あらすじ
選挙に弱い政治家は、
誰かの言いなりになるしかない。
だからーー。
強くなりたい。
国会のマドンナ“お嬢”が遺書を残し自殺した。
敵対する野党第一党の“憤慨おばさん”は死の真相を探りはじめる。
議員・秘書・記者の覚悟に心震える、政治✕大逆転ミステリ!
野党第一党の高月馨は窮地に追い込まれた。
敵対関係にありつつも、ある法案については共闘関係にあった与党議員・朝沼侑子が自殺したのだ。
「自分の派閥のトップも説得できていなかったの? 法案を通すつもり、本当にあったの?」
死の前日の朝沼への叱責が彼女を追い詰めたのではないかと批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてしまう。
だが、長年ライバル関係を築いてきた高月には朝沼の死がどうも解せない。
朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し、共に死の真相を調べることに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
暫定今年1番の本。
女であるがために、それぞれの立場で色んな思いをしている。性的マイノリティーはもっと?
女性が政治の場にとにかく出ていくこと、数を増やして男性というマジョリティーを崩すことの難しさと意義を感じると共に、必ずしも女性政治家=女性の味方でもないとも思った。改めて知ろうと思うと少し億劫に感じる(ダメだけど)国会、市議会、選挙…小説を通してイメージが湧いたから、これからどう政治が動いているかもっと自分事にしていきたい。
Posted by ブクログ
政治× ミステリー
政治家のリアルが描かれてます。
女性政治家、秘書、新聞記者それぞれの視点で語られていきます。
とにかく登場人物のキャラクター設定が素晴らしく物語に奥行を与えています。
実在していそうな魅力的なキャラなんです。
Posted by ブクログ
これを読んでいるタイミングで女性初の総理大臣が誕生した。
そのことに正直、へぇーって感じの興味だったが
この本を読み進めて行くうちに、チラチラと女性議員のお顔が出てくるようになった(苦笑)
文中に「みゆきが首相になったら、俺って、ファーストレディーならぬファーストジェントルマンってこと?」と夫が言うシーンがある。
まさに!今そうですよ!と思った(笑)
新川帆立さんの調べ上げられた国家のすべて。
政治記者のやり取り。とても面白かった。
Posted by ブクログ
高市総理が誕生したこのタイミングで手に取った。めっちゃ面白いな〜政界のしがらみのリアルとミステリーを掛け合わせた秀逸な作品。いつも読書ペースは、60~70p/1hだから、400ページの本は3〜4日に分けて読むんだけど、面白すぎて最後まで一気読みでした。爽快感もやるせない感も存分に味わえた一冊。
僕は女性政治家が少ないのは、それはそれで意見さえ吸い取れていれば良いんじゃないかと言う立場だったし、そもそも少ないのはなりたい人が少ないからだと思っていたけれど、色々な複雑な事情があるんだな。選挙以前の党内の公認の段階で。それゆえ機会平等が達成できていないのね。クオータ制などの結果平等には反対だけど、書かれているところがリアルなら機会平等を達成するために色々と見直しがあればいいね。
あらすじ。
物語は、野党・民政党の女性政治家(高月)の秘書・沢村、政治記者・和田山、市議会議員・間橋、高月と四人の三人称の視点から綴られる。
国会のマドンナの世襲与党議員・お嬢(浅沼)が、ある法案の廃案が決まった翌日、死体で発見される。服毒による自殺のようだ。前日に彼女を叱責していた高月は謝罪と国対委員長の辞任を迫られてしまうが、叱責くらいでお嬢が自殺するとは思えない。その謎に迫れば迫るほど、永田町を覆う闇に飲み込まれていく。死の真相は、お嬢の地元の地方議会まで巻き込んで政界を波乱へ導いていく。
細かいしがらみが多く、登場人物それぞれの思惑が交錯してくのが面白い。
S国は笑ったわ。嫌いじゃないけどね。
あとラストはちょっと映画「教皇選挙」を思い出した。
まあ、仕事ができるなら性別は関係ない。どうでもいいってのが本音なので、その状態になるように近づいてほしい。高市総理応援!
Posted by ブクログ
高市総理が誕生し、今まさに旬なテーマである本書。
政治活動や選挙について分かりやすく記載されており、非常に勉強になった。
また、「女」ということに対する差別や偏見は政治家に対しては現実でも特に酷いのだろうと考えさせられた。
もちろん政治家だけのことではないため、自分も理解するために常に勉強や思いやりをもっておかないといけないと感じた。
もちろんミステリーとしても素晴らしい出来である。
現実でも、高月や馬橋のような政治家が出てきて、助け合いが出来るような社会になることを期待したい。
Posted by ブクログ
再読 初の女性総裁が誕生し政界が揺れる今読むからこそこの物語の持つパワーを存分に受け取れた気がする。強い女達が多く登場するがただ強いだけでは無い。皆1人の人間として色々なものを抱えだけど信念を守って動いて生きている。日々を惰性で生きている人間にとってこのパワーは魅力的だった。4章直前からのスピード感は本当に心地いい。ミステリーとしても楽しめる。文庫に早くならないか心待ちにしている
山本周五郎賞受賞ということでとりあえず買って積んでいたのですが、この度の自民党総裁選を受けて読みました。現実の政治のことは置いておいて、パワフルな女の話は爽快感があって面白かったです。政治家、秘書、記者など様々な女性の視点で語られます。男性中心社会で足掻く女の様子に勇気づけられました。
Posted by ブクログ
397ページ
1800円
2025年10月2日〜10月9日
一つの映画を見終わったような感覚に襲われた。読んでいる時がちょうど初の女性総理が誕生するのか?という時だった。女性にとって国会で生きていくことがどんなに大変なことなのか、わかっているようで知らないことだらけだった。高市さんがこんな経験をしたわけではないだろうけど、女性というだけで何らかの辛い思いや経験はしたのだろうと考えられる。本書は、私が見ていた当たり前が、本当はいびつなものだったことに気づかせてくれた。今こそ、多くの人に読んでもらいたい一冊である。
Posted by ブクログ
この本を読んでいる時。
偶然にも現実世界で自民党総裁選が行われ、女性初の自民党総裁が誕生した。
そんな事も相まって、忘れられない一冊となった。
国の歴史を振り返ってみても、表舞台にいるのはいつも男性だった。
女だというだけで損な役回りをさせられたり、卑下されたり。実力があれば本来、性別なんて関係ないのに。この小説はそういう風潮へのアンチテーゼにも感じたし、そうそう!そうなんだよ。と共感せずにはいられない文章もたくさんあった。
物語に出てくる女性達のキャラも面白く(憤慨おばさんとか、思わず笑ってしまった。憤慨しています!なんて、国会で誰かしらが言ってそうだし。)それぞれの立場から自殺したお嬢議員の真相に迫っていくあたりはミステリー要素も含んでおり、そこに私利私欲、見栄、利権やらも絡んできて先の読めない展開にジリジリ、ハラハラとした。
最後の最後に、えっ、なにこれ!?そうなの!?と目から鱗の真相(完全にミスリードしてた)と、新緑の時期に吹くような爽やかな風の様な終わり方が余韻を残している。
Posted by ブクログ
最初のページから引き込まれて、最後には、、なんて言ったらいいんだろうか??
気持ちよかったわーー
いやーー面白かったーー
最高だったーー
早く読んじゃうのが勿体無くて、わざと途中で読みとめたりしながら(笑)
泣き笑いしながら読み進めた。
2025年10月に読んでいたからこそ!かな??
自民党女性総裁誕生の時と同じに読み進んだこの本。
美味しゅうございました。
Posted by ブクログ
性差別はなくなってきたかのように見えて、あぁ、うちの会社とおなじだって思うような。
いやだなぁ、この感じと思いながらも、真相が知りたくて後半は一気読み。
早く、女なのにとか、女ってこれだからとか、女のくせにとか、そういうのがなくなって欲しい。
そういう私も男のくせにって言わないようにしないと。
Posted by ブクログ
「女性の言うことは全く通らない」そうは思わないものの、男性優位は今も色濃く存在するのではないかと思う。(その濃淡の違いはあれど)
女性初の総理になられた高市総理の姿が、高月に重なった。
政治家各々が持つ信念・野望を形にするためにどれだけの苦労があっただろうか。
田神さんが、「高月を政界に誘った時の田神さん」とは変わったんだなあという描写(自身の保身・出世を優先する)で、人はその苦労の中で、染まってしまうのだと思った。環境や時の流れと共に、変化していくのは当然ではあるものの、その変わり方の舵を自分で握れる人でありたいと思った。
そして、最後、高月が顕太郎に最大限の協力をすると、以前言われた言葉になぞらえていくところがよかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他人の悪意が恐ろしかった。
政治家になってからずっと感じつつも、直視しないようにしていたことだ。
世の中には理由もなく悪意をぶつけてくる人がいる。その人だって悩みやストレスを抱えているのだろう。だからこそ、やつあたりのように、決して口答えができない立場の人間に対して悪意を投げつける。人間には誰しもいいところと悪いところがあるとして、その悪いところばかりをまざまざと見せつけられているようだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Posted by ブクログ
最近の日本の情勢を踏まえながら読んだが、日本の女性政治家は本当に大変だなと思った。(フィクションではあるが)
ただ、これは政治の世界に限らず、社会の中でも普通に起こりうることなのではないかとも感じた。
「政治家の資質とは何だろう」と考えたとき、間橋さんのように「周りの人のためになりたい」と心から思える人こそ向いているのではないだろうか。
自分ができることを少しずつ回りに返していく——それは当たり前のことのようだが、政治家という立場の人は、その輪をさらに大きく広げる力を持っているのだと思った。
最近、いろいろな問題が起きてはいるが、この局面を乗り越えるために、政治家の皆さんにはぜひとも力を尽くしていただきたいと思う。
Posted by ブクログ
政治の裏側が書いてあり勉強になる部分も多かった
ニュースですごいなとふわっと思っていたが、この本を読んで恥ずかしいが女性総理が今まで誕生してないことに疑問を初めてもった
性別に関しての理解、日本はまだまだだなと思ったのとこのタイミングで手にとって良かったなと思える一冊だった
Posted by ブクログ
“お嬢”の異名をとる与党の女性議員の自殺から始まる大逆転政治ミステリ。
ライバルである野党の議員、その若き政策秘書、政治記者、そしてママさん市議会議員、四人の女性の目線から描く政界の物語。
折しも日本初の女性総理が誕生したとはいえ、令和の世の中になっても女性が政治の世界で活躍することの難しさ、その仕組みが描かれる。実力や努力ではどうしようもない部分。おじさんたちの旧態依然とした価値観と、男社会を守ろうとする絶対的な結束力はどこの世界にもあるからよくわかる。
男の失敗は個人のもので、女の失敗は女全体のものにすり替えられる歯痒さ。
その分厚い壁に四人の女性が協力して風穴を開けていく姿が爽快!
ミスリードからのドンデン返しも効いていて、ミステリとしても楽しめる。
新川さんの文章は読みやすく、社会問題を描いても爽やかさを失わないのがいい。
「立場も意見も異なる人と、利害の重なる部分を見つけ出して、連帯するの。政治ってのは、違いをこえてつながることなんだから」
足の引っ張り合いじゃなくて、本当にこうあってほしい。
Posted by ブクログ
よかった。
今ちょうど女性初の総理大臣が誕生したこともあり、そこまで辿り着くのにどれほどの不必要な我慢や屈辱なんかもあったのかと考えてしまいました。おめでたいことに、私は想像もしてなかったのですが、この本を読んでこんなこともあり得るのかと、(政治家だけではないですが)衝撃でした。
最後の部分は、最初の時点で勘ぐられましたが(字のヒントもあったので)、それ以外の部分で気づくことが多々あったので、周りにも勧めたいなと思えるおもしろい本でした。
Posted by ブクログ
国政の細部までしっかりと描かれていて本格的な印象を受けました。物語の序盤で性同一性障害に関する法律が出てくることで、読者の疑問を少し掻き立てますが、そこは、最期の最大の謎の解明に繋がって納得でした。単なる殺人事件に落ち着かないところがこの小説の読みどころではないでしょうか。
Posted by ブクログ
話題の本。面白かったし日々の葛藤や嫌だなと思うことを掬い取ってくれるような気がした。登場人物一人一人がみんな魅力的で、自分自身と重ねる人も多いんじゃないかと思う。心に残る一冊。
【ここからネタバレ】
性的マイノリティの登場人物が出てくるんだけど、彼がした決断が悲しくもあり、それでも作品の中でマイノリティが死なずに逞しく生き抜いて爪痕を残そうとしてくれることが嬉しくて、読めて良かったと思った。
Posted by ブクログ
史上初の女性首相が誕生するタイミングで出会った作品。永田町で、地方議会で、女性だからという理由で言われなき中傷や男社会からの差別と闘う政治家、秘書、政治記者の姿がカリカチュア的ながら活き活きと描写され飽きさせない。政治家一家の三代目「お嬢」と言われた議員の自殺の真相も解き明かされミステリーとしても楽しめる。
Posted by ブクログ
ミステリー仕立てにしなくても、政治の世界とその周辺の女たちの戦いがリアルで充分楽しめた。
憤慨しています!と怒りを原動力として、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の改正案を高月馨が作成して、政界の三好幹事長が反対して成立しない所から始まる。こんな悪法を改正しない現在の自民党を思い浮かべてしまった。
補欠選挙の公認を取るために暗躍する男たち。SNSの攻撃の標的にされてしまった高月は政界に残れるのか。お嬢先生はいったいどうして死を選んだのか。
一気に読んでしまう展開。新川帆立さんの作品は本当に面白い。
Posted by ブクログ
古くから残る女性の社会進出を阻むガラスの天井、見えない壁について考えさせられる物語
性別をはじめとする個人の属性が個人のキャリアや夢を阻む事実があるのであれば、是正されるべきだが一方でDEIがベースの偏った選考もあってはならないこと。
読み進める中でマイノリティの声なき声を汲み取る難しさを感じた
Posted by ブクログ
新川帆立さんの著作じゃなかったら、敬遠しそうな題名と艶やかな表紙(;_;)/~~~。日本で初めての自民党女性総裁が誕生したタイミングでしたし、物語には、議員秘書・政治記者・市議会議員と愛すべき憤慨おばさん…政治社会界隈で働く女性たちの頑張りがバトンリレーされていて読んだらとても面白かった。本棚に飾ったら、こっちも気が強くなりそうです。
『衆議院の片隅でこっそりと泳ぐ鯉たち。そこに自分を重ね、袖を通しているのではないか。今はこうして愛想笑いを浮かべ、媚を売っている。だが自分は政治家なのだ、政治家であり続けるのだという決意表明である。決意をかたちにしておかないと、心が折れてしまう瞬間があるのかもしれない。-第1章 国会-』
ラストで明らかになった真相すら、ギブアンドテイクの交渉材料になっていて、「これが政界というものなのか…」とちょっと苦く思った。
2025.10
Posted by ブクログ
今日という日にどうしても読み終わりたくて一気に読んだ(と言っても日付を跨いでしまったけど)
自民党で初めて女性が総裁に選ばれた
主張や掲げる政策に、賛成するものもあれば思うところも当然あるけれど、高市さんが【男社会】に邪魔されることなく、直向きに、誠実に、他者に耳を傾ける政権を築いてほしいと思う
『女の国会』が発行されたのは去年の4月、その時から今日は一歩、日本の政治が確実に前進した日だと信じる
(後から振り返っても、「間違いなくそうだった」と思える日でありますように)
この先、女性が総理大臣になることが当たり前になって、性別(もっと言えば性自認も)関係なく、その時最も総理大臣に相応しい人が選ばれる社会になるといいなあ
Posted by ブクログ
梅爺と間橋さんの会話で不覚にも涙。旦那さんも良い。
女性が男社会で戦うこの不条理さがしんどかった。これ、例えば男性はどう読むのだろう。
戦う女性たち、苦しくて、でもかっこよかった。お嬢好きすぎる。真相までまさに「女の国会」とても読み応えあるミステリでした。
Posted by ブクログ
国会に係る女性たちに焦点を当てたストーリー。
議員秘書、衆議院議員、政治記者、そして地方議員(本編で衆議院議員へ立候補する)ミステリー仕立てになっているのもおもしろかった。
政治の場では男性社会なので、女性はお手伝いかお客様でしかない。いつも1番損な役回りを押し付けられる。
そんな世界でも女性が入っていかないと何も変えられない、変わらない。
どうしてこんな世界へ来てしまったんだろうと苦悩しながらも、がんばっている姿に惹かれた。
個人的には、本筋から離れるから書かれてなかったけど、選挙で間橋が当確した後の加賀美の落ちぶれる様子も書いて欲しかった。高月さんの血尿出しながらがんばる様子がリアル。しかもそんなに報われてなさそう。ほんとにしんどい世界だなと思った。
時期的にタイムリーで女性がもっと活躍できるようになればいいのにと思う。
Posted by ブクログ
よかった。
お嬢こと朝沼が性同一性障害とミスリードさせて、実は顕太郎がそうだった、というのは予想外で面白かった。そしてそれを決定づけるのは鯉。
衆議院の池の鯉はカラフルで、参議院の鯉は黒だという一般には知られていない事実。ネットの情報では確認できなかった。行って確認してみたい。
朝沼が性同一性障害であるというミスリードにかかり、まんまとその前提で読みすめてしまったが、そうでないという視点で読んでも矛盾はないだろうか。
加賀美が盗聴やストーカーめいたことをしていることは取引材料に使われなかった。悔しがるところを見たかった。
国会議員、秘書、記者、地方議員、とそれぞれ女性が苦しいことがよくわかる。女性総理大臣が誕生した今、その苦労は計り知れないことだろう。
顕太郎にも総理大臣になってほしいと思った。そして高月にも。
Posted by ブクログ
新川帆立さんの本、会話が多くてやっぱり読みやすい。
中庭の鯉や永田町の酒屋でビール券、参議院の食堂がおいしい……など、小ネタが披露されていてくすぐったい。この本みたいに官邸でなくて国会が舞台のお話がもっと増えてくれたらいいな。
女性にフォーカスした内容は、女性作家さんならでは。