【感想・ネタバレ】モモのレビュー

あらすじ

時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。

...続きを読む

「けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」

「時間がない」「忙しい」、口癖になっていませんか?
時短や効率にばかり気をとられ、大切なことをついつい忘れてしまう。本作は、そんな現代人に警鐘を鳴らしています。

児童書なのでとても読みやすくわかりやすいのですが、テーマ・内容共に深い作品となっており、子どもだけでなく、むしろ大人の方におすすめしたい一冊です。

すこし奇妙な格好をした、やせっぽち。
でもどこか不思議な魅力をもつ少女、モモ。
モモと一緒に時間を巡る冒険に出かけてみませんか?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になっていたが、読めていなかった『モモ』。
ざっくりとした内容はNHK「100分で名著」を見て知っていた。
現在、ドイツ語学習者向け『モモ』を使ってドイツ語を勉強しており、この機会に読んでみようと思い選んだ。

序盤の100ページほどを読んだ時点で、「これって本当に児童書!?」と思った。
して『モモ』が発表されたのは1973年だと知り、さらに驚いた。
ミヒャエル・エンデを予言者のように感じてしまうほど、現代を生きる私に刺さるものがあった。
文章やストーリーは子ども向けに書かれているが、これはぜひ大人に読んでもらいたい作品だ。

時間泥棒である「灰色の男たち」は、人々から時間を奪っていく。
街の人たちは無駄を嫌い、予定を詰め込み、いつも忙しくイライラしている。
子どもたちでさえ、遊ぶ面白さよりも「将来の役に立つかどうか」が全てになっている。
大切な人との会話、触れ合い、自分を慈しむ時間。
そういうものがどんどん剥ぎ落とされ、1秒の時間も無駄にしないことが良しとされ、時間に振り回されながら生きている人々。
その姿が、現代の我々と重なった。
「仕事に役立つことをしろ」
「無駄なことをするな」
「タイパを考えろ」
そんな言葉が溢れている私たちの日常に必要な物語だと思った。

特に印象的だったのは、「時間の花」だ。
自分自身の時間というものを、こんなにも美しく、儚く描くことができるのかと驚いた。

物語の最後には、『作者のみじかいあとがき』が載っている。
このあとがきを読むと、子どもたちに向けたミヒャエル・エンデのあたたかい眼差しを感じることができる。
ぜひ最後まで読んでほしい箇所だ。

日常を過ごしていく中で一度立ち止まり、自分にとっての時間とは何か、大切にしたいものは何かを考えたくなる作品だった。

.

時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気がついていないようでした。じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、だれひとりみとめようとはしませんでした。
(P106)

.

「時間がない」、「ひまがない」——こういうことばをわたしたちは毎日聞き、じぶんでも口にします。いそがしいおとなばかりではありません、子どもたちまでそうなのです。けれど、これほど足りなくなってしまった「時間」とは、いったいなになのでしょうか? 機械的にはかることのできる時間が問題なのではありますまい。そうではなくて、人間の心のうちの時間、人間が人間らしく生きることを可能にする時間、そういう時間がわたしたちからだんだんと失われてきたようなのです。このとらえどころのない謎のような時間というものが、このふしぎなモモの物語の中心テーマなのです。
(P401『訳者のあとがき』)

0
2026年02月01日

ネタバレ 購入済み

時間どろぼうを倒せ!

「時間どろぼう」なる怪人の秘密結社と浮浪児モモの戦い。70年代ドイツの児童文学として、なかなかの傑作だと思う。
モモは直接戦うすべを持たないが、超常的な能力を持つ存在が手を貸すことにより逆転への道が開ける。
時間の人生哲学を優しくレクチャーしてくれる内容。

#深い

0
2022年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

心の豊かさとは何か。

私たち現代人は、いつも何かに追われていて、せかせかと毎日を過ごしているように思います。

一日があっという間に、一週間、そして一年も気付いたら過ぎ去っている。

私も「忙しい」を理由にして、蔑ろにしてしまったものがたくさんあると思います。振り返ると、もっと自分と、相手と向き合えばよかったと思う瞬間が頭に浮かぶ。

自分の時間も相手の時間も大切に、ゆっくりと立ち止まり振り返りながら過ごして生きていけたらいいなぁ。

0
2026年01月12日

「児童書」ランキング