あらすじ
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シンプルな生き方を提唱して、名著のほまれ高い『森の生活』。
実際に読むと長大で難解なこの作品を、選び抜いたソローの文章とジョン・ポーセリノによるシンプルな描線で漫画にしたのが本書です。
ポーセリノはソローの文章を引用しながら切り貼りしたり入れ替えたりして、一編の物語を読むように漫画を構成しました。漫画の中には次のようなソローの文章が散りばめられています。
◆この世界で生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば。
◆わたしの生き方には、少なくともひとつの利点がある。それは自分の生活そのものが娯楽であり、常に新鮮だということだ。
◆わたしを従わせようとするなら、わたしが頼っている原理より高い原理を持ってこなくてはならない。
◆わたしが森へ行くことにしたのは、死ぬときに、自分は本当の意味で生きてこなかったと思い知らされるようなはめにならないためだった。
そして後半では、引用されたソローの文章を含む段落ごとに訳出、これによってどんな文脈でその文章は書かれたのかがわかるようになっています。
本書の「はじめに」にこんな文章があります。
〈ポーセリノは、日の当たる戸口や森のなかに座って、流れゆく時間にひたっているソローの静謐な思考を忠実に再現してくれた。まるで何も起こっていないかのようだ。この本でわれわれもソローと同じ経験をする〉
あなたも、シンプルな絵に込められたシンプルな哲学を、経験してみてください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現代化にあらがった人の個人的な実験。
そんなふうに暮らしてみたい。この一言をえただけで、この本には価値がある。
◎我々が常に勉強しているのは、高価なものを手に入れるためではなく、時々はもっと少ないもので、満足するためではないのだろうか
—-
・生活をシンプルにすれば、それだけ普遍的な法則がシンプルに見えてきて、孤独は孤独で亡くなり、貧しさは貧しさでなくなり、弱さは弱さでなくなる。
・人生の本質的な部分にだけ直面する
・どうすれば、自分を偽らずに生きられるのか、自分の正しい目的を達成するための自由を失うことなく
・この世で生きていく事は、苦行ではなく遊びなのだ。シンプルに賢く、生きてさえいれば。
・私は本当の豊かさを楽しめる貧しさが欲しい
Posted by ブクログ
先に読んだ『『森の生活』ソローの生き方を漫画で読む』よりは分かり易いが、それでも何を言ってるのか文章が理解できないものも多かった。人は贅沢するためにお金を稼ごうと必死になり心が貧しくなっていくというのは鋭い考察だと思う。多くの人はそれでも贅沢するために仕事しようとするから、本当に必要なお金だけ稼いで、それに満足して豊かに暮らせるソローはとても賢人なんだと思う。
Posted by ブクログ
面白いといえば面白いが難しい。
漫画で読むという本だけどページの5分の2は普通に文字だし、漫画部分も文字は多いので、結構読むのに時間がかかった。
とても哲学的な内容だと思ったらソローは哲学者らしい。
内容的にはいいとは思うけど、彼のようにはとても生きられないし、だけど無理をせずにそうして暮らせるならとても幸せな生活だろう。
Posted by ブクログ
とことんシンプルに生きよう、死を恐れ貧困を恐れるから人は複雑な生き方をする。
Web3のようにまた新しい技術が始まってそれに追いつかないと豊かになれないみたいな話が増えている中で、本当に大切なことは何かを考えさせてくれる本だと思う。
貧困でも森の中で自給自足出来れば十分幸せなのかもしれない。
Posted by ブクログ
この本を読んで、やはり日本の漫画の方が進んでいると思った。漫画で読むと言いながら、ソローの『森の生活』の文章のページが多い。日本の漫画家であれば、極力説明や文字をなくし、絵で全てを表現する。ナウシカで感じたのは、本人の話した言葉、本人が心の中で思った言葉、コミュニケーションとしての念和としての言葉が、使われることで、物語が多層的になる。説明、ナレーションはわずかに最小限にとどめる。という手法だ。
この物語は、ソローの『森の生活』であるが、福島県川内村に移って余計しっとりとくる。自然が豊かで、四季のメリハリがあり、今だと朝の空気のキリッとした佇まい、そして夜の闇の濃さと星の瞬きの美しさ、なんと素敵な世界が残されているのだろうと嬉しくなる。また、身体も引き締まる。精神も統一されて、集中しやすい。時間が濃密である。
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年〜1862年)は、超越主義者の作家、哲学者で、自然と簡素な生活を重視。『ウォールデン』の著者。市民的不服従の提唱者。自給自足の生活を実践するため、ウォールデン湖畔の この本を読んで、やはり日本の漫画の方が進んでいると思った。漫画で読むと言いながら、ソローの『森の生活』の文章のページが多い。日本の漫画家であれば、極力説明や文字をなくし、絵で全てを表現する。ナウシカで感じたのは、本人の話した言葉、本人が心の中で思った言葉、コミュニケーションとしての念和としての言葉が、使われることで、物語が多層的になる。説明、ナレーションはわずかに最小限にとどめる。という手法だ。
この物語は、ソローの『森の生活』であるが、福島県川内村に移って余計しっとりとくる。自然が豊かで、四季のメリハリがあり、今だと朝の空気のキリッとした佇まい、そして夜の闇の濃さと星の瞬きの美しさ、なんと素敵な世界が残されているのだろうと嬉しくなる。また、身体も引き締まる。精神も統一されて、集中しやすい。時間が濃密である。
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年〜1862年)は、超越主義者の作家、哲学者で、自然と簡素な生活を重視。『ウォールデン』の著者。市民的不服従の提唱者。自給自足の生活を実践するため、ウォールデン湖畔の森で2年間生活した。
ソローの哲学の主要な特徴は、
①自然との調和。人間は自然と深く結びつき、自然から学ぶべきだと考えた。
②簡素な生活。 物質的な欲望を最小限に抑え、精神的な豊かさを追求した。
③個人の自由。政府や社会の不正に対して、個人の良心に従って抵抗する権利を主張した。
④超越主義。個人の直感と精神性を重視し、物質主義に反対した。
⑤市民的不服従。不正な法律に対して、平和的な抵抗の重要性を説きました。
現在の断捨離生活とか、シンプルライフに近いものだった。それを哲学にまで思考化した。
ソローはいう「生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば」
マサチューセッツ州コンコード生まれで、ハーバード大学卒業後、学校の教師、家業の鉛筆製造業などをして、1837年日記を書き始め、森の生活に入った。街から離れて森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を始めた。豆やジャガイモ、とうもろこしなどを栽培した。自分が食べる分をまかない、残りをうって小麦粉や糖蜜などを購入した。残りのすべての時間を読書と執筆に充てた。物語はその時のことが書かれている。
「そんな季節、私は夜のうちにとうもろこしのように成長する。それはどんな肉体労働よりも実り豊かなものだった。生きている時間を無駄にするどころか、倍に返してもらったようなものだ」とソローはいう
「農場や家、納屋や家畜や農具を受け継いだばかりに、不幸になった若者がいる。相続するのが簡単だが、手放すのは難しいからだ。」「本当に必要なもの以外、すべてを捨ててシンプルに、自然と一体になって暮らし、情熱を自分の仕事に捧げれば、思いもよらない、滅多にない成功が得られる」とソローはいう。
「哲学者であるということは、単にうがった考え方をするのではなく、学派を作るのでなく、知恵を愛し、知恵の命じるままに、質素で、他人に頼らず、寛大で、信頼を基盤においた生活を送ることだ。どうすれば自分を偽らずに生きられるのか、自分の正しい目的を達成するための自由を失うことなく」
「森で生活する魅力の一つは、春の訪れをのんびり楽しめることだ。鳥が鳴いている。そよぐハンノキやポプラの葉に心動かされ、息をのんだ。いってみれば、わたしは太陽や月や星を、小さな世界を一人で所有しているようなものだ。私の取り柄は、わずかなもので満足できることだ。愛より、富より、名声より、真実が欲しい。わたしは、本当の豊かさを楽しめる貧しさが欲しい」
ソローは、1846年にメキシコ戦争が始まると、戦争に加担する州の人頭税の支払いを拒否して投獄された。税金を払わないだけで投獄されるってすごい。その経験が、個人の自由と市民的不服従につながった。税金で、そこまで昇華して哲学に発展するのもすごい。奴隷制度にも反対を示した。1860年には奴隷が400万人いた。奴隷制度は、ソローの死後1865年に廃止された。
けだかき精神、人間らしく生きるとは。
Posted by ブクログ
漂野凪さんの「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」のオーナーそろりさん…この「森の生活」の著者ソローからのネーミング…ということで、興味を持ちました。だけど、私って海外作家さんの作品には苦手意識があって…でも、この作品はわかりやすくってよかったです(いつか、そのうちに…海外作家さんの小説も読みたいとは思ってるんですけどね(汗))。
著者のソローさんは、仕事をやめ森にこもって自給自足の生活を始めます。本当に必要なものは以外は求めず、自然の恩恵を受けながらその日その日を流れるように、自身のペースで生活することに…。だけど、社会を遮断して生きていたわけじゃなく…だからこそ、奴隷制度などに反対の意志を示すためにも税金をあえて未納にしていたため逮捕されちゃったりもします。それで悲観して…とはならないところが、ソローさんのいいところかな!囚われの身であっても身を任せてあえて外に目を向けるっていうのもいいですよね。
・この世界で生きることは苦行ではなく、遊びなのだ。シンプルに賢く生きてさえいれば。
・愛より、富より、名声より、真実がほしい。私は本当の豊かさを楽しめる貧しさがほしい。
・夢の指し示す方向に自身を持って進み、自分の思い描いた生活をすればー
普段は思いもよらない成功を手にすることができる。
・天国は頭上にもあり、足元にもある。
ちょっとだけ、私がいいなって思った箇所を抜粋しました。心が豊かであれば最低限の生活でも、本当の豊かさを得られるって、解釈でいいのかな…。共感できるところと、それでもやっぱり生活するにはやっぱりお金もないと…とか、思っちゃうんですよね(^-^;)
Posted by ブクログ
現代社会を大反対。
でも田舎に行けばこんな生活はいくらでもあった。
思考はそれぞれ異なるかもしれんけど。
どこでも流されるのではなく、自分で感じて考えて選択できるといい。この本の趣向はちょっとわからない。後半読みにくい。
時代がちがえど人のやることや思うことは同じようなものって聞いたことあるけど、それは感じた。