小説・文芸の高評価レビュー
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まるで毎週続きが気になるドロドロ系ドラマのようだが、つい先が気になる面白さだけでなく、読みながら色々考えさせられた。
お金は人を変えてしまう、その一方でお金で人を変えることはできないとも思った。
人は大なり小なり他人に言えないことがあるだろうし、梨花の話は額が額だけに身近には感じないものの、全く別世界の話ではないと思えてくる。
そういう意味で、自分と違う人生を疑似体験できるのが小説の醍醐味と改めて感じることができた。
読んでいる最中だけじゃなく読後も深く考えさせられるところが多く、(でも決してイヤな感覚とかモヤモヤではなかった)人生の中で記憶に残る一冊だなと感じたので、☆5にした。
他 -
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ネタバレ初め読んでるうちに、あれ?章とかないと気付いたが、テンポよく読めた。物語がどんどん流れ込んでくる感じ。「読みたい」「書きたい」に分かれたときの衝撃。「読むだけ」でもいい。意味として外に出した嘘を取り入れて、ひとつの人生では限界のある意味を増やしていく。それが小説。自分が小説をはじめとして、映画やドラマ等物語が好きな理由。中でも小説は受け取り側の自由度が大きい。素晴らしき小説の世界。後半のファンタジー展開に少し戸惑ったが、同じ地平にいると思ってたがここは小説の中の世界なので何でもアリでもあるというのを思い出させる、寧ろ小説の醍醐味的仕掛けに感心する。
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古典海外ミステリーにハマった最初の作品。
旧訳は持っているけど、新訳も読み比べのために一緒に本棚へ。
11.12月が設定時期なので、ホリデーシーズンの前に読めるとよりうきうきする。
改めて読み返すと、裏の主人公は「グリーン家の館」そのものであると言える。ヴァンスも繰り返し言っているように、空間自体と流れている空気、堆積した想いや感情が人に作用して事件を起こしていくかのよう。
雪の降り積もる静かな夜の館、誰も立ち入れない開かずの間、車で駆けるニューヨークの街並み。
印象的な場面が多く、浮世離れした登場人物も相まって、100年前の時代の空気を感じられるのが楽しい。
トリックの妙を追求するのとはま -
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本当に素敵な本に出会えました。
こんなことして、なんの意味があるの?
面倒くさい、面白くない。
どうして勉強しなくちゃいけないの?
自分も含めてだけれど、こんな疑問はたくさんの人が持っている、または持っていたと思います。
しかし、そのような疑問をぶつけられて、大人は、子どもが本当に納得できる答えを出来てきたでしょうか。
この小説で、ストンと腑に落ちました。
なぜ面倒くさいことをやらなければいけないのか、ということが、勉強に限らず、考え方、生き方にまで及び、ひとつひとつ、しっくりくるのです。
研究所に籠ったきりの父親の幸一郎が息子の隼人に残していったロボット『UG(ユージ)』によって、隼人の意 -
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日本在住の北朝鮮籍の人が『帰還事業』で1959年12月14日の第一次船から1984年まで約9万人、集団移住した話です。とにかく強烈な追体験ができます。3部立てとなっていて、1部は第一次帰還の前に、日本に住み帰還を勧めていた側の在日高校生の目線で語られます。この部分が一番話も進まないし、移住しても絶対に幸せにならない未来を私たちは知っている上、当時の非人道的な在日差別を追体験し、読むのが辛いです。
第2部は1部で語り手だった孔仁学の親友、勇太が体験していく、移住後の帰還者たちの暮らし。とにかくここが壮絶を極めているので、恐ろしいのに読む手を止められません。そして、短めの第3部は日韓共同開催ワール -
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くどうれいんさんの食エッセイ。読んでいて食べたいと思ったものが沢山あった(*´﹃`*)萩の月、ねぎとろ、うーめん、シンプルなたまご丼…。
『萩の月のキャッチコピーには、「まごころをかたちに。」とある。そうか、まごころのかたちとは、クリーム色で、ふかふかのまんまるだったのか。私も萩の月のような明るいまごころを胸に持って暮らしたい。-萩の月- 』
『何を食べたらいいのかわからずにしゃがみ込んでしまうような日が来たら、前にそうやって泣きそうになった自分が何を食べていたか思い出してみるといい。…おいしい、と思う。おいしいから大丈夫、と思う。そうやって明日を迎えられる。-ねぎとろ-』
自炊をするこ -
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「百年の時効」(伏尾美紀)
昭和の時代に起きた事件を平成、令和の視点で刑事が追う小説でした。まさに自分が育った時とも重なる時代を考えながら読みました。犯人を追う刑事達の焦りにも似た渇望、迫力には引き込まれました。戦争の風がまだ色濃く残る昭和の事件を昭和の刑事と平成、令和の刑事がどう追って行くのかにも。今日はニュースで世田谷区一家斬殺事件関連の報道を聞きましたが、現実の未解決事件が思い出され、どうして犯人が捕まらないのか?その真相背景は何なのか?せめて小説の中にカタルシムを求めたのかもしれません。
それにしても、この小説を書き上げた作家さんは凄いと思います。フィクションですが、我々の現実に起こっ