小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
(後立山連峰)
なんだろう、なぜかスッと物語が入ってこなくて。
相性みたいなのがあるのだろうか。
でも、山の景色や土の蒸れた匂い、風の轟きや葉の擦れ合う音、鳥の鳴き声、遠くのパーティの話し声、喧騒、熊鈴の音、いろんなものが一気に記憶から湧き出てきて、それがもう物語以上に物語で……記憶の情景と感覚と、物語が交差する、滅多に得られない読書体験でした。
夢は逃げない、なんてことはなく。
別に今急がなくたって、何年か後でもできる。
でもそのときが訪れることはもうなかったこと……
いま動かなきゃ追えない夢があったり、登れない山があったり。
人生あまりに長くて、つい計画的に物差しで測りながら計算して物 -
Posted by ブクログ
青山美智子さんの作品って、大人から子どもまでそれぞれの視点の描き方が本当に丁寧で大好きです。誰も脇役じゃなくて「みんなが物語の主人公なんだ」って思わせてくれます。
本作で描かれるのは、頭、口、耳、足、目の5つのエピソード。
思い通りにならない現実の中で、自分の弱さと向き合う登場人物たちの姿が、まるで自分のことみたいで何度もハッとさせられました……!
・自分のために努力する力
・必要なことをきちんと伝える力
・現実と向き合う力
・前向きにやってみる力
・弱みを見せる力
・素直になる力
・愛情を受け取る力
これらに自ら気づき、勇気を出して行動し、少しずつ自分を取り戻していく姿には本当にジーン -
Posted by ブクログ
今ある価値観は全て、社会や周囲から与えられた「条件づけ」なのかもしれない
もしかしたら、人は顔や性格が少し違うだけで、それぞれにちょうどいい餌を与えられて、日本や社会、世界という大きな仕組みの中で上手に飼われているとしたらその制度を考えた人がすごい
一方で、今の自分の生活は、自由と管理の「良いとこ取り」をした結果なのかもしれないと考えると、今の生活を以前より肯定的に捉えられる気がする
そして読み終えてから、この本を昔にも読んでいたことに気づき、とても驚いた
プラトンは「魂は生まれる前に真理を知っており、学習とはそれを思い出すことである(想起説)」と語っていた。読み終えた瞬間、「ああ、そう -
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ネタバレこの本を読んで、世間で「普通じゃない」とされる価値観について考えさせられた。
死にたいと思うこと、生きるために薬を使うこと、自分はすでに消えているような状態が普通だから消えたいと感じること、ライの価値観は、私にとって簡単に理解できるものではなかった。
私は生きたがりの人間で、もし「死にたい」と言う人がいたら止めてしまうと思う。けれどそれは正しさではなく、私自身の価値観にすぎないのだと気づいた。私や主人公、そしてライの考え方は、育った環境によって作られたものかもしれないし、生まれ持った性質、ギフトなのかもしれない。
人はそれぞれ違う世界を生きていて、どれだけ愛していても、好きでも、相手の世界 -
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映画見に行きたいけど行けなさそうだからと買った本。
映画化されると、頭の中のストーリーがそのキャストで構成されていく!映画見てないのに映画を見てるような感覚になるのわたしだけ?
スズキタゴサクのセリフは佐藤二郎の話し方で出てくるし、っていうかスズキタゴサクの話し方のモデルって佐藤二郎?ってくらいハマり役すぎる。
スズキタゴサクって結局何者?だらしなさそうなのに賢そうだし、博識?おどけて見せてるのも計算?
類家vsスズキになったときの、類家の痛いとこつく感じ、いけ!やれ!ギャフンと言わせろ!と読む手が止まらなかった〜
映画も見たい!映像で見たらまた違うんだろうな… -
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Posted by ブクログ
一気読み。まさに、誉田哲也が描く"フィクション"の世界にどっぷり浸かった一冊だった。
序盤では少し頼りなく見えた潤平が、終盤では想像以上の頑張りを見せる。その成長ぶりが熱い。そして、ただ怖い存在にしか見えなかった唐津が、最後には強烈な漢気を見せる展開が特に印象に残った。
梶浦については「やっぱりそうだよね」という納得感。直接描かれてはいないものの、その後の鵜飼の慟哭まで自然と想像してしまった。
読み終えて改めて思ったのは、自分は歳を重ねた今でも、こういう勧善懲悪や熱い展開に胸を躍らせる中二心がちゃんと残っているということ。そして、それを無くしたいとは全く思わなかった。 -
Posted by ブクログ
東京に出てきた横道世之介の少し不真面目日常とそれに関わる人々。
なんとも不思議な読後感です。面白い!と絶賛する感じではないが、でもなんだかくすっとしつつ読み進め、気づくとこの世之介のことをなんだか好きになっている。彼と関わった周囲の人々と同様に。
落語でいう”与太郎”みたいな雰囲気が妙によいのかな。世之介のただただ正直でいい人な人間性にこちらの心がほだされるような感覚で読み進めました。
立派だったりすごかったりといったことがない、どっちかというと間抜けで取り柄のないような人間でも、素直で正直ということが関わった人たちを温かくすることができるんだ、というような、ちょっと素敵な気持ちにな -
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親友が殺された夜、ドレスは血に塗れ、彼女の爪には親友の皮膚が挟まっていた。自分が親友を殺してしまったのか?その時の記憶はまったく無かった。
そんな田舎町の事件は、5年も経てば忘れられる。しかし、人気ポッドキャスターが取り上げたことで、主人公は暗い過去へと引き戻されていくミステリー。
読者を揺さぶり続けるというより、どんどん味付けが変わるような印象。当たりの海外ドラマをみつけたような気がした。ポッドキャストのインタビュー形式の会話が間に入るのが、上手いテンポを作っていたのかもしれない。
文句なしに面白い。今年読むべき一冊なのは、間違いないだろう。