あらすじ
<こぶとりじいさん>こと「奇怪な鬼に瘤を除去される」、<舌切り雀>こと「雀が恩義を感じる」など、現在に通じる心の動きと響きを見事に捉えた、おかしくも切ない名訳33篇を収録。
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けっこう前。
誰がかは知らんけどみんなが語り継いでたおもろい話をまとめ上げた説話集があった。
それを今風に書き直した本がこれ。
下ネタありのホラーあり。
時代を超えるのはやっぱり普遍的な話。
男性のアレを9本並べると色とりどりなんだ、というのが発見。
いくつかはみんなが知ってるような有名な話もあるんちゃうかな。
坊さんがみんな奔放で人間。
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読んでてニヤニヤしちゃった。言い回しがいちいちオモロくて「笑ける」!
「宿業が前世からキャリオーバー」
「綺麗な女の人とぐしゃぐしゃして…」
「チンポのなくなり」
「チンポ取る取る」
「けれども孔子は大聖人なので、もちろん、そんな中小企業のワンマン社長や田舎代議士のようなことは言わず、あくまでも辞を低くして」
仏やら神やら信じてるのか信じてないのか分からん間抜けさがすごくいいと思う。
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『宇治拾遺物語』全197話のうち33話を抜粋した町田康による現代語訳。著者自らによる朗読を聴いて、大笑いさせられたので、紙でも手に取ってみた。
スピード感のある文体、真面目くさった顔をしたところに、ふと挟まれるテンポの良い罵倒、感情が乗り過ぎて意味が分からなくなっている台詞など、いつもながらの町田康節で面白い。
よく知られた話もあれば初めて読む話もあり、内容も勧善懲悪ものがあれば、ただ面白いだけのものも、人を食ったような話もあり、バラエティに富んで飽きなかった。「奇怪な鬼に瘤を除去される」「雀が恩義を感じる」「長谷寺に籠もった男が利得を得た」などがお気に入り。
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高校などでちょっとでも古典文学をかじってて、「なんか小難しいけどアホみたいな話もあるな」という程度に面白みを見出だせていたらこの本を楽しめるんじゃないかと思う。古典文学の小難しい部分を取り除いてアホな部分だけを抽出したのが今作。ヘラヘラ笑いながら読めた。
ただ意訳の度合いが強すぎるので町田康を知らずに読むと拒否反応が出るかもしれない。
文章ではなく笑いの感性を現代訳している。
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ぐわっははははは、うぎゃー、げーげー、ゴホゴホッ。(←笑いすぎてむせた様子)
あーもう一冊の本でこんなに笑ったのは久しぶりだよ。まったく町田さんたら、面白すぎるじゃないの。『ギケイキ』も良かったけど本作も甲乙つけがたい、自分比では最高レベルの古典新訳だ。
堅苦しいイメージの古典作品が、町田さんお得意のグルーヴ感のある文体によって、作品が元々包含していた生々しさがいい意味で指数関数的に爆発している。いやあ凄いわ。これぞまさしくプロの技。
自分は高校時代、古典が苦手でちゃんと授業を聞かない落ちこぼれだったんだけど、もし当時これを読んでたらもう少し真面目に古典に向き合っていたかもしれない、なんてことを思った。過激すぎて学校の課題図書や推薦図書には絶対あがらないだろうけど。
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古典が苦手で(文法でつまづいた)古典を遠ざけてたんだけど現代語訳ならと思って読んでみた。
町田康さんらしい訳でおもしろっ、こんな話がずっと伝わってるだと思って読んでた。この現代語訳シリーズ読みたいな
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成立に謎の多い「宇治拾遺物語」を町田康氏が現代語に訳した一冊。33篇収録。
「こぶとりじいさん」や「わらしべ長者」など、メジャーな話もありつつ、なかなかパンチの効いた下ネタ話やオチのない話など様々→
町田康氏の文章を初めて読んだのだが、「人を食った関西人」みたいな喋り方でとても読みやすかった。
原文なら読めないだろう古典をこんなに楽しく読めるなんて、ほんと現代語訳最高(笑)
解説で小峯和明氏も書かれているが、町田康氏には宇治拾遺物語の全訳をお願いしたい。
もっと読みたい。マジで
私のお気に入りは
「利仁将軍が芋粥をご馳走した」
「楽人である家綱と行綱が兄弟互いに騙しあった」
「滝口道則が術を習った話」
「盗跖と孔子の対話」
あたり。でも全篇通じて肩の力を抜いてダラダラしながら読むのにぴったりなお話ばかりで楽しかった。
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宇治拾遺物語をYouTubeか何かのように訳した読みやすい本。高校生の間に読んだら古文の時間がワクワクすること間違い無し。
原文にない現代喩えも入っているので、何も調べなくても面白く、当時の人たちがどう感じて宇治拾遺物語を読んでいたのかも(だいたい)味わえてそうな気分。
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再読。A.ウェイリー版の源氏物語もですが、訳でなくお話としてすいすい読める文章だと、慣れ親しんだ話の物語性が急に見えてきて面白いですね。予想外につぐ予想外の展開で「おじいさん一体どうなっちゃうの」と惹きつけるこぶとりじいさん、並みのストーリーテリングじゃない。
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前触れ通り面白かった。できればゴブとりじいさんをYouTubeで聞くより先に初見で読みたかった。父世代の河内弁のリズムと、たまにやたらすかしたロッカー的な東京弁のコントラストがたまらない。話し方で、人物の距離感や力関係が鮮やかに描かれ、現代の私たちが知ってる「あー、あの感じ」が呼び起こされる。人間て昔から変わって無いんだなと思う。
コブとりじいさんと、陰茎が消える術の話と、孔子をコテンパンにディスる話が特に面白かった。
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なんというか、聞いた話などを書き残しているものだから、内容が雑誌に載っている小話の連作、という感じだった。
なので、何か学びになるとか、含蓄があるとかということはあまりなくて、むしろただそれを楽しむ、という雰囲気のもの。
町田さんの、『古事記』などで見かけた奇天烈な訳は控えめだったけれど、それでもだいぶ読みやすく楽しく読み通した。
序文で『宇治大納言物語』の話が出ていたのでそれもぜひ読みたい、と思い検索したが見つけられぶにいたら、どうもそれは散逸し(あるいはそもそも書かれてない?)現代では見つかっていないということが解説にあった。そういう事情も含めて面白い。
今回200話中30話のみの抜粋翻訳とのことで、解説者が言っていたように確かに全量を町田さんが翻訳してくれたらぜひとも読みたいものだ、と思った。
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宇治拾遺物語ってこんなんやったんや!有名な瘤とり爺さんや雀の恩返しみたいなもんから、ちん⚪︎んを消してしまう妖術を習う話とか、惚れた女を嫌いになるためにオマルを盗んでくる話とか、和泉式部と寝た坊主がお経を唱えたら道祖神がやってきたとか、女が放屁したので出家を考えたとか、なんか破茶滅茶で、おもろいと云えばおもろい。小中高校生の読書感想文はできたらやめといたほうが(笑)
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池澤夏樹の日本文学全集、読むつもりはなかったのですが笑、「宇治拾遺物語」はめっちゃ面白い!と言われたので手に取りました。超訳でゲラゲラ笑っていたけれど、これはどこまで創作が入っているんだ、、?とはずっと気になっていました笑
一番好きなのは一番最初の「道命が和泉式部の家で経を読んだら五条の道祖神が聴きに来た」。史実では道命と和泉式部は関わりがなさそうらしいですが、和泉式部のイメージに付随するエロさ、みたいなところが私は好きでした。和泉式部が好きなのでこれが一番好き!みたいな感じ。
「そして、ただいい女というだけではなく、そそる女だった。色気のある女だったのである。それもただの色気ではなく、壮絶なほどの色気で、彼女を見た男は貴賤問わず頭がおかしくなり、また、ムチャクチャになった。死んだ者も少なくなかった…」やばすぎw
最後の「という訳で、お経を読む際は、ちょっと仮読みするときでも、身を浄めて読むべきである。「念仏・読経。四威儀をやぶること勿れ」と恵心僧都も言っている」
急に出てきた恵心僧都にまた笑う。
「奇怪な鬼に瘤を除去される」
この暗闇から、この不気味な顔を、ぬっ、と突き出したら、それこそ変化のものと思われて撲殺されるかも知れない。なので近くまで来たら、小声で自分は奇妙な顔ではあるが人間である、と説明しながらそっと出て行こう、と思ったのである」とか、もうリアルすぎて、いや現代すぎる笑となったり、「みんなが喜んでくれたのはすごく嬉しいんですけど、自分的にはまだ納得できてない演技がいくつかあって、今回、急だったんでアレですけど、気に入ってもらって、また、呼んでもらえるんだったら、次こそ完璧な演技をしたいんで」の急なオタク感めちゃ笑った
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定期的にやってくる日本史学び直したい病の一環で購読。
日本昔話や芥川龍之介などでお馴染みの話もあれば、日本史で出てきた話など町田康の超訳で読める楽しい一冊。文庫版は町田康のあとがきが二つ載っていてそのどちらも面白い。
こんな千年以上前の説話がずっと残っていることも驚きだし、この現代語訳がブルースをそのまま自分たちの音楽に作り上げたストーンズやZepみたいだなあなんて思いました。P-Vineで昔出たZeppelin ClassicsとかRolling Stones Classicsを聴いた時のような感覚になりました。
次は日本霊異記とか今昔物語の現代語訳を読んでみようと思います。
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町田康による現代語訳の『宇治拾遺物語』。最適な訳者という気がするほどに『宇治拾遺物語』の作風と町田康の文章、文体があっていて見事に現代に蘇っているという感じ。
解説の小峯和明氏によれば『宇治拾遺物語』は200話近くあるようだけれど、本書はそのうちの33話とのこと。解説者と同様、町田康にはその他も訳して欲しいと思った。
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電車の中など人のいるところでは読めない。
おもしろすぎる。
読むに従って、有名な冒頭、「これも相当昔の話。」と言う部分だけで笑ってしまう。
宇治拾遺物語は、今では古典の教科書の中の作品になってしまったが、昔の人にとっては楽しい娯楽だったのだなと実感できる。
名訳であるし、言葉の持つ力を実感する。
町田康氏は町田町蔵だった頃から知っていたが、作家デビュー当時は卓越した才能がありつつ若さゆえに奇を衒ったところも勿論あり、どう転ぶか、と思っていた。
今唯一無二の作家になっていることを嬉しく感じる。
「正しさ」を金科玉条の価値観とする風潮の中、普通に面白いことしようか、と言う肩の力が抜けた感じが好きだ。
だからこそ素直に笑える。
声高で無いことは、信念の強さの裏返しであると思う。
Posted by ブクログ
「こぶとりじいさん」こと「奇怪な鬼に瘤を除去される」の他、「腰折れ雀」こと「雀が恩義を感じる」など、古典『宇治拾遺物語』より腹筋崩壊級の面白さの新訳33篇を収録。
『宇治拾遺物語』の町田康さんによる新訳集。
「こぶとりじいさん」や「わらしべ長者」など誰もが知っている昔話のもとになった話から、芥川龍之介の『芋粥』『地獄変』などの題材となった話、諸々の艶話……というにはかなり下ネタに寄った話などが、かなり砕けた現代語で読めます。
あまりに砕けすぎていて、途中(いや、昔も読んだことあるけど本当にこんな話だったか……?)と自問自答してしまいました。大筋はともかく、ディティールはかなりアレンジが入っているような……?
そんなところを比べながら他の訳を読んでみるのも楽しそうです。
下ネタがめちゃくちゃ多いので、人目のある場所での読書はお気を付けて。
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TBSラジオはじめ音声メディアで、画期的な現代語訳であることを聞いていた。
まあ町田康の手にかかればそうだろうと予断はあった。
伊藤比呂美に書かしめた「町田、コロス」という一節も、強烈な一文として予断に含まれていた。
が、な、なるほどー!
ひたすら下ネタ。糞。セックス。下半身。陰茎。猥談。スケベ。
くはは、笑かせよる。
なんでも197話ある宇治拾遺物語のうち、ピックアップされたのは33。
このセレクト自体が訳者による編訳ということなんだろうな。
通称「こぶとりじいさん」「わらしべ長者」のもとはこんな話だったのかーという発見と、
芥川龍之介作品の「鼻」「好色」「芋粥」の元ネタってこんな話だったのかーという再発見と、
いや町田康節に騙されてはいけないぞ、という自戒と。
以下の文にハッとした。
>お爺さんの顔を見て驚愕した妻は、いったいなにがあったのです? と問い糾した。お爺さんは自分が体験した不思議な出来事の一部始終を話した。妻はこれを聞いて、「驚くべきことですね」とだけ言った。私はあなたの瘤をこそ愛していました。と言いたい気持ちを押しとどめて。
@
内容説明
腹筋崩壊。煩悩切除。「こぶとりじいさん」こと「奇怪な鬼に瘤を除去される」のほか、「鼻がムチャクチャ長いお坊さん」「雀が恩義を感じる」など、白眉の面白さで知られる説話集から33篇を収録。エロ坊主、最高にいい女なども登場し、心の動きと響きを見事に捉えた、おかしくも切ない古典新訳の金字塔。
目次
道命が和泉式部の家で経を読んだら五条の道祖神が聴きに来た
奇怪な鬼に瘤を除去される
伴大納言のこと
中納言師時が僧侶の陰茎と陰嚢を検査した話
源大納言雅俊が童貞の僧に鐘を打たせようとしたら…
小藤太が娘聟に驚かされた話
利仁将軍が芋粥をご馳走した
鼻がムチャクチャ長いお坊さん
卒塔婆に血が付いたら
藤大納言が女に屁をこかれた
絵仏師の良秀は自分の家が焼けるのを見て爆笑した
雀が恩義を感じる
小野篁の才能
平中が本院侍従にやられる
範久阿闍梨は西に背を向けなかった
楽人である家綱と行綱が兄弟互いに騙しあった
新妻が平仮名の暦を作って貰ったら大変なことになった話
ある僧が出された料理を盗み食いした話
三条中納言が節制を試みた
長谷寺に籠もった男が利得を得た〔ほか〕