【感想・ネタバレ】モモのレビュー

あらすじ

時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。

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「けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」

「時間がない」「忙しい」、口癖になっていませんか?
時短や効率にばかり気をとられ、大切なことをついつい忘れてしまう。本作は、そんな現代人に警鐘を鳴らしています。

児童書なのでとても読みやすくわかりやすいのですが、テーマ・内容共に深い作品となっており、子どもだけでなく、むしろ大人の方におすすめしたい一冊です。

すこし奇妙な格好をした、やせっぽち。
でもどこか不思議な魅力をもつ少女、モモ。
モモと一緒に時間を巡る冒険に出かけてみませんか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「時間を節約することで、実は別の大切な何かを節約してしまっていることに、誰も気づいていない」
「時間とは生きることそのものであり、人の命は心を住処としている。時間を節約すればするほど、生活は痩せ細っていく」
という言葉が強く印象に残った。現代社会では、時間をいかに効率よく使うか、無駄なく処理するかが常に求められている。それは正しい態度のように見える。しかし『モモ』を読んで、時間を切り詰めることは、単に行動を早めることではなく、感じること、立ち止まること、誰かと心を通わせることまで削ってしまう行為なのだと気づかされた。
効率化の先にあるのは、豊かさではなく、むしろ「生きている実感の希薄さ」なのかもしれない。時間は管理する対象ではなく、心を通して味わうもの。これからの生き方では、「どれだけ早くできるか」よりも、「どんな気持ちでその時間を生きたか」を大切にしたいと思った。この作品は、今の時代だからこそ、そして今の自分だからこそ、深く刺さった。時間との向き合い方を見直すための、大事な指針として心に留めておきたい。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

灰色の男たちに時間を奪われた世界は現在や未来のことかもしれないと、きっと誰しもが自分事に感じるからこの作品は時代を超えて愛されるのだろう。
私も時間に追われて毎日を過ごしているが、時間をどう使うか、それを自分で選ぶ自由を持っているのだと再確認した。

「とっても長い道路を受け持つことがあるんだ」掃除夫ベッポは言った。「せかせかと働き出す。いつ見ても残りの道路はちっとも減っていない。だからもっとすごい勢いで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息が切れて動けなくなってしまう。道路はまだ残っているのにな。こういうやり方はいかんのだ」「一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん。次の一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただ次のことだけをな」「すると楽しくなってくる」「ひょっと気がついたときには、一歩一歩進んできた道路がぜんぶ終わっとる。どうやってやり遂げたかは、自分でもわからんし、息も切れていない」「これが大事なんだ」

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2025年12月21日

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灰色の男たちは、この時代の人間たち(つまり私たち)の気がする。
いつの時代も、以前に比べたら「灰色の男」指数は上がるのだとは思う。しかし、最近の「灰色の男」化はスピードが速すぎる。

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2025年12月19日

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「自分らしく、人間らしく、心豊かに生きる」といった行為や思いに付随する「時間」、この「時間」が段々と消失し「自分らしく、人間らしく、心豊かに生きていない」人々が増えているといった現代社会への皮肉を児童文学に込めた一作品。児童文学こそ万人に伝わる表現で、万人が読後に考えをもてるような素晴らしさがある作品が多い中でクリティカルに「時間」とはを考えさせられた。
私たち大人は生きるために働き、生きるために食べ、生きるために学んでいる。その中で自分らしさといったものが少しずつ減っていき、人間としての象徴性を失っているのではと問われると、グサリと心に刺さる。その通りですと、自分の人生、自分の思い通りになるような、自分の思ったことが実現できるような「余白」や「ゆとり」は段々となくなっている現代社会、みんな時間に追われて生きています。そしてそれが辛いことも知っています。
だからこそ、手に入れた時間は無駄に消費するのではなくて自分らしさを得るために、自分の心を豊かにするために使いたい。わたしの場合は読書や運動といったところ。全ての時間を「自分らしく」生きるのはなかなかに難しいからこそ、せめて自分が現代社会の中で必死に得て手に入れたかけがえのない「時間」こそは「自分らしく」のために生かしていきたい。
これを小学生の頃に読んでいたらどんな人生を送っていたのだろう。もっと自分を大切に自分らしくゆとりを持って生きていただろうか。いや、結局のところ人はなかなか現代社会の「時間の鎖」からは逃れられない。どのような体験を重ねてきても人と生きていく故、どこかしらで「消失する時間」も存在すると思う。ただだからこそこの読書体験をもとに「かけがえのない時間」を自分のために生かしていく「ゆとり」を少しでもいい、自分で考えて自分で獲得していく自分らしさのための努力と学びの積み重ねが大切だと思った。

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2025年12月09日

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対象年齢が小学校5、6年生以上とある児童書だけれど、大人が読んでて大きく問われる本だし、働いて働いて働いて働いて働く方に向かうかもしれない今だからこそ、時間と自分の在り方を見つめ直すために示唆の多い本。豊かさについて考えさせられた

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2025年12月06日

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時間に追われたことのある私にとっては、おもしろくも怖い話だった。たくさんお金があって忙しくても、幸せとは限らない。作中には『致死的退屈症』とあったが、うつ病のようなものかなと思った。

大人になってから読んだ方がわかるというか、おもしろい。

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2025年12月05日

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私も灰色のやつに支配されてしまった親みたいになっていないかな?
学校の準備できてるの?習い事の準備できてるの?勉強終わった?早くご飯食べなさい!
ずっとせかせかしてるかも…
灰色のやつに時間を奪われているのかな。
取り戻せるかな…
この現代で。
大切な人を失わないように。

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2025年12月04日

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たとえば、みんながひらめくこと、そのひらめきはすぐに忘れてしまうと思う。
そのひらめきを一つ一つ丁寧に文章にした本。
だから、痒いところに手が届くと言うか、この表現がしたかったんだって、表現豊かになれる
子供心がまだ自分に残っていると再確認する。

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2025年12月04日

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わたしたちは現代社会を生きていく上で遭遇する「時間泥棒」とどう対峙していくべきなのか。

現代はいたるところに灰色の男たちがいて、隙あらば私たちの時間を狙っている。一寸先は致死的退屈症である…と、資本主義への恨みつらみを述べた後に「とかくに人の世は住みにくい。」などと結ぶニヒルな感想が浮かんだがこれではあんまりだ。

別のアプローチを取ろう。それはそれとして、現代社会を生きるために大切なのは生活に彩りを加える姿勢やそれを見逃さない視線といったものなのではないか。

すなわち、どうしようもない現代を嘆き悲しんだり、時間の開放に思考を巡らすよりも、むしろ人生における「時間の花」と言える瞬間を見落とすことなくしっかり抱き上げて大切にすることが我々が灰色の男たちに対抗する手段であると思った。大変な世の中だけどそんなに捨てたもんじゃないと考えながら、灰色に染まらない彩りをつけながら生きていきたいものだ。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

灰色の男たちは現実にいて、知らぬ間に時間を奪われているとか、そんなことを想像した。時間、効率……技術発展の恩恵を受けて有り難く生活しているわけだが、技術の速さと人間の時間は比例せず、人間を機械は走り去っていく。
忙しさは日に増して、ニノのレストランのような人たちで溢れかえる。
そんな社会、都会の歯車の中に入れられている私たちに本当に必要なのは、モモのような存在。
「モモのところに行ってごらん!」

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2025年11月17日

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時間は平等。
なのに大人は時間が無いと言う。
子供目線で今で言う学校や習い事が皮肉混じりで書かれている気がして、とても面白かった。
時間は有限であり、Time is moneyを第1優先にした先に、家族の時間や人と人との繋がりを失ってしまうこともある。
大切なものの為に今どう動くべきか1度立ち止まって考える大切さを教えてもらった気がします。

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2025年11月14日

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35歳にして初めて読み、衝撃を受けてしまった。面白すぎる。
この世界観どうやって思いついたんだろ。

文体は読み聞かせしてもらってるような不思議な感覚
それでいて内容はハッとさせられるようなもので心に深く刺さる部分が多かった。

自分は大人側になってしまっているのだろうかと怖くなった。
この本の発行から50年くらい経ち、灰色の男たちによる世界はますます進んでいそうです。

丁度最近読んだ『暇と退屈の倫理学』にも通じると思った。
「暇な」時間を大切に生きたい。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

当時まだ私が小学生の頃、分厚い単行本をこの本を初めて手に取った。初めは「こんなの読み切れるわけない」と思ったが、気づけば夢中になり、あっという間に読み終えていた。

内容も当時の私が何を感じたかもすっかり忘れてしまったが、友人の勧めでまた読んでみようと思った。

物語の大きなテーマは「時間の使い方」
"時間泥棒"は、人々に時間の節約を迫り、余白をどんどん奪っていく。効率性や意義性に必要以上に囚われると、人は感情を失い、大切にしたかったものすら手放ていく。

情報にあふれる現代は特に「正しそうなこと」が多く、またSNSの普及により「比較する相手」も増えたことにより、不安を駆り立てられ、無理をしている人が多い気がする。かく言う私も常に劣等感と焦りを感じ空回りしていた時がいくつもあった。そして、おそらくこの先もやってくる。

そんな時は、ベッポじいさんの次のセリフを思い出したい。

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるか?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ-するとたのしくなってくる。たのしければ仕事がうまくはかどる」

成長とか、給料とか、ネームバリューとか様々な言葉が、私を無理に焦らせてくる。けれども私はただ「楽しく生きたい」から今の生き方を選んだ。この意志が時より折れそうになったり、忘れそうになったりする。でも、モモは「それでいいんだよ」と背中を押してくれた。将来のことは何も分からないし、正直不安だけど、「つぎのことをたのしむ」ことはきっと間違えじゃない。

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2025年11月10日

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ちいさなモモが時間どろぼうと戦う話。マイスターホラの家で食べる朝ごはん、ベッポの道路掃除の話、ごっこ遊びでモモザンになるところ。

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2025年11月29日

n

購入済み

何回か読んでいます

自身が小学生時代に初めて読み、こどもにも読み聞かせしております。
今回読書感想文を書くにあたり手元に本がなく図書館でも貸出中だったため、初めて電子書籍で読ませて頂きました。電子書籍には苦手意識がありましたが、嵩張らず、文字も見やすく、途中から読み始めるのも手軽に出来、電子書籍の良さを感じました。また繰り返し読みたいと思います。

#タメになる #共感する

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2024年08月16日

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時間って何だろう 恥ずかしいことに、この年齢になって初めてこの本を手にしてみた。愛読書にしている人も多い位に有名で、良書だということは聞いていたので、期待はしていたのだが、いい意味で期待を裏切られた。
もっと児童書っぽい、童話的な内容かと思っていたが、現代社会への風刺を含んだ社会性のある、だけど一方でワクワクさせてくれる、でも心温まる本当に素晴しい本だと思う。
昨今、働き方革命との掛け声の下、効率追求の風潮がもてはやされる社会だが、一歩間違えると決して人々の幸福につながっていかない状況に陥ってしまわないか、ふと考えさせられた。
自分の時間にもっと真剣に向き合いたいとも思わせてくれた。

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2025年12月16日

ネタバレ 購入済み

時間どろぼうを倒せ!

「時間どろぼう」なる怪人の秘密結社と浮浪児モモの戦い。70年代ドイツの児童文学として、なかなかの傑作だと思う。
モモは直接戦うすべを持たないが、超常的な能力を持つ存在が手を貸すことにより逆転への道が開ける。
時間の人生哲学を優しくレクチャーしてくれる内容。

#深い

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2022年09月29日

購入済み

良かった

時間に追われた現代人の皆さんに、ぜひおすすめです。

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2021年12月25日

モモがんばれ

童話ではありますが 、いろいろ考えさせられました。作者はドイツ人だということで、同じヨーロッパでもスラブ系からは出て来ない話だと感じます。疲れていっぱいいっぱいになったときに、思い出して心の余裕を取り戻したいと思います。

#感動する #深い #タメになる

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2021年04月24日

購入済み

良質なファンタジー。

児童文学とはいうものの、内容も深いですし、大人が読んでも充分楽しめる作品だと思います。
とても良かったです。

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2020年05月08日

Posted by ブクログ

とても有名だが子供の時読んでいなかったので今更だが読んでみた。
名作と言われるものは書かれた時代から何十年経っても内容が時代とマッチするから名作なんだなあ。人類が進歩とともに忘れていってしまうものはいつの時代も同じなのか。

大人が便利さを求めて効率化を進めていくと心が貧しくなりイライラすることも増え子供にもしわ寄せが行く。タイパと言いながら時間そのものを大切にできておらず何が幸せだったのかを忘れていってしまうのではないか?という現代にも通じるお話。

ジジがモモに聞かせてくれた劇中話がなんだかとても素敵だった。三体三部もだったけど物語のなかに夢のような物語を更に組み込める作家さんってすごいなあ。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

時間に追われている現代。そして自分。
なぜ追われているのかを見つめ直す必要があるし、今の働き方が時間の切り売りになっていないかも考えないといけない。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

わたくしも灰色の男たちに時間を奪われています。あくせく時間に追われているな。と痛感。時間という概念を深く考えさせられました。読み応えがあります。無駄な時間とは本当は何なのか?自分の中にある時間を知れるのか?まずは時間を大切に、ゆっくり味わって?生きていきたいと思います。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

時間を効率的に使わないといけない、と思っていたが、この本では、それって良くないよ、というメッセージであるので、どうすればいいのか、途中で打ちのめされる。何事もバランスが大事ということだが、当たり前のことであるはずなのに考えさせられる。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

時間に追われる日々だからこそ読めて良かった一冊。
文中にある、
時間とは生活、生活とは心の中にあるもの、
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていく、なくなってしまう
心の中の時間について深く考えるきっかけになれた。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

小さな女の子のモモが時間泥棒から時間を取り戻す話。モモは危険な状況でも時間を取り戻すのが勇気があってすごいと思った。現実でも時間を大切にしようにしようと思った。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

児童書なのでシンプルに読みやすかったけど、子どもにしては難しくない?!というくらいには風刺きいてるし考えさせられる本だった

時間は平等に与えられてるとか、タイムイズマネーとか、時間にまつわる金言って結構あるけど、「時間=生きるということ」っていうのがシンプルだけどハッとさせられる一文で、「だからこそ急いでなんかしないと!」ではなく「だからこそ時間を楽しまないと!」というポジティブな変換になるのがとても良い。

1973年に書かれたとは思えないくらい現代への風刺感がすごかった。何事も効率化したり、「未来の自分のために」という理由で切り詰めすぎて今を蔑ろにしたりと、心当たりを感じる部分が多く時間の使い方を考えさせられる本。

モモの他人の話をじっくり聞くという特徴も、時間の豊かさであったり、余裕であったり、他者と時間を共有できる人間ならではの時間の使い方だったりが表されているのかな?

後半から特に話のテンポが良くなるのでサクサク読めた
あとは挿絵も可愛い

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

何度も読み返したい本。
子供の頃に読んだ時にはモモの冒険をワクワクして読んだ。
しかし歳を重ねてこの本を再び開くと、いつの間にか灰色の男たちに時間を盗まれた大人になってしまっていたことに気づかされた。
タイパ、コスパを重視するような生活に疑問を投げかけてくれるようなこの本に、この時代で出会えて本当によかったと思う。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

永遠の名作 モモの小説で語られることは、時代を超えて現代にも意味をなす。
時間泥棒に奪われた時間は、きっといつでも取り返すことができるはず。
児童書だけど児童書に非ず、でした。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

ホームレスな女の子の物語。
お金はないが、時間は余るほどあり、話を聞くことが得意。
時間に対する教訓が有名な作品だが、それだけでなく資本主義、全体主義に対する批判。
お金や人間関係、自然や時間の使い方など様々な視点で描かれている。
著者は1929年ドイツ生まれで、ナチスに反対し、共産主義活動に加わっていたとか。
共感できる箇所も多いが、時間のない富裕層と時間のある貧しい人々が、やや極端な形で対比されていると感じた。
モモやジジには憧憬を感じるが、自分がそうなったら幸福を感じるかは疑問。
そういえば、昔インドに旅行に行ったときは、時間の流れがゆっくりに感じた。何もすることがなかったけど、最高に豊かな時間だった気がする。
時間をおいて何度でも読んでみたくなる一冊。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

タイトルは知っているけれど、読んだことはなかった作品。戯曲音劇になる、その劇に好きな俳優さんが出演する…。どんな話か読んでみよう、と読みはじめました。

大人になりすぎてから読んだせいか、序盤の子供の遊びの描写には退屈しました。しかし、後半は、時間を忘れるほどの面白さ!どのように舞台化するのか、楽しみです。

さし絵もエンデ自身が描いていて、世界観が素晴らしい。エンデのお父さんはシュールレアリズムの画家、エドガー・エンデ。「時間」「夢」を描くのは、シュールレアリズムの影響か?

絵が好きなので、表紙を部屋に飾っています。

実は、古書店でバーコードのない古いハードカバーの本を買いました。ブックケース入り。とにかく絵がいいので、大きい本を買ってよかった。絵は、大きさも大事。

文庫版は未読。文庫版には、ハードカバー版とは別の解説が付いているかもしれないので、解説だけ読みたい。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語全体が「時間とは何か」という問いに向き合っている。SNSやAIに触れることが当たり前になった今、つい"効率性"や"他者との比較"に振り回されてしまうが、この作品は立ち止まって自分の時間を取り戻すという、いまの時代ほど必要な姿勢を思い出させてくれる。忙しさを言い訳にしがちな人ほど、読んだあと心にくるものがある一冊である。
一方で、ティーンズ向けなので、ひらがなが多く、普段から本を読む人からすると読みにくいと感じるかもしれない。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

余暇が大事という話。1970年代に書かれたことを考えるとすごい。文章、というか翻訳文が読みにくかった。

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2025年11月20日

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ある少女の物語。
相手の話を聞くこと。お気に入りのものを大事にすること。誰かの評価ではなく自分の物差しで生きること。1日1日を大切にすること。
こどもだから、ではない。
誰にでもできること。
普通とか、当たり前とか、日常を、どれだけ大切だと思えるか。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久方ぶりに読書らしい読書を行い、小学生時代、そして高校生時代頃に冒頭で読む事を挫折した「モモ」に手を出した。
しかしながらやはり、最初の100ページまで読むのがかなり苦慮するような気持になったのは果たしてまだ私の中で読みたいと言う気持ちが湧き起らなかったからか、もしくは私には既にその時から灰色の時間泥棒たちが気付いたらやってきており、楽しいという気持ちを無くさせてしまっているからだろうか。

果たしてモモはいったい何者なのか、それは最後まで分からないし、何処から来たかも最後まで分からない。
ただ分かるのモモはただそこにいて、相手の話をじっと聞いてくれる心の豊かさを持った、時間に「余裕がある小さな女の子」であることだけ。
なぜ彼女にそういった特別な才能があったのかは分からないし、彼女が眠っていた1年間という時間は取り戻す事はできないまま、彼女がある日やってきた時の様な日常が当たり前のように再び街に訪れて日常が「元通りに」なっていく。

それはまるで息をするかのようにやってきて、そうして知らぬ間に消えて行ってしまった、幻想的ともいえる灰色の生き物は、5歳までしか自由に遊べず6歳の年には強制的に小学校へ通うようになり、決められた世の中のルールを学び決められた仕事を永遠ともいえる長い時間を行う、現実世界の我々のことをあざ笑うかのように描かれている。

日常の中で誰かに腹が立つことがあるだろう、理不尽な事に直面することがあるだろう。
そうした時にきっと私は何度となく、この物語を思い出し、私は灰色の男たちから葉巻を譲り受けたいとその度にきっと望むだろう。
きっと灰色の男たちの正体は私たちのそうした日常のちょっとした不満や不安が生み出した、自由だった子供時代への葛藤や熱望の幻影だったのだろう。

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2025年11月15日

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