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Posted by ブクログ 2022年03月26日
あまり内容をよく分からずに、本屋さんに並んでる本でジャケ買い。
ジャケ買い?タイトル買い?
どちらかと言うとタイトル買いかな。
恩田陸さん好きだしハズレじゃないでしょうと購入。
やっぱり間違いなかった。
面白かったー!
ミステリーなんだけどただのミステリーじゃない。
どんでん返しもある(ここら犯...続きを読む人探しに関してのどんでん返しではない)本当に面白かったー。
やっぱり恩田陸さん好きだなぁ。
Posted by ブクログ 2021年05月05日
美味しそうな食事のシーンがたくさん出てきてそれだけでも楽しめるのに、美しい謎まで詰め込まれている大変贅沢な本です。
何度も読み返している。
静子さんに憧れるなぁ。
Posted by ブクログ 2020年11月27日
場所も登場人物も変わらないのに面白い。互いに疑心暗鬼しながら心理戦が繰り広げられるけども、あくまでも宴の場なので柔和さもある。
芦沢央さんの解説もよかった。
「たとえどれだけたくさんの人に読まれている本であろうと、本はこっそり自分だけに世界の理を教えてくれ、見たことのない景色を見せてくれ、感情に名...続きを読む前をつけてくれた。登場人物の心の中にカメラをセットして、その人が目にしている光景から心の動きまでもを追体験させてくれた。」
Posted by ブクログ 2022年12月19日
凄く好きなストーリーだし、登場人物も魅力的で好きです。タバコ吸う女の人って憧れますよね。めちゃくちゃ好きになりました。特に出てくる料理が手の込んだオシャレなものばかりで良い!ただ6歳離れた妹に見せると渋いって言われるけど、私的には凄く飯テロに近い作品だと思いました!続き出るなら絶対に買う。
Posted by ブクログ 2022年12月04日
あなたは、『嘘』をついたことがあるでしょうか?
そんな質問に、”いいえ”と自信をもって答えられる方はいないでしょう。人は大なり小なり『嘘』と共に生きていると思います。また、”嘘も方便”という言葉がある通り、『嘘』が人と人とのコミュニケーションを上手く回していくこともあります。
友達から誕生日プレ...続きを読むゼントをもらって、その場で開けてみて、似たようなの持ってるなあ…と心で思っても、嬉しい!ありがとう!と答えるのが正解でしょう。時間になったのに来ない彼、”ごめん、待った?”と訊かれて、”ううん、私も今着いたところ”、まあそれが日常になっても困りますが、一回目ならこう答えるのが無難でしょう。そして、珍しく夫が作ってくれた晩御飯、あなたの顔を心配そうに覗き込む夫に向かって、美味しいっ♡ありがとう!どんなに不味かろうがもうこれ一択しか口にする言葉はないでしょう。
私たちは憲法第19条によって内心の自由が保障されています。心の中で何を思おうが、考えようが、それを咎める権利は誰にもありません。しかし、人が集団社会の中で生きる生き物である限り、その内心をいつもそのまま言葉に表すのが正しいわけではありません。なかなかに人の世を生きるのも大変です。
一方で、なんでもかんでも”嘘も方便”として良いのか?と問われる場面も当然にありえます。場合によっては、そんな『嘘』が”虚偽”として重大な罪に問われる恐れだってあるからです。しかし、罪に問われる恐れがあるからこそ、敢えて『嘘』をつくという可能性も生まれ、そこに『犯罪』が成立する余地があります。一方で、それが架空世界を前提にした場合、そこに生まれるのは”ミステリー”小説です。
さて、ここに恩田陸さんが書かれたそんな”ミステリー”小説があります。『どうしてみんなわざわざこんな遠くまで毎年来ているのかしら』と思いつつも一年に一度、四年前に亡くなった一人の女性の家に集まる五人の女性が登場するこの作品。そんな女性たちが、亡くなった女性の死を自殺ではなく、他殺ではないかと訝しがりながら、それぞれに『告白』を繰り広げるこの作品。そしてそれは、『問題は、誰かが噓をついてるってことよ』という言葉の意味するものを垣間見るその先に、まさかの真実の扉が開く瞬間を読者が目撃する物語です。
『また来たわね、ここに』、『入ってしまえば楽しいんだけど、入るまでが抵抗あるのよね、あの家』と会話するのは主人公の静子と絵里子。『出版プロダクションを経営』する静子と『ノンフィクションのライターをしている』絵里子は『木造二階建ての屋根が柔らかな薄緑色をしている』『うぐいす館』という建物へとやってきました。そんな門の前で二階の窓を見て『青ざめた真剣な表情』をした静子を見て『どうしたの…幽霊でも見たような顔をして』と絵里子が問うと『静子はぎょっとしたような顔で』振り向きました。『今、彼女は二階の窓に何を見たのだろう?』と思う絵里子。そして『この家の主人であり、小説家でもあった重松時子が亡くなったのは、四年前の冬のことである』という家へと入る二人。視点が変わり、『うぐいす館』で料理の準備をする『ベテラン編集者』のえい子は『呼び鈴が鳴』るのを聞き、玄関へと走ります。そこには『フジシロチヒロさんという方からお電話でご注文をいただき』と花束を手にした花屋の姿がありました。『重松時子さんの家に集う皆様に』という宛名を伝える花屋にお礼を言って花を受け取った えい子は、そこに『ピンクの封筒』があるのを見つけます。そんなところに『豪勢な花束ね』と、『純文学作家』の つかさが到着しました。再び視点が変わり、『あの時もこんな天気だったわ』と『うぐいす館』へ向かうのは『ミステリー作家』の尚美。そんな尚美はこれから赴く先にやってくる面々を思い浮かべ『どうしてみんなわざわざこんな遠くまで毎年来ているのかしら』と思う一方で、『あたしには目的がある』と『表情を堅く』しながら『呼び鈴を押し』、えい子に迎えられます。そんな えい子に寝具を持ってくるよう言われた尚美は『これはチャンスだ』と二階の『時子の寝室』だった部屋へと向かい『どこ?どこなの?』と探し物を始めます。そして、『みんなジャンルは違うが「物書き」をなりわいとする女ばかり』という五人が揃い食事が始まりました。そんな中で、えい子は花が届いたことを紹介し、封筒を開封しますが、中からカードを取り出すと『不愉快そうな顔にな』ります。『なんて書いてあるの?』と催促され文字を読み上げる えい子。『そこには、小さな字で』、『皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます』と書かれていました。『嫌だわ、どういうつもりなの』と『心底腹を立てている様子』の尚美。『まるであたしたちが時子さんを殺したみたいじゃん』と『口をとがらす』つかさ。そんな中、送り主の『フジシロチヒロ』のことを『時子が最後に書いていた原稿よ。「蝶の棲む家」の主人公の名前だわ』と、えい子が特定します。『フジシロチヒロ ー 確か、最後は妹に殺されてしまう』と言う尚美。そんな時、『がたーん、という音が部屋に響き渡』り静子が椅子を倒して立ち上がりました。『ぶるぶると震えてい』る静子。そんな静子が語り出します。『あたしよ…あたしが時子姉さんを殺したんだわ』。そんな女たち五人が語り合う中で『重松時子殺人事件』に隠されたまさかの真実が明らかになっていく、どんでん返しな物語が始まりました。
“耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された”という先に、”はたして時子の死は、自殺か、他殺か ー ? 長篇心理ミステリー”と内容紹介に煽るようにうたわれるこの作品。鈴木京香さん、原田美枝子さん、そして浅丘ルリ子さんら主演で2002年に映画化もされている恩田陸さんの”ミステリー”作品の代表作にも位置づけられる作品です。当然に”ミステリー”としての面白さはもちろんありますが、それ以外にもさまざまな点から読み味を感じさせる作品に仕上がっています。では、私が読みどころと思った点を三点あげたいと思います。
まず一つ目は、”小説内小説”が登場する点です。小説の中に小説が入れ子になって登場する”小説内小説”は、私が大好きな構成の一つです。小説によってその内容の匂わせ方はもちろん異なります。恩田さんが書かれた作品にも「三月は深き紅の淵を」など、その構成を絶妙に使った作品もありますが、この作品では『四年前の冬』にこの作品のまさに舞台となる『うぐいす館』で亡くなった小説家の重松時子が残した最後の作品「蝶の棲む家」が全編に渡って登場します。『かなり売れたらしい。しかし、その出来は、昔からの時子の読者からしてみれば「凡庸」の一言だった』、『めりはりのあるストーリーでもない』、そして『あたしの印象は「散漫」かなあ』などと、その内容が登場人物によって匂わされていく「蝶の棲む家」。”小説内小説”を取り上げる作品には、辻村深月さん「スロウハイツの神様」の「V.T.R.」などリアル社会に出版されて読むことのできる”小説内小説”も存在します。残念ながら「蝶の棲む家」は、そういったお楽しみは味わえませんが、上記の通り、主人公たちによって作品の内容がマイナス評価されていくところが特徴です。少なくとも私が読んできた”小説内小説”では、このような貶され方をした作品はすぐに浮かびません。一方で、マイナス評価されるような作品であるところに”ミステリー”に繋がる秘密が隠されてもいます。同じように”小説内小説”を登場させても「三月は深き紅の淵を」とは、全く違う使い方でその構成を活かしていくところなど、流石の恩田さんの上手さを楽しめます。
次に、この作品では登場人物が全編で五人のみに絞られているという点です。『みんなジャンルは違うが「物書き」をなりわいとする女ばかり』という、えい子、静子、絵里子、つかさ、尚美の五人の女性たち。もちろん、この作品の影の主役ともいえる故人の重松時子という存在が根底にはありますが、物語に生を得て描かれていく存在はあくまでこの五人から広がりません。そんな五人が『うぐいす館』という閉じられた空間の中で、あれやこれやと『告白』をする中に物語の真相、つまり、重松時子の死の真相が明らかになっていきます。似た構成としては恩田さんの「木漏れ日に泳ぐ魚」を少し彷彿とさせます。物語は、五人が一気に登場することもあって最初は誰が誰だか理解が追いつかないところもありますが、そこは恩田さんです。文庫本276ページという物語の中にそれぞれの性格を見事に描き分けていきます。私は映画は見ていませんが、えい子=加藤登紀子さん、静子=原田美枝子さん、絵里子=鈴木京香さん、つかさ=西田尚美さん、尚美=富田靖子さん、そして時子=浅丘ルリ子さんという配役を思い浮かべるとなかなかに面白い映像が頭の中に浮かぶのを感じました。登場人物が混乱するという方は、この配役を思い浮かべながら読まれるのも面白いかもしれません。
そして、三つ目はそんな登場人物が全員、『みんなジャンルは違うが「物書き」をなりわいとする女ばかり』と描かれていく中に、作家である恩田さんの本音?が顔を出すところです。幾つか抜粋してご紹介しましょう。
・『あたし思うんだけどさ。一生懸命働く女性は美しいのに、なぜか女が小説書いてるところってすごくみっともないよね。不思議と男はそうでもないんだけど。まちがっても恋人になんか見せたくないよ』。
→ 恩田さんご自身が小説を書いていらっしゃる姿をこんな風に感じられているのですかね?『まちがっても恋人になんか見せたくない』って、どんなご様子で小説を執筆されているのか、逆にその執筆風景を見たくなりました!
・『たまにいるじゃん、小説書く時はお化粧してお洒落してって人』 『そうすると気持ち良く書けるのかなあ?誰かやってみて欲しいな。効果があるんならあたしもやる』。
→ 絵里子と尚美の会話ですが、小説家どうしの噂話という感じでしょうか?『小説書く時はお化粧して…』って、まあ、それがお仕事と考えると、会社員が会社に行くのと同じこと、それでいいような?でも自室ですよね?とこの辺りもなかなかに作家さんの日常を垣間見ることのできる面白いやりとりです。
・『作家なんて、いつも自信とコンプレックスとの間を行ったり来たりしてるもんじゃない?あたしもさあ、気力が弱ってる時って、本屋に入るのが怖いのよ… 毎日世界中のあちこちで傑作や話題作をみんな次々書いてるんだって思うと、圧倒されちゃうのよね』。
→ これも面白い独白です。私たちが本屋さんに行くときは、宝の山からさらに光り輝く一冊を見つけるんだ!という楽しみの中にあると思いますが、作家さんはライバルたちの仕事ぶりを見る場でもあるんですね。自分の仕事を同じように考えると、これは楽しい場とは言えなさそうです。人によって同じ場でも意味が異なる場合がある、なるほどなと、なかなかに面白い記述だと思いました。
この作品の読みどころとして三つをあげましたが、それ以上にこの作品が”ミステリー”であるということを忘れてはなりません。『どうしてみんなわざわざこんな遠くまで毎年来ているのかしら』という中に、『うぐいす館』へと作家・重松時子の死後も毎年集う五人の女たち。そんな女たちはそれぞれに何かを隠している様を匂わせながら物語は展開していきます。そんな物語は〈木曜日の前の日・昼過ぎ〉、〈木曜日の前の日・夕暮れ時〉、そして〈木曜日の次の日の午後〉というように『木曜日』という曜日名を含んだ小見出しの章題によってほぼ時系列に描かれていきます。『時子が亡くなったのが二月の第二週の木曜日だったことから、毎年その日を挟んで前後合わせて三日間、彼女を偲ぶ日に』したという『木曜日』。『時子が木曜日という曜日を気に入っていた』ということにも意味を見出す『木曜日』という曜日を前面に押し出しながら描かれてもいくこの作品。そんな作品の一番の”ミステリー”こそ、時子の死が『自殺か、他殺か』という点に端を発する物語です。『明らかに時子の』筆跡による遺書の存在により、『自殺ということで決着がつ』いてはいるものの、それぞれに何かを隠していると思われる五人。そんな五人の一年に一度の集まりの場に『皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます』と書かれたメッセージが届き、さらになぞの電話が、そして…と謎が謎を呼ぶ展開はまさしく”ミステリー”です。ネタバレになるのでこれ以上踏み込むのは避けますが、この作品は恩田さんの作品によく見られる”結末を読者に委ねる”タイプではありません。”ミステリー”作品として、きっちりその結末を描いてくださっています。恩田さんの作品ということでその結末を不安に思われている方には、是非安心してお読みいただければと思います。また、鮮やかなどんでん返し、そしてさらなるどんでん返しと、結末の畳み掛けも見事です。恩田さんの”ミステリー”を探されている方には、上記した三つの点も含め、とてもおススメできる作品だと思いました。
『問題は、誰かが噓をついてるってことよ』と、五人の女性主人公たちが、あれやこれやと『告白』に継ぐ『告白』を行っていく中に、重松時子の死に隠された真相を浮かび上がらせていくこの作品。そこには、『なぜ嘘をつくの?』と、お互いの『告白』の中に『嘘』を感じる面々の戸惑いと、『あたしは知りたいわ』と真実を求め、さまざまに推理を巡らせる五人の駆け引きが絶妙に描かれていました。小説家である主人公の語りに恩田さんの作家としての本音?を垣間見るこの作品。どんでん返しの妙に”ミステリー”の醍醐味を味わえるこの作品。
安定した恩田節が楽しめる安心感の中に、サクッと読める”ミステリー”。なるほど、映画化されるよね、この作品…と感じた一作でした。
Posted by ブクログ 2022年10月02日
作家・時子が薬物死して4年。2月の木曜に集まった女性5人。 送られてきた花束のメッセージ、罪は誰の罪?恩田陸作品の、こういう謎解き会話劇がすごく好き。事実と推理、想像と妄想が入り混じって、誰も信じられなくなる。この5人は時子と血縁者である人とパートナーと、そうではない者がいて、だから時子への想いも違...続きを読むうので、面白い。 崇拝者や傍観者の視点。 どこまで誰が見抜いているのかも、結局1番強いのは誰なのかもわからないところが面白い。
Posted by ブクログ 2022年07月15日
ひとつの奇妙な館での会話劇、腹に一物もニ物も抱えている登場人物たち、
次々と明かされる秘密によって二転三転する展開…と、
今流行りのマーダーミステリーみたいだなぁと思って読んでいたら、
同じ感覚を持ってる方が何人かいらっしゃって嬉しい共感
それにしても、いい具合に屈折しつつ憎めない物書きの女たちの描...続きを読む写や会話が面白すぎる
神秘性と俗っぽさが同居しつつも神秘性が少し上回る感じが大変魅力的なキャラクターたちでした
爽やかな話ではないが、悪巧みをしてニヤッとするような楽しさを感じられる本でした
Posted by ブクログ 2022年06月04日
「蜜蜂と遠雷」と「夜のピクニック」くらいしか読んだ事なかったけど、それらとは全然雰囲気違ってびっくり!
自殺したはずの大物作家・時子の死がほんとに自殺だったのかという真相を探るストーリー。
登場人物が結構多いので初めややこしいけど、それぞれ個性的なキャラなので読み進めるうちに分かるようになってくる...続きを読む。
女同士の心理合戦って感じで、それぞれの本性というか、心のうちが少しずつ暴かれていくようで面白かった。
それにしても女ってやっぱり怖いな笑
他の方も書かれてたけど、ほんと舞台を見てるみたいな気分になる作品でした。
展開が実に巧妙で、しかしわかりやすく本当に読んでいておもしろい。伏線の回収の仕方もうまい。やはり恩田さんは天才だなと思う。恩田さんの作品はたくさん読んだがいつも最後まで飽きずに読めるのがすごいと思う。また読みたくなる。
Posted by ブクログ 2021年12月12日
昔々に映画を見た事があった。
内容はすっかり忘れていたけれど、豪華な館で死ぬ女主人とそれを囲む女たち…みたいなイメージだけはとても残っていて。
ふと目にして手に取ってみたけれど、思わず引き込まれて一気に読んでしまった。文章を書くという独特の世界で生きている女性たちの葛藤とそれによって生まれる複雑な関...続きを読む係性。それでも彼女たちの逞しさは内容に反して清々しいくらい。本を読んでいるとふと自分でも書けたらいいなと思う事があるけれど、とんでもない非凡さがなければ成立しない事だと面白い本話読むたびにつくづく思う。
話の内容に対して意外にも空気は軽いように思うものの、やはりどこか緊迫したまま物語は進んでいき…最後数ページで何度か驚かされることになる。
この後も続くであろうこの逞しい女性たちの活躍が気になるところ。
そして新装版という事であとがきも新しくなっていて、ここ最近2作ほど読んでいた芦沢央さんが書いていた。芦沢さんの「布団の中にライトを持ち込んで隠れるようにして読んでいた様々な本」という文を目にして、自分も小さい頃はそんなふうにして読んでいたのを思い出した。なるほど読書というのはとても個人的な行為なんだと納得。思わぬところであとがきまで楽しめてちょっと得した気分になった。
Posted by ブクログ 2021年07月04日
5人の登場人物、 1人の死を巡って4人の視点が代わりながら話が進んでいく。
こういう話は好きです。意外な結末と思いきや、さらにもう1歩。
「あれまっ」という感じでした。
これが良い結末だったのか、悪い結末だったのかは読み手によるものだけど
私はどっちにも付かず、真ん中って感じでした。
登場人物一人一...続きを読む人に魅力も感じられました。私は…静子が好きだな。
つかさの性格はとても共感できた。私も同じタイプ。
本から離れ約8、9年ぶりに読んだ本がこちらで
恩田陸の本を読んでいるなぁと感じながら最後まで読めた。
久しぶりに読んだ本がこれで良かった。
Posted by ブクログ 2021年06月19日
読むのに時間はかかったけど、内容は引き込まれた。途中、4人の関係性がどうなのかを考えながら読むと疲れるので、一度ざーっと読んでしまうことにした。みんな少しずつ隠していることなどがあり、一体真実はどうなっているの?とページをめくっていった。
読み終わった後は、読み切った自分への賞賛と(笑)、疲労感でい...続きを読むっぱいだった。
この方の著書は夜のピクニックしか読んだことなかったので、全然雰囲気の違う作品で新鮮だった。
昔ドラマになったみたいだけど、今、ドラマ化されるとしたら誰が演じるのかなぁと女優さんの顔を当てはめるて考えたりした。
Posted by ブクログ 2021年06月11日
読んでいると突然語り手が変わったりする。また、登場人物が皆女性で似た響きの人が多いため覚えるまではなかなか読み進められない。
しかし、あの不気味な奇妙さの漂うミステリー感は恩田陸色が強いな、と感じた。私はとても好きな感じ。
次々に様々な真実が浮き彫りになり、それによって変わってくる人間関係図。この本...続きを読むの世界に浸ったらページをめくる手が止まりませんでした。
Posted by ブクログ 2021年05月09日
初めて恩田さんの本を読んだ。
話しの内容は、表向き、女性5人の会話によって、
過去の出来事の死亡事件について真相を
突き止めるというもの。
半分程すぎたあたりから、先が気になりだして
読むスピードが速くなった。
結果的に、偶然にも5人が何かしら関わっていて、
自殺とされていたものが他殺のような感...続きを読むじ。
はっきりとした結果はなく恐らくそうだろう。
女性5人の会話のやりとりがメインで、
どのような決着がつくのか予想できず、
いろいろと思惑が絡み合っていて面白く読めた。
Posted by ブクログ 2020年10月10日
大雨で家に篭ったついでに一気読み。
中年の女たちがうぐいす館で大して動かずに話してるだけなのにすごい疾走感だった。
映画化されているものも観てみたいし、ドラマ化もして欲しいなと思った。
Posted by ブクログ 2020年10月09日
作家・重松時子が薬物死して四年。
毎年、命日近くの木曜を挟んだ日を彼女の遺した家で偲ぶ5人の女性たち。
時子の死は本当に自殺だったのか?
だとしたら、何故?
ミステリなので内容に踏み込むことはやめます。
しかし、5人の女性の社会的立ち位置と、5人の関係性の中での立ち位置がうまく組み合わさって、それ...続きを読むぞれが抱える『嘘』と『真実』が複雑に絡み合って、視点が変わるたびに明らかになる『事実』に肌が粟立つ思いでした。
まさしくこれは、恩田陸版「薮の中」。
全員が時子を尊敬し、慕っていたから集まっていたはずなのに、女って怖いね。
つくづく『愛』も『憎』も『情』なのだと思いました。
Posted by ブクログ 2020年09月08日
一年後の後日談もぜひ見たいなと思った。
時子は自殺か他殺か、うーん、なんだか自滅といった気もするけれど。
でも、この中の誰かが殺したのだとしたら、追い詰めた静子よりも、止めずにこれを運命のようだと思ったえい子なような気がする。
書けなくなっていく時子を時子以上に編集者として悲しんだんだろうな。
重...続きを読む松時子殺人事件を書くよう仕向けたところまで、計算してたのかもね。
Posted by ブクログ 2020年08月14日
『重松時子殺人事件』
そうきたかーー
全員女性、全員物書きの異なる視点が秀逸
恩田先生は外さない
美しくもどこか不穏なタイトルと、新装版のジャケが「うぐいす館」のイメージですき
小説家、重松時子の衝撃的な自殺から4年。偶然にも彼女の死に居合わせた、重松時子の血縁の4人と1人の編集者は、毎年同じ...続きを読む木曜日に集まり彼女を偲ぶ宴を催していた。
時子の死は本当に自殺だったのだろうか?
この5人の誰かが毒を盛ったのではないか?
楽しい宴は時子の犯人探しになり、会話の中に潜む猜疑心と緊迫感
“夢見がちな、妄想を商売とする女たち”の犯人探しは意外な真相と爽快なフィナーレで結ばれる
Posted by ブクログ 2020年04月03日
全員悪くて悪くないような、もやっとするようなすっきりするような話にのめり込んでしまって、あっさりと読めてしまった。
ページ数も少ないので読みやすかったです。
恩田陸って夜のピクニックしか読んだことなくて、
心温まる青春のイメージしかなかったのでギャップにも驚いた。
なんでもっと読んでこなかったんだ...続きを読むろう。
Posted by ブクログ 2020年02月02日
5人の女性たちの舞台を見ているようだった。
頭の中にリアルに映像が浮かんでくるような描写で、引き込まれていく。謎があるのかないのか、あったとしてそれを解明することが正解なのか、そしてその先にあるものは…。一気読み必須の物語だった。
Posted by ブクログ 2023年10月24日
天才と呼ばれた女性作家が自殺した。
彼女に纏わる人間達が彼女を偲ぶために彼女の家に集う。
そこで彼女達は話を始める。
女性作家の死は、自殺だったのか、それとも……?
読みながらずっと思っていたのは「うわー女って怖いー」でした。
登場人物全員女っていう作品を読んだのは初めてだったのですが……故人を偲...続きを読むぶ会にも関わらずまぁ出るわ出るわ各々の今まで抱え込んでいた色々な鬱屈。
まぁ確かにねー、みんな腹の底では色んなこと考えながらニコニコ笑ってるものではあるけどねー。
それにしたって怖い。怖すぎる。
そして怖さと同じくらい強かな存在でもあるんだなぁと。
結局彼女達は最初から最後までずっと故人である天才女性作家に振り回されているんだけども(多分これからも)、やっぱり本物の天才と言うのはいるだけで周りを巻き込んでしまう磁場のようなものを放つものなんですかね。
「天才は凡人を駆逐する」みたいなセリフが出てくるんですが、ことクリエイティブな仕事に関してはそうだろうなぁと思わず頷いてしまいました。
Posted by ブクログ 2023年07月09日
小説家時子が薬物で亡くなって4年、時子と縁深い5人の女が偲ぶ会で交錯する話。時子の死は自殺か他殺か、5人の隠し事は何か、語られるのは真実か創作か。薄氷を踏むような空気感が凄い好きで、不穏と和やかを絶妙なバランスで保ってて、このゾワゾワ感!流石恩田陸さんやなぁ。
Posted by ブクログ 2023年05月12日
☆☆.5
4年前に自宅の自室にて薬物死した作家、重松時子。
彼女が永眠したその日、居合わせた5人の女達。
命日に近い木曜日を挟んだ3日間を時子の屋敷「うぐいす館」で過ごし、時子との思い出に浸ることが恒例となっていた。
果たして時子は自殺だったのか。
もしくは5人の中の誰かによって…。
5人それぞれの...続きを読む胸にある秘めたる想い。
本音を隠したままに今年も3日間が過ぎてゆくのか。
しかし差出人の分からない花が届いたことで、これまでとは違う時間が動き始める。
ついに語られるそれぞれの時子への思い。
綻び始める5人の関係。
時子を死へと至らしめたものが明かされる時、5人は何を思い何をするのか。
一人ひとり、時子との思い出が順に語られて行くスタイル。館の中で交わされる、あーだこーだの会話によって物語はすすむ。めっちゃ面白いと言うことはないのだけど、ミステリーあるあるの「そんなタイミングある?」の〝うまい作家〟の〝良くできた作品〟である。と思う。
今年の8冊目
恩田陸さんのミステリー本。妙な不気味な雰囲気は恩田さんらしさもあり、個人的にファンタジー要素は少なめ。読者を置いてけぼりにしない感じはやっぱり好みです。
Posted by ブクログ 2021年11月03日
*
「あたしが時子姉さんを殺したんだわ」
*
小説家の時子が死を遂げてから四年。時子に縁の深い女たちが今年も集まった。そこに届いた花束とメッセージに、暴露大会が始まる。はたして時子は、自殺か、他殺か?
.
読み進める度に新たな真相が分かり、どこまでが仕組まれたものなのか、誰がどこまで演じているのか不...続きを読む思議になっていった。食卓を囲む場面で物語が進展していく様子がリアル。
.
Posted by ブクログ 2021年07月30日
4年前の2月の木曜日、小説家の巨匠、重松時子が自宅のうぐいす館で薬物死した。捜査の結果、自殺とされたが、その時うぐいす館に集っていた女性5人は毎年、命日の木曜日をはさむ3日間をうぐいす館でともに過ごしてきた。
しかし、4年目の今回は少し様相が異なり、時子の自殺を疑っている彼女たちは、それぞれの記憶を...続きを読む語り、真実を明らかにしようとする。
5人はそれぞれの考察を交えながら順番に話していくが、誰かの話を聞く度に、犯人像が違って見え、誰が犯人なのか、真実は何なのかわからなくなり、時に不安に陥る。
そして、最後には、時子自身が彼女たちを殺害するために用意していた毒入りの水を、いくつかの偶然の結果、誤って飲んでしまい、亡くなったのだと結論付ける。
恩田陸のミステリーには、最後までハラハラドキドキさせられ、本当に惹き付けられる。
Posted by ブクログ 2021年05月07日
小説家だった重松時子を偲ぶために毎年一度毎日付近の木曜日に集まる物書きの女たちのミステリー
編集者で同居してたえい子
主婦で人気小説家の尚美
純文学賞を受賞したつかさ
ライターの絵里子
社長でエッセイとかを書く静子
↑この5人が登場人物なんだけど、時子との関係性とかが遠い親戚だったりで、ややこし...続きを読むくて前半は誰が誰かよくわからないまま読んでた
みんな時子に影響されて書く仕事をしてる人たちだから観察眼が鋭くて賢い
時子は結局自殺だったのか他殺だったのかの真相に迫るって感じの話
ずっと二転三転する感じだからどう終わるのかと思ったらえい子がみんなに時子の話を書かせるためにいろんな工夫をしてたっていう意外な展開だった
Posted by ブクログ 2021年04月09日
舞台みたい。
テーブルを囲んで、料理やアルコールで中断されながら、または同時進行で、新しい事実が出てくる。なんかリアル。終わったような終わってないような、余韻残る終わり方。。。
解説すき。芹沢央さん。
「たとえどれだけたくさんの人に読まれている本であろうと、本はこっそりと自分だけに世界の理を教えて...続きを読むくれ、見たことのない景色を見せてくれ、感情に名前をつけてくれた。登場人物の心の中にカメラをセットして、その人が目にしている光景から心の動きまでも追体験させてくれた。」
Posted by ブクログ 2020年05月05日
「うぐいす館」に集まる女5人。過去の「死」について、美味しいものを食べながら、呑みながら「告白」していくお話。真相が分かった!と思えば次の瞬間、また違う真相が分かり、、、エピローグでも気が抜けなくて、ずっと面白かったです!