小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ君の名は、的なSFモノだと思ったら全然違った。
笑顔でさよならを言うための物語みたいな感じ。
一穂ミチの話はいつもブッ刺さりすぎて、感想を書こうと思っても心臓がバクバクでうまく言葉にできない。ただ大好きとしか言えない歯がゆさ。
ほんとうにストーリーがうまい。
なにげない場面が最後にぜんぶつながって本当に心地いい。
生理のシーンとかゲームクリアの話とか。
あと本編をぶっ飛ばして申し訳ないけど、明日子視点の番外編で
日々人は「忘れない」を選択したのに、明日子は「なくすたびに思い出す」っていう対比がたまらなく好きです!!!
あんま性別で区別したくないんだけど、男と女の向き合い方の違いっていうのが顕 -
Posted by ブクログ
かなり分厚い本ですが数日で一気に読み終えた。
面白くてどんどん先に進んでしまう。恐ろしい筆力。
本当に哀しいお話だと思う。最後まで何も見出せなかった熊太郎の人生。めっちゃアホやけど、賢いところもあったからこその破滅人生やったんちゃうかな。
本当の本当の心の底にあるもの、熊太郎が探していたものとは。わたしは、言葉にせずとも熊太郎の心を分かってほしい、という想いやったんかな、、と思った。
結局、誰も熊太郎のことを理解しなかったことが一番、怒りの大元やったんかな、、とか。
それにしても、町田康さんはいつも、自分の脳みその中や人柄、考えてることを作品に素直に書ききっていかれる印象。
しょうもない俺や -
Posted by ブクログ
まるで長い長いシリーズ作品を読んだようないい意味の疲労感!
誘拐事件で残虐な男に捕まった女を助ける話かと思えばそんなものは序章の序章。きっかけに過ぎないどんでん返しのどんでん返し!アレックスという女についての印象が読めば読むほど2転3転してどこに味方したらいいのかわからなくなります。
全てが回収されて、行動の意味が分かった瞬間のアレックスへの慈悲が湧いて、あいつくそったれ!と思いました笑
そしてカミーユ警部がそこまで好きじゃないなぁと思っていたけど、最後何を思って締めくくったのかを感じとったら「良い奴じゃーん」って笑
この作者さんに初めて出会いましたが他の作品を読みたくてしょうがないです! -
Posted by ブクログ
コロナ禍で生活が一変したそれぞれの日々。
多くの制限、ルール、生きにくさの中、それぞれが歩みを進めたり止めたりもがいたりしながら、その期間があったからこそつながった縁を描いた物語。
出版されたのは2023年
描かれた最終章は15年後。
まだ2025年だけど、
主人公たちが社会に出る描かれた時代はまだ先だけど、こんなふうになったらいいなと思わずにはいられない。
いつの時代も、
「〇〇世代だから…」「この世代は…」と揶揄されることが多いけど、当時の大人や環境がつくったもので判断されるべきではない。とやかく言う必要ない。
明るい未来につながりますように。 -
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最近ミステリにハマりました。
その上で読まないわけにはいかない、たぶん世界一有名なミステリ小説「そして誰もいなくなった」はとっても面白かった。
読んでまず思ったのは物凄く読みやすい!
初めキャラの名前を覚えるのに苦戦していたが、それぞれの職業、性格からわりとすぐに特徴を掴めてすぐに入り込めた。
でも、この作品有名過ぎてなんとなく先が読めてしまう
先に十角館の殺人を読んでいたので、犯人が10人の中にいて、死んでしまうということも知っていた。
何も知らずに読めたらもっと衝撃的だったのかも
この作品があってこそ、たくさんの作品が生まれたということに感謝。
アガサ・クリスティバンザイ -
Posted by ブクログ
万城目学に物語を書かせると、それはもうファンタジーだとかミステリーだとかのジャンルを超えて、万城目学というジャンルなのではないかと思わされる。
今回の作品も日常生活(とはいえ「吸血鬼の」ではあるが)から始まって、気づけば本当に自分たちと同じ世界に住んでいるのではないかと思わされて、あっという間に読み終えてしまう。
「鴨川ホルモー」でも、本当にホルモーなるものがあるのかもしれないと思わされるし、「鹿男あをによし」でも、奈良には本当に鹿男がいるのかもしれないと思わされるのである。
この作品も日常と虚構の境目を見事にシームレスにつなげている。
やはり万城目学は面白いのである。 -
Posted by ブクログ
人生で初めて読んだホラー小説。
表題作『玩具修理者』の短編集とは思えない破壊力と『酔歩する男』の読書初心者ながらに感じた、「これ、なんか嫌」という感覚。
数年ぶりに読んだが、その読み心地は色褪せるどころか、昔抱いた感覚以上に、より凶々しい笑顔で迎えられるかのような、恐怖を感じた。
『玩具修理者』
「小林泰三」がこの作品の時点で出来上がっている。
いちいちグロい、いちいち会話がまどろっこしい、この読めば読むほど味がする「小林泰味」が50頁足らずの短編に濃縮されている。
読んだことない人は是非、登場人物である男の視点で読んでいただきたい。
『酔歩する男』
SF強めのホラー。
昔に読んだ時は上記 -
Posted by ブクログ
ネタバレ衝撃の1文というキャッチコピーに惹かれて購読。
本土と島の構成に分かれていて、両方でストーリーが進んでいくのがとってもいい。
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」と違い、犯人の心情や緻密な計画が犯人視点で語られる点がとてもよかった。
初見では犯人が全く誰か分からなくて、びっくりしたんだけど、読み返すと気付けそうな伏線が多くてちょっと悔しい。←ミスリードも多いから気づけないか、
今までミステリに触れてこなかったので、主要キャラの名前もエラリイ、アガサ、ポー、ドイル(江南)しかわからなかったんだけど、もっと知ってたら守須=モーリス・ルブランのミスリードなんかにも引っかかってより面白