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藤原竜也・綾瀬はるか他、豪華キャスト出演の映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」原作小説としてご存知の方も多いのではないでしょうか。作者である米澤穂信といえば、TVアニメ「氷菓」の原作シリーズ「古典部シリーズ」をはじめとした“小市民シリーズ”など、人の死なない日常系ミステリを得意とするイメージがあります。しかし、本作ではそれらと全く雰囲気を異にする命がけの犯人当てゲームが繰り広げられます。
舞台はクローズド・サークル「暗鬼館」。12体のネイティブアメリカン人形やノックスの十戒など、作中に散りばめられた本格推理小説へのオマージュも満載。一見すると“館もの”要素を取り入れたフーダニット(殺人者は誰だ?)の正統派ミステリかと思いきや、ロボットが登場したり主人公や名探偵キャラがまさかの展開に!ウルトラCに脱帽です!(書店員・こしあん)
Posted by ブクログ
高額報酬に惹かれて集まった参加者たちが、閉ざされた暗鬼館で極限状況に置かれていく心理サスペンスとして、とても読み応えがあった。特に印象に残ったのは、結城の視点で進みながらも、登場人物それぞれの思惑が少しずつ見えてくる構成。終盤に向かうほど作品全体の緊張感が増し、読者として「誰をどこまで信じるべきか」を常に考えさせられ、とても面白かった。
また、須和名の存在感が独特で、前面に出続けるタイプではないのに、ふとした場面で空気を変える不気味さが強く記憶に残る。
全体として、派手な演出だけで押し切るのではなく、人間の疑念や欲望を丁寧に積み重ねていくタイプの作品で、先の読めなさと不穏さが楽しめた。
Posted by ブクログ
『インシテミル』=「淫んしてみる」というタイトルの意味が最初は分からなかった。でも、米澤穂信さんによると、「ミステリーの楽しさにどっぷり浸かって、読者と一緒に大真面目に遊んでみよう」という思いを込めて付けたタイトルだそう。読み終えて、そのタイトルに込められた意味が少し分かった気がした。
物語は、高額な報酬と引き換えに、殺人が許された閉鎖空間で12人が過ごし、心理戦を繰り広げるデスゲーム。武器まで用意された極限状態の中で、「誰が誰を殺したのか」という謎を追っていく。
「ある人文科学的実験の被験者になるだけで、時給11万2,000円」そんな破格の求人があったら、普通なら怪しすぎて応募しない。でも、もしどうしてもお金が必要だったら……。そう考えると、この設定が急に現実味を帯びてくる。これは「闇バイト」に少し似ているのかもしれない。「高額報酬」という甘い言葉の裏には、何か危険なものが隠れている。
前半は登場人物が多く、誰が誰なのか少し分かりにくかった。デスゲームと聞いて想像していたほどの緊張感はなかったけれど、「誰が犯人なのか」を考えながら読む楽しさはあった。
そして、この作品の魅力は、最後まで「ただでは終わらない」ところ。ラストに残る不穏な空気と、人間の欲や弱さを感じさせる重い余韻。イヤミスのような、じわっと嫌な怖さが残った。
Posted by ブクログ
舞台設定や、それぞれに配られる固有の凶器といったデスゲームとしてのワクワク感があり、エンターテインメント小説としては結構面白かった。
ただ、デスゲームのルールがガチガチに固まっているのが裏目に出ているように感じる。謎解きが「複雑なパズルのピースを手探りで探していく」ようなスリルに乏しく、どこか消去法的にピースを埋めていくだけの作業になってしまっており、トリックに対する驚きなどは全くない。
このようにミステリー要素が物足りなかった分、人が殺されても、犯人が分かっても、心の底から引き込まれるような衝撃はなく「へーそうなんだ」くらいの感想しかなかった。そのため、解決編に差し掛かってからの失速感は否めない。
トータルで見れば、本格ミステリーというよりも、人狼ゲームを傍から見るエンターテインメント。
Posted by ブクログ
飛行機の中で一気読みした。面白かったけど、ある種の殺人ゲームの話なので一時期流行った系だという理解。
車が欲しくて怪しいバイトに参加するようなちょっと抜けている主人公の結城だが、実はミステリー好きだし割と鋭いところもある。ただダメな奴ではないという人物描写がいい。
他に出てくるキャラもいい。カップルの大迫&若菜とか、美しいのに性悪な箱島など、キャラクターが生き生きしていて読んでいて面白い。
最後まで、ヒロイン?的なポジションの須和名はいけ好かない奴だなあと思ったのと、どう見ても普通の参加者ではない感はあった。
時給10万円超えという破格の待遇の中、お互い知らないもの同士なのになぜ殺し合おうとするのか?単なる犯人探しをするミステリー小説ではなく、そうなる仕組みを雇用主の「主人」がどうやって作ったのか、そしてヒトを殺さねばならない動機を与えられた中、個々はどう考え行動するか?
もう少し個々が参加した背景描写や生い立ち、なぜそこまで追い込まれたのかという説明があったらよかったな、とは思った。
最後に結城が計算して導いた答えと、そこから明らかになった「報酬の仕組み」の部分が面白かった。読み応え十分だけど、やっぱり沢山死ぬ話はちょっときついなあ。
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