【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 千利休とその妻たち(下)のレビュー

あらすじ

反権力とキリスト教など、著者の歴史観、人間観、信仰観をより深めた作品といわれる歴史ロマン大長編。

キリスト教に帰依したおりき(のちの宗恩)とやっと夫婦になった利休(宗易)だったが、権力を握った秀吉にとって茶の湯は使命を終えたものでしかなかった。無形の自由、精神の自立、心の昇華を追求する利休の運命は・・・。そして、それを支えるおりきは・・・。著者の歴史観、人間観、信仰観をより深めた作品といわれる歴史ロマン大長編。

「三浦綾子電子全集」付録として、著者がアマチュア将棋誌『将棋ジャーナル』に寄稿したエッセイ、伊豆大島にて静養中の写真を収録!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

本当に、お互いに必要な存在であれば、諦めなければ、何年待っても、どんなに離れても必ず一緒にいることができる。

神様は全てを完璧なタイミングで与えてくださる。もう少し早く出会っていれば、そうではない。今出会えたことに神様の大きな意思を感じる。

千利休はひたすらに茶の湯の道に生きたかった。それを理解してくれる人、高めてくれる人、同じ方向を向いて生きて行く伴侶として、おりきを神様が与えてくださったと思う。

どれだけ裕福に暮らしていてもお稲は最後まで幸せではなかっただろう。
しかし、お稲の態度は現代でも、私を含めて誰しも心当たりがあるのではないだろうか。

逆に言うと夫を尊敬し、一番の味方でいれば千利休がおりきと結婚することは無かっただろうし、お稲も幸せのうちに生きれたであろう。

0
2024年09月09日

Posted by ブクログ

この本を読む事によって宗恩が帰依したキリスト教について勉強しようと思った。
どのような教えがあれば心が強くなれるのだろう?
今世間を騒がせている宗教の教えに心頭する人がいるのは何故だろう?まだまだ疑問ばかりだ。

司馬遼太郎の石田三成像が自分にとってのイメージだったので、この本での描かれ方に悪意を感じた。
司馬遼太郎の本を再読して千利休の描かれ方を確認しようと思う。

0
2022年11月14日

Posted by ブクログ

後妻の宗恩がキリシタンであったことが、利休の茶道へ少なからず影響を与えていたという設定が面白かった。世の中が平定されていく中で、武器を扱う堺商人の力がそがれていくという時代背景が良く分かった。権力に近づくことで、利休の茶は後世に残せたが、同時に命を落とす事になったことが印象的である。

0
2013年12月30日

Posted by ブクログ

利休の死に涙した。
彼の茶に対する姿勢は神を信仰するのと同じものなのだと感じた。
茶道を始めようと改めて思う。
形骸化した茶ではなく、道としての茶。

違う視点からの利休の姿も追ってみたい。

0
2013年02月11日

Posted by ブクログ

読んでいると、
茶の湯もキリスト教も、仏教も、
根にあるものというか、
人が人生に求めるものは一緒なのだろうと思った。

0
2012年10月18日

Posted by ブクログ

千利休、おりき、おぎんなど家族たちが、秀吉の天下統一に伴い、段々と権力闘争の渦に飲み込まれていくさまが、見事に表現されています。
権力、文化のアイデンティティとして位置付けられていた茶道を追求していく利休の葛藤がそこにはありました。
歴史小説、また世界観など、素晴らしい作品です。

0
2022年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻には利休が秀吉と出会いその茶頭となり、世に名を馳せ、切腹でその生を終えるまでがドラマチックに描かれており、ページを捲る手が止まらず一気に読み終えた。利休と秀吉の立場や心境の変化、利休の立場が上がるにつれ生じる秀吉の側近との摩擦、おりきと心の通った夫婦関係、茶の湯を通して築いた師弟関係、そして茶の湯に対する真摯な姿勢が三浦綾子氏の筆で鮮やかに描かれている。

0
2021年10月20日

Posted by ブクログ

千利休のことは殆ど知らずに三浦綾子さんの作品を久しぶりに読みたくなり手に取った。やはり素晴らしい小説、読み応えがあった。茶人として生き抜いた利休と支える妻おりき。紹安と少庵…おぎん、お亀、秀吉…どの登場人物も魅力的だった。

0
2020年09月06日

Posted by ブクログ

綿密な調査に基づいた史実と創作の混成は流石。千利休の凄絶な最後は茶道に参じる者として矢張り格好良い。後半は史実として明らかになっている部分が多い所為か、その説明が主になり創作要素が減ったのが唯一残念な点。事実は小説ほどエキサイティングではない、といったところか。それでもなお、利休の生き様は見事。

0
2014年02月26日

Posted by ブクログ

ガラシャ夫人よりはキリスト教色が弱く読みやすかった。
利休の考えで私も心に覚えて置きたい事は、常におごり高ぶらないない事、反省する事、新しいものを発見しようとする心、かな。茶道が宗教と同様だとは思っていなかったので茶道にも興味が出た。

0
2013年03月04日

Posted by ブクログ

千利休の後半生を豊臣秀吉はじめ天下の流れの中心にいた人たちとともに語る。欲や憎悪に流れそうな利休を都度、妻のおりきが支える。11.11.9

0
2011年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当時の人々の価値観や生活そして恋愛が巧くまとめられている。

美談へと仕立て上げたいのは人間の性なのだろう。
それを必要としている人もいるから、需要あるところに供給あり、
というところか。

綺麗に締めくくる為には、実際どう在ったか、ではなく、
どう見られていたか、が結局のところものをいう。

0
2011年01月07日

Posted by ブクログ

全く知らなかった茶道の世界の奥深さを知った。
日本人の繊細な生き方が如実に現れる茶道に
感動した。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

戦国の世は理不尽で、権力ある者が好き勝手していて大変だなぁと思いましたが、これ今の時代も同じですね。。。
恐れるのは上の人間でなく天主(デウス)ですね。この信念を貫くのがまた難しい。地位やお金に流されるほうがよっぽど楽。命が惜しくないと思える心の平安はいつ持てるでのしょうか。返すので付箋をつけた所を見てみてね。

0
2025年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔の感覚(婚姻関係、家族関係、主従関係)について行けず、読み終わった自分を褒めたかった。

千利休は、出世欲みたいなものもあり、センスがあり、柔軟で、たくさん女性と関係していたとは、茶道のレジェンドにはあまりイメージできなかった。そしてあのラストの猛々しさよ。いい女と結婚して、さらばじゃ、なんてスーパーマンか、と嫉妬もした。なぜ切腹の後介錯しないの、晒した首を見に行く一般人たち。ありえん。昔についてけん。

そんな中で、心を鷲掴みにしたのは、「こんてむつすむん地」。
なにこのタイトル、これを読みたいわ。

0
2022年05月14日

Posted by ブクログ

宗易とおりきのやりとりにわくわくできると思いきや、秀吉はじめとした武将のあまりに酷い振舞いに憤りまくる。
小説でありながら感情が乱れて仕方ない。
読んでてちょっとつらかった、、

0
2021年05月17日

Posted by ブクログ

下巻はいよいよ利休が政治の表舞台に登場します。茶の湯の精神を奉じながら、ともすれば権力欲に傾く人間くささ、というか男くささがあり、面白く読みました。また、夫の仕事であり人生の道であるものを理解し陰ながら支える妻おりきには、古風ではありますが、あるべき伴侶の姿を思いました。

0
2016年01月20日

Posted by ブクログ

三浦綾子さんの本が好きで読みました。
歴史にはあまり詳しくないですが
千利休の人間性にとても興味が持てる内容でした。
妻おりきがキリスト教信者ということでしたが
内容的にはキリスト教色は強くなかったと思います。
おりきとの強く結ばれた信頼関係、
茶の道と権力への葛藤、利休なりに貫いた信念。
人間臭さと卓越したカリスマ性を持つ利休のその人生は
共感できると同時に、尊敬に値するなと関心しました。

0
2014年03月14日

「歴史・時代」ランキング