ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • うつろ屋軍師

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    主人公・江口正吉は物事を俯瞰しすぎる「空論家」として描かれるが、その冷静な観察眼と度胸の良さが絶妙なバランスで共存しており、キャラクターとして非常に魅力的だった。丹羽長秀・丹羽長重という実在の父子を軸に、軍略と政略の両輪で乱世を生き抜こうとする人々の姿がリアルに描かれている。長秀の「天命に委ねる達観」と武士としての矜恃、長重の見かけによらぬ内面の強さ、そして正吉の成長と葛藤——三者それぞれに深みがあり、読み応えは十分。丹羽長重も江口正吉も事前知識がなかった分、人物描写の魅力に素直に驚かされた。乱世の荒波に翻弄されながらも家を守り続ける家臣と主君の関係が丁寧に積み上げられており、クライマックスの

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    2026年04月23日
  • 二つの祖国(二)

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    戦争は国家と国家の問題であるが、そこに身を投じる一人の人間まで解像度を上げると、なんとも理不尽で残酷で、読んでいて辛かった。なんの容赦もなく人生を狂わせアイデンティティの拠り所も奪い人間をズタズタにしていく営みであることがよくわかった。戦争は絶対に起こしてはいけないことだが、それでもなくならないのも戦争であり、この小説から発せられる問いが深く刺さる。

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    2026年04月23日
  • ようやくカレッジに行きまして

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    カナダのカレッジでの日々を書いた一冊。等身大で背伸びしていなくて、キラキラしていない。「そうそう、海外ってこうだよね。海外に行っても、人間の本質は変わらないよね。でもちょっぴり成長させてくれるよね」と、自分の留学生活を思い出しました。

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    2026年04月23日
  • ねこいぬ漫画かき 1

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    ネタバレ

    私はサイバラさんが大好きだ
    娘さんのカムアウトで色々言われているし、母としてどうかは私には分からないけど


    漫画家としてのサイバラを愛しているし、中瀬ゆかり氏を敬愛してやまない身としてもサイバラさんを信用している

    サイバラさんが猫派なのは知ってた
    でも犬も愛してくれたんだね
    ゴールデンかあ

    私は猫と暮らしたことのない、生粋の犬派
    犬は好きすぎる
    この漫画も裏表紙の折り返し部分のぽんさんの写真を見たら滂沱の涙

    中瀬さんが某ラジオのブックソムリエというコーナーでこの作品を紹介してて
    中瀬さんとサイバラさんの関係性は昔からサイバラ作品で読んでたので知ってたけれど
    中瀬さんの「サイバラの叙情が

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    2026年04月23日
  • いつかニルヴァーナで

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    死後の世界という重いものの中でも、読む手を止められなかったのは、きっと自分にも通ずるものがあったからなのでしょうか。人は生まれた時からなんならかの罪を犯している。その罪は一体どうなるのか、自分自身で消化できるものなのか、誰かと消化していくものなのか。死ぬ時は誰もわからないから、今を精一杯、でも無理はしないよう大事にしたいことを大事にして生きていこうと心にじんわり広がった一冊でした。

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    2026年04月23日
  • 本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話

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    ほんしつかんしゅ、と読むみたいです。
    人が他者と共に生きるうえでの大切なこと、そしてその理由が書かれている。
    相互承認と共通了解、これこそがコミュニケーションの本質。民主主義や世界平和にもつながるすごい考え方を学びました。対話による解決をあきらめてしまうということは、力による解決を選ぶということにほかならない。多様性ってこうゆうことなんだなと理解した。

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    2026年04月23日
  • シェイクスピア全集 タイタス・アンドロニカス

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    『シェイクスピア全集 タイタス・アンドロニカス』(白水uブックス)

    古代ローマを舞台に、名将タイタスが帰還した瞬間から、世界がゆっくりと軋み始める物語。
    栄光と名誉の影に潜んでいた感情が、ある出来事をきっかけに表へと噴き出し、登場人物たちの関係は次第にねじれ、歯車が狂っていく。

    この作品の魅力は、「人間の激情がどこまで世界を変えてしまうのか」という問いを、容赦なく突きつけてくるところ。
    ローマの荘厳さと、そこに渦巻く生々しい感情の対比が強烈で、読んでいると“文明の皮膚の下にあるもの”がじわじわと見えてくる。

    シェイクスピアの中でも特に激しい作品だけれど、ただ残酷なだけではなく、

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    2026年04月23日
  • 舟を編む

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    この作品のような内容の本は一度も手に取ったことがなかったが、内容はとても心地の良いものだった。
    馬締のまわりの人が彼と関わっていくうちに、彼に惹かれていく有様が美しかった。

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    2026年04月23日
  • 盗んで食べて吐いても

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    読んでいるといつの間にか惹き込まれている。 

    摂食障害や過食、拒食、過食嘔吐、窃盗症
    といった依存症に苦しむ物語。
    自分でコントロールできる範囲を超えている行動と
    向き合い続ける。
    理解や対応をしているのに、行動が勝手に起きている。
    不安と後悔と、大分辛いだろう主人公の物語に
    没入しました。

    自分も、お酒やつまみ食い、要らぬ心配や、余計なひと言
    などなど、「やらなければよかった」とつぶやく日々です。

    ツライ目に遭ったあとのエピローグは
    暖かいモノで本当に良かった。

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    2026年04月23日
  • みずいらず

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    色んな形、年代の夫婦の話。
    オムニバス形式で、一編に出た夫婦と
    そこに関わりのある夫婦が次の主役、
    と別々の話ながら繋がっていき
    スラスラ読みやすい。

    それぞれに悩みを抱えてるけど
    嫌な登場人物は殆どいなくて
    コミュニケーションや
    ささいなキッカケで解決の糸口を見つけていく。

    何か大きな出来事はなくても
    夫婦にとっては危機的な問題で、
    それが解決されたり
    落としどころを見つけりするところに
    凄く共感できた。

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    2026年04月23日
  • ニュー日本文学史

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    読む前は「調子乗ってるな〜」と思いました

    三宅香帆✕古典

    もう擦られまくっている
    しかもわいなんか三宅香帆さんの著作は全部読んでいるもの

    なんの目新しさもない焼き直しの話でお茶を濁したような本を出すようになってしまったか…大御所気取りですか?なんて思ってしまったのよ

    そんなわけあるかー!

    馬鹿、わいの馬鹿
    三宅香帆さんがそんな本を世に出すわけがあるはずなかろうもん
    失礼か!

    「革新」という新しい視点で古典を読み解いてたりする
    しかも他では取り上げないようなレアの古典も面白く解説してくれていたりして、今までにない要素てんこ盛りの爆盛りである

    しっかりと『方丈記』なんて読みたくさせら

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    2026年04月23日
  • 何者

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    皆んな「何者」かになりたくて生きている。
    この本に登場する5人の学生たちも就職活動を通して「何者」かになろうとチームを組んでいる。チーム内で繰り広げられる人間関係を通してそれぞれ自分が「何者」であるかを意識し始める。特に主人公である拓人の内面の醜さと外面の良さは非常に人間らしくてリアルであった。そしてその「リアルさ」が心に直接刺さる匕首のように私自身に迫って来るのだ。読み終わった後は完全に心を貫かれしばらく動くことができなかった。
    また、主人公である拓人に嫌悪感を抱く人が多いようだが、私はむしろこの主人公が好きだ。自分と似ていて何故か応援したくなってしまうのだ。
    作者の小説は今回で2つ目だか、

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    2026年04月23日
  • 赤き馬の使者 探偵物語2

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    数多の積読を差し置いて真っ先に読むべき新刊が出た

    ドラマは再放送、しかも断片的にしか見てないはずだが意識しなくても松田優作の物語としか読めない不思議

    3回死にかける割にプロットはシンプル
    40通り考えたらしい終わり方もあっさりしている

    文章が自分好みかどうかがハードボイルドの評価なので星4.8

    この後もシリーズは短編で続いたらしい
    創元推理文庫で出たら買うんだけど

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    2026年04月23日
  • しゃべれども しゃべれども

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    若い噺家さんが主人公。
    人生のスランプに陥った人物達が集まって刺激しあってぶつかったりしながら少しだけ成長する、という、よくあるストーリーといえばそうなのですが、こ気味良いリズムで文章が進むので、楽しく読めました。

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    2026年04月23日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    少女の成長物語なファンタジー、と思ってたら大間違いでした。子供向けだなんて、とんでもない。国の権力者とか反乱とかのどろどろとした政治に、優秀な才能をもった少女がその才能ゆえに巻き込まれていく、激しく壮絶な物語でした。
    寝るのも忘れてのイッキ読み。
    国の軍隊ってなんだろう、とか、人と獣の関わり方とか、すごくいろんなことを投げかけられ考えさせられた気がします。

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    2026年04月23日
  • 狐笛のかなた

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    和風な世界(室町時代な雰囲気?)を舞台にした、少女とお狐さまが主人公の和風ファンタジー。
    陰謀に巻き込まれていくストーリーなのに優しい雰囲気の漂う世界観で、気持ちよく読めます。
    クライマックスでは、主人公二人の切ない気持ちに泣けて泣けて仕方ありませんでした。

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    2026年04月23日
  • 蒼穹の昴(1)

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    清朝末期が舞台。
    貧しい境遇から出世していく少年の物語だったり、末期の王朝内で繰り広げられる政治劇だったり、西太后が思わぬ一面を見せていたりしつつ、清朝の歴史を描いていて、そしてそれはもちろん日本も大きく関わっていて日本の歴史上の人物も登場し、物凄く壮大な大河ドラマが繰り広がっていきます。

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    2026年04月23日
  • ボタニカ

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    幕末から昭和32年まで生きた、植物学者・牧野富太郎を主人公にした小説……だが、真の主人公はその奥様2人なのかもしれないと思えた。とにかく奥さんが逞しい。奥様方の金策があってこそ、牧野富太郎は植物学に打ち込めたのだろう…という印象を受ける小説だった。

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    2026年04月23日
  • その復讐、お預かりします

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    復讐してスカッとする!…っていう話ではなかった。
    最初はなーんだと思ったけど、現実ってこんなもんだし、こうやって割り切って生きていくもんだよなと思いながら読み進めていたら、なぜか最後には少し元気になっていた。

    私は根に持つタイプで、これまでにも復讐を考えた相手はたくさんいるけれど 笑
    でもやっぱり時間が経つと「あのとき復讐なんてしないで真面目に生きててよかった」と本当に思う。
    ふと思ったんだけど、私に復讐したいと思ったことのある人もいるかもしれないんだよね。
    無自覚に傷つけたり、勝手な妬み(妬まれるほどの何かはないとは思うけど)とか。

    最後に登場した同期の多恵子、かなり失礼だしムカつかない

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    2026年04月23日
  • わたしのなかにある巨大な星

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    ネタバレ

    たまに、目を逸らせていたはずの不安から離れられなくなるときがある。こだわりを貫くことで、誰かを傷つけていないか。追いかけている夢は叶わず、なんとなく死んでいくのではないか。人知れず絶望を感じることも、すべてがうまくいくはずだと強気になることも、そんなに悪いことじゃないのかもと思えた1冊。

    ・自分の中にある言葉以前の感情やイメージを、既存の表現に押し込めて変形させないこと。表現の目先の新しさよりも心にしっくりくるものを選ぶこと。

    ・帰宅と外出では意味的に真逆なのに、十九時の帰宅も、十九時の外出も同じ色の輝きを感じるのだ。こういう発見が好きだ。

    ・死んだら腐っていく一方の体が、生きている間は

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    2026年04月23日