【感想・ネタバレ】踊りつかれてのレビュー

あらすじ

誰かが死ななきゃ分かんないの?

首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それは――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読後の満足度が高い。
サスペンスかと思ったけど、ストーリーに厚みがあって読み応えがあった。
瀬尾が人生を通して関わった、美月、天童、久代それぞれの、ひたむきで実直で哀しいくらいキラキラした浮き沈み。
そのキラキラが、不特定多数のただの不満のはけ口に、面白半分に、ズタボロに潰されて沈まされるなんて…。報復に値する。
とてもリアルで、社会派の読み物としても、芯が通っていると思う。
訴えたいばかりに焦点をあてるのではなく、その一人ひとりの背景まで丁寧に描き、その後も人生は続いていく…という流れは、とても入りやすかった。
時代で変化はあれど情報社会への憤り、ノンフィクションかと思う慟哭、子供目線での淡々とした絶望と光、夢にむかうヒリヒリした熱量や愛情、…様々な感情表現が熱くてグッときた。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

久しぶりに、「本ってすごい!」って思える一冊でした。愛以上のものを感じれた。あっという間に読めました :)

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネットでの誹謗中傷を受け自死した芸人、はるか昔、昭和の時代に消えた歌姫、2人の無念を晴らすかのように中傷した83人の加害者達の個人情報を世に放った枯葉なる人物。彼らのつながりは。…

すごかった。
世に蔓延るネットによる誹謗中傷の危険性をテーマにしつつ、美月の壮絶な過去が明かされ、最後に壮大な愛で収束する。
途中どこに向かうのかがわからない感じに戸惑ったが、半分から先は一気読み。
疲れたけどたまらなく面白かった。
少し前に読んだ葉真中氏の家族を思い出す。
ベストテンとかヒットスタジオとか、懐かしい。
天童くんが残念。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

すごい本でした。
私はこれを読んで一部のSNSを辞めました。
大切なものを壊された人間が狂ってもいないのに犯罪に手を染める理由にも納得できました。
まだまだ深く掘ってないところもあるのですが、それすら蛇足と思えるくらい、主人公と大切なもの(人)、そして弁護士の絡みが秀逸でした。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在の社会に疑問を投げかけるとともに、美しい物語でした。

自分に見えている世界はほんの一部で、人々は絡み合いストーリーが生まれている。それを自分の価値観やその時の感情に乗せてアンチコメントに変えている人は、きっとこの世の中には少なくはないんでしょう…。

本を読み進めていて、浜崎あゆみと松浦さんが思い浮かびました(彼らは恋愛関係にありましたが)。

序盤はどんな展開になるのかと思っていましたが、人情味がある話になり引き込まれました。何より描写が細かい細かい。置いてある机の描写…それいる?って思ったりもしました。笑

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

瀬尾さん辛かっただろうな。
自分が大切にしてきた人達がつぶされていって。

人間は本当に恐ろしいなあと感じる。
今はSNSで簡単にいろんなことが発信できるようになったのでより混沌としてきているように感じる。

ただ気軽に発信できることはいい面もあるので今回は悪い方向へ行き過ぎてしまった結果なのだろう

そもそもSNSで誹謗中傷できることにすごいと感じてしまう。全世界に発信していますよ。なんなら拡散もされるから拡声器で大音量で叫んでますよ。

しかも、失敗に対して必要以上の制裁が行われる状況がその人たちにとってプラスなのかなあ。
自分が制裁を加えられる側に回る可能性も十分にあるわけで。

この本では制裁を加えられた人達に焦点を当て人生の深掘りがされていて、本当にそこまでぼこぼこにされるような人達だったのか考えさせられた。

それと、やはり自殺はやめといたほうがいいと思った。
本当に人生に絶望してしまったのかもしれないが、どうしても残された人達のことを思うと辛すぎる。ただ生きていさえすればどうにかなる可能性は少なくとも0ではないと信じたい。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

SNSの「正しさ」の炎上社会に反撃する物語。しかしこの小説自体でメタ的に反論しているので、物語であるとともに思想書・社会論のような作りになっている。
物語はかなり昔のストレートな「美しい話」のようになっているが、これも思想書としての著者の「論法」なのかもしれない。
実際には、この「正しさ」を克服する方法も目処もあまり論じられていないかもしれないが、今後の社会への一石には充分値する作品。
物語の重要人物が子供時代にかなり残酷な不幸に見舞われる(フィクションとはいえ読み進めるのをちょっと躊躇するくらいな凄い描写)が、これを救ってくれる人物が現れる。この人の職種、立ち位置としては一般的に「グズの外道」である。それに脇役として登場するし、小説に登場する際の「役柄」ならばやはり「グズの外道」がセオリーな筈が、なぜか所謂「救世主」として現れる。そしてすぐにいなくなるし、その後もたいして言及されないままになる。だが、この描写はこの作品全体でとても重要だと思う。


人を責めて蹴落とす快感、堕ちてゆく人間をせせら笑う優越感、自分は地に足がついているという肯定感。そんな胸焼けのするような感情のパーツを寄せ集めてできたのが「正しさ」422

SNSの最大の罪は、バラバラにあった多様性の象徴みたいな種々の物差しを、銀行の合併みたいに画一的にしていったこと423

一人間としてその人を敬い、心から相手の幸せを願うことは、やはり愛としか言いようがないのではないか436

必ず社会は「極端なもの」を排していく。
「正しさ」だってそう。みんなが自分のことを棚に上げて物申す恥ずかしさに気づいて、もっと人の心に近い「正しさ」に陽が当たるはず443

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2026年05月22日

Posted by ブクログ

かつて一世を風靡したけれどスキャンダルで姿を消したアイドルと不倫報道からメディアで誹謗中傷を浴びて命を落とした人気芸人
復讐のためにブログを立ち上げ、2人を貶めた83人の個人情報を晒した音楽プロデューサー

なんてグロテスクな世の中になったのだろう
いまも罵詈雑言はweb上にあふれ、永遠に残り続ける

物語の中で起こるフィクションは実社会でいつ誰が起こしてもおかしくない
実際に起こったとしても時間とともに消化され、また新たな火種が現れる

こんな漂白された無菌状態の潔癖な世の中じゃ明るい未来なんて描けない
これは平和なのか?
世界はさらに歪な方向に向かっている

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

読むのがキツすぎる、辛すぎると思うところもあったけど、全体としてはぐいぐい引き込まれた最後までとてもよかった。

有名人に対するネット上の誹謗中傷は目に余るものがあるし、現実でもそれが原因で失われた命がある。「枯葉」のしたことは過剰で罪にも問われることだけど心情的にはすごく理解できる。

作中のアイドルはあの人っぽいなとかイメージを重ねたり、昭和のテレビ業界をリアルに想像したりしながら読むのもおもしろかった。笑えると言う意味でのおもしろさではなく。

たくさんの登場人物が出てくるけど、それぞれの人たちのドラマが読み応えがありおもしろかった。現代的なテーマだけでなく、ほかにもいろいろ中身の濃い小説でとてもよかった。

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

SNSやメディアはじめとした現代の課題や人が抱える暗い過去が題材の本だと思いながら読んでいたら違った。
もちろんその側面もあるけど、間違いなくあまりに大きな愛だった。終章は圧巻。
いつか映像化するだろうな。天童を粗品が演じてくれたらいいのに。
存在のすべてをと同じ作者だったことを知り、納得

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2026年05月16日

匿名

購入済み

現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。

でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。

#深い

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

思うところ大いにあり。特に匿名で誹謗中傷を繰り返すネット社会には正義はない。社会の混乱と未来を思えば、禁止もありなんとも思うほどだ。確かに今は、コンプライアンスや個人情報保護が叫ばれるようになったが、悪用するものには瀬尾を行ったようなペナルティも許されるべきである。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

素晴らしい。
最初はネットで匿名で誹謗中傷を行うゴミについて、私も思うところが言語化されていると興奮して読み進めた。
ネットに生息する魑魅魍魎共がこれを読んで改心しないだろかと思ったりもしたけど、そんな奴らじゃ無いよなぁー。
さらに素晴らしいのは、そういった魑魅魍魎共への批判に終始するだけではなく、この事件にまつわるそれぞれの人生のストーリーに読み応えがあったこと。
ドラマチックで物語としてとても惹かれる。
自分の思いの言語化と惹きつけられるドラマ。
文章の表現もとても好き。
ラストも良かったなぁ。
私の好きなタイプの小説でした!

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

存在のすべてをでも感じたが、1章と終章でもつ印象が全くかわる。
SNSには他者を追い詰める誹謗中傷が溢れている。眺める側の人間だが、その言葉たちがある日突然自分1人に向かって降り注いでくると考えたら恐怖でしかないだろう。
それを想像すること、匿名は免罪符ではないということ、きちんと考えることが発信する人の責任だと思う。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

冒頭が強烈。昭和芸能界の雰囲気味わえたのは確かだけれど、思ってた方向に進まなかった印象。冒頭の強烈さで突き進んで欲しかったかな。今は流石にここまではいかないけれど、勝手な憶測で吐き出すネット民はいないわけではないから、そんなことする前にこの部分を読んで欲しいですね。美月の家族の描写がきつすぎ。誉田哲也氏作品でもこんな感じ読んだかも。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

塩田さんの本は、終盤のたたみかけが凄まじくて、
「そう繋がるのか!」と毎回ドキドキする。
『踊りつかれて』はSNS社会に一石を投じるテーマになっていて、
読み応えもあった……。
これが週刊文春で連載されていたの、信じられないな。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

スター美月、売れっ子芸人天童、p瀬尾ちゃん、
久代弁護士、彼等の生き様が映像で観ているように展開して引き込まれていきます。
SNSによる匿名性ありきの誹謗中傷による天童の自殺からすべてははじまります。
瀬尾の怒りにも共感するし、正義とは?
途中読むのが辛くなるところもあるけど、みんなに読んで欲しい小説です。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

宣戦布告から一気に物語に引き込まれた
主人公の弁護士の聞き込みによって少しずつ明らかになっていく過去
天童と美月と瀬尾のつながりがわかってほっとした
藤島や和枝などの悪役が光と影のコントラストを生み出していて、この長さでも飽きずに読み進めることができた

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2026年05月28日

Posted by ブクログ

確実に作者自身の怒りが筆に込められている箇所も多々見受けられて、読み応えがあった。SNSの悪しき側面が閾値に達した感のある今、書くべきして書かれた小説なのだと思うし、結局ワイドショーや週刊誌が狂っていた時代から何も変わっていないのだな、と気づかされた。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

ネットの炎上から人生が狂ってしまった芸人。
悪意ある切り取りの記事から表舞台から姿を消した歌手。
彼らを「炎上」させた匿名の人物の名前や住所を公開したブログがアップされるとさらなる炎上が巻き起こった。
この話はフィクションだけど、実際に同じように悲しい事件が後を絶たない。
なぜ、当事者じゃない人たちが、良くも知らない人物の事を有ること無いこと言えるのだろう。私にはわからん。
苦労してやっと売れて、これからというところで炎上し、全てを失ってしまう。壮絶な人生だったけどラストにはグッときた…。

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

炎上、それは本当に他人事だろうか?
本作を読んで、「もしも明日自分が炎上したら」と人生で初めて考えた。

勧善懲悪のストーリーに非現実さを感じるように、実際の人間社会とは複雑で、見る角度によってその印象は大きく異なる。
それなのに、SNSでは毎日誰かが自己責任論を盾に個人を攻撃している。

その一つひとつの攻撃により、積み重ねたキャリアを奪われたり尊い命が失われることもある。
そんな「赦されない社会」が幸せな社会とは思えない。

10年後、いや5年後に「炎上」という言葉が死語となり、(著者や出版社には申し訳ないが)本作が古臭い作品として忘れられていく未来を願う。

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

匿名のSNSで自分は安全圏にいながら人を傷つけたり陥れたりする現代の社会問題を題材にした、自分を省みはっとさせられる小説。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

SNSでの誹謗中傷。匿名性による、歯止めのきかなさ。見えない相手への言葉の暴力に対する想像力の欠如。

考えさせられる社会派小説でした。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

冒頭の「宣戦布告」になるほどそういうことかと引き込まれた。途中少し退屈に感じたがラストは良かった。天童には生きていてほしかった。わからない単語がいくつかあって、調べてしまった!

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2026年05月07日

mii

ネタバレ 購入済み

今だからこそ読んでほしい作品

これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。

SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、実際あると思います。私も何度か同じ轍を踏みかけました。

気軽に発言ができてしまいますが、そこが世界という大舞台であり何億人という人々の視線が自身に向いているんだという事を常に心に留め置かねばいけません。誰だって人前で立つのは緊張するものです。そういう緊張感を持ってSNSに向かい合うべきだと改めて深く心に刻みました。

気づきと教訓を与えてくれる点では素晴らしい作品ですが、裁判以降の美月のエピソードがちょっと冗長だった印象。壮絶な過去でしたが、前半のSNSへの教訓でめちゃくちゃ釘が刺さったので、そこで切り上げても良かったかなぁと。でも瀬尾と美月と天童の関係性が紐解かれる様はドラマティックでよかったです。ヒューマンドラマとしてすごく密度が高く、読み応えがありました。

#深い #ドロドロ #ダーク

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん、正直同じようなインタビューのような会話劇が続いて後半急に実際にあった事件出てきて唐突な展開という印象。会話もさまざまな方言が出てきてなんかクサいな〜という感じ。特に法律事務所の絡み。
最後まで読んでも、最初の事件に納得感は別に生まれず、いろんな内容を無理矢理結び付けてる感があり。
何度も挫折しそうになりながら最後まで読みましたが、序盤で合わなかった時点でやめても良かったなと思いました。

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読後の感想を一言で言えば、踊りつかれ果てました。
闇の深い作品は読み続けるのが辛い——だったら読むな、という話ではあるが。

本作を描くにあたっての塩田さんのエネルギーの源泉は、おそらく「或るカナリアのさえずり」と題した論考にあると思う。
承認欲求をこじらせた人々がSNSに群がり、タイパ・コスパ重視のお手軽な「正解っぽさ」のフィルターバブルとエコーチェンバーに染まって、不祥事を起こした悪者を吊し上げるという浅はかなルサンチマンを享楽する構造——その批判が作品の底流に流れている。

特に、お笑いに詳しくもないSNS大衆のド正論がテレビのお笑いをじわじわとつまらなくしてきたことへの怒りが伝わってくる。「誰も傷つけない笑い」の空虚さ、不寛容な大衆の視線がコメディの豊かさを削ぎ落としてきた。この違和感は吉本芸人らの闇営業問題のあたりからくすぶり続け、松本人志事件をきっかけにペンを走らせたのではないか。そうでなければ天童ショージをわざわざ芸人にする必然性はないし、元トップアイドルの奥田美月を暴力団の新年会に立たせるエピソードを入れる理由もないだろう。弁護士事務所での奏と青山のやり取りの小気味よさに塩田さんの話芸へのこだわりが滲み出ているなぁと思って調べてみると、Wikipediaに高校時代にお笑いコンビを組んでいたという記載があった。そりゃ、この主張だけはエントロピーをシコタマ高めて広く世に解き放ちたくなるはずだ。

ところで奥田美月は、舞台上の描写から完全に中森明菜に重ねながら読み進めた。となるとスキャンダルの相手は近藤真彦になるし、権力でもみ消しを図るドンにはメリー喜多川が透けて見えてくる。週刊誌フリーダムはフライデーで、ファインダーはフォーカスだろう。80年代の音楽業界をリアルタイムには知らないが、そのくらいはおぼろげに記憶している。

本作が構造として興味深かったのは、時系列に書いた物語を後からバラバラに再配置していると思われるが、弁護士が事件関係者を取材するシーンでドキュメンタリー調に一人語りさせたり、手記で振り返るように描く手法は、飽きさせない工夫として効いていた。気づけば映画を観ているような感覚で読んでいた。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正しい「正しさ」とはなんなんだろう。と考えさせれれる。最初は83人のその後が書かれているかと思ったら違った。着地点は何処なんだろうと読み進めた。そしたら出身地出てくるやん!商店街も、会館も。天狗の後ろ側のことまで(笑)とり天のお店も(笑)
ニヤけながら読んだな〜。
ただ、天童の独白で不倫の事については何もなかったのは何でだろう、プライバシーを晒された歯科医の女性の死は???
?がすごく残る。和枝もあの洗脳主犯の女性を連想させられた。ただ、最後のタオルの掛け合いは「おお!」ってなった。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

今やSNSを使用していない人間はほぼいないんじゃないかと言うほど皆がSNSを利用し、そして簡単に発信者となれる。簡単に自分の意見や考えを発信できてしまうSNSとの「正しい」向き合い方は何なのか。そして本来SNSはどうあるべきものなのかを考えさせられた作品だった。今でも誹謗中傷は続いており、SNSの持つ力が加速しているので、自分一人だけでも改めてSNSとの向き合い方、他人と自分の正義が違う際の向き合い方を改めたいと思う。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネット上での誹謗中傷が自殺や社会的制裁を招くという現代ならではのテーマ作品。意外と犯人はあっさり判明して、その動機が何だったのかを追っていくストーリー。意外な過去や思わぬ人物との繋がりが徐々に紐解かれていく仕掛けは、読み進めていて面白かった。もっと重い感じの結末かと思ったけど、意外と。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

匿名SNSで苛烈な誹謗中傷にさらされ命を絶った芸人と、週刊誌に事実以上に書き立てられ表舞台から姿を消した歌手。 本作は、そんな二人を大切に思っていた人物による“ネット制裁”を描いている。 便利になった現代のネット社会では、何気ない一言が思いもよらない反響を呼び、ときに人を追い詰めてしまう。 この作品を通して、言葉が持つ暴力性の重さと、有名人も私たちと同じ一人の人間であることを改めて考えさせられた。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は、ネットの誹謗中傷に一石を投じる物語だと思っていた。
けれど読み終えて残ったのは、誰が加害者で、誰が被害者なのかを簡単には決められない、視点の揺らぎだった。

瀬尾が個人情報を晒した83人は、美月や天堂を苦しめた加害者だった。けれど同時に、その83人もまた、それぞれの人生を持つひとりの人間だ。
復讐は許されるのか。もちろん、簡単に許されるものではない。
それでも「許せない」と断じるだけでは、この物語の核には届かない。

ネットで流れてくる断片的な情報を鵜呑みにし、誰かに貼られたラベルをそのまま信じてしまう。
自分の目で見たものではないのに、知った気になり、いつの間にかそれを自分の意見のように感じてしまう。
その危うさは、この物語や今の社会だけでなく、自分自身の中に確かに存在する。
だからこそ、肩書やラベルではなく、その人自身を見つめることの難しさを突きつけられた。

ラストシーンは情景が目に浮かび、特に印象的だった。瀬尾にとって、かつて仕事のパートナーとして互いに尊敬し合っていた美月と"生きて"再会できたこと、そして久代と出会い、今後の人生でも支える対象を持てたことは救いだっただろう。

また、久代の先輩である青山も印象に残った。
軽く見えるのに、人に興味を持つという芯が仕事に生きている。
押し付けがましくない優しさを持つ彼の存在は、この重い物語の中で静かに光っていた。

人を一面的に裁くことは簡単だ。
けれど、人を理解することはずっと難しい。
自分の人生においても、この難問はずっと付きまとうのだろうと感じた。

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2026年04月27日

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