あらすじ
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か──? 傑作心理ミステリー。
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Posted by ブクログ
全体的に、物書きを生業とする女性の業を感じました。
でも、国文学、文芸評論家、トマトと茄子のスパゲッティのくだりは笑いました(笑)
個々の物書きに対する姿勢やプライドは十人十色、でも共通してみんな命を懸けて向き合っているからこそ、強かで格好良いです。
また、おそらく本人も気付いていない(であろう)魅力や本質に、周囲が冷静に分析し受け入れている描写も素敵だなと思いました。
作家さん一人一人が身を粉にして完成させた作品は、読者である私も真剣に向き合わなければ…!という気持ちになりました!
解説にて最後の説明は納得です。
詳細は省きますが、「小説書くのも読書も、個人的で後ろめたい恥ずかしい行為」……ものすごく腑に落ちました。
確かにリアルでは、読書事情をあまり赤裸々に語りたくないと思ってました。
理由はこれか!(笑)
Posted by ブクログ
やっぱり不気味で面白い!
最初は登場人物誰が誰だかわからなかったのに、最後はみんなに愛着が湧いた。。。
もう少しみんなの絆というか、事件を経てどう変化したかみたいなのが見れたら嬉しかったし、序盤が怒涛の展開だっただけに後半に物足りなさを感じたりもしたけど、綺麗な終わりかただったしこれがプロなんだろう
作家ってすごい
Posted by ブクログ
一瞬で読み終わってしまった…!
美味しそうな湯気がたつ洋食の中で、井戸端会議のようにセンシティブな話題が繰り広げられるのは、自分が彼女らと同性で似たような事をする機会が多いからすんなり読めたのかなと思う。
物書きの彼女たちは空想を広げるが、事実は小説よりも奇なり、という言葉がとても合うなと思った。
彼女たちを殺そうとした真意はなんなのか読者にももちろんわからないが、考えられるようにこの視点での物語進行だったのかなと思った。
夢中で読んだ。
展開が実に巧妙で、しかしわかりやすく本当に読んでいておもしろい。伏線の回収の仕方もうまい。やはり恩田さんは天才だなと思う。恩田さんの作品はたくさん読んだがいつも最後まで飽きずに読めるのがすごいと思う。また読みたくなる。
Posted by ブクログ
恩田さんの「ネバーランド」が面白かったのでこちらも読んでみようかと思い立ったのが始まり。
若干こちらと「ネバーランド」の話の構成が似ている(と、私は感じた)。「ネバーランド」は嘘をひとつ混ぜた打ち明け話と前置きがあったので読み易かった。ただ「木曜組曲」は何が本当で嘘なのかが最後までわからない。下手したら全部嘘。本人の妄想。で、なんだかはっきりせず、モヤモヤしてしまった。
Posted by ブクログ
20年以上前に読んだ作品を再読しました。
会話劇は面白いですね。
真実は「事故」だったけれども、未必の故意っていうやつだったんでしょうか。
重松時子役を浅丘ルリ子さんで映画化(ドラマ化?)されましたよね。食事のシーンが印象的でした。
Posted by ブクログ
自殺か他殺か
結局はえい子を殺そうと思ったのに偶然が重なり自分がその毒を飲んでしまうという
かわるがわる視点が変わるけど読みやすかった
表の顔と裏の顔はやはりみんな違うよね
Posted by ブクログ
物書きを生業とする強い女たちのキャラクターが立っていておもしろかった。最後のお互いに上手ウワテをいく展開もかっこいい。けれども親近者の死をテーマにしているにもかかわらず、常に食べ物はしっかりと口にしていて、みんなどことなく他人事で冷静な感じが終始ちょっと不気味な印象があった。最後までその感覚が拭いきれず、誰の嘘にも共感できなかったのがのめり込めなかった要因かもなあ。
一旦真相がわかって落ち着いたときの、えい子さんの「書き直し」が好きだった。
本筋から少しズレるかもしれないけど、つかさが尚美に対して感じた同じ「観察者」としての立場の違いがなんだか面白かった。mbtiでいうと尚美はINFJぽいというか…人の評価を気にする自己肯定感の低い人間がゆえに、興味の中心に他者がくることがなく、自分を介在して他を理解しているのだろうなと。そしてこの感覚は人それぞれ少しずつ違うんだろうと思うと、ここについて他の3人のタイプも描いてほしかったなあと思った。
【彼女は他者と自分を常に対峙させて観察していたことである。つかさの場合、『彼女は林檎が好きで、あたしは葡萄が好きだ』だが、尚美の場合は『彼女は林檎が好きだけど、あたしは林檎じゃなくて葡萄が好きだ』なのだ。】
あとは芦沢央さんのあとがきがよかったなあ。
本を時子を示す名詞と重ねて、
「エネルギッシュで華やかで饒舌な負の引力。」と。
そして、
「たとえどれだけたくさんの人に読まれている本であろうと、本はこっそりと自分だけに世界の理を教えてくれ、見たことのない景色を見せてくれ、感情に名前をつけてくれた。登場人物の心の中にカメラをセットして、その人が目にしている光景から心の動きまでもを追体験させてくれた。」これは読書体験の良さをあらわす最高の表現だなあと思った。