わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

1,650円 (税込)

8pt

15歳、自閉症当事者が書き下ろす
みずみずしくも胸に迫る自伝エッセイ

自閉症者は何を考えているのか?
世界がどういう風に見えているのか?
その心の声を真っすぐに書いた渾身のデビュー作の登場!

(――五章 中学生編「あなたとわたしの区別がつかない」より)
わたしは、あなたとわたしの区別がつかない。
自分と他人の区別がつかないのは赤ん坊だそうだ。赤ん坊が成長して、一歳ごろに自分以外に人間がいることに、気がつく。これを発達と言う。保健の教科書にそう書いてある。二歳ごろになると、他の人は、自分と違うことを考えていると理解する。このあたりで、世界には自分と、自分ではない誰かがいるとわかるのだ。
わたしは精神の一部が、いまも二歳以下であるようだ。わたしの中に二歳児がいる。怖くて、しかし面白い。わたしがわたしであるように、同じように誰かも誰かである。自分でない誰かは、わたしとは違う人間である。別々の心を持っている。ゆえに、わたしが体験したことは、わたしだけのものである。あなたが体験したことは、あなただけのものである。説明されれば理解はする。何度も口に出して言ってみる。だがしかし、ほんとうのところではわからない。わたしが知っていることは、みんなも知っていると思ってしまう。

【著者プロフィール】
4歳の時に自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験を経て現在は私立高校に通う。
中学3年時に夏休みの課題の作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。
自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった。

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わたしは、あなたとわたしの区別がつかない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    中学3年生夏の作文コンクールで文部科学大臣賞をとった自閉症の高校1年生が、これまでに見て感じてきた、自分のうちとそとのお話。

    悩みながら生きるということはだれにでも共通しているが、自閉症の人にはパターンがあるので、パターンのカテゴリ分け、自覚、継続して覚える、ということで成長していくらしい。家族や

    0
    2025年08月19日

    Posted by ブクログ

    ずっと気になっていた本。
    高校1年生の自閉症当事者の方が書いたエッセイ。

    自閉症をもつ人がどのように感じているか、どのように世界を見ているかの一面が知れてとても興味深かった。

    0
    2025年02月15日

    Posted by ブクログ

    自閉症の人の感じ方の一端が見えました。
    高校1年でこれだけの文章を書けることが素晴らしいです。また、お母さんの息子さんへかける言葉も素晴らしいです。
    英語がわかりやすいというくだりが面白かったです。

    0
    2025年02月10日

    Posted by ブクログ

    自閉症に限らず、人との違いや、社会の中での困り感をオープンにすることが当たり前に受け入れられる社会だといい。

    0
    2025年02月01日

    Posted by ブクログ

    今まで外側からしか見てこなかった自閉症当事者自身から見えている世界がどのようなものなのか理解が深まった。自閉症である以前にひとりの人間でありそれぞれの足で生きているのだと感じた。最後のお母様の文章にグッときた。

    0
    2025年01月25日

    Posted by ブクログ

    これは素晴らしい本。
    テンプルグランディンのように、自閉度が高いながら、定型社会と自分との違いを掴み言語化に成功している。
    多くの人に薦めたい一冊。
    ー1番大切なのはあなたが笑顔で元気でいることです。
    心からそう願う。

    0
    2025年01月16日

    Posted by ブクログ

    いろいろな感情が湧き上がってきました。
    4歳の時に自閉症スペクトラム症と診断された16歳の藤田壮眞さんが自分自身の過去と未来について書いた本です。
    自分自身のことを客観的に取扱説明書のように書いていてすごいの一言しかないです。
    この1冊を作り出すまでどれだけの時間を費やしたのか、どれだけ沢山の人が関

    0
    2024年10月29日

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    自閉症からみた世界が少しだけ分かった気がしました。
    よく特性の話は聞くけどこの本は具体的で例えば…と事例を挙げてあったりその時の気持ちが書いてあったりでとても新鮮で分かりやすかったです。
    幼稚園編から始まり高校編まであり成長の過程が見てだんだん親目線になって高校編読んでると大変やったの

    0
    2025年09月11日

    Posted by ブクログ

    見えている世界を共有してくれたことに感謝の気持ちをもった。

    発達障害と共存し飼い慣らす
    逃げるのは、理想と違う自分を許すこと

    そんな捉え方があることを教えてもらった。


    一口に発達障害と言ってもいろんなケースがあり、個性というグラデーションがある。

    枠にはめて考えがちだけれどもその人自身の話

    0
    2025年07月31日

    Posted by ブクログ

    ASDの人が見えている景色の一端を見ることができた気がする(見えたわけではなく、気がするだけ)。学び・気づきがあった気がする。

    0
    2025年01月13日

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