小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ生殖器の視点から、1人のヒト(生物学上では男)の人生を語っていく、というスタイルが斬新だった。
特に印象に残ったのは、主人公が元同僚から同性愛者を支援するNPO法人に誘われた時のシーンだ。主人公が、他人から自分の心に踏み込んで欲しい、という思いをちらつかせた瞬間。今まで社会からNOばかりくらってきた主人公が、自分の居場所を見つけられるかも、とほんの少し揺らいだのが印象的だった。
一貫して、この生殖器は主人公の生き方に対して文句を言うことはないし、主人公なりの幸せを手にしたときには「よかったね」と言ってあげていて、なんだかほっこりした。 -
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ネタバレ先生はいったい何を考えていたのか
Kはどうして死んだのか
私はどうすればよかったのか
そんなことを考えさせられる小説だった。
先生と私の会話はいつみても距離があったように感じる、その距離は近づくこともあるけれど、近づいた分だけ遠ざかる。
先生が過去を少し吐露したあの日が最も近づいた日だろうが、それ以降先生は彼にやはり必要以上に近づこうとはしていなかった。
しかし、これは私だけでなく奥さんにもそうであった。奥さんがお嬢さんになったその日から、先生はきっと今のように過ごしてきたに違いない。そんなことを考えると奥さんには気の毒でしょうがない。
しかし、それ以上に先生が気の毒で哀れでしょうがない。 -
Posted by ブクログ
滋賀県出身です。大津近郊に住んでいたこともあったが「天下を取りに行く」の時には、成瀬に対してそこまでの魅力を感じてはいなかった。
が…本作は滋賀と成瀬の良さを全話に感じる話ばかりだった。
前作では私が成瀬のイメージを掴みきれていなかったからだろうか? 本作では「コンビーフはうまい」が一番好きかなぁ。Instagramの投稿の仕方が成瀬という人物をうまく表現していると思う。
「やめたいクレーマー」も視点が面白い。まさか平和堂のアルバイトが、こんなにも面白い話になるとは…。
なんだかんだで成瀬の周りに新しい人々が集まる巻で、これからもみんなが成瀬と仲良くしていってほしいなと思った。 -
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ネタバレこのシリーズを1年前に読んだので、再会までの期間を温めたくて今やっと読み終えた。
うおおおお紫苑、ネズミと会えてよかったなああと後半は感情移入しすぎて涙。
「もう二度と、きみを見送ったりしない。きみの誓いに縋って待ち続けたりしない。そう決めたんだ。ぼくが自分のために決めた」紫苑のネズミへのまっすぐな言葉。紫苑はどこまでも気高い精神の持ち主で、「再会を必ず」という言葉を信じそれだけを胸に2年間頑張ってきた。ネズミへ胸の内全てを曝け出す言葉が頑固で熱い塊のような気持ちで、会えない時間が辛かった置いていかれたのが悲しかったのが感じ取れて泣いたけど、紫苑はずっとこの激情を抱えて外に出さずに再建委員会の -
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彩瀬まる氏2冊め。
近頃のトレンドと言えるグルメ系小説とは一味違う。タイトルに込められた”まだ温かい”の意味が読み終わるごとにじんわりと分かる気がする。
人々の思う温かさの違いが表現されている。
全般に共通しているのが、本人にはどうにもできない/取り返しがつかない所まできてしまった事実への向き合い方だと思う。
特に『シュークリームタワーで待ち合わせ』は綺麗事だけではない友情と愛情の考え方が素晴らしかった。主人公の夜子は確かに歯に着せぬ物言いがすごくて、現実に居たらやんわりと窘めるかもしれない(笑)が、こんな友人がいたらどれだけ心強いか。芯が強くてブレない、彼女の思う「人のため」の考え方が本
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