あらすじ
「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子どもたちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミに出せばいいじゃない!」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
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Posted by ブクログ
いやはや痛快!笑える!歯に衣着せぬ言い方で女性の気持ちを表現!あっぱれ!!
50代以上の男性たちにぜひ読んでもらいたい!
そうじゃない人もいるとは思うが…
初めて読んだ作家さんだが、重たい話題、墓守りと、選択的夫婦別姓の問題、田舎程お墓問題は大きくなるかと。をコレだけ読みやすく笑いに変える、さすが話題作だ。
エセフェミニストの詩穂の彼氏や牧葉の元カレ。どちらも別れて正解。
『夫が名字を変える会』の会員だという会社の後輩、槙島くん、牧葉にいい人が見つかってよかった!
都会から来た異例の経歴を持つ住職と話すことで固まった頭が軽くなる松尾壱郎89歳、非常識の嫁と思われている五月、61歳
各章が人の名前と年齢なのも見返しやすく、夫々の気持ちの表現がおもしろい。 他の作品も読んでみたい
いざ結婚、となると「つまらないこと」で揉めて破談に、互いの親や親戚が介入してくるからだ、と書かれていた、本当は、つまらないこと、から相手の本音が透けて見えるからではないのか。男が婚約者よりも、自分の親や家を優先すると知った時に、女の心に不信感が芽生える。 p. 24
男は言われなきゃわからないと言うけれど、だったら言えばわかるのかというと、言ってもわからないのだ。白人男性より黒人男性の方が女性の置かれた立場を理解しやすいと聞いたことがある。お互いに差別される側だからだ。 p.83
色即是空、この世の全ての形は仮のもの、本質は空であり、決して不在ではないという意味。この世に変わらないものはないということです。 p. 252
親から褒められたいがために喜子を犠牲にしてきた一面を今更だが認めざるを得ない
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お墓をめぐる家族の物語。
バツイチの松尾五月の再婚相手・慎二の母が、遺言で樹木葬を希望するところか、話は展開していく。
仲の良い義理夫婦と思っていたが、募る思いはあったらしく、義父の葛藤が描かれる。
五月の娘たちは、結婚に際し、名前を夫の姓に変更することで揉め、新たな価値観を見出す。
お墓という時代にそぐわないシステムへの問題提起、同じ根を共通にしている選択的夫婦別姓との話題ともからめ、新時代のライフスタイルを提供する作品。
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身近にある問題で自分もそろそろ向き合っていかなければならない状況。考えると悩むけど、この本を読むと主人公の言葉にいちいち共感してしまう。スッキリ面白い本で一気に読んでしまいました!!!
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丁度、自分のお墓(樹木葬の合葬墓)の契約をしたばかりのタイミングだったので、読み物としても知識としても興味深く読めました。
私の場合は、自分が亡くなった後、お墓の管理をしてくれる人がいないのが明白だったので、無縁仏として行政の手でどこか知らない場所へ埋葬されるよりは、主体的に自分で埋葬される場所を選びたいと思ってそうしました。自分の埋葬される場所が決まったことで、心が落ち着いた気がします。
いずれ、両親のお墓を墓じまいして、同じ場所に合葬してもらえるよう申し込もうと思っています。
本の中で、五月さんのキャラクターがとても楽しくて良かったです。
女性の住職さんのお話も色々ためになりました。
Posted by ブクログ
結婚夫婦、親戚付き合い、葬式、菩提寺との付き合い、お墓など其々の在り方について、時代と共に
価値観が大きく変化していく事を改めて感じさせられました。
またお墓や遺骨についても、少子高齢化・ニ世代での同居が減少と共に別世帯が増えている事、親子・親戚間との距離感などの状況変化について、しっかりと将来を見据えて慎重に検討する必要があると思いました。
二つの家系の話の中に、多くの人物が登場しますが其々の場面での丁々発止のやり取りが面白かったです。
非常に勉強になった1冊でした。
Posted by ブクログ
垣谷美雨さんのこのシリーズ物、大好き♪
今回は「墓じまい」と「夫婦別姓」のツートップ。
個性強めで色々な世代の登場人物たちが巻き起こす難解複雑な問題を、ハラハラドキドキイライラムカムカしながら楽しく読み終えた。
我が身でもそんなに遠くない墓事情。
様々なお墓の種類がある中、「森林埋葬」というものがあるのを知った。
山の中の整備された区画にスコップで穴を掘り、粉砕したお骨をサラサラと埋めるだけ。
何が利点かというと、遠くの方からでもその山を望むことができ、山に向かって手を合わせられる。
なるほど、興味深い。
Posted by ブクログ
垣谷美雨さんのお墓騒動小説
物語は、松尾家と中林家という2家族のごく普通の日本家庭に巻き起こる『お墓問題』を実にリアルに描いている。
興味深いのが、お墓問題だけでなく、夫婦別姓やジェンダー問題、老後問題に宗教問題といったあらゆる問題が芋づる式に出てくるところ。一件難しい問題ばかりなのに、誰しも思い当たる所があるあるで、個性豊かな登場人物の目線を通して、とても軽快に物語が進んでいく。まさにラプソディだ。特に五月さん!面白すぎる。
意外と爽快な読後感に自分でも驚いた。
いやぁ、私も心のどこかでお墓問題を抱えているのかもしれない。時代も去ることながら、周りで「お墓を購入した」とか「そろそろ墓じまいを考えている」なんて耳にするような年頃になってきたせいだろう。
もっと若い年頃で本作を読んだなら、きっと夫婦別姓の話や、将来墓主になるのでは・・・といった話に敏感に反応していたかもしれない。そういう意味では、幅広い世代の方に是非読んでみてもらいたい作品だ。
私は中でも、女性住職の説く仏教の真理「色即是空」と「諸行無常」に、改めて深い教えを与えてもらえた。
世の中は常に変化し続けているのだから・・・
自分の遺骨が、未来永劫お墓に守られているなんてことはない。今後百年もしたら、殆どのお墓が無縁仏になるんだろう。
何が正解というものではないだけに、様々な知識と知恵をもって、自分の時はどうするかを事前に考えておく必要性を改めて感じた。またそれを家族感で共有しておくことの大切さも痛感した。
垣谷美雨さんだけに、あらゆるケースや個人の考え方を上手に盛り込んで、とてもリアルに描かれた作品。興味深く読んだ先に、自分の将来を見つめるきっかけが必ず生まれると思う。明るく軽快なタッチで描かれているところもオススメしたい。
Posted by ブクログ
大変世間の話題になっている墓じまい、別姓の婚姻など難しいテーマなのに面白く読めた。
私は、私のことを時々思い出してくれさえすれば、私の遺体なんて、鳥葬でも風葬でも全く構わないと思っています
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遠方にある本家の墓。年老いると参るのも辛く、継ぐ子もいない。
そうなれば、墓じまいか?先祖代々の墓なのに?
しかも、妻たちは揃って婚家の墓には入りたくないとうし、さらに孫世代は結婚で姓が変わることにも抵抗があるらしい!
考え方の世代間格差や現代の問題などが軽妙に書かれてて面白い!30代の私が見ても、わかるわかる!となる話!
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少子化のこのご時世、墓守を誰がやるのか?
私までは、墓守をしてもその後は、別にいいや!
死んでからの心配では無く、生きている今を如何に楽しむかが大切‼️
あるあるが結構あって、笑えた‼️
Posted by ブクログ
垣谷美雨さんの作品は読みやすくって、そのうえ共感しやすい内容なので結構好きだったりします!この作品のテーマは、ずばり「墓じまい」!私の実体験からすると、お墓って作るときにもかなり大変です。でも、いずれは考えることになるんでしょうね、「墓じまい」のことも…。
この作品では「夫の墓には入りたくない」という遺言を残して他界した義母と、その子供たち、そして孫たちについて、お墓のことだけではなく、結婚観や夫婦別姓のことも題材にしています。夫と同じお墓に入りたくない気持ちもわからないではないけれど、でも死んだ後のことってそこまで考えることか?と、私もこの作品に出てきた嫁の五月と同じように考えるけれどなぁ…。でも、その選択を間違って子供たちにこの先ずっと負担をかけるのもよくないし、それに金銭が絡むならなおダメだと思ってしまいます。
それから墓じまいですよね…お墓って本当に必要なのかなって思ったりもしましたね!今の時代、位牌があれば故人の供養になるんじゃないかなって、思ったりもしました。仏壇だって、コンパクトなので十分じゃないかな…大事なのは気持ちの問題だと…。それなのに檀家だからといって高額なお布施を強要されるのも、義務的にお墓参りや管理をしなくてはならないのも、腑に落ちませんよね…。
あらあら…私の意見を言う場になっちゃってる(汗)!あ、でもこの作品を読んで感じたことだから、まぁ~いいでしょう!!とにかく、孫たちの結婚問題については、牧葉の元婚約者はロクでもないし、詩穂の恋人は親もひどければ子もひどい…早まらずによかったです。ふたりには幸せになってほしいですね!
Posted by ブクログ
お墓、名字、家を継ぐということ。
これほどジェネレーションギャップのある事象はないだろう、というほどの最たるものたちである。
古人類たち(天次郎とか、似非フェミ野郎の父親とか)の発言に腹が立ったりもしたが、60代で二人の娘(成人独立済み)の母、ハンドメイド作品をネットで売る「山師」こと、五月の人柄が好ましくて、スッとする場面もいくつかあり。
こんな合理的で竹を割ったような性格の五月が、高校中退して、暴力夫と結婚離婚した過去があるなんて意外、若い時と現在でキャラとしての一貫性がないのでは・・・と思っていたけど、本当のラストに「そういう事情だったのか」と、腑に落ちた。
両親が亡くなり親戚からお金だけ取られていらないもの扱いされたら、それは優しい男を頼るよね。かわいそうに。子どもが自立できる年齢になるまでは、なんとか健康で生きていようと思ったのでした。
五月の娘の牧葉と詩穂は、結婚にあたり名字のことで男性の本性が見えたけれど、この本の世界では法案が可決されたということで、その「リトマス試験紙」もなくなるわけだ。どういう世の中になるんだろう。別に「選択的」別姓を認めたところで、大きな世界はたいして変わらない気もする。
墓じまいについては、ここまで露骨にお金をふっかけるお寺(鹿児島の寺!)もないと思いたいが。
新潟の寺の住職(40代外資系勤務経験あり女性)と、鹿児島の寺の住職のどっちが実際にいる?と聞かれたら、鹿児島の寺の住職のほうが存在してそう。それとも、同じくらい希少種?せめてそうであってほしい。
親が存命中に墓の問題にけりをつけてくれたらありがたいけど、新潟の住職がいうように、昨今「こどもに迷惑をかけない」という意識が強すぎるというのもその通りだろう。
生きているのだし、死んでからも、迷惑をかけるのは仕方がない。けど、「自分がかけたくない迷惑」はかけないようにしたいものだ。
五月も牧葉も詩穂も、ハッピーエンド?なのかな。
私には息子もいるし、別に普段から、男大嫌い、男よ滅びろ!と思っているわけではないけど、この本を読んでいると登場する男たちが嫌すぎて、ついぞそんな気持ちにもなってしまいますね。
特に牧葉の元婚約者の鈴木なんて、嫌われるためだけに登場したような噛ませ犬。こういう男に育てないようにしたいけど、どうしたらこうならないんだろう(世間ではまだ鈴木みたいなやついっぱいいるぞ、こういう男でも社会的に生きていけるという世の中なんだよ)・・・という、男子育児中としては心が痛い問題もありました。
Posted by ブクログ
色々考えさせられた。松尾家と中林家の対比がイイ。過去に固執するダメ家族が滑稽。でも、現実は、やはり難しい。こういうテーマの小説を読めたことを、よい機会に出来ればと思う。
Posted by ブクログ
考えさせられる。
姑が樹木葬を切望してなくなった。
娘が結婚後の名前をどうするか問題でもめだした。
それぞれの家族の墓問題。
夫婦別姓について、大きくはこれからの家とは・・・。
タイムリーな世代である私にとって
とても考えさせられる内容であった。
最近、自分では当たり前と思っていたことが
今どきは違うってことが続いていた。
わたしもいろいろとアップデートしていかないと。
読みやすくおもしろかった。
Posted by ブクログ
夫婦別姓の問題は日本の戸籍制度にからむので、お気持ちだけでは判断できない。しかし、墓に対する考え方はもっと柔軟に考えてよいと思えて気が楽になった。諸行無常なので、縛られる必要はない。
Posted by ブクログ
お墓のことについてあんまり深く考えたことなかった…読んでいるうちに身震いがした。うちの祖母もお墓について、永代供養して貰えるとか言っていたが…そんなわけないよね。どうなっているんだろう。
ドキュメント72 で昔、樹木葬を見て良いなーっと思った。墓石もなくて良いし。
普段考えないお墓問題を知ることができて良かった。それにしても中林家の三七緒さん大変すぎるよ。
Posted by ブクログ
それは「自分が死んだら樹木葬にしてほしい。夫と同じ墓には入りたくない」という義母の遺言から始まった。五月は困惑する夫を冷静に見ていたが……。
墓の問題は、家の問題から夫婦の問題を経て娘の結婚問題へと波及していく。果たして解決の手立てはあるのか。
現代の社会問題でもある家族や社会の制度をテーマにしたヒューマンドラマ。
◇
義姉の光代から電話があったのは先週のことだ。光代は夫の姉であり、私の携帯に直接かけてくるのは珍しい。
要件は、先日亡くなった義母の四十九日についてだった。香典と精進落としの金額やその他の留意事項なので夫より私に言っておくほうが確かだと思ったのだろう。
それにしても物入りだ。新潟までの旅費もバカにならないのに、などとため息をついていると夫のスマホに着信があった。
「姉ちゃんだ。きっと四十九日のことだな」
と、言いながら夫はスマホを片手にリビングを出て隣の部屋に入っていく。私がテレビの手芸番組を見ているので気を使ってくれたようだ。
しばらくして夫の大きな声が聞こえた。
「本気で言ってんの? それ、おかしいって」
どうやら顰めっ面をしているらしい。
「親父は?」「兄貴は?」
と矢継ぎ早に質問する夫のことばだけでは何のことかわからない。もどかしく思っていると、
「なんでジュモクソウなんだよっ」
という夫の叫ぶような声が聞こえてきた。
( 第1話「松尾五月 61歳」) ※全28話。
* * * * *
大きく分けて、松尾家と中林家というふた家族の問題として描かれていますが、中心になるのは松尾家です。また、各話ごとに視点人物が変わるのですが、主人公に相当するのが松尾五月という61歳の女性です。
物語のポイントは2点。
1点目は両家の「先祖代々之墓」の管理問題で、2点目は松尾家次女の志穂と中林家長男の悟の結婚問題なのですが、その2点が密接に絡み合うところもあり、問題の根深さを際立たせていました。
まず墓問題について。
都心で暮らす松尾家と中林家には、それぞれ新潟と鹿児島に実家があり、菩提寺には先祖代々の墓があります。その墓はどちらも立派なものだけに、掃除や献花など日々の管理がかなりの負担になっています。
一族のほとんどが地元にいて家族も多いならまだしも、跡継ぎ世帯は都会で生活していて年寄りだけが残っている現状では、この墓問題は遠からず破綻するのは明白です。
労力面はもちろん費用面も大きくのしかかるため、ゆくゆくは自分も先祖代々の墓に入ろうと思っているのではないなら、 ( よほどの名家でない限り ) 墓仕舞いもやむを得ないと思います。
なのに地元の親族たちは墓仕舞いに反対する。ここで興味深いのは、反対するのが実際には墓の世話をしていない人間ばかりだということでした。
妻や姉妹などに世話を押しつけている男どもや、少し離れたところに住み世話にノータッチの分家 ( 古臭い言い方! ) の連中です。
都会で暮らす跡継ぎ世帯は、うるさ型の親族に辟易しつつも強く言い返せないまま、時間だけが過ぎていくのです。
墓問題に絡んでくるのが結婚問題で、言い換えれば「嫁」問題です。
結婚すると、女性を「嫁」として捉える人たちが未だにいます。そう考えるのは老年層だけでなく、若い男性にも少なからず存在します。
夫の籍に入り夫の姓を名乗る。そして、夫側の両親や墓など、義実家の世話をする。
それを当然だと考える人たち ( 特に男に多い ) が、現実社会でも相変わらず幅を利かせているようです。
少子化が猛スピードで進み、核家族化が既定路線のようになってきている現代。古臭い因襲に拘っていると、結婚できない男と結婚しない女が増えていくばかりでは!?
垣谷さんの忠告が聞こえてきそうです。
* * * * *
私事ですが、法事の際に住職から伺った話を思い出しました。要約すれば次のような内容でした。
☆人間は死ねばおしまいです。死後の世界などありません。
ですから葬儀や法要、供養等の諸々は故人のためではなく、ご遺族の方が自身の心を慰め故人とお別れするためのものなのです。
法要の規模に拘られる必要はないし、ましてや墓や仏壇のグレードなど気になさらなくていい。
ご遺族様が心の中できちんと手を合わされるなら、それに勝る供養はないのです。☆
宗派によって考え方が異なるのかもしれませんが、この住職のお話はとても印象深く、感銘を受けました。
樹木葬や永代供養など、現代の世相に適した供養がもっと一般的になればいいのになと思います。
Posted by ブクログ
面白かった!
いつも、社会問題を上手に取り上げ、面白く小説にしてくれる垣谷さん。
今回のお墓問題も、我が事として考えさせてもらいました。
いろんな世代の登場人物が出てくるから、こちらもいろんな視点で見ることができるし、多分読者の世代によっても捉え方が変わるんだろうな。
私も樹木葬でいいな。もしかしたら嵐や災害で倒されることもあるかもしれないけれど。諸行無常。色即是空。
Posted by ブクログ
読み始めて数ページで
『なにこれ、面白いじゃないの…!』と
ページをめくる手が止まらなくなった。
爽やかな渡る世間は鬼ばかりに感じたが、
よく考えたら私は渡鬼を一度も観たことはない。
ネタバレすると具体的に墓じまいを完了させた家はない。
考えているけれどまだ先送りにする程度だ。
そこが実にリアルで、ありそうな話だと思う。
自分たちの代で終わらせる、という行為は
なかなか勇気のいることらしい。
夫婦がどちらの姓を名乗るかという話も
墓守を誰がするのかという話も
身近にはあるものの、正直どうでもいいというか
希望があるなら伝えてくれるのは構わないけれど
それをやるのは貴方達の世代であって、
我々には我々の希望があって然るべきですよね?
と思っている。馬鹿正直に言わないだけで。
周りから非常識だとかお世辞が下手だとか
正直な人という評価を受けている五月さんが
実は一番、お墓に対して罪悪感があったのは意外だった。
両親をちゃんと葬ることができなかったという気持ちが
お墓に対して寛容にさせていただけなのかな。
でもその寛容さが幸せを呼び込んでいた気がする。
娘たちは変なのと結婚しなくて済んだし、
お墓問題もうまく運んでいきそう。
対してプライドが高く価値観ガチガチの中林家。
10年後、いや5年後には息子はなぜ結婚しないのか嘆き、
非常識だと馬鹿にしていた親子が幸せそうなのを知り
発狂する勢いの順子を想像するのは難しくない。
どちらの一族もそれなりに幸せになってほしいし、
なるしかないのだけれど、
これを読んだ私は自分の代で墓じまいをすることに
前より抵抗がなくなった。
『全ては諸行無常ですよ』
Posted by ブクログ
偶然にも昨日読み終わった本と似ていて、登場人物何年、って感じで何人か一人称で入れ変わりつつ話が進んでいく構成でした。
こちらは複数家族の人間が登場するのですが、ストーリーテーマが墓の継承、夫婦選択的別姓なので読みやすく感じました。
一番はじめに登場する松尾家の嫁?五月さんの考え方ドライでおもしろくて引き込まれ一気読み。
お墓問題もそうですが、いろいろ時代と共に変化するものですね。
この作家さんの本は、日常の共感度が半端なく高いのですよ…そうそう!そうなのよ、って感じでサクッと読めちゃいます。
明るくさわやかな読後感で良かったです。
目指せ、五月さんのドライさ!過去はいい、未来を楽しく生きるのだ。
Posted by ブクログ
今の時代に合った小説。
檀家とか今はあまり入らないでしょう。我が数年前母が亡くなり、お墓を建てることになりましたが、檀家には入らず市の墓地公園の敷地を購入しそこにお墓を建てました。
永代供養料も払ってあります。
宗派にこだわる事なく、供養する事が出来ました。
墓じまいや樹木葬など、様々なスタイルがある昨今、それぞれが好きな形で供養できればいいかと思います。
Posted by ブクログ
今回も勉強になりました!!!
昨年、母が亡くなり、我が家もお墓どうする問題がでてきたが、父は、「管理する人もいないし、大変だし、永代供養でいいだろ!」ってことで、私は永代供養?母が可愛そうと思ったけど、この本読んで、父は結構、今風な考え方というか、父のさっぱりした考え方にすごく納得した。
無縁仏いやだとか旦那は言ってるけど、100年200年後と、骨も増えていくから、いずれは、骨をまとめて廃棄されるかもと読んでいて思ったり、、、
だったら、いつかは無縁仏じゃん!って思ったり笑笑
垣谷さんの作品はいつも勉強になるし、お墓問題とか正直触れたくもない話題だか、明るい口調で書かれており、お墓問題に少しは向き合うのも悪くないなぁと感じた。
Posted by ブクログ
先祖代々の墓を守り抜きたい。
墓には関心がない。
家族の中でも考え方は人それぞれ。
そして揉める。
お父さんと同じ墓には入れないで欲しい。
樹木葬で。という遺言を残した母親。
光代は、娘としてどうしたらいいのか悩む。
夫婦別姓問題なども取り上げる。
いままで当たり前にしてきたことも
変えなくてはいけない時代に来たのだ。
墓じまいには莫大な費用がかかる。
読んでいる間は笑い飛ばしていたが
他人事ではない。
改めて気付かされた。
Posted by ブクログ
墓仕舞いは最近よく耳にするし、自分も考えないといけないんだよなぁ。
新潟の元証券マンの住職さんの話が耳に心地よかった→今墓じまいを悩む人たちならわかるだろうwなんでもお寺さんのいいなりにならずに自分でも調べることは重要だと思った。得に色即是空の下りは、あ、それなら色んな供養なんかせんでもいいのかも!?生きてる自分を大切にしよって都合よく考えたっていいよね?
昔は皆小さな地元だけの世界で人は生きていたから墓守りもできただろうが、今や地元を離れる人だって多いから考えたら無理しかないよね。海外へ飛び出す人に墓守りなんざ出来ないのと同じよ、たとえ国内でもね。
お墓のことが主命題なんだけど、思いの外色んな家族の個々人の思惑がみえて秀逸だと思いました。それが墓の話だけじゃなく若い世代の話もあり、結婚する、あるいは結婚しないという逆張りのハッピーエンドもありで楽しく読めた。
いや、ほんとに、なかなかあとからもジワジワくる読んで良かった本。
Posted by ブクログ
「旦那と同じ墓に入りたくない」「お墓が遠くてなかなかお墓詣りできない」「結婚したらなぜ旦那の姓にしなくてはいけないのか」など様々な現代の問題をリアルに、クスリと笑える要素も取り入れながら、学べて考えさせられる作品。男女のあるあるが多くて共感できる。
Posted by ブクログ
2024/09/23予約 94
松尾家と中林家の墓じまい、子の結婚から選択制夫婦別姓まで盛りだくさん。化石かと思うような男性が溢れムカつき笑って読んでたが、あるある話。自分自身が婚姻により改姓したことが本当に嫌だった。なので松尾家の娘の気持ちはリアルにわかった。ただ槙島の『夫が妻の名字に変えることで不平等ではなくなる』が何だかよくわからない。『墓じまいやら合同墓を選択しなくても日本全国の墓が事実上の永代供養に移行しつつある』はどうなのか調べてみたいと思う。
興味深いテーマでよかった。
Posted by ブクログ
なんつー頭の固い親たちだろうか…悟の両親のパートはどっと疲れた。夫婦別姓、墓じまい、墓守、少子化…死んだ人より今を生きている人の方が大事。そう思うとお墓ってなんだろうね?ウチもいずれ継ぐ人が途絶える。先延ばしにしたい問題だ…
Posted by ブクログ
ついつい目を背けがちなのがお墓問題。その前に立ちはだかる夫婦別姓のもつれからその人なりが滲み出てくるのが、笑ってしまった。面白おかしく描かれているが結構シビアだなぁとしみじみ。
しきたりや伝統にかんじがらめになってしまいがちだけど、生きている人があっての供養だし、老後の生活は大事にしなくてはと痛感。価値観が合わない場合はそのまま先送り、というのも妙に納得。他人事とは思えないほどにのめり込んでしまった(笑)