あらすじ
社会派ミステリの名手によるクライム巨編!
後味最凶の作家デビュー20周年記念作品!
2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。
血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。
しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。
不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。
人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編!
「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者)
(底本 2025年6月発売作品)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コロナ禍の社会情勢を表し、心の拠り所となるこうふくろうからモンスターとなる組織の変遷を描いている。情弱ビジネスばりの気がついたら泥舟に乗船といったものか。スピード感と時期をずらした描写は楽しい。
Posted by ブクログ
終始奇妙でした。
読んでいて気持ち悪くなってくるしゾクゾクしてくるし鳥肌が立ちました。
読んでいてしんどくなる本です。
でも500ページ以上にも及ぶ大作だとも言えます。恐らくこの作品を作るのにとても時間がかかったのではないかと思いました。
Posted by ブクログ
コロナ禍に実際にあったのだろうか?と思わせる話だった
私の知らない世界ではこんな事が起きていたなんて…と錯覚するくらいリアリティな話
時系列がバラバラで登場人物が本名だったりニックネームだったりで、読みづらい部分があった
人の寂しさという感情に踏み込み『本物の家族みんなになろう』と甘い言葉で
誘い込み犯罪へと導いていく
一度踏み込んでしまうと抜けられない世界がある
Posted by ブクログ
どうやってお金を得ているんだ?
と思っていたので
本当にダークな気持ちになった。
本質的に
悪い人がいるんだな。
そしてヤバいお父さんかと思いきや
娘の感情を揺さぶり行動を
起こさせたし
その娘の言葉に救われた仲間もいて
でもやはり
黒なお話。
Posted by ブクログ
社会派ミステリの名手によるクライム巨編
後味最凶の作家デビュー20周年記念作品!
「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者)
今まで何冊か薬丸岳さんの作品は読んだが、たしかにその中で一番ダークな作品でした。
コロナ禍、実際にこれに近いことが行われていたのではないかと思わせるようなストーリー、そして最後の2ページ…ゾクっとした。
Posted by ブクログ
電車内で読むんじゃなかったー!ラスト泣くのを我慢できなかったよ!!
涼風がお父さんのカクテルが飲みたい、からお父さんがストローの袋をリングにしてごめんと謝るシーンで涙が堪えられなかった。
解放されて良かったじゃなくてごめん、なのがさーーー。罪悪感と自己犠牲と無償の愛の組み合わせ弱いんだよ。。。
コロナ禍の閉塞感と、純粋な願いで始まった活動がじわじわと悪に侵食されていく様子が丁寧に書かれてて、正直読んでて苦痛なパートが多かったんだけどラストが良すぎたので読んで良かった。
Posted by ブクログ
面白かった
ただ時は前後するし名前(ニックネーム)いっぱい出てくるし誰が誰やらで最初はややこしかったかな
新見さん クソみたいな男だったのに途中からいい人になりすぎ!
大悟くんはやっぱり殺されたのかな 最後が怖すぎ…
Posted by ブクログ
コロナ禍の苦しみで、人との繋がりを求めて、血のつながりより、本当の家族のような繋がりを求めてこうふくろうが結成されたが、結局支配、犯罪と悪いことに巻き込まれてよくない月末に。分厚いページ数に読むのをためらったが、読み始めると続きが気になり、一章ごとは少なく、ぐいぐい読んでしまった。登場人物たちの家庭環境がかわいそう…
そして颯太がどんどん悪いことに手を出してしまうのと、一方で涼風は本来のこうふくろうの意味で活動し続けたのと。主人公は誰だったんだろう…と思った。結末が後味悪い、とのことだったが、それは強くは思わなかった。苦しい時に逃げられる場があることは大事だが、いろんな人の思惑が重なると、弱みに付け込んで悪くなってしまう。苦しい過去があっても、犯罪はやはりだめだと思う。じゃあどうすればよかったのか、というのがないから救いようがないといえばそうなのだが、いろいろ考えさせられた。
Posted by ブクログ
行き場を失った若者たち、
肩寄せ合って集まり、
いつしか一部の人間が操るカルト集団に・・・・
コロナ禍を背景にしたダークな物語、
時間軸をズラされ、「あれっ?」っとなる。
作者さんの技術に感心しつつ、楽しく読みました。
コロナ大騒動から5年が過ぎますが、
なんと、読んでる最中に家族が罹患、
ホント恐ろしい。マスクはまだまだ手放せない・・・
Posted by ブクログ
まず、「こうふくろう」に救いを求める人たちの境遇のひどさに打ちのめされる。
困り果てた末に出会った人々に助けられ、今度は自分が人を助ける。
そんな理想郷のようだった「こうふくろう」は形を変えていき思いもよらぬ方へと進んでいく。
最後まで読んで結局この物語に救いはあったと見るべきかなかったと見るべきか悩んだ。
数名の視点で物語は進んでいき、時系列も前後しながら進んでいくのに登場人物の置かれた状況やストーリーのなかで迷子になることなく読ませる筆者の凄さを見た。
それにしてもこわすぎる。
この一言に尽きる。
Posted by ブクログ
実際あってもおかしくない
でも身近で起こってもきっと気付かない
そんなとてもリアルでめちゃくちゃスリリング内容の本でした
大悟はどこにいっちゃったんだろ 気になります
Posted by ブクログ
薬丸さん史上最黒なストーリーの作品、後半辺りは(不謹慎ながら)「そろそろGボーイズ出て来るんじゃないか?」などと思いながら読みました。
雑誌連載作品に能く見られる、ラストは忙しなく畳んで終了になってるのは惜しい。
結局、某登場人物のやらかした殺人は、有耶無耶のままでお終い??
Posted by ブクログ
2020年、新型コロナウイルスが世の中に広がる中、大学生の芹沢涼風は一人暮らしの生活に孤独を感じていた。ある日、気分を紛らわすために池袋の公園へ行くと、自分と似た境遇の人たちと出会う。
そこで出会った仲間たちと血縁や戸籍でなく、絆で結ばれた新たな家族を作ろうと「こうふくろう」を立ち上げる。
「こうふくろう」の仲間たちはどんどん増え、その一部の人たちが犯罪へと手を染め始め…。
2020年のコロナ禍だからということではなく、常に家族に不満や孤独を抱えている若者は多い。その弱い部分に付け込んで、悪の道へと誘う大人も多くいる。
読んでると常に嫌な気分になるんだけど、先が気になりどんどん読み進む。そして、絶望的な読み終わり。
月日が後ろへ行ったり、前へ行ったりでちょっと読みづらく、500ページ超の長さだけど、もうちょい深掘りしてほしいところもあった。
後味が悪い作品って心に残るから、それが薬丸さんの狙いなんだろうな。
Posted by ブクログ
コロナ禍で孤独な人間同士が、戸籍上の家族でなくても強い絆で結ばれたい、とつくられた「こうふくろう」を立ち上げる。
どうしようもない生活を送ってきた新見寛貴は別れた娘に渡した金目の物を返してもらうために娘に連絡を取るが、どうやら「こうふくろう」に関係しているらしい。
果たして「こうふくろう」は善なのか悪なのか⁉️
時系列があちこちすることで、名前とニックネームが交錯してしまい分かりにくい場面もあるが、
最後に明かされる新見の人間性に救われる。
Posted by ブクログ
他人に弱みをみせたら、碌なことにならないということか。最初は理想があったんだろうに、集団になると歯止めがかからず悪い方へと流れていく。勢いがついたら止められないのかもしれない。
Posted by ブクログ
後味最凶、とまではいかないかな
何ならウイングがラスボスかなぁと思っだけど、それはなかった
帯の「これはあなたのすぐ隣にある物語」というのが怖かった
Posted by ブクログ
居場所のない人々を狙った悪質な組織『こうふくろう』。コロナ禍中、不安と孤独に苛む涼風と別離した実父、新見寛貴とのラストシーンが切ない。登場人物が多いので、ペアレントネームを兼ねての紹介一覧が欲しかった。
Posted by ブクログ
久しぶりの薬丸作品。
私がこれまでに読んできた薬丸さんの小説と比べると異端な印象を受けました。
コロナ禍で居場所をなくした若者たちがこうふくろうというコミュニティを立ち上げ、互助会的な活動を行うストーリー。
多感な時期に血の繋がった家族からの愛情が感じられず苛まれる登場人物の心理描写はさすがです。
序盤は人助け中心で物語が展開していきますが、中盤から不穏な空気が漂い始め、あっという間に真っ暗闇へ。人間は環境の産物となり得ることを知らしめさせられ、読んでいてヒリヒリしました。
登場人物が多くコミュニティ内でのニックネームがあり、ニックネームが付く前と付いた後で時系列も行ったりきたりするので私も見事に混乱しました。それが本作の面白さでもあるのでしょう。
それにしても堕ちていった人たちの悪いことと言ったら。怖かったです。
そしてこちらも薬丸さんには珍しく続編があってもおかしくない結末でした。ぜひ続編で勧善懲悪してほしいものです。
Posted by ブクログ
コロナ禍は人々の心に暗い影を落としたと思う
産業的打撃もすごかっただろう
自分の仕事はたまたま影響を受けなかったけど
簡単に職を失ってしまい救済されない人が多くいたのだろうなぁ
しかしこのお話の中心は学生が多いし、どちらかというとコロナより家庭の事情が大きいから
一概にコロナのせいとも言い切れないがキッカケにはなったのだろう
コミュニティが大きくなれば一枚岩でいられなくなり、
もともとの思想は良いものだったのに、悪いことを考える人はいる
清涼な水に一滴落とされた染料のように広がっていく
時系列がバラバラにされているのは何か意図があるのかもしれないがちょっと読みにくかった
Posted by ブクログ
本書を読んでコロナ禍を思い出した。あの頃は蜜を避けるために人との交流は減り、常にマスクを着用し、外出や人混みには神経をすり減らすような生活だった。振り返ってみると、よくあんな生活をしていたと思う。
コロナ禍で人との繋がりが減ると、人恋しくなる気持ちはとてもよくわかる。ずっと一人でいたら、気づけば一日声を出すこともなく、自分だけが取り残されたように感じることもあった。特に家族と離れていたり、家族とうまくいっていなければ、その気持ちは一層強くなるだろう。
本書『こうふくろう』では、まさに一人で寂しい気持ちを抱えた人たちが集まり、「家族」を作っていく。コロナ禍でなくても、仕事で嫌なことがあったり、人間関係で悩めば、居心地のいい場所を求めてしまうが、コロナという追い打ちがあると、なおさら求めてしまう。
血のつながらない「家族」は最初は居心地がよく、まさに救いのような存在だった。だが、金儲けなどを企む者に少しずつ悪用され、やがて犯罪組織のようになってしまう。純粋に助けを求めて家族になったメンバーも、いつの間にか犯罪の片棒を担がされ、弱みを握られて抜けられなくなってしまう。実に恐ろしい仕組みである。世間の闇バイトなどもこのような仕組みなのかもしれない。著者は、世間に蔓延するこうした犯罪の怖さと、抜けられなくなる仕組みを示し、警鐘を鳴らしていると感じた。
血の繋がりだけが全てではないが、本当に信頼できる人としっかりつながりを持って日々を過ごすことの大切さを改めて考えさせられた一冊だった。
それにしても、終わりの章は衝撃的だった。あの少年が実に逞しく成長したのを見て、半ば呆れながらも、「もしかしてとんでもないモンスターになった続編があるのでは」と想像させるような終わり方だった。
Posted by ブクログ
コロナ禍で居場所を求めた人々で家族を作る話。あの鬱々とした頃に、こういうことが本当にあってもおかしくなかったと思う。些細な気持ちから始まったのに、人が思惑が集まるに連れ転がり落ちていくのが絶妙。時系列が行ったり来たりで人数も多いのにするっと頭に入るのすごい
Posted by ブクログ
え〜い、2020と2021を往来し、もどかしいったらありゃしない。これ間違えなく読者を混乱させ、企みを遂行せんとする著者の罠に決まってら。あの某教団のホーリーネームを彷彿とさせるペアレントネームも惑わす要因だ。単純にコロナ禍で疲弊し孤独となった者たちに付け入る黒い組織のお話ですよね、「こうふくろう」って冴えん名前の。などと侮りつつも、終盤は涼風がんばれ、気をつけろ、やつらを潰せと熱く応援してた。しかし、最後なんかひねりあるよねと、こっちも擦れてるから当然予測する。へぇ、颯太め、いっぱしに。てことは大悟は…
Posted by ブクログ
薬丸作品にしては駄作の部類だと思う。「コロナ禍の難民」が血族ではない本物の家族を求めることから脱線して犯罪集団に行きつく末路を描く。兎に角無駄に長いのと、時系列を前後させる意図がよくわからず、読み終わっても「ふ~ん」ぐらいの感想しかない。詳細描写は楽しめるとしても、まあそれだけ。
Posted by ブクログ
読み終わってはいない。半分の半分の半分くらい読んで、なかすーっと飛ばし最終章の5頁くらい読んで終わりとした。
ちょこちょこ読みだからこの登場人物だれだっけ?となってまた戻ってを繰り返していたら面倒くさくなって…
小堀颯太のいじめの描写に辟易したのも一因。
なんとなくまとめるとコロナ禍で行き場を無くした若者たちが池袋の中池袋公園に救いを求めて集まってきて、西島がリーダーでこの辺はすっ飛ばしたからよくわかんないけど、
犯罪に加担して逮捕されナイトこと颯太は逃亡中。
口元がオランウータンぽいからオランと呼ばれコンプレックスだったらしい。
日雇いの仕事でお金を貯めて口元を整形して逃げ続けるらしいとこで終わってた。
あの借金まみれの涼かのパパは最後は男気出して娘を救ったらしい。自分は覚醒剤を大量に打たれて未だ昏睡状態だけど、娘の信頼は取り戻せたらしい。
時間がたっぷりあったらちゃんと読んだかもしれないけど、
今回は無理だった。
Posted by ブクログ
コロナ禍で孤独を感じた主人公涼風は、池袋にある公園に赴きそこで知り合った人達と本物の家族になるべく「こうふくろう」として、同じように孤独な人や困っている人を助けて仲間になっていく。
だが、悪い人達につけいられてしまい、涼風が思っていた当初のこうふくろうとは違う方向へと向かってしまう。
終章のおかげで後味悪いです。捕まってほしい。
Posted by ブクログ
とりあえず、コロナ落ち着いて良かったなって改めて思った。
終わったわけじゃないけど、
ちゃんと生活できてる。
あの頃本当につらかったな…
この小説の子たちは、孤独を感じ、公園に行ってみる、ってことができたけど
わたし何もできなかった
逃げるには、かかえてるものが多すぎて
逃げるわけにもいかないし
でも希望を持って生きるには孤独すぎた
辛かったなぁ
あのころ、自分がコロナにかかるのも怖かったし、うつるのも怖かったし、うつしてたらと思ったら怖かったし
でも、この話の中の人たちは、孤独はあれど、コロナの感染についてそこまで気をつけてなかった気がして
まぁ、孤独感にスポットあててたから仕方ないかな
登場人物も多くて、年代も前後して、少し読み切れなかった部分はあったと思う…
本当にこんな子達がいて、こんな世界がどこかにあったのかもと思わずにはいられなかった
とにかく、大切な人に会えなかったあの頃は本当にしんどかったよなぁと思ったり
学生時代がコロナ真っ只中というのは、想像もつかない孤独だったのかもと思いました。
Posted by ブクログ
2020年のコロナ禍の社会を背景に、池袋の公園に孤独を募らせて集まる若者達を描いた社会派物語。其々が家庭や学校に複雑な思いを抱いていて、そんな彼や彼女らをまとめて仮想家族を築こうとする、20年と21年の其々の様子が交互に描かれている。仮想家族間での新しい呼び名に戸惑い、誰なのかと変換しながら読んだのでなかなか内容に入り込めなかった。
Posted by ブクログ
「後味最凶」の言葉通り、なんとも後味の悪い作品。
血が繋がっていなくても、強い絆で結ばれた家族を作りたいという思いから生まれた「こうふくろう」。
理想郷のように思えた「こうふくろう」がどんどん恐ろしい犯罪の場となっていくのが苦しかった。
コロナ禍で生きづらかった時期とはいえ、こんな怪しげなグループに入ってしまう?
性的虐待を受けたり過去の犯罪歴があるという場合はともかく、普通に少し閉塞感を感じていたくらいでこんな集団に入ってしまったら…
実際にありそうな感じに、恐怖心を抱かせられた。
500P強の大作。時期が前後しながら話が進んでいくので、日付を見て頭の整理が必要で、読むのに時間がかかってしまった。