作品一覧

  • アワヨンベは大丈夫
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    愛し愛されながらも寄る辺ない そんな彼女が紡ぐいとしい言葉たち ──帯文・山田詠美 日本人で文学好きのママと、セネガル人のキレやすいパパの間に生まれた亜和と弟。おだやかな祖父と口うるさい祖母、そして海の向こうにいるまだ見ぬ姉など、いずれも個性的な家族たちが織りなす、愛と旅立ちの物語。ジェーン・スー、糸井重里など多くの文化人がその才能を認める文筆家の第二作は、晶文社スクラップブックで大評判だった連載に、note記事、書き下ろしを加えた、せつなくも愛おしいエッセイ集。装画・我喜屋位瑳務、装丁・名久井直子。 まだなんの荷造りもできていないこの部屋から、私はきっと少しずつ荷物を運び出し、さりげなくいなくなっていくのだろう。それは他でもなく、私にまだ「さようなら」と言う勇気がないからだ。誰のためでもなく、私は家族と離れることが寂しいのだ。それでも私はこの家から出ていく。誰のためでもなく、私自身のため、いつか新しい家族を作るために、ひとりで生きてみたいのだ。(本文より) 【目次】 ■I 文才って オール・アイズ・オン・ミー 私を怒鳴るパパの目は黄色だった ハムスターの心臓 宇宙人と娘 ママの恋人 セイン・もんた いれもの ■II アヒルの子 Nogi 竹下通りの女王 ウサギ小屋の主人 小さいバッグとは人間に与えられた赦しである ごきげんよう 26歳 ジジ ■III 人のパラソルを笑うな 死んでいく MUMMY & AMY SAYS 陽だまりの季節 笑って損した者なし モンスター 「はっ」 アワヨンベは大丈夫 出ていきます! あとがき
  • 存在の耐えられない愛おしさ
    4.2
    1巻1,650円 (税込)
    伊藤亜和――彼女はいったい“何者”なのか。 父の日、X(旧Twitter)上にぽつりと投稿されたnoteの記事「パパと私」が瞬く間に話題となり、著名人の目に留まった彼女。 彼女の淡々とした語り口で紡がれる物事の数々は、我々の世界の解像度を少しだけクリアにしてくれる。 彼女のフィルターを通して見えている世界を体感し、彼女の一端に触れることが出来る、家族、人間、愛にまつわる珠玉のデビュー作! === 私の努力で報われたことなどなにもない。 だからせめて、この1冊目は愛してくれた貴方たちに捧げます。 私を信じてくれてありがとう。 互いの愛おしさに耐えられなかった私たちへ、言いそびれてしまったことが全て届きますように。 (「わたし」より)
  • アワヨンベは大丈夫

    Posted by ブクログ

    前作に引き続き、異常なほどに引き込まれる文章。降りる駅に着いた、とかご飯が出来た、とか何か読む手を止める理由がないと延々読み続けてしまう。
    相変わらずめちゃくちゃ面白いけど前作の「存在の耐えられない愛おしさ」で描かれた(あまり描かれなかった)家族がより立体的に浮かび上がるような、前作を読んでいた時のイメージがひっくり返るような「え?!そんな話(人)だったの?!」みたいな驚きの連続で、良い意味での裏切りの連続で唸らされた。
    最後はとてもワクワクする新章のスタートを予感させる終わり方をしていて、本当にこれからが楽しみな人だなぁ、と思いました。

    0
    2024年12月22日
  • 存在の耐えられない愛おしさ

    Posted by ブクログ

    『引き出しが多い、おもしれー女』

    伊藤亜和さん、めっちゃ失礼でごめんなさい。
    でも心の底からリスペクトしての表現です。
    さくらももこみがあるというか、中央線沿いに住んでいた頃の星野源みがあるというか。
    作中に"清濁併せのむ"という表現が出てくるのだけど、筆者の文章もこんな感じ。

    これまで読んできたエッセイって、ゆとりや余裕があって丁寧な暮らしを匂わせていたりとか
    時間とお金に糸目をつけずに旅と食を満喫してたりとか
    浮世から数センチ離れてるような、庶民的とは言えない作品が多かったのだけど
    今作は、大卒後フリーターとしてわかりやすくどこかに所属していない何者でもない若者のむ

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    2024年12月15日
  • 存在の耐えられない愛おしさ

    Posted by ブクログ

    2024.10.18発売の雑誌『CU』の書評コラムで紹介させていただいた1冊。自分の人生がこれからどうなるかわからない、自分のやりたいこともできることもわからない——そんな漠然とした不安を抱えながら生きてきた経験と、その時々考えたことを赤裸々に、ユーモアたっぷりの文体で綴っている。

    飾っていない伊藤亜和さんの人柄に触れるたびに、ポジティブにさせてくれた一冊だった。僕も自分の身に起きた面白いことや楽しいこと、悲しいことさえもこんな風に綴れたらなと思う。

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    2024年10月18日
  • 存在の耐えられない愛おしさ

    Posted by ブクログ

    4.5よりの5!
    文章が軽快でこんなにも人柄が出るんだって面白い。読者に何か伝えようとかそういうエゴが感じられない不思議な文章。脱力しすぎて5じゃないのかも?
    でも好きな文章を書いてて書籍も出版してってすごい素敵なストーリー。でも彼女としてはストーリーに消化されるのは嫌そう。これがゴールじゃないしゴールってなに?って思ってそう笑
    これからも応援したい!

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    2024年09月02日
  • 存在の耐えられない愛おしさ

    Posted by ブクログ

    絶妙—
    この本を読み始めてから最後まで一貫して私が感じたことである。

    日頃から私は人の気持ちや感情は白黒ではなく白と黒の間のグレーゾーンにあると考えているが、伊藤亜和さんはそのグレーゾーンを自由に動き回り、我々では言語化できない気持ちや感情をドンピシャで表してくる。
    だから、読んでいると妙に心地よさを感じるのである。

    読んだ人が「そうそう、同じこと思ってた」、「そうそう、こういうこと言いたかった」と言っているのが聞こえてくる、そんな本である。

    0
    2024年07月12日

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