【感想・ネタバレ】レインツリーの国のレビュー

あらすじ

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。やりとりを重ねるうち、僕は彼女に会いたいと思うようになっていた。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があって――。2015年11月映画公開

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考えました

私の人生でこんなに他人の事を考えた事があるだろうか・・・。
人の発する言葉を考えた事があるだろうか・・・。
そんな事を考えさせられる内容の本でした。

久し振りにそんな本に出逢えて、本当にありがとうございました。

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2016年03月13日

Posted by ブクログ

忘れられない本の感想がキッカケで
ネットで知り合った2人
惹かれあってる2人だがお付き合いするには2人の分かり合えなけばいけない壁があった。
ひとみの意見になるほど‥と思った
優しさと厳しさのある伸は理想的な人だわ。
キュンキュンする\(//∇//)\と思い読んだ。
男性からするとこんな奴おるか、、、!
と言われそうだな‥・
幸せになって欲しい。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

かつてないほどに感想に困ったくらいには私は語彙力が低下しているのもあるが、言訳じゃなくて本当にいろんな意味で刺さったのだ、詳しくは書けないけれど。周りの否とても身近な人の反応が怖いというのも本音であったりした、でもこの本は今後の私の糧になる、かも?

話はとても面白いし、こういう風に喧嘩して仲良くなっていけたらなというのはこの本の良いところ!でも私には刺さってしまう事があることだけは察していただくとして、この本を読めばわかると思います。そういえば精神障害者をテーマにした小説を私はまだ読んだことが(?)ないかなと思ったので読みたい所存。いや自分の病気を理解使用みたいな参考物件なのは読んだことはありますが、小説のような物語を読んではいないかなー?と記憶を遡ったりしてみたり。まあとてもいいことを後書きや解説に書いてあるのでこれもとても素晴らしいと思ったりで。

でもこの話は精神障害者の話ではなくてですね...自分がそうだからというのといろいろわけあって刺さったのでありましたのでそこは読んで察してくださいというところです。薄いから一晩で読めます!今日夕方届いてすぐ読んでしまったので!喧嘩しながら仲良くなるっていいですね、と〆ておきます!

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

久しぶりにあったかくなる純愛を感じられてめちゃくちゃ好きな本でした。読書家ほどではないけど特に最近本の楽しさを知ってきたからこそ、主人公たちが本の内容をどう捉えてどう感じるのかが具体的に書かれていたのも面白くて、やはり同じ内容でも人によって感じ方や受け取り方は違う事を再認識できました。ヒロインの性格の面倒なところも可愛いと思えるし、彼の論理的すぎる思考に少しモヤモヤする気持ちもあったけど、それも人間味がある2人でとても素敵なラブストーリーを楽しめたなって嬉しい気持ちになりました。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の内容が生々しくて、途中読むのが苦しくなりましたが、それでも最後まで読んで良かったと思える一冊でした。

人は強くなれるんだと、そう思います。
その為には、「知る」ことが大事であると、僕は考えます。それが例え他人を傷つけたり、自分を傷つけるものだったとしても。その逆、ハッピーなことも含めて。
れを「知って」時間をかけても良いから、何度も同じ失敗をしてもいいから、受け入れていく。

あとがきのp.255より
「しかし、何度でも〜自分でいたい。」
僕も強くそう思います。
そういう人でありたい。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体的に話し言葉が多く、とても読みやすかった。
現代ならではの男女の関係性でしたね。
実は…個人的な事ですが、主人公達と似たような境遇で知り合った女性と仲良くさせてもらっております。やり取りして早3か月、まだお会いしてませんが、日々チャットを楽しんでます!そんな状況を踏まえて感想や意見を書きます。同じような境遇の方、他にもいらっしゃるのでは…?

「伸行と利香の初メール」
利香のブログに影響されたとはいえ、伸行は見知らぬ人に初メールでよくここまで本音をバシバシ書けるな〜。
自分なら、ほんの数行で様子を伺ったり、「失礼のないように、嫌われないように」とか「好かれたい」とかを意識した表現に終始してしまうかな。利香が「警戒するだろう」とは思いつつ、この長文のメールを実際に送ったのは、まずは本に対するリスペクト、そして同じ作品に影響を受けた相手に対する共有意識なのかな。
「何かが続くことは想像の外」と割り切れるのは、伸行にとって結果にこだわらず行動する事に意味があったのだろうと思う。しかし、繋がれるかどうかは別として、繋がりたいと0.1%くらいは思っていたはず。健康な男性だし!
私は…結果を恐れて、なんとなく繋がれる確率が高いっていう自信がないとここまで出来ない気がする。だってコメント返信じゃなくて1対1のメールに持ち込むって結構胆力いるよ〜

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

ネットで誰かに匿名で感想を送りつけたことがある人は、絶対に共感できるシーンがあると思う。
そして、丁寧に関係を築いていく恋愛が理想な人には、間違いなくキュンキュンできるはず。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

ページ数が少ないのもあり、大変読みやすかった。関西弁を使う主人公の軽快なテンポに同じ関西人としては「そうそう!」って思う部分もあり面白かった。また、読み進めるにつれて自分の中の障害に対する偏見を反省する部分もあった。ただ、全体を通してどこにでもいる普通のカップルの話だと思った。ただ乗り越える壁が障害というだけの。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての感想です。
思ったことをつらつら書くので読みにくかったらごめんなさい。

まず、有川さんは何冊か読んだことがあるのですが、とても読みやすい文章で相性がいいんだろうなと思いました。

好きな本がきっかけでネットの見ず知らずの相手に恋をしてしまう物語なのですが、もう発想が素敵すぎて。
そんなロマンチックな出会いできたらどんなに素敵だろう、と、出会い方から好みに刺さりました。

序盤から伸のまっすぐさに惹かれました。
今時、あんなにまっすぐ気持ちを伝えられます?
大人になって向き合うのが怖くなってきた自分がなさけなくなるくらい、伸は真っ直ぐで、心をつかまれました。
ただそれはいいところだけじゃなくて、言葉がきついなあて思う部分もあったり。
余計に人間ぽさがあって、有川さんすごいなあになりました。

そして、ひとみ。同じ女だからこそ痛いほどわかるささくれかげん。
めんどくさくて、裏切られるのが怖いから相手を突き放して。優しくしてほしいと思うほど、ツンツンしちゃう。もう、恋愛相談乗りたくなりました。
それでも私は伸みたくひとみのささくれを受け入れられなくて、失望させてしまうかもなあ、とも思いました。

p.104の
「ケンカしようや。ガッチリやろうや。お互い言いたいこともたまってると思うし、仲直りするためにきちんとケンカしようや。」
この本で一番好きなセリフです。
ケンカをするってマイナスなイメージを持つ人が私の周りには多かったです。でも、ケンカってすごく素敵なことだと思っていて、自分の感情を伝えたい、わかってほしいと思うからケンカするじゃないですか。
それだけどうでもよくない証拠で。
そう思う私ってちょっとずれてんのかな?て大人になって余計に思ってたので、伸の「仲直りするために」て前置きが素敵だなあて思いました。
こんな風に思ってくれる人、思いあえる人にいつか出会いたいなあとも思いました。

このセリフ通り、本当にすれ違う二人だけど、それがまたよくて。
いわないで知らないうちにすれ違うんじゃなくて、お互いぶつけ合ってるからこそ、みえてきてしまう違いで。
そこをなんとか埋め合わそうと、わかりあおうとお互いが言葉を交わしあってるのがもう、これこそ知り合うってことだなあて思いました。

あと、小見出し。章の題名っていうんですか?
あれがお互いの嫌味なのも大好きです。
はじめ、それを読んだときはむしろプラスな言葉だと思っていたので、いい意味で裏切られました。

この二人がどうなったかはわからないけど、仮に結婚までいけなかったとしても二人の人生にとってかけがえのない存在になったんだろうなって思いました。
最初から泣かされっぱなしの本でした。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

男女が一冊の本をきっかけに、ネット上で出会い、メールを通じて親しくなるところから物語が始まる。

共通の趣味で接近したり、 男女故に、 健常者と障害者故に、 すれ違ったり離れたり。

有川作品のこの男女間のもどかしさみたいなものが実は好き。

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2025年02月02日

Posted by ブクログ

 ひとみのようにハンデを持って生きている人間も、自分も健常者と同じように生きたい、生きてるように見せたい、と思うのに、でもどこかでそれを理由にして自分なんて…、自分にはできない、と言い訳をしたり逃げてしまう。私自身、他人の幸せを羨ましく思ったり、"わたしなんて…"という考えになってしまうことも多々ある。この本を読んで気付かされたのは、他人の見えてる部分は一部ということだ。この人ってなんでこんなにいい子なんだろうって人だって、強く見えてる人だって、完璧な人っていないんだろうなって。そのほうが人間らしくておもしろい。これからも、大丈夫だ〜って自分に言い聞かせて生きてく。
 この2人の関係うずうずしながらドキドキしながらどんどん引き込まれていった。伸行は気を使うとかなしでどんなことも伝えてくれる。キツめに聞こえる関西弁を使いつつも、わたしにはどれもきれいに響いてくる言葉だった。こういう言葉の伝わり方ってひとみにとって初めてで、それがとても2人には合ったんだなぁって思う。2人がレインツリーの国で出会えてよかったです。
 ハンデをもった人でも色んな考えを持っている。決まった向き合い方はない。その1人と真剣に向き合うことで生まれる繋がりを大切にしたい。
 (ハンデという言葉を使い、気が悪くなる方がいたら申し訳ありません。作品中でもそういった言葉の表現があったので使わせていただきました。)

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

 初めて障害をテーマにした物語を読んだ。(病気を患う物語とは別として考える)

 彼女の身体をおもっての主人公の行動を、当事者である彼女はどう受け取るのか。実際に聴覚障害を持っていない私達には理解できていないことがいくつもあった。
 耳の聞こえにくさに向き合って生きる彼女の姿にも、それを助けてあげたいともがく主人公の姿にも苦しいくらいに感情移入できた。

 優しさも親切も、一方通行じゃ成立しないのだと感じる。

 実際に障害を持つ人の考え方も感じ方も十人十色だとは思うが、分かった気になって一方的に押し付ける親切は必ずしも相手にとってプラスになるのではないのだと考えられただけでも、この小説が自分にくれたものは大きい。

 ドキュメンタリーではなくフィクションだからこそ、私たちの見るべきものを強調して書いてくれていたからこそ、完読後にこんなにも伝わってくるメッセージが重く暖かいのだと思う。

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2024年12月29日

mac

ネタバレ

図書館戦争を読んで、この小説を知りました。一部ご紹介します。
・ひとみ「傷つけた埋め合わせに自信持たせてやろうなんて、本当に親切で優しくてありがとう」
伸「こんなバカにされたこと言われる筋合いないで。さすがに。同情や埋め合わせで人に好きとか言われへんで、俺」
・伸「いろんなことにフラットになるには、ハンデやコンプレックスがあるときついねん。」
・伸「そうやって世界で自分しか傷ついたことがないみたいな顔すんなや。いっつも自分の耳の悪い苦労ばっか言うよな。気遣い行き届かへん俺を責めるよな。でも、君かて俺をちょっとでも気遣ったことあるか?俺にも君みたいに傷ついた昔があったかもしれんとか思ったことあるか?伸さんはすごい、伸さんはえらいって都合がええときに都合のええところだけつまみ食いで誉めてもらっても、こっちかてたまらんときはあるんやで。」
・伸「ごめんな、君が泣いてくれて気持ちええわ」
・痛みにも悩みにも貴賤はない。周りにどれだけ陳腐に見えようとも、苦しむ本人には、それが世界で一番重大な悩みだ。
・ミサコ「結局そのめんどくさい彼女のことが好きなんじゃない。」
・叔母「顎をな、あんまり食いしばっとったらあかんで。顔がその形で固まってしまうからな。」
・伸「君が好きや。今すぐ一生か約束できひんけど、今は君が好きで君と付き合いたい。俺のことが迷惑じゃなかったら、俺と付き合ってもよかったら、君の本名とか、連絡先とか、誕生日とかいろいろ教えて」

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2022年09月30日

ネタバレ 購入済み

ただの恋物語ではなく

人が誰しも持っているコンプレックスや悲しみ、引け目に感じる感情とどう向き合うか。そんな弱い部分を持つ人間同士のやりとりの中でどう、それを折り合いつけていくか。そんな物語だなと思いました。一見すれば聴覚障がいを持つ女性との恋物語。けれど、別の方面から見れば自分の弱い部分をどう大事な人と共有して乗り越えていくか。それを書かれた物語です。伸のまっすぐさ、ぶつかること、ひとみさんの辛さけど向き合うことをあきらめない姿。とても心に響く物語です。
ふと、自分のコンプレックスや弱さに負けそうなとき、大事な人との関係がうまくいかないとき読み返します。

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2022年05月04日

ネタバレ 購入済み

平等とは

私も伸と同じような場面に遭遇した時に、「あ、この人はもしかしてどこかに障害があるのかな?」なんて、とっさに思えるか考えてみましたが、絶対に無理だろうなと思いました。何をしてるんだよ、と少しイライラしてしまう自分がとても情けないなと痛感しました。この本を読んだことで、もしそういう場面に出会ったら、何かその人が周囲の人に伝わるようストラップや今回のように補聴器などがついていないか、確認すべきなのだと。私達の普通が彼女たちにとって普通ではないというのはなんとなくは分かっていましたが、手助けをせず避けるのではなく、真摯に向き合うことでより良い世の中になっていくのだと改めて実感しました。
2人の関係性が近くなったり、離れてしまったり、でもお互い相手のことをよく考え、話の中でいろいろな距離感が生まれるため読んでいて、続きがすごく気になる一冊でした。

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2019年12月05日

購入済み

甘え下手

甘え下手な女の子。その理由はいろいろあるけれど、プライドが邪魔をして、「こんな事頼めない」から始まり、「言わないとわからないの?」と相手を責める気持ちが湧き上がり、「もういい」と心を閉ざす。。
まるで私のことを言われてるみたいでビックリした。
この物語は聴覚障害が源流にあるけれど、純粋に、男女の気持ちが丁寧に描かれた、切なくも勇気をもらえる恋愛小説でした。
つまらないプライドは脇に置いて、私も髪をかきあげて、ニッコリと素直に甘えよう、そんな気持ちになれました。
面倒な自分を持て余してる人にオススメしたいです。

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2017年10月04日

筋は読めても面白かった。

何作か読んで、有川さんの恋愛小説の筋は大体読めるようになったのですが、それでも落とすところに落としてきたな、という感じで面白く読ませていただきました。
なんというか。素直に読める作品で、でも、健常者であることの立場についても考えさせられます。

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2017年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットで知り合った聴覚障害を持つ女の子との恋の話。
お互いに理解しきれなくてイライラしたりすれ違ったりするけど、そこを乗り越えていく2人が良かった。
伸の懐の広さがかっこよくて尊敬できる。
2人のクサイメールのやり取りとかリアルでの初々しい感じがムズムズするけど読んでて楽しい気持ちになれた。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

有川浩って女性だったのか。同著者の本を読んだのは2冊目ですが、男性とは思えないほど温度のある文章を書くひとだなと思っていたので納得しました。すごく読みやすい。面白かったです。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

『レインツリーの国』読み終わった〜。登場人物の気持ちの描写がマジで刺さる。喜びや戸惑い、切なさとかが自然に伝わってきて、読んでる間ほんとに物語の中にいる気分になった。文章も読みやすくて、サラーっと読めるのに、あとからじんわり余韻が残る感じ。読んだあとも何回も思い返したくなるし、高校生活とか自分の周りのことに重ねて考えちゃう場面もあって、マジでオススメ。

特に印象に残ったのは、登場人物の感情の揺れや日常の描写。どんな小さな場面も丁寧に描かれてて、物語の世界に自然に引き込まれる。最後まで読み終わったあと、余韻を味わいながら「また読み返したいな」って思える、不思議で魅力的な一冊だった。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

さらさら読めて、すごくよかった◎
2人が紡ぐ文章が素敵だなと思ったし、
前向きになれる作品!
文章だけに惚れる、ってなんか素敵だなあ、、、

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

大大大好きな本になりました。
今まで読んだ中で満足感も、感動も沢山あるのにわかりやすい作品でした。有川浩さんの作品で1番初めに読んだ作品だけどレインツリーの国を読んで有川浩さんにどハマりしました!!もう一度読みたいし、もっともっと深堀したい。こんな作品を求めてました。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

昔読んだ忘れられない本の感想文が書かれたブログサイト『レインツリーの国』。そこで繋がった2人。メールのやり取りで仲良くなった2人だがなかなか会うことができない。そこには理由があった。

理解したと思っていても、人のことは本当のところ誰も理解することはできない。その中で、限りなく寄り添いあって生きていけるといいなと思った。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

有川先生の作品によく見られる改行や表現方法、何度読んでも魅力的。スラスラ読める。
こういう若者の恋愛はいつ読んでもこっちまで恥ずかしくなるほど甘酸っぱい(笑)そして、有川先生はそういう恋愛を書くのがお上手です。こっちまで恋したくなります。「ああ、恋ってそれが醍醐味だよね、楽しいよね!」と、最後まで思える作品でした。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

# あらすじメモ
ある小説をきっかけに、20代半ばの男女(伸とひとみ)がインターネット上で知り合う。
メールでやり取りをするうちに、互いの共通点や会話の切り口等に惹かれ合う。

メールでのやり取りで惹かれあった2人は、初めてデートをすることになる。
そこで、ひとみが後天的な聴覚障害者であることを知る

伸はひとみに向き合おうと努力するが、すれ違いやトラブルが重なり、関係が揺らいでいく。
ひとみもまた、自分の殻に閉じこる性格で、素直になれず葛藤する。

# 良かった点、感想
- メールのやり取り
読んでいて少し恥ずかしくなるような、でも実際にありそうなリアルなやり取りが良かった。

- 2人の性格の違い
聴覚障害を扱っている作品であり、もちろんその点についても学びがあったが、あくまでも主テーマとしては素朴な恋愛を描いている点が良かった。
聴覚障害故のトラブルがいくつも発生するが、揉めたりすれ違ったりすることの根本的な原因は、2人の性格や考え方の差異だと思う。その辺りの食い違いを双方の視点から読めるので面白く、共感しやすかった。
伸は、正義感が強く、前向きで社交的。ひとみとの恋愛についても真剣に向き合うが、ひとみの繊細な感情を理解できない無頓着さや、合理的に自分の考えを押し付けてしまいがちなところもある。(この辺りがやはり男あるあるで、読んでいてギクリとする場面も多い)
ひとみは、知的でインドア。人と積極的に関わるタイプではないが、伸との会話から楽しい性格だと分かる。繊細で臆病だがプライドも高く、我儘になってしまいがちなところもある。
個人的にはどちらにも共感できる部分があるなと思いながら読んだ。

- 聴覚障害について
本作を通して、聴覚障害について理解を深めることができた。取材を重ねた上で物語を作っていることが読み取れた。
聾者、聾唖者などは知っていたが、感音性や伝音性の違いなどは知らなかったので勉強になった。
また、聾唖者はコミュニティの結束感が強いという話や、難聴者と失調者の間には精神的な隔たりがあるといった話も勉強になった。

- 悩みの対比
自分の悩みやトラウマの大きさを盾にすることは危ういと感じたけれど、自分ではそこまで達観することは難しいと思った。
ただ、相手にどんな背景があるかわからないということは意識すべきだと感じたし、その想像力が優しさだと思った。

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブログを書いているひとみと小説の感想を読んでメールを送った伸の恋。ひとみが聴覚障害を持っているためにうまくいかないことがあり、そのことで喧嘩しながら仲良くなっていきます。聴覚障害について学びました。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

オレンジデイズを思い出した。
あの時の柴咲コウは聾者だったのかな。
これも本書を読んで調べるまで
聴覚障がい者と一括りにしていたと思う。

普段の生活でも思うことだが
気遣うことは本当に難しい。
良かれと思ってやったことが相手にとって
余計なお世話だったり、僻みを生むことがある。

目の前の相手の気持ちをいかに慮れるか。
分からんから言うても無駄で逃げないようにしたい。

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

聴覚障害と健常者の恋の話。ネットから知り合ってお互いの距離を詰めていく様がドキドキもハラハラもして、甘酸っぱくて、応援したくなる恋だった!

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

2021.11.07
小説を多く読んでいく中で、小説は"綺麗"であることが前提とどこか感じていたように思います。
それを良い意味で裏切ってきたのがこの作品でした。
レインツリーの国を読んだ後、現実ではないのに、どこか現実で起こっているような、そんな不思議な感覚に陥りました。
最初は星2だな〜〜とか思ってた自分を殴りたいし、そこでやめずに読み終えた自分を褒めたいです。
とても素晴らしい作品でした。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

予備知識なしでなんとなく難しい話かと思っていたら現代的な入り込みやすい話だった。

心情描写が細かく描かれていて、
ひとみの気持ちも伸の気持ちも手に取るように理解ができたし、自分の経験を思い起こしながら読めたのでものすごく感情移入できた。

私も聴覚情報処理障害があるから、人には非常に理解されづらい病気でイライラされることがある。日常生活にそこまで支障はないから、自分から障害について話すほどでもないかと思って伝えないでいることも多いけど、聞き取れないことにめんどくさそうな顔をされて申し訳ない気持ちになったこともあるので、ほんの少しだけ、ひとみの気持ちに近しいものを感じてきた気がする。

あとは私が転勤族で育ったので、転校生特有の人格形成の難しさとか、絶妙に溝ができたままの家族仲とか、そういうのは経験したものにしかわからない(と思ってるところもひとみに通ずるところがある)とは思っていたけど、いや、そうではあるんやけど、そう思って心に蓋をして捻くれているのではなく、外からの刺激を歪んだ受け取り方をせずにまっすぐ受け取って生きていきたいと思った。

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2024年12月27日

Posted by ブクログ

塩の街を読んだ時から有川さんのファンになり、空の中、阪急電車を読んだあとこれを読んだ。

有川さんの書く文章は何故か自分にすんなりと入ってきて一気に夢中で読めてしまう。
聴覚という目に見えるハンデがある人と、目に見えない過去のトラウマがある人。お互いのやるせない様なもどかしいぶつかり合いが、そうだよなと思わずにいられなかった。

大好きな本の1つになりました。

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2024年12月13日

匿名

購入済み

積極的で物言いもズケズケとハッキリしている伸と、内向的だけどプライドが高いヒトミ、どっちも苦手だなぁ、と思ってしまいました。会えば喧嘩ばかりのなんだか楽しくないカップルでしたが、お互いを思い合う気持ちが強く見えてくるにつれ、嬉しくなりました。お似合いのカップルです!きっと幸せになれる!

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2024年06月04日

購入済み

自分に向き合わさせる恋愛物語

恋愛物語だが、人と人との向き合い方を、深く考えさせられる小説。ソーシャルインクルージョンが叫ばれるが、深く理解していないと同情からの優しさの罠に陥ってしまう。個人的には無関心よりはそれで良いと思っているが、改めて自分に向き合わさせる作品でもある。

二人のやり取りが「そんな言い方で、そこまで言うんや」と思うばかりだったが…うーん。

#エモい #深い

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2023年08月03日

購入済み

乗ってきたところで

もっと続きが気になる…!、そんなところで終わってしまいました。でもその先を書かないところがこの作品のいいところなんだろうなと思いました。

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2020年01月27日

Posted by ブクログ

私の何かが 満たされましたw
2人とも素直で自分らしさを持ってて でもそのらしさを負いたり合わせたり少し成長させたり形作ってく。そんな2人の育ちのよさ、社会の闇をまだしらない初々しさみたいなのに癒されたと思う
伸行のノンデリと青春菌があまりにも そうはならんやろ感があってラブコメらしくいい。仕事の相談をされ綺麗事ではなく仕事は給料を貰うところだと言うあたりなんかよかった

好きなフレーズ引用
そのタイミングで降りる駅に着いたので ひとみは名残惜しいそうに携帯を畳んで出口のほうへ流れた
ずるいよなぁそれは と残ったお粥をかき込みながら伸行は独りごちた
伸はきっと誰にとは訊かずにしたたかになったなぁと笑ってくれるはずだった

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

母親から渡されてた本。
読むべき時期に読んだんだなといった感じ。
エレベーターのシーンからは展開がガラッと変わって少しうるっときた。そこまではやや我慢といった印象。
ほしい言葉がわりと散りばめられてると思う。待ち合わせ場所はユニークでセンスを感じた。苦しみに関しては、特に追い込まれてる状況であるほど視野が狭まりがちになるけどその点、色んな種類の苦しみをそれぞれが抱えていてそれを具体的に知れたのはよかった。苦しみの渦中にいたころの自分だとこの内容は受け取れなかったかもしれないけど乗り越えたいまの自分だから客観的に受け入れられたようにも思う。
この先の2人はきっと難しい状況の連続だと思うけどそれでも前向きな気持ちで本を閉じさせてくれた作家さんに優しさを感じた。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

読みやすく、学びになった。最初の出会いが素敵。
ただ、伸とひとみの感情がリアルすぎて、読みながら「あぁもう!」と思ってしまう部分があり、少し苦しかった。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

ページ数は少なめで、読みやすい文体なのだけど、テーマは軽くなく、しっかり考えながらじっくり読み進めるような本。
「あとがき」にあったメディアの話が物語の軸をさらに強めてるように思ったので、あとがきまで全部読んでもらいたい。

出てくる関西弁が河内弁だったのが全体の雰囲気とギャップを強めていて印象的。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

聴覚障害を持つひとみ、ブログから親密になった伸との付き合いを描いたラブストーリーだが、こんなに伸に愛されて大切にされて。羨ましすぎる。

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2024年12月28日

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