あらすじ
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。
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「けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」
「時間がない」「忙しい」、口癖になっていませんか?
時短や効率にばかり気をとられ、大切なことをついつい忘れてしまう。本作は、そんな現代人に警鐘を鳴らしています。
児童書なのでとても読みやすくわかりやすいのですが、テーマ・内容共に深い作品となっており、子どもだけでなく、むしろ大人の方におすすめしたい一冊です。
すこし奇妙な格好をした、やせっぽち。
でもどこか不思議な魅力をもつ少女、モモ。
モモと一緒に時間を巡る冒険に出かけてみませんか?
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Posted by ブクログ
冒頭の船の部分はこのお話に必要なのか?と思った私こそ、効率重視の生きているということだ。カシオペイア マイスターホラの登場から話が面白くなってきた。
Posted by ブクログ
子供ができたら絶対に読ませたいし、自分の仕事がつまらなく思えてきたら絶対に読み返したい。
児童書だと舐めていたら思わぬ角度から刺してきて本当にいい本だった。
「人間には時間を感じ取る心というものがある。
もしその心が時間を感じ取らないような時には、その時間もないも同じだ。」
私もショート動画をだらだら見ている時間が少なくはないが、その時間は心が時間を感じ取っていないよなぁ、その時間はないも同じだよなぁと思った。
こういう本にたまに出会えるからやっぱり読書が好きだと強く感じさせてくれた一冊。
Posted by ブクログ
久しぶりに児童文学を読んだけれど、優しい言葉で現代の時間との向き合い方など、本質的なことを教えてくれるから、とてもためになる本だと感じた。
私は就活をする上で、給料や福利厚生を重視しすぎてしまい、肝心のやりがいなどを軽視していたかもしれないという気づきもあった。
小さい頃、あまり児童文学に触れてこなかったから、今更だけれども、読めてよかった。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
「時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです」
Posted by ブクログ
子どもの時に読み、20歳前後で読み、そして30年近くを経て3度目の再読。驚いている。まるで、今の日本の話ではないか。いや、世界の話か。
時短という言葉がもてはやされ、効率的なこと、コスパが常に重視される世界。子どもたちは、放課後には児童館や放課後デイなどに預けられている。もちろん、物語と全く同じではないけれど、ある見方をすれば大人たちの事情で、一つの所に押し込められている、とみられないこともない。
灰色の男たちが今もこの世界で活動を広げている。
一時期モモが話題になった時よりも、もっと事態は深刻になっている。スマホ一つで何でもできる時間。待ち合わせも時間の無駄、手紙どころかメールやLINEですぐの返信を求められる。便利な一方で失うものもある。
今を全否定するつもりはない。でもモモを読むと私の時間の花を私は大切にしているのか?
灰色の男たちの葉巻にさせられているのではないか?むしろ、自ら灰色の男たちに時間の花を差し出しているのではないか?そんな気持ちになる。連休初日に読み終えたことを嬉しく思う。もっと時間を味わおう。もっと時間を慈しもう。もっと人生を謳歌し、きれいな時間の花を咲かせようと思う。
Posted by ブクログ
読みにくかったけど、
時間どろぼうが現代におけるスマホなのかなと思う。
タイパタイパと騒がれる世の中だけど、
人間らしい生き方ってなんだ?と思った時に
ただ意味もないショート動画を見てだらだら
過ごす時間よりも、
本を読んだり、編み物をしたり、
家族とお喋りしたり、美味しい物を味わったり
自分の幸せの価値観の軸をしっかりと持ちたいし
そんな幸せな時間を送るために毎日生きていたい
モモはやや資本主義批判寄りで書かれているようだけど
たしかに時間どろぼうに時間を奪われた人たちは
ただ働くために生きている感じがして気味悪かった
生活するために働くのが理想だよね。
Posted by ブクログ
児童文学とは思えないくらい読み応えがあった。
風刺を感じるけど、児童文学だからか嫌味は感じない。
50年も前に書かれたとは思えないくらい今の時代にも当てはまる。
気付かないうちに社会が変容していっている様子も、時間に追われる生活も。
大人にもおすすめ。
Posted by ブクログ
ずっと途中で止まっていたのだけど、8歳の息子が2日で読んじゃったので、負けるかと読破。
驚くほど面白かった。
愛すべきキャラクターたちと、ぶっ飛んだストーリーと普遍的なテーマ。
直接どこが、とかはわからないけど、初期の村上春樹感も。
誰もが話をしにくるモモは「風の歌を聴け」の「僕」みたいだし、亀のカシオペイアは「羊男」だし、灰色の男たちは「やみくろ」だし。
ひとまず灰色の男たちにめっちゃ時間泥棒されて操られてる気がするので、たまに読み返そうと思った。
Posted by ブクログ
社会人一年目に読んだ。
仕事はトロいし、忙しいし、何からやったらいいかわからず余裕がなかった。
掃除夫ペッポの言葉が響いた。目の前をひと掃き、またひと掃き。
そうして振り返ると長い道路がきれいになってるから、考え方一つで苦しさも和らぐんだなと。
今もペッポの言葉を大切にしています。
Posted by ブクログ
日常のなかで、ふと立ち止まる。『モモ』を読み終えて、本当の豊かさってこういうことなんだろうな、としばらく余韻に浸っていました。
「ただ、相手の心の声に耳を傾ける」
小さな女の子・モモに話を聴いてもらうと、誰もが自分を取り戻して悩みを解決していくんです。どんなアドバイスよりも誠実に話を聴くこと。それって思っている以上にすごい力なのかな、って思います。
だけど、時間を盗む「灰色の男たち」のせいで世界は一変。「時間は貴重だ!時は金なり!」という作中の標語は、今の日常にもグサッと刺さりました。効率ばかりの画一化された世の中になったら、誇りも、愛着も幸せも全部消えてしまうかもしれないと、想像するととても怖くなります。
灰色の男たちに追われ、孤独になったモモ。自分の安全を考えているときは不安なのに、友達を想った瞬間、力が湧いて立ち上がる姿には大きな勇気をもらいました。自分のためより、誰かのために動くときの方が人間は何倍もの強さを持てる。その姿に胸がいっぱいになり、ベッポとの再会には心から感動しました。
モモみたいに、自分や他人の心へ耳を澄ませ、空想や工夫を楽しむこと。好きなことをする時間は豊かさに直結してるんだと思います。だからこそ、真心を持って人や物事に向き合う時間を大切にしたい。子どもの頃とはまた違う、大人の胸に深く突き刺さる名作。
「人間には時間を感じとるために心がある」
作中のこの言葉だけは胸に留めておきたい。時間って時計の数字、単なる長さじゃなくて、誰と過ごし、何を感じてどう生きたか。そこにこそ価値があるんだと気づかされました。
毎日が忙しいと感じたら、灰色に染まっている合図。本当の豊かさを取り戻すために、またこの本を開こうと思います。
Posted by ブクログ
灰色の男たちが活動する第二部になった瞬間、第一部までの交流と空想の暖かさが急に消えて、数字と現実の冷たさを感じた。
時間を大切に。寿命は短い。少年老い易く学成り難し。意味のある人生を。一日過ごせば一日死に近づく。光陰矢の如し。時間を無駄にするな。生産性を上げよう。急げ。待たせるな。間に合わない!
……時間を大切にしようとすると、時間を大切にしてしまう。その結果、不機嫌な人ばかりになる。子供の相手もできない。時間がないから。
そして「時間を無駄にしないように」この本を読んでいる皮肉。でも読まないと進まない。その思考こそが罠なのだけど、抜け出す方法が見つからない。つける薬がない。
思うに、時間よりも大切な何かがある、という価値観の転換が必要だ。しかし、他の人は時間こそが信用を保つリソースだと信じているから、自分だけがそこから抜け出したとしてもベッポのように変人扱いされて終わるだろう。時間に正確な集団行動が価値を産む工場労働のような生産体制が背景にあるだろうか。うーむ、自分がどうするべきかが見えてこない。
冒険小説としては抜群に面白かった。とくに間接的にも直接的にも灰色の男たちに追い詰められるスリル! その中でカシオペイアがいる心強さ!
Posted by ブクログ
友人からこの本のことを聞いたり、ネットで話題になっていて前々から気になっていた。頭の端の方で読みたいなぁとずっと思っていたところ、日本出版から五十周年を記念したオレンジ色の装丁が出ていて、それに惹かれてついに購入。
とても良かった。時間貯蓄銀行により、無駄な時間を削り、余暇もなくやるべきことに追われてしまう思考になってしまった人々と、主人公モモの意志を持ち続けて悪の組織に立ち向かう姿。
「無駄な時間を削ることは、人の心を狭め、廃れさせてしまう」ということをファンタジーの中で鮮やかに描いている。無駄な時間にこそ、自分に帰れるし、自由だよね、思った。
カシオペアのキャラが個人的に結構好きだった。
何回か読んでいます
自身が小学生時代に初めて読み、こどもにも読み聞かせしております。
今回読書感想文を書くにあたり手元に本がなく図書館でも貸出中だったため、初めて電子書籍で読ませて頂きました。電子書籍には苦手意識がありましたが、嵩張らず、文字も見やすく、途中から読み始めるのも手軽に出来、電子書籍の良さを感じました。また繰り返し読みたいと思います。
時間どろぼうを倒せ!
「時間どろぼう」なる怪人の秘密結社と浮浪児モモの戦い。70年代ドイツの児童文学として、なかなかの傑作だと思う。
モモは直接戦うすべを持たないが、超常的な能力を持つ存在が手を貸すことにより逆転への道が開ける。
時間の人生哲学を優しくレクチャーしてくれる内容。
モモがんばれ
童話ではありますが 、いろいろ考えさせられました。作者はドイツ人だということで、同じヨーロッパでもスラブ系からは出て来ない話だと感じます。疲れていっぱいいっぱいになったときに、思い出して心の余裕を取り戻したいと思います。
Posted by ブクログ
名作児童文学。
「時間どろぼう」なるキャラが出てくることは知っていたのですが、そのファンタジーな響きから、優しいヒゲの紳士が、モモと一緒に冒険をするものかとイメージしていました。
実際は真逆で、彼らは人々から豊かさを奪う、冷徹な存在として描かれます。
この灰色の男たちは、コスパ・タイパと呪文のように繰り返す(僕も含めた)現代人たちを象徴していますね、、。科学の進歩で生活は豊かになったはずなのに、仕事はどんどん複雑になって、情報は濁流のように増えて、心の豊かさは削られる一方です。
人間らしく生きることって何だろうと、改めて考えるきっかけになりました。そういう豊かな時間を、僕は、無駄だと切り捨ててはいないかな…?
いま一度、ゆっくり立ち止まって、自分の生き方を見つめ直していきたいです。
時間泥棒の暗躍のハラハラ感、冒険ファンタジーのワクワク感、変わってしまった友人達の絶望感、いろんな要素が詰め込まれていて、単純に、物語としても面白かったです。
次は、「はてしない物語」も読みたいな!
Posted by ブクログ
効率やお金が、自分の「時間」をむしろ奪っていく。
どこかで聞いたテーマ、、
春に読んだ『暇と退屈の倫理学』である。
その本から私は「この時間を、惰性として消費しているのか。それとも自分の生として選び取っているのか」という問いを持ち続けることの重要性に気づいたが、いつの間にか忘れていた。『モモ』はそれを完全に思い出させてくれた。
もう一つの大きな気づきは、ナラティブの力だ。
同じことを理論として理解するのと、物語の中で登場人物と一緒に経験するのとでは、心への残り方がまるで違う。
正直、小説から得られるものは少ないと思って読んだけれど、むしろ物語だからこそ深く残るものがあるのだ。
自分の時間を、自分の生として生きる。
『モモ』、舐めてました。ごめんなさい。
Posted by ブクログ
タイトルは知ってて、
いつか読みたいなーって思ってて
やっと読めました!
あらすじなどなど読まずに
先入観なく読み始めるのが好きなんですが
思ってた雰囲気とだいぶ違ったー(笑)
モモという女の子が街の人たちと交流する
ハートフルなお話だと思ってました(笑)
時間って大事ですよね。
無駄な時間をなくすことって
大事なことだと思うんです。
現に無駄にSNS眺めて時間が過ぎてたりしますし(笑)
たしかにこういう時間は無駄なんだけど
大切な人とゆっくり話しをするとか
ちょっとホッと一息つく時間とか
内容のない無駄話ししちゃったけど
楽しかったからいっかー!とか、
少しだけ心を落ち着ける時間は
無駄でもなんでもないと思うんですよね。
ようは使い方。
作者のあとがきで
過去の話として語ったけども
未来の話しとして語ってもいいんです。
大差ないです。
っていや、本当にそうだなぁ。と。
大人こそ読むべき作品だと思いました!
Posted by ブクログ
児童文学ということで読み始めた『モモ』。最初は、ひらがなが多く、漢字の文章に慣れている大人の自分には、かえって少し読みづらく感じた。けれど、読み進めていくうちに、その内容が子ども向けとは思えないほど現代的で、むしろ今を生きる大人にこそ読んでほしい作品だと思った。
特に印象に残ったのが、「時間を効率的に使おう」とするほど、かえって時間に縛られてしまうということだ。
今の令和の時代も、タイパという言葉が当たり前のように使われ、ショート動画をはじめ、短い時間でいかに効率よく有益な情報を得るかが重視されている。『モモ』に登場する灰色の男たちは、そんな現代社会を風刺しているようにも感じた。
時間を節約しているはずなのに、いつも時間に追われている。効率よく生きようとしているのに、気づけば自分の時間を失っている。
一方で、モモは社会の枠組みから少し外れた存在として、友人たちと何気ない話をしたり、物語を聞いたり、時には争ったりしながら、人と人が向き合う時間を大切にしている。子どもと過ごす時間や、誰かとゆっくり話す時間など、一見すると「役に立たない」ように思える時間の中にこそ、人間にとって大切なものがあるのだと思わされた。
三島由紀夫が、便利になった現代社会を「便利な砂漠」と表現していたことを思い出した。豊かで便利になったはずなのに、どこか乾いている。その「乾き」の正体が、この作品には描かれているように感じる。
役に立つか、効率的か。そんな基準ばかりで時間や人生を考えてしまう自分たちに、一度立ち止まることを教えてくれる作品だった。
児童文学だからこそ、シンプルな物語として読める。でも、その奥にある問いは、大人になった今だからこそ深く考えさせられるものだった。
Posted by ブクログ
存在はもちろん知っていたけどどんな話かも知らなかったモモ。
あらすじを見たら、時間泥棒の話であることを知って、興味が湧き読み始めた。
イメージと違い、児童書ということもあってかなり読みやすかった(海外文学のこういう系は読みにくいと勝手に思ってた)。
今の生活に限らず、不可逆な時間を無駄にせず過ごせているか、、は事あるごとに思い返していた(いつも反省する)ことが多いけど、留めておきたいフレーズがいくつかあって、その意味を咀嚼しながら後悔のないように時間を過ごしていきたいなと思えた一冊。
何度も繰り返し読んで、心に残ったフレーズを深く深く理解したいとも思った本。
Posted by ブクログ
この物語に没頭するまで挫折しそうでしたが、
読み切ってよかったです。
これが本当に児童書なのか?と思いました。
人間が人間らしく生きる時間を、自分は過ごせているのかと、自分に問いたいです。
でも今現在、効率重視の世の中になっていて、家族とろくに会話もせず携帯に時間を奪われ、忙しいからと子供の話を聞いてあげず、何のために生きているんだろうという不安が日本中にあると思います。
その時点で灰色の男たちがすでに私たちのことを支配しているのかもしれないですね。
私は自分の中にある時間の花を意識して、有限の時間を人間らしく使おうと思いました。
Posted by ブクログ
いつ灰色の男たちが現れるかわからない。現代において何かに追われる毎日を送らないなんてできるんだろうかと思うけれど、貴重なものだからこそ愛情を込めて大切に時間を抱きしめることが重要なのか。
わたしはよく時間を無駄にする。その無駄にした時間を灰色の男たちに搾取されていると考えると、より大切にしようと思える気がしてきた。
Posted by ブクログ
SL 2026.7.19-2026.7.21
やっと「モモ」を読むことができた。
人間や人生の根源的な問いを、こどもにもわかるような文章で描くファンタジー。
時間とはなんなのか。豊かな人生とはなんなのか。ほんとうに大切なものは。
1976年の訳者あとがきで「現代社会の大きな問題」と言っているが、50年たった今も何も変わることなく、ますます効率的に進んでいく時代の流れとはなんなんだろう。
Posted by ブクログ
『モモ』を読み終えてまず感じたのは、これは「時間」の物語ではなく、「人生の豊かさとは何か」を問いかける物語なのだということだった。
物語の中で灰色の男たちは、人々に「時間を節約すれば人生はもっと豊かになる」と語りかける。その言葉を信じた人々は、家族との会話を減らし、友人と過ごす時間を惜しみ、遊びや趣味を切り捨てて働き続けるようになる。一見すると効率的で充実した生活に見えるが、町からは笑顔が消え、人々は心の余裕を失っていく。この展開は児童文学とは思えないほど現代社会を映し出していて、スマートフォンやSNS、仕事に追われる今の私たちにもそのまま当てはまるように感じた。
印象的だったのは、主人公のモモが特別な力で世界を救うわけではないことだ。モモが持っているのは、人の話を最後まで耳を傾けて聞く力だけ。その当たり前のようで難しい力によって、人は自分の気持ちを整理し、前を向くことができる。本作は派手な戦いや魔法ではなく、「誰かと向き合う時間」にこそ価値があることを一貫して描いている。その姿勢が最後までぶれることはなかった。
読み進めるうちに、この作品が伝えたい「時間」とは、時計が刻む時間ではないことにも気づかされる。同じ一時間でも、大切な人と過ごす一時間と、ただ忙しさに追われる一時間では重みがまったく違う。人生は与えられた時間の長さではなく、その時間をどう使うかで豊かさが決まる。本作はその当たり前だけれど忘れがちな事実を、「時間泥棒」という幻想的な存在を通して見事に表現していた。
終盤で灰色の男たちの正体が明らかになる場面も印象深い。彼らは力で人間を支配していたのではなく、「もっと効率よく生きるべきだ」という考えを植え付け、人々が自ら人生を差し出すよう仕向けていた。敵を倒して終わる物語ではなく、自分たちの価値観そのものが問われる結末だからこそ、読後にも強く心に残る。子どもの頃に読めば冒険譚として楽しめるが、大人になって読むとまったく違う作品に感じられる理由もここにあるのだと思う。
『モモ』は、時間を大切にしようという単純な教訓を語る作品ではない。忙しさや効率を追い求めるあまり、本当に大切なものを見失っていないかを静かに問いかける物語だった。何もしない時間、誰かと話す時間、寄り道をする時間。一見すると無駄に思える時間こそが人生を豊かにしているのだと、本作は優しく、そして力強く教えてくれる。読み終えたあと、自分の毎日の時間の使い方を自然と見つめ直したくなる一冊だった。
#2026年25冊目
Posted by ブクログ
吉田篤弘さんのエッセイで紹介されていたので、読んだ作品。
児童文学としてかなり有名だが、これは本当に児童文学!?と驚くほど風刺が強く、70年代に書かれたとは思えないほど今の社会にぴったりと当てはまっていた。
時間を効率的に使おうと日々奔走し続けていると、心をすり減らして本来の豊かさを失ってしまう——という時間=心というメッセージがかなり深く響いた。
読んでいて「これは今の私たちの姿そのものでは?」と考えさせられる。
もう少し今この瞬間を生きてみよう、と自分の生き方を見つめ直すきっかけにもなった。
翻訳家のあとがきもとてもわかりやすく、作品のメタファーや想いを丁寧に解説してくれていて、もう一度読み返したくなった。
Posted by ブクログ
今まさにシステム化され、便利とされている世界だけど、日々我々はやることが増え、仕事家事、勉学、世の中にSNSをはじめとした時間泥棒が溢れ、便利になったのに人々の余裕が無くなって来ている現代人が読むべき著書だなぁと思いました。
便利になれば余裕が生まれると思いきや昔より現代、未来はもっと皆が時間に追われて生活する羽目になりそうな予感ですが、人間にとって一番はやはり余裕や余暇だと改めて感じました。日本人は特に時間泥棒にやられているなと言う感想ですね。
Posted by ブクログ
1973年に書かれたみたいだけど、
今の時代のことを表しているみたいだった。
SNS, AI, 仕事, 色んなことに
時間を奪われて、本当に大切なことを
見失ってしまっていたかも。
大切な人と過ごす穏やかな時間がほしい。
Posted by ブクログ
昔一度挫折しましたが、今回音読してみたらあっという間に読み終えました。
教訓の主張が激しい作品はあまり好みではないものの、最終章は感動で胸がいっぱいになりました。
Posted by ブクログ
本好きの娘が小学6年のとき、読み応えのある本をと思ってリサーチして、エンデなら、果てしない物語を映画で見たこともあったなぁと購入。娘は、最高に面白いと絶賛して、あたりでしたが、父の私の感想はさほどでも。。歳のせい?ファンタジー色が好みじゃないから?かなぁ。中学生くらいの子供におすすめかな。
Posted by ブクログ
なんとなく難しくて読むのに難航して、でもそれが悔しくてたまらないなあと。あとがきを読んでなるほどと思ったりした。自分の想像力というか、子どもの頃には持っていたはずの力が無くなっちゃったのかなとかそういうショックさがあった。大事なものを失った気がして少し悲しかった。
もう一度読みたい。