小説・文芸の高評価レビュー
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東京から遠く離れた地方に住み、日頃は仕事でほとんど休みもない私。先日、東京都三鷹市を訪れ、念願だった太宰治の入水◯◯現場とお墓、文学サロンに行けました。
サロンではボランティアの方から太宰の話をたっくさん伺い、太宰について私なりに学びを深められ、その魅力を改めて感じました。
それで太宰を読み直すことに。
私は、人間失格が傑作と思います。
ダメなダメな、人間として至らない情けない自分を許してもらいたい、肯定したかったんだなぁとすごく伝わってくるからです。
誰しも欠けたる存在ですよね。許せない面は持っています。その欠けたる部分が苦しくてたまらない時がある。
でもこの作品の最後の場面のように、誰かに -
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四月に絶対読みたくて、ずっと温めていた一冊。
『あなたの四月を知らないから』というタイトルに惹かれた。
自分の中にも似たような感情があったからだと思う。
「桜が咲いていますようにと祈る」という文章が、相手を想う最上級の表現の仕方で、とても美しくて素敵だった。
由鶴の宇治への気持ちや、家を買うことに対する考え方、周囲の人たちとの関わり方とか、一見すると少し距離を取っているように見えるけど、実はとてもよく考えて行動している子なんだなって思った。
セラピストを通して出会った二人だったけど、二人にしか分からない空気感や感情が確かにあって、その特別さが心地よかった。
『ゼログラムの花束』では宇治 -
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幾つかの短編で全体が構成されており、各章の登場人物の繋がりがあることで人物の見え方が章によって変わってくるのが見応えがあり面白かった。
ある人から見た自分と自分の思う自分は全然違う面を持っていて、だからこそ今の自分というのは構成されていて、もがきたくもなるし変わりたくもなるしでも"自分"でいたい。
何者かになりたくて、何者にもなれず
在り方を探りながら人知れず葛藤を繰りかえす
あの子を羨んで比較をしては劣等にやられ
特別がただひたすらに眩しい
大人でも子どもでもない不思議な時期:若者ならではの瑞々しさを様々な境遇にある大学生男女を通して表された作品。
どんなに劣等感 -
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このシリーズのファンなのでずっと読んでるが、今作もよかった。
柔道記なのに、主人公がまったく柔道をしない。なのにちゃんと面白く読めるのがすごい。
引退してもなお、ずっと呪いのように柔道が心と体を蝕んでいる。引退後の人生もどこか真正面から取り組めなくなってしまう。
主人公がやり残したことを後輩達が成し遂げることで、ようやく自分の人生にも向き合いはじめることができるという話だった。
人間は自分のためにはそこまで頑張れないのだと思う。
誰かのために、仲間のために、みんなの夢のために、はじめて実力以上のことができる。
ひとりとひとりが自分の力以上の努力を自分以外の人のために重ね、想いが紡がれ、歴史を重 -
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ネタバレ殺し屋シリーズ、ほかのとはまた違ったテイストを感じました。
それにしても、何回泣かすねん!!!
シリーズ4作読みましたが少し志向の違う感じ
恐妻家の殺し屋の笑いと涙のストーリー
幼い頃から不遇な人生で、仕方なく歩んだ裏世界。自分には日なたを歩く人生は来ないと思っていた兜に、ふとやってきた人生を変える出会い。
もしかしたら自分にも光が差す人生が歩めるのではないか、と感じさせてくれた『チケット』
他人から見たら恐妻家に怯える情けない夫・父親かもしれないけれど、その妻に対する絶対的な感謝、自分の人生を変えてくれた人への感謝が滲んでいて泣けた。
作中に出てくる人々の爆発する思い。他人からみ -
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生きているだけで生産性を求められるって凄くしんどい。
子孫を残して人類を増やすこと、会社を共同体として成長させること、社会と地球の成長に関わること。
そのどれかに関われたら苦労しないけど、きっとうまく関われない人がたくさんいるんだろういろんな理由で。
自分もその一人だ、何のために生きているのか分からない。
生きる理由が欲しい。消化するだけの日々。
理由を見つけられたらなんて幸せなんだろう。
そもそも、生まれただけで素晴らしいことなんだから、理由なんでほんとはいらないはずなんだ。
主人公は見つけられて良かった。
人類の正常とは真逆の方向だが、でも主人公はそれで生きられるのだから素敵なことだ -
Posted by ブクログ
いつか来る大切な人との別れのために、伝えたい思いの棚卸しをしようと思いました。
祖母が亡くなり、悲しい気持ちで手に取った小説。祖母に会いたくなり、涙が止まりませんでした。最期に会いに行く予定でしたが、1週間間に合わず急逝してしまったので伝えたいことは自分の胸にあります。でも、ツナグがいたとしてもそれでも良いのかもしれません。会いたいけれど一夜では足りないし、会ったとしても別れの辛さ、募る思いは変わらないと思います。
生きている間に伝えたいことは伝えなければいけないし、伝えられる状況が当たり前だと思ってはいけない。自分自身も天災や事故に巻き込まれ、いついなくなるかもしれない。大切な人に大切な
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