【感想・ネタバレ】女たちの避難所(新潮文庫)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月25日

東日本大震災の話。

椿原福子、山野渚、漆山遠乃。

3人の女性の視点で、被災の瞬間から避難所生活、その後までが細やかに描かれていく。

僕は楽しい本を選びがちだが、読書による擬似体験で「想像力」を養う、というのはとても大切なことだと感じた。

僕は阪神・淡路大震災で27歳のとき、1週間ほど小学校で...続きを読む避難所生活を送った。

そのときの避難所には、作者の垣谷さんが本作を書くきっかけになったという「仕切り」などなかった。

その当時の僕は、「仕切りはない方が・・・」と説かれればそんなもんなのかと思っただろうし、「プライバシーの確保に仕切りは必要」と訴えられたら、それはそうだろう、と思ったことだろう。

どっちやねん、という感じだが、今なら、本作が「避難所」から「女たちの避難所」に改題され、しんどくなるほどしっかり書かれている福子の夫に対する不満、遠乃の舅や義兄に対する憤り、彼女たちの置かれている理不尽な状況がよく分かるようになった。

フォロワーさんとのやりとりがなければ、本作を手に取らなかったと思うので、まずはそこに感謝したい。

「想像力」と、それが自分に欠けているのではないかと自戒する気持ち、他者への「配慮」、それらを、自分が追い詰められているときに持ち続けることができるかどうか。

自問させられた作品であった。

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Posted by ブクログ 2023年06月25日

東日本大震災の時、テレビでは助け合おう、みんなで頑張ろうって言うのを目にしたけど、現実はそうではないことを考えさせれた。避難所のしんどさと、どんどん神経がすり減っていくのを読んでて感じた。もちろん、助け合ってみんなで頑張った部分もあるかもしれないが、裏の部分もあったことをもっと世間に知ってもらうのも...続きを読む大事だと思う。勉強させられた小説でした。

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Posted by ブクログ 2023年04月16日

すごい本です
まさにフィクションではない、現実をしっかりと正確に書いてあると感じます
東北の男性全てが、遠乃の舅や義兄のような人ばかりではない
でも、一部にいるのは確かだ

お金を与えなければ、どこにも行けないだろうと思っている
自分のもの以外も全て自分が管理
こっちで出すから、言ってこいとはいうも...続きを読むのの、お金の話をすると、金の話ばっかりしてとこちらが金の亡者と言われる

嫁という立場は、本当に弱者だと思う
だから、震災後同居をしなくなる家庭が増えるのは当たり前だと思った

とにかく逃げてと応援しながら読んだ

化粧品やマッサージが前向きな力になった事で、私のやりたい事は間違ってないんだ!とも確信した

震災があったからこそ浮き彫りになった闇
我慢はいらない
同じ状態にある人は、逃げることを考えて実現して欲しい
簡単な事じゃないってわかってる
私も昔逃げた一人として、今があの時より自然体でいられているからこそ、心から応援したいと思います

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Posted by ブクログ 2023年03月29日

著者の友人の話も聞いて書いたというだけあって、震災時や避難所での暮らしの描写がとてもリアル。特にこの町の男尊女卑っぷりは平成の出来事とは思えない。でも…生物学的にやっぱり女って弱いのは事実。主人公たちの周りにいる男はクソクソだけど、うちはそこまでではない(笑)ので、有事に備えて夫(、男手)っていたほ...続きを読むうがいい。内容は、悲しくて悔しくて何度も読み返した。ラストは女性たちの強さを感じられる!
あとがきで自然災害の多い国とあり、内陸のマンションだからと言って慢心せず、しっかりと備えたいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年02月12日

ものすごく勉強になった。

東日本大震災の時 自分は静岡の山で作業していて、その日 千葉へ帰る予定だった
凄い揺れたが 回りに物が無い為はじめは「立ちくらみ?」と思ったがそれが長かったので…富士山を一回見た…噴火?と思ったので…

その後は広範囲で停電になってて、高速に乗れないのと…給油も出来ない...続きを読むと判断して、知り合いの民宿に泊めてもらった…コンビニで食糧買おうとしても、お菓子しかなかったし、停電だから電卓打ち…
毛布にくるまりながらガラケーのワンセグで見た津波の映像の衝撃は今も忘れられない…

家も物が倒れたくらいで済んだが…連日ワイドショー見てて辛かったですね…

この本読んで…自分は知識が足りないと痛感しました
こういう緊急時も【強姦】や【下着泥棒】とか出るんだ…と衝撃…戦争とかではあるのは知ってはいたが…

登場人物達の選択を見てて…自分だったらどうするか…凄い考えさせられました

あと戦争や災害の時は女性は大変と思います
あと見た目も整いすぎてる女性はさらに危険だし、同じ女性同士の中でもそれで溝ができてしまったり…そんな中でも男は嫌らしい目をする…

ほんと人間にガッカリするが…それが危機状態でも子孫を残すように遺伝子にプログラミングでもされてるのかな…貧困な国の方が子供を作り溢れかえるのも危機状態だからなのか?…

人間の価値観はかなりいい加減で、
美人な人を可哀想に思いますか?の質問に…内容が
●ストーカーや強姦だと→美人が可哀想
●詐欺だと→美人が悪い
と内容関係なく判断するらしいです…

見た目が整った人だって
整ってる事によっての悩み…デメリットは絶対にあるのに…

もう一度、災害対策や こんな時代だから悔いなく行きたいと改めておもいました。


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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月05日

モデルはあった…、そうだ。

男性がリーダーの
災害の避難所で女性がどんな目に遭うか
リアルに描かれている。

皆んな家族なんだから、
隠しごとはやめよう、
みんなで手を取り頑張ろうーー
それは、女にとっては
常に異性の目に晒され続けることだった。

パーテーションも置かれない中
女が着替える時も、...続きを読む
下着を干す場所も、
眠る時も、
授乳する時も、
排泄に向かう時も、
暮らしの全て
包むことも隠すこともなくて、
家族だから遠慮もいらないんだって。

避難所だって社会の一部。
全ての人が善良、なんてことはあり得ない。
権力も腕力も男性に優位がある中、
女という性がどうされるかが書いてある。

これは、私たちの話。
避難所だって社会だ。
そこで起きることは
社会でも起きると思う。

読んでみる事をお勧めする。

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

東日本大震災で被災した宮城県の某市(架空都市)。
そこで暮らしていた、パート主婦の福子、小さな飲食店を経営する渚、赤ん坊を抱える遠乃。
三人の女性の視点から、物語は進む。

福子が被災してから命が助かるまでの描写が壮絶だった。
以前、東日本大震災を題材としたドラマを見たとき、福子のように泥水の洪水の...続きを読む中、浮いているものや樹木にしがみついて男性が生き延びるシーンがあったことを思い出した。

遠乃は赤ん坊を抱えいるものの、20代で若く、福子が「白雪姫」と称するような美人だ。そんな遠乃が被災で夫を亡くし、義理家族や避難所の男性たちから性的被害になんども遭いそうになる。
夫が生きている間は遠乃を守ってくれていたが、その夫がいなくなったとたんの男たちの浅ましさよ。おぞましい。

私は渚と同年代で、小学生の子供がいる。
自分のせいで子供がいじめられていたと気付き、自分自身も地域の人達からよく思われていなかったことが浮き彫りになっていく過程、私も胸が潰れる思いだった。
渚への差別的な発言(離婚家庭、水商売にたいする偏見)や、親が主導する形での子供同士のいじめなんて、ありえない!と都会の人たちは思うかもしれない・・・でも、本当にあるんですよ。
私が生まれ育ったのは東北の中でも比較的人口の多い市ですが、大人が二人集まれば妬みや噂話ばかり。
今は、新幹線やネットも整い、地方から東京に遊びに行くことも容易になったので、今の若い大人世代は都会同様に推し活とか楽しいこともできるから、そういうのはないかもしれない。
他方で、自在に都会に遊びに行くこともできない娯楽の少ない時代を生きた東北の老人たちは、今でもこの本に書いてあることが悪意ある誇張ではないほどに、偏見と意地悪心、支配欲のようなものに取り憑かれて生きているのです。

避難所では、人間関係が形成されるものの、安全な地域に家族親戚がいて頼れるような人は、次々と避難所を出ていく。
避難所の中でも格差はあるのだ。
頼りになりそうな人として登場した山崎先生が、大きな改革を起こすでもなく、あっさりといなくなってしまったのも、なんかリアルだなぁと思った。
どんなに立派な人がいても、多勢に無勢。高齢者に避難所生活を長く続けさせることはできないのだろう。

「絆」「家族」「一心」を合言葉に人のプライバシーを奪い、仕切りすら作らせない老害たち。
どんな言葉を並べても、根底にあるのは支配欲と、自分がすべて把握したいという欲だろう。
この「自分がすべて把握していたい」という欲に、「支配欲」「庇護欲」のような適切な短い名前はあるのだろうか?とても厄介な欲。「支配」までいかなくても、こういう感情や欲望を持っている人は本当に多いのだから。
この本の3人の女性たちとその子供は、従来の「避難所」「仮設」を出て、別の場所に独自の避難所を作ることができた。でも、そんなに運の良い人ってきっとあまりいなかっただろう。それを思うと、自分が被災することが怖くなる。
今年(令和6年)1月1日に発生した能登半島地震では、その後避難所の様子がテレビで取り上げられることが多かったように思う。
おそらく、東日本大震災でのこのような反省、教訓が生きて、その時よりもプライバシーや人権に配慮した避難所生活を送ることができていると思いたい。
この本を読んで、もし私がこの本のような震災被害にあい、運良く生き延びることができたとしたら、その地域の避難所にとどまるのではなく、こどもを連れて早めに実家など安全な地域に避難しようと強く思った。
そう思ったら、実家の存在のありがたさを痛感した。

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Posted by ブクログ 2024年04月11日

震災にあい命からがら避難所へ。でもそこは決して居心地の良い安全な場所ではありませんでした。3人の女性目線で描かれたそれぞれの苦悩や思い、まだまだこれが日本の現実なのだと思い知らされました。最後は3人が新しい未来に向かって歩き出せて良かったです。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

柿谷さんの作品を読んだ頃がなかったのですが、
簡単ではないテーマ、取材されて書かれているんだなーと思った。
フィクションである意味が、ここ本だと分かる気がした。

この本は、3人の女性の視点から、被災地の避難所とその後の避難生活の具体的な経験を伝える。

主流で語り継がれる震災の物語じゃない震災の物...続きを読む語。

絆、和、叫ばれたディスコースは、当時も批判はされてはいたけれど、個々人の体験として、想像させられた。

女性の居場所が、本当になかった。
でも確かにこれは、普通の都会の家庭でも起こっていることだと思う。

被災地が、日本社会の縮図であるように感じた、といったことがあとがきで書かれていた。


東日本大震災から13年たって、
この女性の視点で被災地や社会は見ると、どう変わったのかな、と思う。

地震で生まれた亀裂を梃子に、自分達のスペースを、確保する活動が今も続いてはいるのだと思う。

この息苦しさは、繰り返す必要がない。

教育。女性が非対等に依存することのリスクをまず若いときから教えられることがかかせないと思った。

家父長制の息苦しさは、いらない。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

ただでさえ苦痛な避難所生活に、さらに女性には苦難がふりかかる。本当に解決しないといけない問題に気付かせてくれるお話でした。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

「憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説』
まさに、ショックと悲しみと怒りまみれになった。
フィクションだが、描かれている避難所の様子はほぼ起きたのではないかと思います。
女性の立場の弱さに不安になりました。
生き残った登場人物の男性達...クソすぎる...

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

東日本大震災を被災した女性3人の話
おすすめ本
北陸で元旦に地震があったので手に取った
また同筆者のオヤジ改造計画がお気に入り

この本を読むことで、被災した方の辛さに触れられる。震災大国の日本では明日は我が身として一気に読める
行動(立候補・離婚・転職)へのきっかけが怒りであることも共感できた。
...続きを読む
定期的な災害グッズの確認は子供がいる身として必須

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Posted by ブクログ 2023年11月19日

東日本大震災にあった三人の女性が避難所や家族の男尊女卑に立ち向かい、自立していく姿を描いた話。
震災津波は小説の描写でも自分が想像していたより酷い状況で、いざという時の備えの大切さ、備えても無駄なほどの脅威を感じた。
そんな震災の中でもマスノさん、晶子さん、福子さんのようにいざという時人を助けられる...続きを読む余裕、負けない潔さを持ちたいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年08月31日

「絆を盾に段ボールの仕切りすら使わせない避難所が現実にあった。男達の横暴に、3人の女が立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説!」

裏表紙の内容紹介にあったとおり、本当に憤りで読む手が止まらなかった。あとがきにて作者の垣谷美雨さんが記されていたとおり、この震災大国日本で、誰がいつ被災しても...続きを読むおかしくない。明日は我が身と思いながら、多くの方に手にして欲しい作品だと思った。

東日本大震災の震災報道は、年月が経つにつれ随分と減った。また震災報道といえば、絆や人間愛、ボランティアをクローズアップした美談が多く、違和感を感じていた方も少なからずいると思う。かくいう私もその一人だ。

本作は、被災した3人の女性を主人公に、語られなかった被災地の実態をそれぞれの目線で丁寧に描くことで、臨場感が増しており、災害の怖さに加え、生死を前にした人間の本性を浮き彫りにした作品となっていた。

一見すると、田舎ならではの人間関係のしがらみや風習が色濃くうつるため、対岸の火事の様な気持ちになるが、今私が住んでいる場所で被災したら、どうなるだろう…と考えて、ゾクッとした。
自然災害に乗じた強姦や窃盗の話は何度も耳にした事がある。きっと、程度は違えど同種の問題はそのまま居座り、田舎町とはまた種類の異なる問題が勃発するであろうことは明確だ。

作中でも被災後に離婚する話が出てくるが、東日本大震災後に、結婚・離婚が増えたと聞いたことがある。限界の状況で人間の余分な物を極限まで削ぎ落とした時、或いはそれを擬似体験をした時、本当に必要なものが浮き彫りとなった結果なのだと思う。

タイトルにある『女たちの避難所』が体育館に作られた仮設の避難所ではなく、その先にある主人公3人の新たな避難所であったことが救いだった。
ネタバレになるのでこれ以上は避けるが、何処で住む道であれ、3人のそれぞれのこれからに希望の光があり続ける事を願わずにはいられなかった。

そして、本作を読んで、私自身、有事の時であっても己を忘れずに現実を打破し脱出する「強さ」をもてる人でありたいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年08月03日

東日本大震災。
日本中の人々が忘れることのできない大きな災害だ。

地震直後から、命からガラの避難、肉親の死、そして避難所生活。

この中で東北の女性たちは、見ぬふりをしてきた大きな女性蔑視や男尊主義という戦前の価値観から苦しめられる。
その中から実際にあったことを丹念に取材し、古い体質と痛めつけら...続きを読むれた女性たちの大脱出劇が語られる。

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Posted by ブクログ 2023年06月28日

災害が起こったときの避難所は有り難い存在に違いないが、そこで実際に何ヶ月も過ごすストレスは想像を絶するものだとわかる。
この作品では避難所で生活することになり知り合った3人の女性が主人公だ。いろんなものを失ったことで逞しく強くなった女性たちがこれからの未来を生きるために決断したことは…

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Posted by ブクログ 2023年04月14日

これは本当に現代の話なのかと信じられない思い。それほどまでに、震災はひとの営みを壊すし田舎という組織はひとの自立を阻む。
避難所での生活はの描写は吐き気がするほど酷かった。特に遠乃の義父と義兄は同じ人間と思いたくない。
遠乃があの2人から逃れられて本当にホッとした。
そして主人公3人が希望を持てる終...続きを読むわり方で良かった。

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Posted by ブクログ 2023年03月22日

他の方のレビューを読ませてもらいこれは是非と思いようやく読み終えました。
感想は読めて良かったです。
けれどもとても後味の悪さが残りました。
震災の小説です。
震災で受けた傷はそれだけではなく今まで浮き出されていなかった問題も表に出てきます。 
絆という言葉の元にどれだけの人が虐げられたのか。
登場...続きを読む人物は震災をきっかけに新しい生活をスタートさせ、自立します。
人の優しさと汚い部分の両方を垣間見るようで、読み終えた後は重苦しい気持ちになりました。

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Posted by ブクログ 2023年03月03日

 垣谷美雨さんといえば、高齢化社会など身近な問題を扱い、軽妙なタイトルで読み手を飽きさせず、巧みに物語に引き込む印象‥で、本書は、東日本大震災によって避難所生活を余儀なくされた3人の女性たちにスポットを当て、困難から立ち上がる姿を描いています。
 と、まとめられるなら楽なのですが、実のところ本書の肝...続きを読むは、その困難の中身です。
 一つは〝天災〟としての「震災」、そしてもう一つが〝人災〟としての「セクハラ」で、むしろ後者の方がより重いです。登場する舅や夫たちの、信じ難い感覚と態度に心底憤りを覚えますし、「そんな〝絆〟は今すぐ断ち切ってしまえ!」と心の中で叫びながら読んでいました。あー、イラつく!

 実際に震災後、日本人のマナーのよさや被災地・避難所等での美談が広く報道されましたが、一方で略奪を始め、マイナス面の話も伝わってきたことも事実です。
 津波被害から命からがら生還する場面、避難所での生活ぶりなどが、丁寧に詳細にわたって描かれますが、より重視したのが、震災後の諸問題だったのでしょう。以前からあった「抑圧され声を上げられない女性たち」の声が、震災によって炙り出された形です。

 我慢・忍耐・暗黙の了解などに終止符を打ち、抑圧から立ち上がる選択は、全てが好転する訳でなくとも、大切なことなのだと著者は教えてくれているようです。本当の意味での「力を会わせて乗り越えよう!」とする姿勢とその途中過程に、解決策・出口が見えてくるのでしょうね。

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Posted by ブクログ 2022年09月18日

避難所の女性の状況を上手く書いてるなぁと思った。決断できるのは女性。保守的な男性とは対照的だ。学校にしても長で決まるもの。
人の意見は聞ける耳を持ちたいものだ。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

mochimochiさんの本棚を拝見し、手に取った本です。ありがとうございます。

兎に角、最初から最後まで、胸を締め付けられる思いで読み続けました。

ジェンダーが叫ばれる現在。老若男女問わず(特に男性には…私は男性ですが…)必読書です!!!

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Posted by ブクログ 2022年09月02日

9月1日は防災の日、ということで手に取った一冊。

垣谷さんの読みやすい文章で、あの東日本大震災を経て避難所生活を送ることを余儀なくされた女性たちの、女性ならではの不条理さがこれでもかと綴られています。

私自身も女性ですが、男女不平等への感覚はこれまで生きてきて不便さや不公平さを感じることはそこそ...続きを読むこあるものの、女性でいることのメリットもあるし何より女性として生きることに楽しさを感じているので、まぁプラマイゼロかなーぐらいの感覚でした。

でもそう感じられるのはきっと、
・身近に極端な男尊女卑思考の人がいないこと
・災害などで避難所生活をしたことがないこと
・深刻な性犯罪に遭ったことがないこと

この3つの条件が揃っていたから、つまりはただ運が良かっただけなんやなぁ…ということがこの本を読むとわかります。

にしても、この本に出てくる男性陣が軒並み男尊女卑がすごくてもう腹が立って仕方がなく、「これいつの時代の話…!って、2011年やん」とビックリ。

フィクションだからと思いたいけど、でも当時これに近いことも起こったのかな…。
なんて思っていると、巻末に参考文献がズラリでまたビックリ。

どうやらほぼ、現実に起こったことだそう。

私個人としてできることはめちゃくちゃ小さいけど、とりあえず何かが起こったときに「女の敵は女」にだけはならないように気をつけよう。うん。

避難所での生活の描写は非常に過酷で、今だと新型コロナウイルスのせいでより大変なんでしょうね。
どうかもうこれ以上大きな災害が起きないように、祈らずにはいられません。

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Posted by ブクログ 2022年08月02日

「私たちは家族同然で、これからも協力して生活していかなければならない。互いに絆と親睦を深めましょう。だからね、我々に仕切りなんてものは要らないです。」
秀島の言葉。最初は小説用に誇張して描かれていると思ってた。まさか実在していたなんて、ショックだった。
私だったら精神的なストレスで、協力できるものも...続きを読むできなくなっただろう。(かと言って面と向かって秀島に意見する勇気もない)

“命が助かったことが果たして喜ぶべきことなのかどうかもわからなくなりつつあった。”や、“生き残ったことが、果たして幸せだったんだろうかと渚は思った。”
という文章を読んで、皆が皆生き残れたことを喜び感謝しているわけではなかったことを知った。

最後は女性陣で手を取り合って前進していく姿、応援したくなりました。今まで我慢してきたから、きっとこれからも乗り越えられる。表面上威張り散らしていた男性陣よりも、ずっと強いし勇敢です。がんばって☆

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月17日

東日本大震災を題材としたフィクション小説。
しかしあらすじにあるような段ボールの仕切りを使わせないという事例は実際にあったらしく、避難生活の苦悩が描かれいます。

出てくる男達のほとんどクズばかりでした。
同じ男の自分でもちょっとこれはないわって奴らばかりだった。

でも福子や渚も「少し落ちついて」...続きを読むと思った所もあった。
怒りは最もな感じもあるけどそれを言ってはみたいな・・・まぁあの震災の後の事だしそれを思えば仕方ないかな

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Posted by ブクログ 2021年12月26日

読み終わって何日も経ったのに、なかなか感想が書けなかった。
東日本大震災で被災した人々の、その後の日々が綴られていて、読んでいるだけで苦しい。

苦しむ女たちと腹立たしいほどに勝手な男たちが(きっとあえて)対照的に出てくるのだが、これは震災前からあったものが、表面化してきたという事だろう。
絆を盾に...続きを読む、段ボールの仕切りも使わせなかった避難所は実際にあったこととの事で、もし自分がその場にいたら…やはり怖くて異を唱えられないように思える。
そして、意見してくれる男性もいれば、女性を敵視する女性もいる。
やはり、男女だけではなく、全ての人それぞれの生き様なのだと思う。

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Posted by ブクログ 2021年12月22日

田舎はこんなにも男尊女卑社会なのか…と、戦慄。令和の現代でも、虐げられている女性がまだまだいるのだろうか。現実に。
物語の中で、主人公達が声を上げていく、自分の環境を自ら変えていく様子はとても胸を打つものがあった。

今の30代ファミリーは、家事育児をすることが当たり前の夫がほとんどで、20代では男...続きを読む女平等の意識がさらに進んでいると聞く。
男性・女性という性別や人間のカテゴリー分けで、個人を蔑ろにされるようなことがあってはならないのだと、これからを生きる子ども達には、当たり前に思うようになってほしい。
老人世代との意識の断絶は避けられないが、この日本でも身の周りが、どんどん変わっていくのを感じている。
それでも旧態依然とした会社、環境なんかも未だ歴として存在するので、そのような場所に身を置いて辛い思いをしている女性は、どんどん声を上げたり、環境を変えた方がいいと思う。自分を守るために。
そんなふうに思わせてくれる小説だった。

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Posted by ブクログ 2024年02月16日

リアルな部分が多かったのですが、実際のシチュエーションをモデルに書かれたとのことで、なるほどなと思いました。冒頭部分では、自分は今まで想像しようとしない、隠れた部分を知ることができた気がします。
年明けから大きな地震や、最近も時々揺れを感じることがあるので予測というか、そんな意味でも読んでおいてよか...続きを読むったかなと思いました。

今の生活ではピンとこない避難所の窮屈さとか不安だとか、それから考えられないような驚くようなできごと。ありえないと思いましたが、残念ながら実際にありえることなんだろうなあ。
このお話ではラストはそれなりに希望をもてる、少し明るく終わらせてくれるところが良いと思いました。
とはいえ、生き残ったから物語ができること。大切な人でも亡くなってしまったり、死んでほしいと思っていた人が(小説の中の記載でです!)生きていたり、日常が一変して気持ちも穏やかではいられないだろうし、できることといえば平穏な日々を祈るしかできない…怖がりなので再読はないかな。

本の内容とは逸れますが、なにか問題があったときに、対応してくれる役場の方に怒鳴る方をたまに見かけます。内容によっては、仕方ないことももしかしたらあるもしれませんが、せめて命に関わるようなことでない場合は、街のために働いてくれている方々に感謝の気持ちをもって冷静でいたい。

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Posted by ブクログ 2023年10月23日

10月-12。3.0点。
東日本大震災、被災して避難所に行く3人の女性。
夫を亡くし、赤ん坊と舅と義兄と一緒の若妻。55歳の中年女性、スナックを営む出戻り娘(小学生の息子)。

読みやすい。ありそうなストーリーだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月14日

東日本大震災での津波から九死に一生をえたのもつかの間、避難所で待ち受けた現実。田舎の風習もあるのだろうが、明らかな男尊女卑に嫌悪感しか抱かなかった。人格の優れた人ばかり集まるわけではないし、そんな極限状態の時こそ普段は抑圧されていた本性が出てしまうのかもしれない。報道では絆とか助け合いという言葉でよ...続きを読むい面が多く流れていたが、助かったのに死にたいと思う環境は地獄だ。

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Posted by ブクログ 2022年07月09日

知らずに買ったけど、「七十歳死亡法案、可決」の作者だったのね。
改題前と文庫版とでは表紙が違っていて
同じタッチの絵だけど3人が寄り添って立っている文庫版のほうが私は好きです。

「田舎は」と一括りにはできないけど
田舎に住む友人もいつか言っていた、「とても窮屈」。
外から見たら分からないね。

...続きを読む乃目線でのストーリーがもう少し読みたかった。

文庫版の帯が、ノリが軽い感じで書かれていて合わない感じがした。

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