伊藤亜和のレビュー一覧
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結婚や変わってしまった関係の人とのエピソード。自分が有名になるにつれて周囲の人との関わりも変わってくるのだと。自分が軌道に乗って、周りの人ともうまくやっていくというのは難しいのではないかと思う。何の才能もないと周りの人と比べて焦って外に出ることで気を紛らわしているのなんだかよく分かる。そうして余裕も気力もなくなって。こうでいなくちゃ、と思いながら自分の好きなことをやり続けるって相当しんどいんじゃないかと思う。「私たちバニーガール」も好きだし、亜和さんのお友達のリアナや妹尾ユウカも好き。ハーフの見た目を気にしていた過去や、喧嘩別れした父との関係。バニーガールのお仕事。側から見たら自分だったら嫌だなぁと思うようなことを面白おかしくそして、ハッとさせられるような表現で書く亜和さんの言葉が好き。黒い服を纏い、高貴な笑みを浮かべる亜和さん。想像できる。彼女に伝えたい。「あなたは魔女のようだ」と。
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私が本を読むのは「合う人」に会いたいからだと思っている。
本を通して出会う「合う人」は年齢や性別は様々で、中にはもう亡くなっている著者もいる。
「合う人」は私の心の奥底に沈んでいる言葉や思いをふわっと撹拌してくれる。
上澄みは人と関わる上で都合の悪い部分を無意識にまたは意図的に排除した部分。
その下に滞っている、言葉にできていない感情を思い出させてくれる。
おかげで私は一人じゃなくなる。
亜和さんは私にとって「合う人」だった。
すごく大切な言葉がたくさん出てきて、これから先何度も読む予感。
彼女が書く一つ一つの言葉に相槌を打つように読み進めた。
「わたしの言ってること、わかりますか。」
簡単に「わかる」と言うべきではないのかもしれないけど、とてもわかるし、ありがとうと言いたい。
亜和さんがこれからも傷つきながら書いてくれるのなら、必ず読みたいと思う。
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やっと読めたあわさんの一作目。とても一生懸命本にしようという気持ちが伝わってきた。バケモノとか一切は過ぎていきますとか、自分の周りを一生懸命観察して冷静に言葉にしようとする、でも溢れ出る悲しさとか若いからくる将来への不安が書かれたエッセーが好きかも。
逆に変な人に引っかかる話、T氏とか落語家の話は苦手だなあ。なぜ苦手か考えたところ、正直やっぱり若い女性が食い物にされる話は不安(あわちゃん大丈夫だったの〜と親気分)なのと、自分にも多かれ少なかれ向こう見ずなところがあり、自分も危険な目に遭っていた可能性もあるのだろうかと想像してしまうからかもしれない(いやあり得ないが、例えば若い頃の海外旅行とかは近いかも)。今やそれで食うしかないのだろうし、有名になりつつある今流石に無理はしないと思うが、暴走するYouTuberみたいにならないか心配にもなってしまう。貯金全額使ってみた!みたいな。気をつけてね。無理せずにね。 -
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「チ。」の展示でパネルに亜和さんの文章があり、文体や言葉選びがとても素敵で気になったので本を買った。一緒に住むじじとばばのお話。じじにパンツを洗わせて!!ってばばに怒られるお話や、友達の山口と車が止まりそうになりながらドライブしたり、哲学オタクのメメと付き合ったり。亜和さんの周りには面白い人が沢山いて、その人たちと上手く付き合って面白さを文章で最大限に表現できるところ。自分の周りの人に対して愛があるなって。お父さんと喧嘩別れしてからのこと、母の大事なネックレスを無くしたこと。家族と言うには離れすぎてしまった関係を受け入れること。一緒に出かけるとかではなくて、自分なりの恩返しをしようとするところ、私もそうしたいな。親と一緒にカフェに行ったり、お洋服を買ったり。私も親とお友達のような関係には絶対になれないから、亜和さんみたいな恩返しの仕方もあるんだよと少し心が楽になった。ハーフだから少し排除されている、上手く馴染めない。その感覚が人との距離を上手く取る亜和さんなりの感覚になっているような気がした。自分の観測地から離れていてもどこかで元気でいてくれたら。さよならも言わずに離れていってしまった友達、SNSで繋がり、出かけた仲だったがなぜかブロックされてしまったカメラマン。そんな人たちとの距離もきっとそんな感じで良いのだろう。ありのままの言葉選びの人の文章、久しぶりだな。飾り気がないけれど面白いなんて最高。!
他の作品も読んでみたい。 -
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年齢が随分ひらくものの共感率高い。ということは、彼女の精神や感受性が年齢より成熟して発酵しているんだろうなと思った。152pの“悪口にバチが当たるとか、地獄に堕ちるという奴も嫌いだ。神って誰だ。お前と私の喧嘩だろ”に1万億ペリカ。
つい最近
ネット上で見た他人のプロレス。
片方が神仏持ち出し誰でもなりうる病気までバチみたいに書いててウンザリしてたところ。自分の悪口いう奴はバチ当たり体調くずすみたいな感じ。
たぶん50代くらい思うアーミーとかいう人。
本に話戻すと日本の識字率を上げてくれてありがとう、と感謝した。
だから改めて思う。
私はホームタウン計画には眉唾もんて見てるし危惧もしてる。
でもそれは、差別とは別問題なんです。 -
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エッセーというのはある程度自己を開示してそこから削り取るように文章を絞り出さないといけないものなんだなあとつくづく感じる。昔、ビジネス英語の杉田先生の本で、ある程度の自己開示がコミュニケーションでは必要と読んだ。その線引きが、米国と日本では違うし(来客に寝室まで見せるおもてなしとか)、日本人でも個人で違うし、それが上手い人と下手な人がいて、下手な人は自己嫌悪に陥りがちである。多分あわさんもその下手な一人で、インキャで暗いけど突然キレて思っていることを全部ぶちまけるみたいな、両極端なわけで、その中間をうまーく泳げる人になりたいと思って大殺界の20年を生きたに違いない。自分もなんとなく似たところがあるので色々重ね合わせて読んでしまった。人前に立ちたいとか文章を発表したいというのは、その暗さとは別なんだろう。そのモヤモヤをうまくモヤモヤのまま言葉にできているところがいい。
最近インスタのおかげで、ミックスまたは移住した両親(ともに日本人ではない)の元で、日本で育ってきた人たちの動画をよく見る。そこには、アイデンティティに苦しんだ幼少期→自分を受け入れて開花というストーリーがありがちなのだが、あわさんはそのB面みたいな文筆家なのかもしれない。
ここから私たちはあわさんが父親や祖父母とどう関係していくのか、恋人(たしか結婚されたからその相手がみーちゃん?)とどう発展するのかリアリティエッセーとして読んでいくのか。応援してるけど、親戚のおばさん気分の読者としてはちょっと心配。開示するのが楽ならいいんだけど、辛くなったら無理しないでね。 -
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面白かった!読売日曜の書評にあってすぐ買いに行った。この前の古生物学者の奥さんといい、世の中には面白いエッセイを書く人がたくさんいて嬉しい。最近重い長編が多かったからちょっと休憩って感じでエッセイを挟んでみたけど、また面白いエッセイストに出会えた。アフリカ系のお父さんと日本人のお母さんのハーフなのかな?外見によることでの生きづらさがたくさんあったんだと思う。文章が上手。使う語彙も面白い!小学生前後の幼い思い出がたくさん綴られていて思わず爆笑して共感しきりのものがあったり猫の話ではじーんとしたり、小学生時代ってホントめんどくさかったなみたいな自分のこと振り返ったりしながらとても楽しく読んだ。世の中には軽すぎてペラッペラのエッセイも多々あるけど、この人のエッセイは他のも読みたい。
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ネタバレ〈備忘録・ネタバレあり〉
「パパと私」がやっぱりすばらしいな。
普通なら隠したいような父親の気質や2人の喧嘩を(しかも現在進行形)、ユーモアある表現で少し笑いも交えながら書き、私たちに公開してくれた。ただ自分の過去現在を書いたというよりも、父へのちょっと荒いラブレターのようだった。絶縁状態でも父は近くに住んでいてTwitterフォローしてくるし、その後リムるし、娘は父の仕事にいく姿を見つめている。形はちょっと歪だけど、2人は心で想い合っている。こんな文章を読ませてくれたことに、ありがとうね、という気持ちになった。
言語の違いで自分の親と完全には意思疎通ができず、厳格な宗教が生活や教育に絡む状態ってどういう感じなのだろう。今まで考えたこともなかったことについても思いを馳せた。
(引用)パパは日本語があまり上手ではなかった。日常の会話で困ることはほとんどなかったけど、込み入った会話はなかなか成立せず、私はパパがどんな人間なのか知ることができなかった。
正直で不器用で自分を粗末に扱ってしまうところがある彼女の視点や文章は、自分にとって珍しくてとても興味深かった。
彼女然り若い方々は、調子に乗る人が少ないような気がする。自分ごとではなく俯瞰でみているかんじ。
一方で「肩書きが大好き」とはっきり言うの面白いなぁと思ったが、人と違う特別はもう十分経験させられてきたから、それよりもみんなが認める社会の仲間に入れてほしい…という理由に、なるほどなぁと思った。そう思わせちゃう人生だったんだね。
でも、彼女も書いてるように、誰も欲しがらない石ころだと思っていたあなたの姿、声、話し方、考えは、世界中どこを探しても見つからない宝石なんだよ。本当にきれいだよ!と心からお伝えしたい。
(引用)私は今も昔も、自分が損している状況に鈍い
(引用)「幸福な出来事」の理由を「自分が頑張ったから」という結論に繋げる方法が分からないのだ。私はなぜか人に「頑張ったね」と言われると過剰に否定しようとする。
(引用)自分の優しさを粗末にしていたのは私自身だと思う。優しい自分を認めていよう。
(引用)私は、怒りや憎しみという感情を長く持ち続けることが不得意なようだった。
自分の人生の終わりがカーテンコールみたいになればいいなっていうところ、すごく素敵な考えだなぁ!わたしもそうなりたい。 -
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文筆家・伊藤亜和さんの4冊目のエッセイ集。
『私が私でいるだけなのに、それ自体が悪いことのように思えていた』という強烈な一文が帯に書かれている。なぜか生きていてそんな風に思ってしまうことがある人は、ぜひ読んでほしい。
自他共に認める「変な奴」である伊藤さん。
幼い頃の思い出を、今を生きる20代の女子として見つめ直しながら綴ったエッセイ。めっちゃ面白い。記憶力が半端なく、子供の頃の色々な思い出を、当時の感情ともに瑞々しく書いてくれているので、読んでいて自分の子供時代の記憶が蘇ってきた。同時に、自分にもあった「変だった部分」が炙り出される。
特に『いじめられていたわけでも、仲間はずれにされたわけでもない、世の中は私の想定を超えるほどいじわるではなかった。それでもふとした瞬間、周りの人々が戸惑いながら見つめていた』という、まるで自分の幼少時代を書かれているかのような文章にハッとさせられた。
「悪目立ちする→からかわれる→撃退する」がルーティーンだった。時折、やり返しすぎて自分に刃が突き刺さったことを思い出す。
あと文章がユーモアたっぷりで面白い。何を書くかより、何を描かないかで悩んだだろうなと思ってしまうほど、一つ一つのエッセイは短いのに心打たれる一文があったりして、何度も唸った。 -
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文筆家・伊藤亜和さんの3冊目のエッセイ集。
面白いねえ〜。じっとり、優しく、でも確実に刺しにくる感じがたまらない。自己肯定感は低いけど、今の自分のことは嫌いじゃないという絶妙な温度感が文章から伝わってくる。
セネガル人の父を持つハーフゆえに、小さい頃から目立ってしまいそれ嫌だった伊藤さん。特別な存在になることよりも、何の変哲もない人間として好かれることが望みだった。そのために「日本人らしい」丁寧な所作や、話し方を身につけ、異質でなくなろうと努めた。特に日本語への執着は特別なものだった。
エッセイ集はそんな伊藤さんが愛する「言葉」をテーマに記れている。苦い思い出、どうしようもできなかったこと、笑えるエピソード、家族との安らぎなどが、自分や周りの誰かの印象的なセリフとともに思い出され、今の伊藤さんと邂逅することで美しい和音となっている。
僕も静かなタイプのハーフだけど、別のものを求められることが多かったので共感してしまう部分が大いにあった。 -
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とあるこども新聞で「中学受験に出そうな本」として紹介されていた。おー亜和ちゃんすごい(←スーさんのSNS等の投稿で勝手に存じ上げているのに、親戚のおばさん気分の読者)と読んでみた。
なんとなくどのエッセーが受験に出そうかわかるわ、と思いつつ、話によっては際どい話題も出てくるので、こども新聞記者よ、全部読んだのかよと思った。
誤解がないよう言っておけば、どの話も亜和さんの選んだ言葉で綴られていて、気持ちの展開が手に取るようにわかり、おばあさんの姿形まで想像でき、しかもちゃんとオチがある、最高の短編集。私もこんな素敵に日本語を操ってみたい!と思わせてくれる。
例えば人が投げた言葉に傷つけられた子、声の小さい子、人とのコミュニケーションが苦手だと悩んでいる子がいたら、どれほど勇気づけられることだろう。それが受験の問題であれ、いろんな子供たちがこの話に出会えたらいいなあと思う。
が全部マルマル受験生(小6またはそれ以下)に丸投げ紹介は雑だという話(笑)。バニーガールって何、なんでそんな格好するのと聞かれても答えわからないな(実物に会ったことがないのだがガールズバーにいけばいるのか。旧ガールも客として入れるのだろうか)。みんなうさぎが好きなのか?うさぎにセクシュアリティーを感じるのか?そしたら小動物ふれあい広場とかも、ある種同じ目的なのか?とか余計なことを考えてしまった。
というわけで子ども新聞への若干の疑問を除けば、面白くて少し寂しくて、人間とはみたいなことを考えさせてくれる最高のお話だった。 -
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伊藤亜和さんの3冊目のエッセイ。本当にこの人の文章はゴクゴクと飲み干すように読み進めてしまう。
本作の中でその文章、日本語が自身の容姿から生まれる偏見に抗った末に身につけ磨き抜いたものだと感じた。
とは言え読みながら今回は「自分も同じように相手を傷つけるようなことを言っていなかったか?」を自問せざるを得ないようなエピソードが多かった。
遠い昔のカサブタもあれば、切りつけられ血が止まってない新鮮な傷口を見せられるような…とても辛い体験なのに伝える日本語が美しいからスルスル体の中に入ってくるのが伊藤亜和さんの凄さなのでは、と思いました。(〇〇ファンクを聴きながら)