あらすじ
江戸後期の天保年間、老中水野忠邦から突然命じられた理不尽な三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、荘内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸をめざす。深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民たちの相貌と、彼らを衝き動かした情動を精緻に描く、傑作歴史長編。〈解説・川村湊〉
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Posted by ブクログ
リアル。
権力間の駆け引きと、権力と民の相克。
権力の上に立つものの道理ででた政策が、どれだけ社会、多くの人にいらぬ影響を与えるのか。この前に読んだ鬼平犯科帳に出てくる盗人の親方の方が、下で働く者の全てのものの心持ちが分かってこそ、大親方と言われるという話と、随分隔たりがある為政者たちだ。
必ずしも、一枚岩で、歴史や社会は動くのではなく、ある一部の人々にとっては正義であっても、他のアクターにとっては異なる。そしてそのアクター内部でも相克があるもの。
そんな中でどう、ガバナンスが効くのか。
そして、農民が力を得たこと、発揮できたことに対する警戒感と、分相応に生きようと、見せようする姿は、封建の世の話だけとも思えない。
藤沢周平さんは、社会システムをリアルに描き出す、そんなわざもお持ちというの知らなかった。
Posted by ブクログ
研究発表をする前に読むのはやめようと思っていたので
学会が終わってやっと読みました。
父をはじめ庄内の人達からいろんな思いを聞いていました。
華々しい記録と共に、動員された百姓達がどれほど大変だったか。
そうした中、なぜここまで農民が立ち上がったのか、藤沢さんの小説を読んでも答えは出ませんでした。
宗教者側の動きも、いまだよくわからない。
更なる課題を与えられたような気がしました。