小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ初めての読後感。とにかくリアルな本だった。
バブルを経験してないが、バブル期に激動する不動産業界の生々しさが鮮明に伝わってきた。
就職先に不動産業界やめとこう笑笑
一ノ瀬さんと青子が不倫関係になるのではなく、最後はけじめをつけて終わるのが一ノ瀬さんの生涯の堅実さをしっかりと表していてリアルだった。
まあ、なんといってもただ手を繋ぐだけ、ただ目を合わせるだけその一つ一つのちょっとした関係性の変化を官能的に描写できる著者の腕がすごい…
読んでいるこっちまでドキドキする本だった。
好きな人を心に秘めながら他の人と結婚する感じがめちゃくちゃリアルすぎた…広瀬、同僚の男、一ノ瀬、
全員一番好きな人と -
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戦後間もない日本。敵が敵ではなくなった今、どう生きていくのか?迷う日本人を導くべく、GHQに選ばれし四人の若い女性たち。四人は育った環境も性格もバラバラですが、みんな戦争で家族や大切なものを失い深く傷ついて、、、
そんな彼女たちの教師となった日系2世のリュウ・サクラギさんと彼女たちの悪戦苦闘の日々に、私は笑ったり涙ぐんだりしながら、物語に惹き込まれていきました。
レッスンの期間として与えられた半年間で、様々な事件や体験を経て彼女たちの心が一つになっていく姿や、夢に向かって進もうとする姿、サクラギ先生との絆が強くなっていく様子がジワジワと伝わってきました。
そして、最後の1行まで目が離せ -
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【自分自身の残りの人生について考えさせられた】
残りの人生を売ってしまった。その彼は、絵を書くことが好きだったが、全員に好かれる絵を書こうと思うと、絵を嫌いになってしまった。自分が好きな絵を書くこと。
そして、何か特別な事をしようとするのではなく、目の前の事に対して「堅実に行う」。これが人生をよりよくしてくれる。
身近な人のSOSを感じ取ることもできる。特別な事をしてやろうと思うのではなく、堅実な事を行う。
【活かせる事】
・生きれる日数が決まっている→必死に生きようとするし、人生に意味を見出そうとする。
=
・作業の締切を決めている→その時間までに必死に終わらせようとする。
・目の前 -
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棋士、フィギアスケーター、作家など天才とその観測者との物語。天才たちとの交流によって、生き方に思いをはせる連作短編集。
額賀澪氏の作品は初めてだったが、どの話も良かった。特に個人的には『カケルの蹄音』が良かった。この作品だけ、天才の度合いが違う気がした。
この短編集に出てくる天才たちは、全盛期を過ぎていることが多い。競技や分野によって輝ける時間が違うからだ。
特にフィギュアスケートといった低年齢の時期に全盛期が来る競技などでは、人生という目線で見ると『天才』以降のほうが圧倒的に長い。
この「天才」ではなくなってからの変化を扱っているのは、とても興味深かった。
「天才」は、自分よりも才能のあ -
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いやー面白かった。圧倒された警察大河小説です。
物語は50年前に起きた凄惨な一家殺傷事件に関与していたと思われる男性が、アパートで亡くなっていたところから始まります。50年前に起きた事件は未解決であり、昭和・平成・令和と時代を経て、捜査を担当した刑事の思いが繋がれていく過程が詳細に描かれています。50年前に起きた事件は、時代背景や多くの人間関係が関与しておりなかなか複雑でしたが、ラストの伏線が回収されていく過程はお見事です。
内容はもちろんのこと、登場人物も魅力的で、それぞれの時代で事件を解決しようと愚直に捜査する刑事たちの熱意に胸が熱くなりました。思いの継承が事件の解決に繋がる。昭和の時代に -
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面白すぎて連続して2周読みました!!
年齢、性別、ジェンダーなど、様々な立場の人からの視点で、とある性被害告発事件を描いた物語。
こう書くと最近ありがちなテーマと思われがちですが、そこは金原さんの作品らしく、パンチがありすぎるキャラクター達によって刺激的な小説になっています。
どのキャラも、現実にいそうで、でも小説で客観視すると「うっ」となる要素があり。かつ、自分の中にもこういう考えあるかも、、、。と思わせてくれる絶妙さ。
かなりエグい描写もあるのですが、金原さんの文体はどこかラップにも感じるリズミカルさがあるため、ユーモアをあります。
もう一度最初から読み直そうかな。 -
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面白かった。
ジャンルとしては恋愛モノ。
ある日、主人公は彼氏から「他に好きな人ができた」と言われる。そこで「あ、そうなの。じゃあさよーなら」とならないのが小説で、なんやかんやあって主人公は彼氏にめちゃくちゃ悩まされる。
この小説はその「なんやかんや」の展開を作りだすのが非常に上手だと思った。物語として読む分には楽しいけれど、現実世界だったら確実に病むだろうなという展開がいい。
文章もお上手で、ページ数的には450ページくらいあるのにすらすら読めてしまった。
ラストも痛快。絶対バッドエンドだろうなと思っていただけに、いい意味でこちらの予想を裏切ってくれた。
あとこの小説を読んで思った -
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第1話 一郎太が死んだ。妻の瞳は中学校の同級生である健児と再婚。一郎太の母の静江が、瞳に連絡をしてくるが、瞳は静江との付き合いを嫌がるので、健児が見れなくなったテレビの手配をしてあげる。
第2話 瞳は一郎太の愛人だったという女に呼び出されて、一緒に高級フレンチのランチを食べる。一郎太が本当に浮気していたかどうかは誰にもわからない。瞳は愛人だった女を本当に嫌なヤツだと思う。
第3話 静江は日本語を習いたい外国人とスカイプで先生役をすることになった。健児がいろいろお膳立てをする。静江は健児と会話しながらも、一郎太のことばかり考えている。
第4話 健児のドラマのシナリオを読んだ瞳は、再婚は悪い -