【感想・ネタバレ】踊りつかれてのレビュー

あらすじ

誰かが死ななきゃ分かんないの?

首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰も楽には生きられていない。でも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

ザ・ベストテンが歌謡曲番組の王者だったころ、芸能人を貶めるのは週刊誌やワイドショーだった。引き金を引くのは記者たちだ。現在は、SNSによって一般人が芸能人に引き金を引く。最悪の場合は命を奪う。言論空間が広がることは歓迎すべきなのだろうか、閉塞感だけを生み出していないだろうか。本作品ではSNSでバッシングされた二人の芸能人に関わる人が、自分が犯罪者になることを厭わずにバッシングした一般人の個人情報をさらしていく。もう何が正義で、いや、正義こそ悪なのではないかと曲解してしまうほどだ。この苦しみを本作品で追体験すると、気軽なSNS投稿は慎むようになるだろう。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

装画から文章までとても美しい本。
内容は現代のSNSの汚すぎる掃き溜めについて。
匿名ってここまで品格を落とせるんだなぁ、と現実に目にする炎上や誹謗中傷で日々感じている。
そしてこれだけ炎上や誹謗中傷を繰り返しても、全然減らないし社会的制裁もなし。
今作のような行動に出られる人はほぼいないだろうけど、やりたい気持ちの人は多いだろうなぁ。
人のふり見て我がふり直せ、でSNSを利用する時は全方向に不快感を与えないように、を第一に考えないとだね。
毒にも薬にもならない、他の人にとってはどーーーでもいいことをつらつら書く場だと思っているし。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネットによる誹謗中傷と芸能界の光と闇。
一人の天才少女に魅せられた音楽プロデューサーはなぜ犯行に至ったか。
緻密に貼られた伏線と圧倒的な情報量で描かれた犯罪小説。最後まで息もつかせぬスリリングな展開と大きな感動。

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2026年03月21日

Posted by ブクログ

「宣戦布告」のタイトルと共に、強烈な言葉が読み手を惹きつける。「よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。」
不倫したことを火切にSNSで誹謗中傷され、自殺した売れっ子芸人の天童ジョージ。週刊誌につきまとわれ、有る事無い事書かれて、テレビから消された歌手、奥田美月。この2人の仇を取ると「宣戦布告」に書いてあり、同時にこの2人を誹謗中傷して追い詰めた83名の個人情報がばら撒かれた。逮捕されたのは有名音楽プロデューサー瀬尾。その弁護を引き受けることとなった久代。天童、奥田、瀬尾の人生を辿っていくこととなる…

前半から、本当に面白くめちゃくちゃ惹きつけられる!本を読むとどうしても展開が気になり、早く読んでしまいがちだが、面白すぎて読み終わるのが勿体無いとさえ思った!前半までは。後半は事件に出てくる奥田や天童、瀬尾の人生を辿っていく様子が書かれている。前半部分には、現代社会の問題にもなっているSNSの闇について、明確に言語化されていると思う。そして分かりやすく書いてある。SNSは「正しさ」で溢れている。正しくない行いは徹底的に叩かれる。正しいという正義の剣を振りかざし、画面越しに人がいることを考えもしない。まさに「安全圏のスナイパー」匿名だから自分の発言に責任もない。
本当に?本当にそれは正しいのか?本当に責任はないのか?思考停止してないか?誰も傷つけない平和な世界なんてあるのか?
自分がSNSに感じていた違和感を明確に言い当ててくれた。めっちゃくちゃ面白かった!

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

『インザメガチャーチ』でガツンとやられたところにこれ…途中読んだ『逃亡者は北へ向かう』も相まって身が持たない。

序盤は歌手と芸人に匿名でネットリンチした人間の素性を公開するところから。

正義の名をかざしたストレス発散、目の前にいても言えるのか?というような叩きは社会問題だと思っているけど、作家もそこを看過できなかったんだろうなと思った。

白状すると、突き止める様子が怖くなってとあるネットコメントを全部削除しました。
その時にフォロー機能があることを知ったんだけど、なぜか何人もにされていて怖くなった。

インターネットの怖さがわかりやすく、小学生の子どもにも読ませたいと思ってたら、中盤は尼崎事件を彷彿とさせる展開に…この事件、当時衝撃を受けて今でも思い出すのも嫌なぐらい私の中ではトラウマ。読むのが辛かった。
これを小学生に読ませるのは…悩む。

著者は同い年の関西人、ここ数年の傾向として同年代の関西人が書く本は納得感が強い。同じ時代を生きてきたからかな。わかる〜の小ネタも多かった。

終盤は物語として展開されていて、でも序盤、中盤の怖さが印象に残った。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

前半(特に音楽関係のところ)はなかなか話が進まず、読み進めるのに苦労した。しかし、後半は一気に読めた。
SNSについて考えさせる小説、ということになるのだろうか。誹謗中傷を書き込む人には是非読んでほしいと思うが、彼らに限らず、現代を生きる全ての人、SNSを利用する全ての人に「想像力」が求められているのだと思う。他人を貶して今だけ、自分だけが楽しければいい、そんな人間が増えていまいか。相手の心の痛みを想像する力を我々はなくしてしまったのではないか。
それがSNSに原因があるのかはわからないが。

後半は面白かったし、SNSについて考える機会になった点でも読めてよかった本。だから、星5つ……かというとちょっと迷う。長すぎる感があるから。この本、せっかく手にしても途中で読むのをやめてしまった人が結構いるのではないだろうか。それくらい長い(ページが進まない)。じゃあ、星4つか? 迷うところだが、5つにしておく。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

じゃあ理想的なネットやメディアの在り方はどんなものなのかと思い考えたが全然答えが出ない
誹謗中傷や他人への攻撃が0になったらそれはそれでクソつまらなく無価値になると思う
だからといって放置して良い話かと言われると全然そんな事はない
良い感じにしてくれっていうのが本音だが、それが出来たら苦労しないよな

自分に出来ることは色んな人生があるという事を常に念頭に置いておくことだけやな

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

しんどい。腹立つの、しんどいわ。
「罪の声」の塩田武士氏らしい悲惨な被/加害者の惨状が臨場感溢れる文章で書かれていて目を覆いたくなる程に人間の悪意が凝縮されている。

実際、奥田美月の様に悲惨な生い立ちの有名人は居ないかもしれない。しかしマスコミや記者、パパラッチに人生を壊された有名人は実際に数多くいる。それに加えてSNSで誹謗中傷を受け、人生を終わらせた人もいる。この作品はただのフィクションではないし、限りなくノンフィクションに近い作品で多くの人が読むべきだと思う。(しかし悲しい事にSNSで誹謗中傷するような人間にはそもそも小説を読む力がない気も···)

「独白」の章は特にキツイ。
一人の人間が壊れていく過程が鮮明に描かれている。幻覚の様な物が見え始め、疑心暗鬼に陥っていく。そして430Pの罵詈雑言の羅列は悍ましささえ覚える。

今作は警鐘だけでなく弁護士が人間関係を洗っていく刑事物の様なパートがあって面白かった。読んでいて「お、ここに繋がるのか。」と驚く部分もあり面白かった。

瀬尾さんのセリフで忘れてはならないので「匿名性というのは悪意の免罪符ではなく、人間の成熟度をシビアに測る物差しだ」という文章。今を生きる全ての人が持ってないといけない感覚だ。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

SNSがない方が、人は幸せになれるのでは?と思う。近年、スポーツ選手や芸能人への誹謗中傷が酷すぎて、見ていられない。
SNSはもうやめた。なくても困らないことが分かった。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久代奏が関係各所に話聞きに行く場面が間延びしており、発言と人物が一致できなくなったりと混乱する部分があったが、彼らのコメントが若干の伏線?張られており、最後につながっていくところでスッキリ。

天童ショージの独白の部分はしんどかったな。実際に誹謗中傷を受けて自殺してしまう人の最期はこんな感じの幻覚をみてしまうのか。
SNSで発信する人は読んで欲しい。
匿名で一人の相手に罵詈雑言なんて厳罰化モンだよ。

最後のタオル渡すシーン泣けました。

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2026年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めていくうちに、なぜそこまでの行動に至ったのか、背景が徐々に明らかになっていく
私は読者として
「こんなふうに誰かを大事に思っていたら、壊されたときに普通じゃいられないよな…」
っていう感覚にスッと入ってしまった

でも同時に、そこが一番怖いポイントでもあって。
“優しさ”とか“愛情”みたいなものが、そのまま復讐のエネルギーに転化してしまう構造になってる

そういう感情のコントロールをしながら読んだ
ブレーキをかけながらじゃないと
読み進められないと思った

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSの誹謗中傷で命を絶った天才芸人と、週刊誌の虚偽記事で姿を消した伝説の歌姫。突然、彼らを追い詰めた匿名の人間たちの個人情報を晒す「宣戦布告」が謎の人物によって投下される——。



SNSの苛烈な誹謗中傷で命を絶った天才芸人、天童ショージ。そして、週刊誌の虚偽記事によって表舞台から姿を消した伝説の歌姫、奥田美月。彼らが持っていた圧倒的な才能や、表現に対する純粋な情熱という「美しさ」は、匿名の言葉という無責任な暴力によって、いとも簡単に砕け散ってしまった。

フェイクニュースが蔓延する現代社会において、情報の発信源(ソース)を確認する重要性は誰もが頭では理解している。にもかかわらず、その習慣がなかなか根付かないのはなぜか。それは単純に、事実確認という作業が面白くなくて、ひどく面倒だからだ。対照的に、根拠がなくてもドラマチックに脚色された情報は、実に面白くて爽快である。

映画『ベートーヴェン捏造』の中に、「本当かどうかはわからないけど、そのほうがおもしろいでしょ」と笑う教師に対し、生徒が「先生みたいな人が事実をゆがめるんでしょうね」と返すシーンがある。まさにこの「面白さ」や、物事を白黒はっきりジャッジした時に得られる「快感」こそが、人間の持つ恐ろしいエゴなのだ。
私たちは、真実という名の繊細なガラス細工を、「面白さ」や「わかりやすさ」という身勝手な力で乱暴に握りつぶし、鋭利な破片に変えて誰かを傷つけているのではないだろうか。

だからこそ、主人公である久代弁護士の独白が深く胸に突き刺さる。

「世の中には、頭で理解できることは数多くある。しかし、理解は角を落として丸くしない限り、心へは転がっていかない。その心に行き着いた考えや感情の向こうに、人間の真理があるのかもしれない」

正論やむき出しの感情、あるいは切り取られた事実は、鋭く尖ったガラスの破片と同じだ。そのまま投げつければ、相手の心を深く抉るだけである。真理にたどり着くためには、自分の中のエゴを律し、理解の角を落としていく慎重さと優しさが不可欠なのだ。

人間の「白黒つけたい」という快感やエゴを、社会全体で律していくことは相当に困難だろう。日々、理想と現実の相克に直面し、社会の在り方に絶望しそうになることもある。しかし、私はこの物語のラストで、加害者たちを晒した瀬尾が残した言葉に、確かな希望を見出している。

「今は思想の左右や地位の上下に囚われて、浅瀬で小競り合いをしているけど、必ず社会は『極端なもの』を排していく。(中略)みんなが自分のことを棚に上げて物申す恥ずかしさに気づいて、もっと人の心に近い『正しさ』に陽が当たるはずだから」

この祈りのような言葉を胸に刻み、私はこの複雑で厄介な社会を投げ出すことなく、皆で向き合っていきたい。鋭利な破片で傷つけ合うのではなく、いつか「人の心に近い正しさ」に陽が当たる未来を信じて。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

83人のネット私刑のその後の話かと思いきや
2人の天才の過去を辿っていく感じ。

言葉というものは手軽なコミニュケーションのひとつだけど、
相手を死に追いやるほどの武器にもなり、
攻撃する相手にも家族が、大切な人が
いるという想像力を一人ひとりが持つべきだと感じた。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

誹謗中傷、炎上が日常茶飯に起こっていて、当たり前の風景となっているこの現代は、冷静に考えて異常ではないかと今更思う。
SNSやマスコミの扱い方を慎重にと痛感するのはもちろん、人間ドラマは圧巻でした。

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

今日はじっくりとこの本を読もうと決めて、1ページ毎じっくりと読んだ。
全人類この本を読んで欲しいと思う。
私もSNSはやっているが、特に投稿することはなく、人の投稿を読むぐらいしかしていないが、自分の身分を隠してあることないこと言うくせに、自分の個人情報が漏れたら騒ぐなんて、想像がつきすぎて怖い現代だと思う。

途中からは美月の話がメインとなってしまって、話がどこに落ち着くのかよく分からない展開になっていったが、強いて言うなら、残りの80人近くがどうなったかが気になった。

あまりにも情報発信への入口が広いので、自分の言葉が人への凶器にならないよう、全員が理解しないといけないと思う。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

SNSが身近になりすぎて、テレビの前で独り言のようにとか、ちょっと身内や仲間内にウケ狙いで呟く感覚で、SNSに投稿してしまっているのだと思うけど、責任のない一言で見た人がどれだけ不快に思ったり傷つくか改めて考えさせられる作品。
早急に対策必要だと思う。

作品は心ない投稿をきっかけに自殺してしまった芸人と嘘ばかりの内容の週刊誌のせいで芸能界から姿を消す事になった歌手の復讐をすべく、投稿した83人の個人情報が全部晒されて、逆に自分たちが標的になってしまうところから始まる。晒した側の瀬尾を弁護する立場から情状酌量の情報を集めるため瀬尾の知り合いに当時の話を聴きながら、どんどん瀬尾や被害者の人となりがわかってくる内容。面白いけど何故か読んでも読んでもページが進まず、結局2週間ぐらいかかってしまった。今までで最長では?
少し苦しくなる内容もあったけど、読んで良かったと思う。今悪意のこもった投稿をしようとしてる人に読んでほしい。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

これは良い本。深い。すごい(←語彙力w)
多面的かつ骨太なエンターテインメント。時代やメディアリテラシーへの示唆に富み、それでいて存分にヒューマンドラマでもあり、さらに昭和・平成・令和の「芸能史」的な側面もある。どの要素も中途半端にならずにきちんと描き切っている。というか、これらの要素が全部きちんとまとまって大きな太い糸になってるのがすごい。あらすじから想像していたのは「SNSにおける誹謗中傷へのアンチテーゼがテーマの作品」って感じだったけど、そんな単純な話じゃなかった。
この著者の作品は「存在のすべてを」というのも読んだことがあるが、テーマは全く違うものの、それと似た読後感も感じた。社会派、骨太な切り口に見せつつ、その出来事の背景にはその渦中にいた人々の営みや感情が乗ってることを重んじていて、読み進めると軸足はむしろ極めてパーソナルなドラマにあるとわかる感じ。分厚いし、テーマ的にちょっと難しそうかなと躊躇してしまうが、読み始めるとのめり込んで止まらなくなる魅力がある。今回もまさにそうだった…。素晴らしい良書!

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

序章の宣戦布告がネット文章をものすごく再現していてものすごい引き込まれてしまった。
第1章の加/被害者たちも、ある日突然ネットの炎上の火の粉が現実の自分を燃やし始めて、焦る人間の心理描写がとてもよく表現されていた。
これからどんな展開を見せていくのだろうとかとワクワクしながら読み進めていったけど、弁護士の奏が瀬尾の人生を辿り始めたあたりで、ん?なんか思っていたのと違うな…という感想を抱き、奥田美月の過去話になり、最後のラストを迎えて、やっぱり思っていたのと違う物語だったな、という感想に至りました。

ネット炎上や週刊誌のやりすぎた報道については、後半に行くにつれてなりをひそめ、最後はなんか瀬尾政夫のエモ話みたいになったな、という印象。
ちょっと美談に過ぎないか?という印象があって、あまりラストは引き込まれなかったので星4。

加害者たちがみんな最初は天童ショージに好意的な印象を持っていたのに、それがクルッと反転して悪意に染まって暴走していく様はよく書けていたし。要するに私はこういう悪意の暴走とか加害者心理とかその後どうなったとかそういう話を期待してたのに、どんどん瀬尾政夫の過去話になっていっちゃったので期待はずれに感じたんだな。奥田美月が超人すぎるのもちょっと現実離れし過ぎじゃないかな?とも思うし。

あと、天童ショージに対して「でも、不倫してるし…」っていうのが読んでてずーっと小骨みたいに引っかかっていて、それが自分でも意外だった。ショージの妻が出てきて色々話してたり、独白を読んでも「でも、不倫してるし…」って思ってしまう。この気持ちはなんなんだ?なんでそんなに不倫に厳しいんだ自分!と自分に困惑してます。

私的には罪の声の方が面白かったなと思いました。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

『個人で発信できるようになった』ただそれだけ

本当にそれだけなのになんでこんなに勘違いしている人たちがいるだろう…

10年ほど前からこの勘違いは熱を帯び始めて
コロナ禍で越えてはならないラインを超えてしまいそのまま今に至るような気がする

せめて、この本を読んだ人たちだけでもこの思いを旨にこれからの社会を生きていかなければならないと思う

読んでほしい人には届かないような気がしていてそれがもどかしい

それにしても、この小説を連載していた週刊誌の関係者たちはちゃんとこの小説を読んでいるのだろうか?

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

面白かった。この作者は人物の描き方が秀逸だ。衝撃的な犯行声明の後、その反響が次々と起きている中、早々に犯人が特定されたのは最初は意外に思ったが、読み進めるうちに登場人物達それぞれの物語が展開して行くところに引き込まれた。人物達へ感情移入しきった後に読むラストシーンはとても感動的だった。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

SNSの誹謗中傷や週刊誌の報道によるイメージ暴落などによって 命を絶った芸人 天童と歌手 美月。匿名の安全圏から有名人を狙撃するスナイパーたちを許さない、と彼らの個人情報を晒した瀬尾と、逮捕された彼の弁護することになった久代が追う被/加害者の人生。

この方の小説は罪の声ぶりかな。罪の声はあまり好みじゃなかったけれど、この小説は好きだったし余韻が長い。感想(雑)を残すまでに2日もかかってしまった。

SNSで誰かの誹謗中傷をしたり、SNSだけじゃなくてリアルでも芸能人のゴシップを嬉々として話す人たちの気持ちは本当に全く分からない。その時点で寂しい可哀想な人ではあるけど…。
だから晒されて当然とも、あなたも全てを失えばいいとも思わないような、、本当は願っていたような。
ただこの小説はそういう人を批判しているというよりは、その無自覚な暴力の数々が自分の大切な人を追い詰めたという 社会構造に対する静かな諦めと怒りが胸にせまるものがあった。

匿名の誰かが人を傷つけることが容易になって可視化されてしまった社会で、もちろん善意も伝えることは出来るとはいえ、より多くのインプレッションを稼いで飛躍的に膨らんでいくのは悪意の方で…。やり切れないな。
瀬尾や、瀬尾の人生を中心として天童や美月に関係する人々の話を追っていく久代の視点があったことで、そんな社会だけど 対面で築いた深い関係や積み重ねた時間が誰かを救う屋台骨になることもあるよね、という希望も感じた。

大切な人たちが、すごいスピードで消費されていくことに疲れた。なんでもかんでも無関係の他人が自分の物語のように乗っかって話題にして踊るような恥ずかしい態度が軽蔑されないなんて嫌だ。
もうこんな時代は踊りつかれた。でも、きっと大切な人たちには深い関係を築いて支えてくれる人がいるよね、いて欲しいな。


気持ち的には瀬尾の行為には肯定的だけど、それを認めたら私刑を認めることになってしまうな。私人と公人の区別は、公共性とは…。
SNSの気持ち悪さって、匿名の一般人という私人が、公共空間で悪意ある発信を出来るところなんだよね。
公共の場で発信しているのに、そこに影響力を持つことを競い合っている人たちがいるのに、それでも私人として守られるべきなのか、私には分からない。

そんなところに幸せはないし、そんなところでの共感が自分を満たすことなんてないのに。

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2026年03月07日

mii

ネタバレ 購入済み

今だからこそ読んでほしい作品

これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。

SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、実際あると思います。私も何度か同じ轍を踏みかけました。

気軽に発言ができてしまいますが、そこが世界という大舞台であり何億人という人々の視線が自身に向いているんだという事を常に心に留め置かねばいけません。誰だって人前で立つのは緊張するものです。そういう緊張感を持ってSNSに向かい合うべきだと改めて深く心に刻みました。

気づきと教訓を与えてくれる点では素晴らしい作品ですが、裁判以降の美月のエピソードがちょっと冗長だった印象。壮絶な過去でしたが、前半のSNSへの教訓でめちゃくちゃ釘が刺さったので、そこで切り上げても良かったかなぁと。でも瀬尾と美月と天童の関係性が紐解かれる様はドラマティックでよかったです。ヒューマンドラマとしてすごく密度が高く、読み応えがありました。

#深い #ドロドロ #ダーク

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

「宣戦布告」としてSNSで誹謗中傷をした人の個人情報を晒すというあらすじに惹かれて読みました。

今の世の中の不寛容さ、匿名性・集団心理の恐ろしさ。その問題提起はすごく良いのですが、それ以外も盛り込まれ過ぎていて、少しぼやけてしまった印象が否めません。
自ら犯罪者となってでも闘いたかった理由を描く必要はあったのは理解できますがそこが長すぎて、直木賞の評言で京極夏彦さんが仰っている通り、テーマが中盤以降徐々に薄れていってしまった気がします。

けれど現実世界でもまだ結論が出ていない問題だから仕方ないのかもしれませんね。

本作の中に「これまで歴史を作ってきた人間が、こんなおかしな状況を放置し続けるわけがない」という文がありましたが、そうであってほしいと私も心から願います。
誹謗中傷の問題だけではなく、いい大人がSNSと適切な距離感を取れずにいる今の時代が過渡期であってほしいものです。

レビューから逸れましたが、そんなことを考えさせてくれる素晴らしい問題提起をしてくれる一冊でした。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

素敵な表紙と踊りつかれというタイトルからの宣戦布告のはじまりに惹かれて読みました。
誹謗中傷によって苦しんでる人がいて社会問題にもなっているので読んでとても勉強になった。
専門用語も出てきて調べながら読んで、なるほどと思いながら読みました。
天童ショージの独白は読んでいて、あぁ、もうだめかもしれない、、と私も一緒に思ってしまいしんどかった。
匿名なら芸能人とかに悪意のあるコメントや正義を書いてみようとか、そもそも書きたいと思ったことがなかったのでP271の、瀬尾さんの発言が心に残りました。
私たちはニュースや投稿を目にするとすぐに内容にのめり込んでしまう。
憂さ晴らしに人を利用していないか、追い込まれる実在の人間を想像できているか自問してほしい。
美月の心情も知れたら良かったなと思いました。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

主題は結局2人の人生についてだったのか?『なぜこんなことをしたのか?』に重きを置くのかと思っていたら2人のパートが膨らみすぎて思っていた方向と違った。

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2026年03月21日

Posted by ブクログ

SNSでの誹謗中傷は
芸能人、アスリートだけでなく、
いじめなどの加害者である未成年の実名や家族を晒したりなど
間違った正義中毒の人たちがたくさんいて、
本当に無法地帯だと思う。

好感度高い人の不倫などは
そりゃやっぱりガッカリするけれど
それで「こいつ○ねばいい」とは決して思わない。

でもSNSで過度の誹謗中傷を繰り返す人は、
結局はそこらへんにいる普通の人で、
本著でも加害者それぞれの話は興味深かった。

加害者の話が中心になるのかと思ったら
昭和平成の芸能界の話や
尼崎事件を彷彿とさせる他者が突然入り込んできて家族が崩壊する恐ろしい話など盛りだくさん。(描写が怖くてさすが「罪の声」の著者という感じ)

しかし、弁護士の久代を襲った犯人は結局誰だったのか、ハッキリとはわからずじまいだし
誹謗中傷加害者の歯科医は行方不明のままだし、
美月の家族を崩壊させた恐ろしい女、和江は忽然と消えてどこに行ったのか。

なんだか色々消化不良の中
後半の瀬尾と美月の思い出を辿る話が長くて、最後のメロドラマ調の展開がちょっと、んー。。。好みの分かれるところ。
でも「声」という歌は聴いてみたい。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

物語の中の人物が発言しているというよりは、作者の思いを物語の人物を介して伝えてきている感じだった。(当たり前なのだが)
そのため物語に没入が出来なかった。

内容的には、ネット社会の誹謗中傷について。
様々な場所で誹謗中傷はやめようと言っているのにも関わらず、なくならない。もはや文化であるかのようになっているものに対するアンチテーゼ。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

SNSの誹謗中傷によりお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。
時は遡り、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。

そして、「宣戦布告」
よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。・・・・
重罪に認定された83人はネットにすべてを晒された。
犯人は美月とコンビをくんで一世風靡した音楽ディレクターの瀬尾政夫。
天童の同級生であり、なんとなく縁を感じていた弁護士の久代奏は
瀬尾から任命され弁護することに・・・。

なぜ、このようなことを起こしたのか?
本人が語らないまま、関係者の聞き取りで瀬尾の人となりに触れていく。
つかみのインパクトはある。
そして、だんだんと天童との関係性、美月との関係性が明かされていくのも面白い。

SNSの怖さやひとの愚かさなど
現在の問題点なども含め
心に刺さることばも多く、考えさせられることも多かった。

途中の回顧するところなどは美月の人となりを知り、
瀬尾との関係性を深く感じるのには必要なことだったのかもしれないが、
盛りだくさん過ぎたような気もします。
正直、中だるみ感はありました。

あの腐った女帝は誰に殺されたのでしょうか・・・。

そして、歌声きいてみたいな~。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

SNSなどで見た短い情報だけで白黒を判断し、正しさは常に揺れ動くものなのに自分が間違っているかもしれないとも考えず、身勝手な正義を振りかざして承認欲求を満たす醜悪さ。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

SNS時代の安易な悪意を拡散する人々
とそれに翻弄される人々
その背後にある苦しくもまっすぐ生きる人々
それを丁寧に描く

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2026年03月08日

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