あらすじ
「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子どもたちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミに出せばいいじゃない!」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
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Posted by ブクログ
石屋に嫁いで17年。
この本は、読まなきゃ、と思っていた一冊。
そして読後、感想をめちゃくちゃ考え一生懸命書いていたら、いつの間にか寝落ち。
全て消去。
は?
この経験皆さんありますか?
絶望しました。うっかりすると全部消えてしまうのですね…(-_-)
さて、気を取り直して感想を。ちくしょ〜。
この本は、姑の「絶対にお父さんと同じお墓に入りたくない!」「樹木葬にして!」という遺言から墓じまいへと話が進むのだが、まあ色んな問題が寄せ集まってくるのです。
主人公は松尾五月61歳。(この方の夫の母の上記の遺言から騒動が勃発。)五月は娘が二人いるのだが、二人共未婚。片方は結婚後の苗字を巡り、恋人と別れて9年が経ってしまった38歳。もう片方は、恋人と婚約したのだが自称フェミニストの彼に疑問を抱き始めた32歳。
五月の夫の慎二には、実家の近くに嫁に行った姉の光代63歳(息子二人)と、都会にある嫁の実家に住む兄の秋彦65歳(子供なし)がいる。そして父(妻に同じ墓に入りたくないと言われた人)の壱郎89歳。
登場人物が多い…。
まだいるし。
五月の娘の婚約者の中林悟37歳(一人っ子)。とその両親。
とまぁ沢山出てきます。そしてそこに、墓守、夫婦別姓、改葬費用、樹木葬、少子化というワードが次々と問題化されます。
私は夫婦別姓について何の知識もありませんでした。日本だけなんですね、法律で夫婦同姓が決められてる国は。(-_-)
全て自分ごとなのに色々知らなかったし、考えもしなかったから話し合ってもこなかった。
まあ、嫁に行ったら夫の姓になるのは当たり前だと思ってたし、墓を継ぐのも当然だと。
でもね、ここ数年は墓じまいの仕事ばかり増えてこの問題に直面してた。
私は現場要員なのでお施主様とのやり取りはしないから詳しい内情は分からないのですが、墓じまいは後継者問題ですよね…。
田舎の立派なお墓も跡取りがいない、もしくは都会に暮らすので管理が出来ない、等。
でも墓じまいをきちんとされるのは良いことだと思います。無縁仏の多いこと、多いこと…。
切ないです。
しかし!多額の費用が掛かるのでどうしようもない方がいるのも分かります!
そうなんです、墓じまいはとてつもなく大変なのです。ほぼ自分のところで施工してないお墓なので構造が謎な事が多く、狭い場所で他所のお墓に傷を付けないように解体したりするのでめちゃくちゃ神経使います。何より重機が入らない、クレーンが届かないは地獄です。手作業です。夫婦二人で腰や腕が折れるかと思うくらいの重労働です。
今年はご新規無かったな〜。今の現場も墓じまい。
皆さん、人ごとではありませんよ!
この本を是非お読みになって身につまされてください。
墓じまいの指南書は数多く出版されてますが、こちらの方が色んな意味で勉強になります笑
私は合祀墓でも全然いいと思いまーす!
(うちにとっては死活問題なのにね笑)
Posted by ブクログ
お墓のあり方、結婚後の苗字、どれも興味深くあっという間に読んだ
それぞれの考えがわかるし、でもおじいちゃんが、奥さんの樹木葬を受け入れていくのはよかった
お墓のこと、色々心配になるけど、あんまり先のことまで考えなくてもいいのかなと思った
女の住職さんと話をしてみたいなー
Posted by ブクログ
基本的に長男嫁さつき目線で語られるんだけど、この長男嫁が面白い。61歳女性なんだけど、将来のちびまる子ちゃんみたいな感じ。
義母の「夫と同じ墓にだけは入りたくない」って遺言から全てが始まるんですが、エンタメとして楽しんでる。
さつきの再婚相手である夫の実家のお墓問題と、さっきの娘の婚約者の実家のお墓問題が同時進行なんだけど、どちらもなかなか厄介で面白い。両家の家系図も付いてるから親切だし。
日本人のお年寄りの家とかお墓についての考えもよく分かるし、外国でも面白がられるかも?
私は何も残らないくらい焼いてくれるのがベストだけどな。。母の実家の400年続いたお墓は墓じまいしたし、父も夫も次男だし、お墓問題と無縁でいられますように。
Posted by ブクログ
301ページ
1600円
2025年9月22日〜9月26日
男女平等がさかんに謳われる時代に生まれた私でさえも、見えない不平等に心の底では腹立たしさを感じていた。それを表に出すことさえも、得体のしれない何かに押さえつけられていたように思う。お墓のことから、名前の呼び名、男女不平等の現実など、心の奥底の思いに気づかせてくれた一冊だった。何度も読みたいし、手元に置いておきたいと思う。
Posted by ブクログ
面白かった!
登場人物がみーんな個性があって、ストーリーも痛快だった。こういったおうち事情は世の中にあふれているはずなのに、一般的なものとしてなかなか話題には上がらないものだなと思った(わたしが疎いだけかな)。
お墓やお寺事情なども知れてためになった。最後に参考文献が載っていたが、事前に念入りに取材しているんだなぁと感じられる。
苗字についてあれこれやりとりする様は、世のすべての男性に読んでほしい。中林悟さんや鈴木さんのような人はまだまだたくさんいる。思いもしなかった別の視点を思い知れるはず。
個人的には、“誰もが後顧の憂いなく公営墓地に眠れる公共事業”に賛成だ。
Posted by ブクログ
今や避けては通れない墓問題
垣谷さんらしいわかりやすくて読みやすい文章でしっかり描かれています
あと夫婦別姓についても
はよ可決しろやとは思いますね
昔はお墓の存在は絶対で守るべきものとされていたことが少子化や過疎によって崩れてきていますね
お墓に関するちょっとした提案は私的には良いかもなんて思いました
最後の五月さんパートは切なかった
『骨なんてカルシウム』って言い聞かせて頑張ってたんだろうなぁ
Posted by ブクログ
名字変わるの嫌なの、自分だけじゃないんだなあと。男女ともに抵抗あるよね。。もしくは手続きを簡略化してほしい。選択別姓、早く可決してほしい。
Posted by ブクログ
田畑や職業をその土地で受け継ぐ時代から。職業や住む土地を自由に選ぶ時代になって、墓のあり方も変わる。
大正生まれの両親と平成生まれの子供のいる昭和世代として、まさに経験してきた世界で共感しました。
Posted by ブクログ
☆4.5
お墓のことや選択的夫婦別姓について書かれてあり とても興味深くて面白かった。
結婚する時、苗字が変わることには全く何も思わなかったけど 私も旦那の両親のお墓には入りたくないな…
お墓はいらない、散骨して欲しいと子供達には一応は伝えてあるけど 死んじゃった後のことは生きてる人がどうするか決めるんだし 自分にはどうすることも出来ないよね。
そうは言っても 私は両親のお墓参りに行くのは 会いに行くって気がしていたし たまに行きたいと思ってた方なんだけど…
人それぞれの気持ちの問題で いろんな意見があるから 何が正しいとかってないだろうけど 私は部屋に飾ってある両親の写真を時々眺めて 2人を思い出している…それでいいじゃん!って思ってる。私が死んだら そうやって時々思い出して欲しいもん。
Posted by ブクログ
はじめからもう面白い。
面白いのに墓仕舞いについて、男の浅はかな考え方についてよく描かれている。
東日本と西日本で骨つぼの大きさがちがうなど知らない事だらけだった。
本当、墓仕舞いって大変なんだな。
Posted by ブクログ
旦那や舅、姑に読んで欲しい1冊。
お墓や結婚時の名字について、書かれていたお話し。
私は結婚で名字を変える事に全く異議はなかった。
当たり前に思っていたし、面倒とも思わなかった。
でも、お墓に関しては全く同感。
生きている今、二世帯住宅で生活は別とはいえ、色々呼ばれ関わりがあるので、お墓までは一緒には入りたくはありません。
この本は2年前に書かれた本だけど、まだまだ長男が墓を守っていく感じなので、あと何年かで旦那を私側に、善子や光代、五月寄りにしたいな〜と思った本でした。
何度も頷く場面があり、楽しく知恵にもなった作品でした。
Posted by ブクログ
誰にでも関係のある墓問題や夫婦の姓にまつわる悩みがわかりやすく描かれていてためになった。テーマは重いのに、文章が軽やかで読みやすく、最後まで面白かった。昔も今も、女性が感じる不満はあまり変わっていないんだなと思う。「嫁」という立場を見直さない限り、結婚に踏み出せない女性は増えるだろうし、なんでも「嫁任せ」にする地域からは、ますます女性が離れていきそう。
Posted by ブクログ
書籍最後の参考文献を見るにつけ、この内容を理解し、自分のものにして、小説内に落とし込むって、小説家の頭の良さって!
最後に出てくる、
後悔するな、私。
大丈夫だよ、私。
多くの大人がこういう自分なりの呪文の言葉を胸に踏ん張ってるんだろうと思う。
Posted by ブクログ
これからの墓事情が浮き彫りになったような
話しだった
垣谷さんの作品を立て続けに読んだが染み付いた
男尊女卑や過去から引き継ぐ先祖代々みたいな
これまでの日本の考えがどんどんと崩れていく
のが改めてよく分かった
現実味があり過ぎて時々読んでて具合い悪く
なりそうでした笑
Posted by ブクログ
すぐに読み終えた!
最近、途中でリタイアする作品が多いけどこれはいけた
読みやすい
結婚する時、墓守の心配するんかな?
夫婦の形、家族の形が面白い
墓まで一緒がいやという姑、それがはじまり。
そこまで私は思えてないけどな。
住職のセリフが良かった
おばちゃんには楽しめた一冊です
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!!!
私も五月の考えに近いなぁ
大事なのは、今生きてる人
両親のお墓は両方とも永代供養で、比較的都心にあるから両親が亡くなった後も私はお墓参りに行きやすいと思う。
個人的にはそれはありがたいことだなあと思うし、私が死んだ後もそうしてもらいたいな。
夫側のお墓に入るより、両親がいるところと同じところに入りたいなあ、、、
でも夫とも同じお墓がいい、、、
死ぬ間際に夫と同じ墓には絶対に入りたくないと言った主人公の姑の気持ちを想像するといたたまれなかった、、、
昔の家族観とか、夫婦観って、やっぱり今の私には受け入れられへんなあー。
やっぱ昔と今じゃ役割が変わってきてるのが原因やろうなぁ。
墓じまいの話かと思いきや、結構夫婦別姓についての観点も大きかった。
いまだに、私としては夫婦別姓に「賛成!」とは言いきられへんなぁー。
勉強するほど、どうするのが正解かわからない
夫婦別姓である日本の、圧倒的なメリットが知りたい。
逆に、外国はどうしてるの?なんで夫婦別姓で成り立ってるの?気になるー!!!!
Posted by ブクログ
一族で継承していくのが当たり前だったお墓は、時代の流れで個人個人が利用するものに変わりつつある。少子化や核家族化で、継承者がいないのだ。そんなホットな話題を題材にした小説。
以前は一族のお墓に入るのが当たり前であったし、疑問を持つ人も多くなかった。しかし今は違う。価値観は変化し、多様性が騒がれる時代だ。
加えてお墓の管理は、手間もお金もかかるとなれば、墓じまいが加速するのは当然の流れだろう。
小説としておもしろいのはもちろん、実際問題になっているネタ(法外な離断料・改葬費用、お墓の管理をめぐるいざこざなど)が盛り込まれており勉強になった。
未来のお墓はどうなっているのかな。自分が死ぬ頃には、想像もできない埋葬方法が主流になっているかもしれない。諸行無常
Posted by ブクログ
墓じまい、人ごとではなく深刻な問題。それぞれ登場人物の視点から見た想いや考えがみられて面白かったし、共感できた。樹木葬なんて考えてみたことがなかったけど、調べてみたくなりました。
Posted by ブクログ
墓なんて嫁いだ先のものに入るものだと思っていたたが、なるほど樹木葬や墓じまいも今後トレンドになって行くのかも。新しい視点を得られたと同時に、今まで意識していなかったことを正面から突きつけられて、いずれは選択していかないといけないのか、とフィクションながら少し義務感をも感じた1冊。もうしばらく目を逸らしていようかな…
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白かった!
男どもがどいつもこいつもおバカさん、詩穂さんの年下のカレが一番マトモだわ。
墓、我が家も今後どうしたもんか。まぁ私が死んだら後は娘が好きなようにすればいい。
Posted by ブクログ
墓じまいとタイトルについているが、夫婦別姓、ジェンダー平等が大きなテーマ。
登場人物それぞれがユーモラスで、明るく前向きになれる物語。
いずれは墓じまいしなければ、と思っているので、高額な改葬費用、煩雑な手続きなど、今後の参考にさせてもらいながら楽しく読んだ。
Posted by ブクログ
そろそろ自分も墓じまいとか、離檀とかが気になりだしたので読んでみました。
選択的夫婦別姓も大きなテーマになっています。
さくさく進んで、なかなか面白い小説です。
Posted by ブクログ
檀家を出て、
父の遺骨を納骨堂に移した時の事を
思い出しながら読んだ。以前から、
檀家から出る時は大変だとは聞いていた。
この小説のように、高額料金を請求される事は
無かったが、かなり嫌な顔をされ
しばらく口もきいてくれなかった。
仏に仕える人も、所詮は人間なのだと、
妙に納得したのを覚えている。
(※全ての僧侶の方に対して言っているわけでは
ありません)
従来通りの墓で、後を継ぐ者がいるのであれば
そのままでいいと思うし、継ぐ者がいなければ
納骨堂や樹木葬、いろいろな形で故人を
偲んでいけばいいのではないかと思う。
一番は、本人がどうしたいか。
普段は、お互い言いたい事を、
円満にすごすために我慢しているけれど、
どこかで、気まずい思いをしてでも
言わなきゃいけない時は、言わないと
駄目なんだと思う、特に親戚には。
ただ、後、小説のように上手く収まってくれれば
いいけど。
中林家の悟と母親の順子の親子の
鹿児島の本家のお墓参りをする際のエピソードが、かなり可笑しかった。
さすが親子、かなり感覚がズレている。
Posted by ブクログ
読み始めた時、まーた選択的夫婦別姓かよーってゲンナリしたの。
でも読み進めていくとスカッとするのよね。
女性たちの胸の内が笑
私には今のところ守るべき墓もなく。
私も夫も分家だからね。
正直私自身はお墓もいらないと思ってて。
いつか墓じまいにあたって面倒をかけるくらいなら、合同墓でいいと思ってる。
さらにいえば夫と義父母と同じ墓に入りたくない。
それなら自由気ままに1人がいい。
ちょっと前に両親がお墓を見に行ったんだって。
姉と3人、樹木葬にしようと思ってたらしい。
でも樹木葬はもういっぱいでダメだったんだって。
それで普通のお墓エリアと合同墓を見学して、今は普通のお墓に気持ちが傾いているらしい。
…ねーえ?ウチ2人姉妹よ?
しかもお姉ちゃんに墓守なんかできるはずないじゃない。
ちょっと待ってよ。
どうすんのよ、その先さー。
って思ってたら、そこのお墓は苗字が違っても入れるんだってー。って。
いやいや、私にだって入る墓を選ぶ権利っちゅーものがあるのだよ…
確かに夫の墓に入るくらいなら、両親の墓がいいけども、私は娘たちにそういう面倒なものを残したくないのだよ。
てゆうかさ、なんで本家の墓には入れないの?
別に良くない!?当事者達がよければさー。
そうすれば私も気兼ねなく祖父母の墓参りだってできるのに。(いや向こうが気兼ねするか…仲は良いけど)
墓問題、今の時代厄介だわー。