスト機能」の重視によって思考時間が奪われ、
見栄えや承認欲求という浅瀬を漂い続ける状態を「短小文化」と名付けている点も印象的だった。

浅瀬ですぐに善悪を決めてしまう人の増加は、
ネット上の悪貨とも言える「猫情報と怒り」をウイルスのように拡散させ、
実体を伴わない虚像を「たった一つの事実」として閉じ込めてしまう。

「私見に過ぎないんですが……ネットのインフラ化によって『瞬時に答えが分かり、好きなものだけを手に入れられる』という前提が浸透し、その結果『事実よりも面白いことを優先する』『自分が見たい情報ばかり集める』『承認欲求を満たすために感情を吐き出す』人たちが増えたと感じています」

終盤、天童ショージの自殺直前の独白は、とにかく苦しかった。
言葉によるリンチを受け続け、心が疲弊し、正常な精神状態ではなくなっていく。

それでも彼は、社会に対する違和感を持ち続けるほどに知的で、
なんとか乗り越えようとする姿勢を持っていた。

しかしその誠実さゆえに、浴びせられた言葉を反芻し、対処しようとしてしまう。
その過程で、さらに心が削られていく。

心が弱かったからではない。
言葉という凶器によって刺され続け、
大量出血の末に命を落としたような、そんな理不尽さを感じた。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

「宣戦布告」としてSNSで誹謗中傷をした人の個人情報を晒すというあらすじに惹かれて読みました。

今の世の中の不寛容さ、匿名性・集団心理の恐ろしさ。その問題提起はすごく良いのですが、それ以外も盛り込まれ過ぎていて、少しぼやけてしまった印象が否めません。
自ら犯罪者となってでも闘いたかった理由を描く必要はあったのは理解できますがそこが長すぎて、直木賞の評言で京極夏彦さんが仰っている通り、テーマが中盤以降徐々に薄れていってしまった気がします。

けれど現実世界でもまだ結論が出ていない問題だから仕方ないのかもしれませんね。

本作の中に「これまで歴史を作ってきた人間が、こんなおかしな状況を放置し続けるわけがない」という文がありましたが、そうであってほしいと私も心から願います。
誹謗中傷の問題だけではなく、いい大人がSNSと適切な距離感を取れずにいる今の時代が過渡期であってほしいものです。

レビューから逸れましたが、そんなことを考えさせてくれる素晴らしい問題提起をしてくれる一冊でした。

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2026年04月04日

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