あらすじ
飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立したが、指導者であるブタは手に入れた特権を徐々に拡大していき……。権力構造に対する痛烈な批判を寓話形式で描いた風刺文学の名作。『一九八四年』と並ぶオーウェルもう一つの代表作、新訳版
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Posted by ブクログ
知識を持つというのは、尊いことであると同時に、恐ろしいことでもあるのだとこの本を読んで思った。知識を他者のために使うか、他者を傷付け自己利益のために使うかはそれぞれの自由だが、知識に対抗するのはきっと知識しかない。9章以降のブタたちがあまりに酷くて、ナポレオンより賢くて優しい動物が1頭でもいたらなぁ泣…と考えてしまった。
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こちらのジョージ・オーウェル氏は「一九八四年」の方で御存知の皆様もいらっしゃるのではないでしょうか?
私はどうも「星を継ぐもの」以来、SF的な作品に慎重になってしまいまして(笑)。
「狐には向かない職業」のヴェラに出会った事ですっかり気持ちは「シェイディ・ホロウ」の住人になってしまっておりました故、以前から気になっていたこちらの「動物農場」を購入致しました。
こちらの作品も、私は非常に楽しめました!!!
一説では当時の時代を風刺した作品だとも言われており、実際後書きにもそのような内容が書かれてはいるのですが、個人的には風刺うんぬんは関係無く普通にファンタジーとして楽しみました(笑)!!!
時代がどうとか世間がどうとか政治がどうとか風刺がどうとか、そう言った事は当時其処にいた訳でもなく情勢に詳しい訳でもなく体験した訳でも御座いませんので、何だか良く分からない小難しい解説は置いておいて、人間に対する教訓を動物達に置き換える事で大人だけではなく子供達にも伝わりやすい内容だと私は感じました。
アニメーション映画も制作されていたようで、チラッと予告編を検索して拝見致しましたが、カートゥーンアニメのようで非常に分かりやすく、全編通して見てみたいと思いました。
裏テーマとしては確かにその小難しい風刺が含まれているのかも分かりませんが、純粋に「動物の世界のファンタジー」として、私はとてもお気に入りの作品と相成りました。
スノーボールと、ボクサー…この二人に関してが、少々心残りで御座います。
Posted by ブクログ
豚は誰か
本書に登場する豚がこのコロナ禍で誕生しつつあるように読んだ。知識は専門家に任せろと主張して囲い、解釈を恣意的に変え、他の価値を踏み躙り、人々の行動を制限し、人々を支配しようとする。今、この現実の世界で、専門家にしてやられてしまったのが政治家であることが、情けない。本当に情けない。ウイルスが人間ジョーンズ、豚ナポレオンが政府系専門家、豚スノーボールが政治家といった当てはめか。本書が結末で豚の王国の崩壊を描いていることを期待したが、叶わなかった。『1984』で描かれる全体主義国家も揺るぎなかった。揺らいだのは個人だった。相当まずい時代が来ている。本書を読んで改めて感じた。
Posted by ブクログ
この混沌とした時代に読むべき1冊。
単純な体制批判に留まらず、現状に甘んじてしまいがちな一般市民にも警鐘を鳴らしているところがすごい。この内容を1945年に発表する勇気もまた、称賛に値すると思う。
Posted by ブクログ
久々に本でぶち飛んだ
巻末の作家による序文案は、文章に対してありがたいとさえ思ってしまった笑
いままで読んできた本ベスト5には入れたい
カオスな時代を生身で経験したからこその重みがすごい
まさに知的な反抗って感じでかなりくすぶられた
オーウェルあんた最高にロックだよって感じ
Posted by ブクログ
この本自体は人間を追い出した後の動物たちだけの農場を舞台としているが、私はこの物語に現実の人間社会を重ねてしまった。
私が考えたのは大きく分けて2点ある。
①"現在"(社会の構造や文字等)と"過去"に対する無知は結局どんなに社会が変わろうと結局自分の自由や"本当の幸せ(幸せとは何か、を定義することさえ)"を他者に奪われてしまうことになる。
②無知にも2種類あり、物事を学んで理解する能力はあるのに思考停止してしまうことによる無知(馬、ロバ)とそもそもその能力すらないことによる無知(羊)
がある。
※前者も後者も全てが個人の問題であるとは思わず、取り巻く外部環境の影響もあると思う。
自分にとって、かつ社会にとって本当の幸せやは何かを考え、それを実現する為には現状と過去に対する正しい知識を持ち、権力を行使する者と対話(場合によっては闘争)していくしか方法はないと考える。
そうだとすると、やはり一人では立ち向かうことはできず、同じ目的を共有する仲間が必要であり、その人数は多い方が影響力は大きくなる。
多くの人と協働していく為には②のような集団とも関わっていく必要があるが、前者は正しい教育を受け考える練習をすれば自分の自由のために闘争する戦友になり得る一方で後者は違うと感じる。そもそも目的を理解する力が備わっていない集団に対して、彼らの自由のためにもどのように協力していくか…答えはまだ出ないが常に問い続けていく必要があると思った。
Posted by ブクログ
共産主義への批判として書かれたものだが現代のいかなる権力構造にも当てはまって面白い。いつの時代も権力者は、
「都合のいいように過去や決まりを変え」
「自分たちの身内の利益のみを追求し」
「それが幸せであると家畜を洗脳する」
ということが書かれていた。今の日本も随分マイルドだが口を開けば悪夢の民主党時代よりはマシ、というような人もいて段々この本のような末路を辿るのかと怖くなった。
権力に支配される家畜にならないように本を沢山読んでこうと思う。ただ何より、好きにものを言える時代や社会でよかった。
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ソ連の独裁を批判する内容の本やった。
動物達の行動を通して、生々しく独裁と搾取の仕組みが描かれていた
こんな感じの本読んだん初めてやけど、読みやすかったし面白かった
Posted by ブクログ
これでもか!ええいこれでもか!と痛烈な風刺と皮肉の連撃を浴びせてくる
不正を糾弾しない者の怠慢が、革命を成し遂げた英雄を新たな独裁者へと変えてしまったのかもしれない
貴志祐介「新世界より」に同名のキャラクターがいたが、きっと偶然ではないのだろう
Posted by ブクログ
過去のロシアを風刺した寓話らしく、こんな世の中で本当にあるのかと疑いたくなった。もしあったとしたら過ごしたくないと率直に思った。本書を出版するのは大変だっただろうな、と思ったがに巻末に苦労が書かれており、著者の執念を垣間見れる。
特に気になった描写はことあるごとに発せられる羊のわめき声。最初は単なる賑やかしのように思っていたが、物語の後半のそれは意見を伝えようとする者に対しての妨害になっていく。発言の正しさではなく声の大きさや多さで正しさが決まる世の中は怖い。根拠のないデマがSNSで広がっている現代において同じことが起こりうると考えるとさらに怖い。ただ、そんな世の中と分かっていながら自身が何か変えようと行動を起こさないということは本書の中の動物たちと同じ未来を辿りかねない。
何が真実かを自分の目、耳で理解してそれを恐れずに伝えていく、そして周りを変えていく強さが自分には足りない。
Posted by ブクログ
かなり衝撃的で強烈な作品でした。ずっと読んでみたかったので高価でしたが、買って良かったと思います。それほど読む価値のある一冊です。特に若い人にはぜひ読んでほしい。違和感を覚えながらも、安心できる都合のいい言葉を信じて何も行動を起こさなかった結果が、こうした結末を生むのだと痛感しました。ベンジャミンのようにはなりたくないと思いました。
Posted by ブクログ
革命がどのように起き、独裁国家がどのように生まれるかを描いた小説。
小学生、中学生でも読めるくらいの優しい文章だけれど、何歳になっても考えさせられる内容だった。
社会主義国家に限らず、あらゆる人間社会(国家、企業、家庭、恋愛・友人関係など)で起こりうる構造。
強い者は傲ってはならない。そして弱い者は常に疑問を持つことを辞めてはならないし、間違いに気づける知恵をつける努力をしなければならない。
忘れないようにしよう。
Posted by ブクログ
元々はソ連を痛烈に批判した英国の古典だが、現代の政治や企業にも通ずる。ナポレオンが最も醜悪なのは間違いないが、少し疑問に思うことがあっても特に深く考えることもせず、長いものには巻かれろ精神のままな農場の動物たちがこの小説の胸糞感の肝だろう。同時に自分達はこの動物たちのようになってはいけないと身につまされる。
Posted by ブクログ
すごくわかりやすいおとぎばなしでありながら、権力構造への痛烈な批判が描かれていた。
本編の後ろに序文や訳者によるあとがきがあり、作品が描かれた背景を学ぶことができた。
指導者側の都合の良いように丸め込まれてしまったり、違和感を抱きつつも行動はせずに搾取されていく動物たちのようにはなりたくないと思った。まずは社会を見通し、意見を持てるよう、学ぶことから始めたい。
Posted by ブクログ
「うわぁ……」と、読み終わったあと、しばらく動けなくなりました。
よくある「めでたしめでたし」の物語よりも、心に深く残る「嫌な傷跡」のような読後感。
でも、その傷こそがSFの醍醐味だと思う。仕事のモヤモヤや日常の小さな悩みなんてどうでもよくなってしまうくらい、強烈なインパクト。
この「救いのなさが、人を救う」という不思議な感覚を、物語の構成に沿って振り返ってみました。
1. 導入:この世界観、意外とリアル?
「動物がしゃべる」というぶっ飛んだ設定。SFが苦手な人にはハードルが高そうですが、実はここが現実世界の鋭いメタファー(比喩)になっています。ただの説明じゃなく、丁寧な描写で「これって私たちの世界の話かも?」と思わせる仕掛けが秀逸です。
2. 第一幕:ワクワクから始まる悲劇
「人間に反抗しよう!」という豚の熱い遺言。ここで読者は一気に引き込まれます。人間を追い出し、自分たちの国を作った瞬間の達成感。でも、このワクワクが最高潮の時に、ラストへの伏線がこっそり撒かれているんですよね。
3. 第二幕:じわじわ忍び寄る「違和感」
国づくりの大変さと、動物たちの純粋な喜び。その裏で、リーダーである豚たちが少しずつ独裁の兆しを見せ始めます。「あれ、おかしいな?」という違和感が確信に変わる頃には、もうページをめくる手が止まりません。キャラクターに感情移入するほど、その変化が苦しくなってきます。
4. 第三幕:最悪で、最高のエンディング
結末は、希望か、絶望か。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のような爽快なハッピーエンドもいいですが、本作はその真逆。
・農場は豊かになったのに、動物たちの暮らしはボロボロ。
・支配者の豚たちが、どんどん嫌いだったはずの「人間」に似ていく。
このバッドエンドは、単なる「悲劇」ではありません。人間のどうしようもない業(ごう)を描きつつ、「結局誰がやっても同じなのかも」という虚無感さえも突きつけてきます。
でも、その突き放された感覚が、なぜか個人としての責任感から解放してくれるような、妙な「救い」にも感じられるから不思議です。
読んだあとに数日間引きずってしまうような「心地よい傷」を求めている人にオススメ。
Posted by ブクログ
ソ連の社会主義体制や史実を基に書かれた、動物たちだけで暮らす農場を舞台にした寓話小説。
人間社会の出来事を動物ものの寓話に落とし込むという作者の技術に驚いたと同時に、物語が進むにつれて人間化する豚に強い不快感を覚えた。作品全体を通じて、食糧という既得権益を得たり、風車造りという仕事にしっかり従事しなかったりと、豚はまるで現代の日本の一部の政治家のような存在だった。出版当時にはソ連の指導者、現代では日本のような民主主義国家の政治家といったように、時代、読み手、見方次第で「豚」のモデル解釈が異なりそうだと思った。
Posted by ブクログ
150頁くらいで読めるコスパ最高の小説。
ロシア革命や権力の腐敗を描いており現代においても示唆に富む。個人的にはナポレオン死去や農場が崩壊する絵まで描いていたら凄まじいと思えたが、そこまで予言めいた内容は含まれず、当時の体勢批判に留まっていたため、星マイナス一つ。
Posted by ブクログ
オーウェルは社会主義者であり、社会主義を歪曲するスターリンを批判した。
一方、疑問を抱きながらも状況を甘んじる支配下の人々のことも批判した。
疑問を声に出すことが、私たちにできる最善ではないか。今はSNSで世界に声を発信できる。自分の意見を言う勇気が1番大切だ。
Posted by ブクログ
動物が人間を追い出して新しい国を作るという設定が面白かった。そして、動物独自の国になることはなく人間と同様の現象が起きて、動物同士の衝突や主従関係、権力争い、外交と現代の国で行われている社会を反映していた。
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農場主を追い出し自由を求め独自の国家を築いた動物たちによる革命の誕生と崩壊を描くソ連を風刺した寓話。
操作された情報しか与えて貰えず、懐疑心を抱いても声を上げる前にもみ消される…
権力を振りかざすブタ達の行動は許されないが、見事にコントロールされてしまった労働者の動物たちの世事疎さが独裁を助長させている様が滑稽だった。
自身の置かれている状況に興味を持ち正しい情報を見極める知恵を身に付ける努力を怠ってはいけないと思った。
Posted by ブクログ
ジョージ・オーウェルによる
独裁と腐敗。社会主義。
そういった人間社会の愚かさや汚さを動物達を使って描いた風刺小説。
ロシア革命を動物達でなぞって書かれる。
ロシア革命が何なのか分からない人はこれを読めば簡単に概要を理解できる。
実際私もその1人。
ただロシア革命だけではなく
革命したとて頭が変わるだけであり、体制は何も変わらないこと
違和感を覚えながらも行動しない市民達の愚かさ。
など
社会主義そのものが書かれている。
それを動物の特徴を捉えつつ、わかりやすく描かれている。
教科書にすべき。
Posted by ブクログ
強い者に追従して尻馬に乗って何も考えないのが楽なのはよくわかる。知識がないって怖いけれど、もともと知識を得ようとするには、基本的な教育を受けているのが必須だし。
一応教育を受けた人が大多数の今の日本を見ていても、とんでもない偽医学が大手を振っていたり、政治家が言ったことを翻しても、大して叩かれることもない現状を見ていると、絶望的な気分になる。
Posted by ブクログ
ある農場で多くの動物たちが飼われていたが、彼らは全ての動物を平等にするための動物農場を設立した。農場主に反旗を翻したが、今後は動物たちで内輪揉めを起こすという、皮肉なことになった。
Posted by ブクログ
言葉を覚えたり書いたり支配することとか、人間を嫌ってるくせになんだかんだ人間に近づきたいのかな。なんて。
牛の乳搾りが達者なブタってのも面白い。
こんなおとぎ話のような世界観だけど、元となる題材はロシア革命とその後。
独裁者となる豚はスターリンがモデル。
風刺がきいたおどろおどろしいディストピアな世界だった。
誰も反発せず考えようともしない環境。
知能の高い者が知能の低い者を洗脳して刷り込ませた言葉を繰り返させ思考を許さない現状に恐ろしさを感じた。
支配されて失うものは大きい。
知識や思考を止めないことがいかに大事なものか痛感させられた。
読んでて苦しくなる政治的皮肉めいた作品でした。
Posted by ブクログ
いかにして独裁が成立するのか。ソ連の歴史を動物たちに託した作品で、読みやすくも残酷で非常に面白い。ただあまりソ連史に詳しくない自分としては、ナポレオンがレーニンで、スノーボールがトロツキー、犬が秘密警察?くらいしか分からず、後半では権力の地盤を固めたナポレオンら豚たちが毎回同じやり方で自分勝手をしていくものだから、少し飽きてしまった。それぞれが何を風刺しているのか分かるだけの知識があればもっと面白かったに違いない。とはいえナポレオンがスノーボールを追放するまではとにかく面白かったし、皮肉なラストも好き。
Posted by ブクログ
1984が面白かったので他のオーウェルの作品も読んでみたいと思っていた。
豚が人間を支配する猿の惑星的なディストピアかと思ってたら動物が動物を支配する人間社会の風刺だった
不穏を感じながらもだんだんと独裁が当たりになっていく様が読んでいて興味深かった
Posted by ブクログ
「動物農場」は「昔の作家が書いたブラックな風刺作品」としてYouTubeで紹介されているのを見たことがあり、作品名とあらすじは知っていた。古いし、実はあんまり自分で読もうと思っていなかった小説。
ところが最近SNSでこの作品を読んでいる人を見かけ、その人は働き者の馬にとても哀愁を感じているようだったから私も読んでみたくなった。
私はてっきり社会風刺の作品に登場する「大衆」はただの「大衆」で名前なんかついてないんじゃないのかと何となく思い込んでいた。でもその働き者の馬には名前がついていて「個」として書かれているらしい。
実際、読んでみると登場する動物の特性はキャラクターとしての在り方に結びついていて、私も働き者の馬「ボクサー」のシーンではかなり参ってしまった。
理想の共和国を作ろうとする希望から始まる物語が独裁体制へと転落していく様は恐ろしい。
人間を動物に置き換えて「集団」ぽさが強調されるんじゃないんだ……この農場の動物に皆一緒の結末が訪れるのではなくて、個々が行ってきた行為、能力に応じてそれぞれには違う結末が来るんだ……と。
この作品を通じて、自分の生き方は社会でどんな役割を果たし、どんな終わり方を迎えるのだろうと考えさせられた。大衆をなす個人たちの対比は、鮮やかすぎるほど際立っていた。