あらすじ
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か──? 傑作心理ミステリー。
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Posted by ブクログ
なぜ作家は亡くなったのか。みんなの軽口とともに4年前の事件が明かされていく。スリル満点。どこかお芝居を見ているみたいにテンポいい。
作家の時子が亡くなって、しばらく経った。うぐいす館にみんなが集まる。ベテラン編集者のえい子が料理を作っていた。つかさに尚美、静子、絵里子。1年ぶりの顔合わせ。フジシロチヒロという人からカサブランカの花束が届いていて、メッセージがついていた。「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます」と書いてある。フジシロチヒロは時子が最後に書いていた小説の主人公の名前だった。静子さんが、自分が時子を殺したと言い始める。みんなは4年前のおさらいを始める。
時子の弟が3回目の結婚をすると言い出したのだ。時子は最新作の最終稿をチェックしている。えい子は4人がやってくるので夕食を作り始める。絵里子、静子、尚美とやってきて、時子が出てきて会話した。時子はアイデアを思いついて書斎へ。つかさが来て宴会が始まる。電話が鳴って時子が出てきて応対。薬を飲みまた書斎へ。ご飯食べようと声をかけたら、倒れていたので搬送した。薬の水から青酸カリが出たのだ。その後遺書がみつかった。
時子と静子はその数日前に銀座で会ったらしい。右腕がほとんど上がらなくなっていたという。しかし静子が当日寝室に見えた女は右腕を挙げていた。それに言及していれば時子を救えたはずだと。そして最新作は時子のものではなく他人のものだと思うと指摘。尚美が私のだという。後継者に手紙で指名される予定だったと。だが見つかった尚美宛の手紙には静子に殺されそうと書いてあった。
妙な電話がかかってきて、みんなで時子を殺したことを思い出せと言われる。静子が時子を追い詰めていたと語る。天才度が落ちていたことを指摘する手紙を送り続けて怒らせてしまう。
突然思い立ってみんなでパスタを食べようという話になり、缶詰のミートソースを開けたが、缶詰に裏から針の穴が開いていて、何かが仕込まれていたという話になる。えい子は自分で作るから缶詰のソースを使わないので、時子の生きていた頃のものだという結論に至る。時子は自殺とともに誰かを殺したかったのではないか。
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「うぐいす館」で催される重松時子を偲ぶ宴での話。
ライターの絵里子、流行作家の尚美、純文学作家のつかさ、編集者のえい子、出版プロダクション経営の静子。
重松時子の死の真相に迫っていく心理ミステリーでした。
みんなそれぞれ秘密や嘘を抱えており、少しずつ明らかになっていくのはハラハラして面白かったです!
時子の死の真相が明らかになった後、それぞれがまた日常に戻っていく様子が余韻を感じて良かったです。そして、最後に各視点からの真相も分かり、最後まで驚き楽しむことができました。
宴の女子のわちゃわちゃした会話はリアリティがあり、面白かったです。ポトフやキッシュというふるまわれる料理の描写も食べたくなるほど素敵なものでした!
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飛んでくるボールはストレートだと思いきや実はカーブがかかっていてそれに備えていたらホップアップしたかと思ったらグルグルとうずを巻いて最終的にどこかに消えていった──何を言ってんだコイツは、と言われそうだが本当にそうなのだから他に言いようがない。
ラストまで読んで、なるほどなぁ、と納得はするのだが振り返って驚くのは本作の演出や描写の巧みさだ。単なる日常の風景、過去が疑惑の犯行現場に変わっていき、不穏さが充満する様が素晴らしい。何度読んでもやはり騙される。
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憧憬と悪意の混在。
したたかさと利己主義も混在。
女性ならではっていうのかな。
これが全員男性だったら
ここまでの爽やかさや清々しさは出ないだろうなとか。
Posted by ブクログ
読み進むにつれてそれぞれに隠し事が次から次へと出てきてぞわぞわしながらもページを捲る手が止まらず一気読み。
はっきりとした真相はわからないものの、被害者がそんなことを考えてたの…?!という結末にはゾーッとしました。物書きの人で女性ばっかりで集まると会話がにぎやかで読んでて楽しい。
トマトと茄子のスパゲッティの考察は笑ってしまった。
ミステリーだけど出てくる料理が美味しそうなのも再読するきっかけのひとつ。しろたえのチーズケーキ(食べたことはありませんが…)に始まって、牡蠣の豆豉蒸し、キッシュ、鯛すきなど読んでてお腹が空いてくる。
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ミステリーを読んだはずなのに、心に残ったのは女たちの矜持だった。
˖ ⊹ ࣪ ˖ ☽ ⊹ ࣪
ミステリーとして紹介されることの多い作品だけれど、実際に読んでみると謎解き以上に、女性の強さを感じられて面白かった!
ひとりの作家の死をめぐる真相に翻弄されながらも、それを乗り越えるどころか糧として取り込み、それぞれの人生を前へ進めていく女性たち。
終始お互いを探り合う緊張感のある物語なのに、完全に敵にはなりきれない微妙な距離感が良い。
美味しそうな料理を囲みながら交わされる、女子会のような気の置けない会話がいい具合に緩みを作っていて、とても読みやすく一気読みしてしまった。
そして何より、登場する女性たちがみんな格好いい。
それぞれが自分なりの矜持やプライドを持ち、その強かさに触れることで、自分が女であることを少し誇らしく思えた。
欲を言えば、物語の中心にいる時子自身の魅力をもう少し見たかった気もする。
周囲の人々が長年囚われ続けるほどの存在としては少し物足りなく感じた。
でも、それもまた登場人物たちが過去に縛られるのではなく、それを糧に未来へ進んでいくラストのためだったのかもしれない。
ミステリーとしても面白かったけれど、それ以上に女性たちの生き方や関係性が印象に残る一冊だった。
Posted by ブクログ
全体的に、物書きを生業とする女性の業を感じました。
でも、国文学、文芸評論家、トマトと茄子のスパゲッティのくだりは笑いました(笑)
個々の物書きに対する姿勢やプライドは十人十色、でも共通してみんな命を懸けて向き合っているからこそ、強かで格好良いです。
また、おそらく本人も気付いていない(であろう)魅力や本質に、周囲が冷静に分析し受け入れている描写も素敵だなと思いました。
作家さん一人一人が身を粉にして完成させた作品は、読者である私も真剣に向き合わなければ…!という気持ちになりました!
解説にて最後の説明は納得です。
詳細は省きますが、「小説書くのも読書も、個人的で後ろめたい恥ずかしい行為」……ものすごく腑に落ちました。
確かにリアルでは、読書事情をあまり赤裸々に語りたくないと思ってました。
理由はこれか!(笑)
Posted by ブクログ
ひょんなことから過去の事件を振り返り、その真相を推理していく物語。
展開が二転三転し、正直どれが真実なのか、誰を信じればいいのか分からなくなる場面も多かった。
それでもテンポよく読み進められ、最後まで面白く読めた一冊だった。
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やっぱり不気味で面白い!
最初は登場人物誰が誰だかわからなかったのに、最後はみんなに愛着が湧いた。。。
もう少しみんなの絆というか、事件を経てどう変化したかみたいなのが見れたら嬉しかったし、序盤が怒涛の展開だっただけに後半に物足りなさを感じたりもしたけど、綺麗な終わりかただったしこれがプロなんだろう
作家ってすごい
Posted by ブクログ
亡くなった作家、重松時子を偲んで彼女に縁のある女性5人が一年に一度、木曜日を挟んだ3日間、彼女の家に集うーという設定だけでおもしろそうと思ったし、実際おもしろかったです。
ひとつの家に何日間か集まるというのは恩田陸さんの作品のなかでも「蛇行する川のほとり」「ネバーランド」も似ていて、私はこういう設定が好きなんだなと気づきました。
おいしい食事とお酒を囲みながら女性だけで話すのは楽しいだろうな(この物語の場合は楽しいだけではないけど)。
再読だったけど、どんな展開をみせていたか覚えていなかったので楽しんで読むことができました。
Posted by ブクログ
一瞬で読み終わってしまった…!
美味しそうな湯気がたつ洋食の中で、井戸端会議のようにセンシティブな話題が繰り広げられるのは、自分が彼女らと同性で似たような事をする機会が多いからすんなり読めたのかなと思う。
物書きの彼女たちは空想を広げるが、事実は小説よりも奇なり、という言葉がとても合うなと思った。
彼女たちを殺そうとした真意はなんなのか読者にももちろんわからないが、考えられるようにこの視点での物語進行だったのかなと思った。
Posted by ブクログ
薬物によって亡くなった作家・重松時子にゆかりのある五人の女性が、その死の真相を推理する物語。
ノンフィクションライター、純文学作家、流行作家、編集者、出版プロダクション経営者といった、物書き関連の職業に就いた女性の視点による言葉が、作者の想いを投影しているようで、興味深いものがありました。
また、それぞれのキャラクターを通して、作者の多面性がさりげなく表現されているところにも、心惹かれます。
心理サスペンス的な緊張感と、くだけた女子会を思わせる緩和のバランスも絶妙。
特に、トマトと茄子のスパゲッティのエピソードが面白かったです。
夢中で読んだ。
展開が実に巧妙で、しかしわかりやすく本当に読んでいておもしろい。伏線の回収の仕方もうまい。やはり恩田さんは天才だなと思う。恩田さんの作品はたくさん読んだがいつも最後まで飽きずに読めるのがすごいと思う。また読みたくなる。
Posted by ブクログ
読み応えのあるミステリーでした
思ってもいない展開が続き
最後まで楽しめました
この回のあと書かれた(すでに書かれている)作品を是非とも読みたい
Posted by ブクログ
舞台を観ているかのような1冊だった
ひとつの場所で
変わらぬメンツのみで展開していく
誰が?
自殺?他殺??
目的は?
女子会のような空間
それぞれの思惑
腹の探り合いのような
テーマは深刻なのに
どことなくユーモラスでもあって
次々と 出てくる真相も
なるほどねぇと。。。
軽やかで 読みやすく
あと味の悪くない1冊だった
Posted by ブクログ
登場人物が魅力的で、文章も読みやすくスラスラと読めた。
ずーっと、不穏な雰囲気が続く感じ。
一読しただけでは、すべてを理解できない感覚があるので、何回も読み直したくなる。
Posted by ブクログ
組曲(くみきょく、英語: suite)は、いくつかの楽曲を連続して演奏するように組み合わせ並べたもの。
耽美派小説の巨匠、重松時子の薬物死から四年。彼女と縁が深い5人の女達が、毎年うぐいす館に集まり彼女を偲ぶが、今年は届けられた花束をきっかけに時子の死について大告発•告白大会になり‥
昭和初期の話しのようなストーリーで、テンポよく進み少しずつ解明されていく内容。
舞台のうぐいす館に時子がまるで鳥かごの中にとらわれた鳥だったと、集まった女の1人は発言するが、結局この5人も時子にこそとらわれている。
物書きの習性をよく捉えていて、そこをお互いに化かし合うのが面白かった。
Posted by ブクログ
4年前に亡くなった大作家を偲ぶために、毎年「うぐいす館」に集う5人の女(物書き4人、編集者1人)。彼女らを告発する花束が届いたことで、服毒自殺と思われていた過去の事件が掘り起こされる。
女たちの議論と独白による心理戦が全編を通じて描かれる。小出しにされる真実に自殺なのか他殺なのか二転三転する話に読む側は振り回され、ちょっと疲れた…
編集者えい子の作るお料理がどれも美味しそう!
Posted by ブクログ
なんか、面白いけど絶妙に読みにくい小説だった
登場人物は4人の物書きと1人の編集者で、みんな魅力的なはずなのに中盤までこの人どの人だっけ、、?ってなっていまいち掴めなかった
最後の真相も、うん、、、?て感じ
スッキリ!ではない
Posted by ブクログ
仕事の空き時間にちょこちょこと
読み進めていたので、
5人の人間像が定着するまで
時間がかかった。
結局、死んだ後でも時子に縛られる5人。
実際時子はどういう結末を望んでいたのか?
望んだ形と違ったとしても
5人全員に存在感をしっかりと刻み付け
これからもずっと彼らの中に生き続けるのだから
これが正解⭕。こういう強気な人って、絶対になれないけど羨ましい。時間のある時に一気にもう一度読んでみよ~⤴️
Posted by ブクログ
恩田さんの「ネバーランド」が面白かったのでこちらも読んでみようかと思い立ったのが始まり。
若干こちらと「ネバーランド」の話の構成が似ている(と、私は感じた)。「ネバーランド」は嘘をひとつ混ぜた打ち明け話と前置きがあったので読み易かった。ただ「木曜組曲」は何が本当で嘘なのかが最後までわからない。下手したら全部嘘。本人の妄想。で、なんだかはっきりせず、モヤモヤしてしまった。
Posted by ブクログ
20年以上前に読んだ作品を再読しました。
会話劇は面白いですね。
真実は「事故」だったけれども、未必の故意っていうやつだったんでしょうか。
重松時子役を浅丘ルリ子さんで映画化(ドラマ化?)されましたよね。食事のシーンが印象的でした。
Posted by ブクログ
中盤までの不穏な空気感はよかったが、後半はトーンダウンした感じです。
ここまで二転三転すると驚きより、何でもありのような印象をもってしまいます。
Posted by ブクログ
他者を観察し料理することを得意とする職業の女性5人が4年前に起きた事件について真相を辿る物語。
一人ひとりの異なる分析が視点や思考の違いを際立たせ面白い。
互いを犯人だと疑う心理戦の要素があるため、対話がメインとなっている。
そのため恩田陸特有のミステリアスな世界観が現れていないのが、個人的には物足りないように感じた。あえてそのような雰囲気を取り入れていないのだろうが。
Posted by ブクログ
自殺か他殺か
結局はえい子を殺そうと思ったのに偶然が重なり自分がその毒を飲んでしまうという
かわるがわる視点が変わるけど読みやすかった
表の顔と裏の顔はやはりみんな違うよね
Posted by ブクログ
物書きを生業とする強い女たちのキャラクターが立っていておもしろかった。最後のお互いに上手ウワテをいく展開もかっこいい。けれども親近者の死をテーマにしているにもかかわらず、常に食べ物はしっかりと口にしていて、みんなどことなく他人事で冷静な感じが終始ちょっと不気味な印象があった。最後までその感覚が拭いきれず、誰の嘘にも共感できなかったのがのめり込めなかった要因かもなあ。
一旦真相がわかって落ち着いたときの、えい子さんの「書き直し」が好きだった。
本筋から少しズレるかもしれないけど、つかさが尚美に対して感じた同じ「観察者」としての立場の違いがなんだか面白かった。mbtiでいうと尚美はINFJぽいというか…人の評価を気にする自己肯定感の低い人間がゆえに、興味の中心に他者がくることがなく、自分を介在して他を理解しているのだろうなと。そしてこの感覚は人それぞれ少しずつ違うんだろうと思うと、ここについて他の3人のタイプも描いてほしかったなあと思った。
【彼女は他者と自分を常に対峙させて観察していたことである。つかさの場合、『彼女は林檎が好きで、あたしは葡萄が好きだ』だが、尚美の場合は『彼女は林檎が好きだけど、あたしは林檎じゃなくて葡萄が好きだ』なのだ。】
あとは芦沢央さんのあとがきがよかったなあ。
本を時子を示す名詞と重ねて、
「エネルギッシュで華やかで饒舌な負の引力。」と。
そして、
「たとえどれだけたくさんの人に読まれている本であろうと、本はこっそりと自分だけに世界の理を教えてくれ、見たことのない景色を見せてくれ、感情に名前をつけてくれた。登場人物の心の中にカメラをセットして、その人が目にしている光景から心の動きまでもを追体験させてくれた。」これは読書体験の良さをあらわす最高の表現だなあと思った。
Posted by ブクログ
服毒自●をした小説家の重松時子。
時子に縁のある5人の女たちは、
時子が住んでいたうぐいす館で毎年宴をしていた。
時子の自●から4年。
今回の宴には時子が最後に書いた小説の
主人公の名前とともに謎のメッセージが届く。
それをきっかけに時子に関する告発や告白の嵐に。
時子は本当に自●だったのか?
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なごやかとシリアスの温度差が印象的な作品。
展開はジェットコースター式ではないが、
終始緩やかな上り坂と下り坂が繰り返される。
故にやめどきがわからず、ずっと読み続けてしまう。
Posted by ブクログ
向き不向き 2016年の蜜蜂と遠雷がよかったので手に取った1冊です。年末年始の里帰り時に読んでしまえればと思って読み始めたのですがこれがなかなか難しかったです。ずいぶん前の作品かと調べたところ、やはり1999年と古い作品でした。2004年の夜のピクニックは面白かったです。前後のほかの作品も読んでみたいとは思いました。2016年の蜜蜂と遠雷がよかったので。。。
登場人物の5人が皆女性で誰が誰か覚えられなかった。しかも、その他のキーマンも女性。。。私の壊れかけの脳みそでは追いつけませんでした。
最終的に下記のようにまでは理解しました。
時子:故人
静子:時子の妹
つかさ:?
えい子:食事がかかりの仕掛け人
尚美:?
絵里子:共犯名役者
恩田さんらしい
恩田陸さんのミステリー本。妙な不気味な雰囲気は恩田さんらしさもあり、個人的にファンタジー要素は少なめ。読者を置いてけぼりにしない感じはやっぱり好みです。