【感想・ネタバレ】女たちの避難所(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延(はびこ)り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。『避難所』改題。

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Posted by ブクログ

東日本大震災の被害に遭った避難所の話。
日本の社会での「女性の居場所のなさ」が浮き彫りにされている。

解説にも書かれていたが、
『様々なものを失って、被災者は心も身体もケアを必要としているのだが、「人をケアすべき性」として扱われてきた女性被災者たちは、頑張れと言われるばかりで、自らのケアをしてくれる存在がいない。そんな中で女性被災者たちが静かに疲れ果てていく姿が見えてきた』とあった。

また、体育館などでも女性が正攻法に拒否すれば、女性たちは共同体の中での住むべき位置を失う。にもかかわらず「みんな大変なんだから」と女性同士が牽制し合って不満を抑えこみ、「我慢」することでかろうじて成り立っていく共同体の息苦しさを感じた。

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2025年03月12日

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垣屋美雨作品らしい、学びのある一冊。
“絆”を盾に、支援物資として届いている段ボールの仕切りも使わせない避難所。そこにある男尊女卑。垣屋さんの小説なら、もしや、と思ったら、やはり事実を基に書かれた小説であった。
人間は難しい。

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

いつもは痛快軽妙な垣谷さんの本
読んですぐに震災の題材と知り、クスッと笑えるいつもの垣谷節はいつ出てくるのかと期待がなくなると同時に強がらないと踏ん張れない弱き女性の哀しさとどうにもならない怒りが募ってきました。
何度も読む本ではなく、何人もの老若男女に呼んで欲しい本だと思います。

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2024年07月28日

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ネタバレ

東日本大震災の話。

椿原福子、山野渚、漆山遠乃。

3人の女性の視点で、被災の瞬間から避難所生活、その後までが細やかに描かれていく。

僕は楽しい本を選びがちだが、読書による擬似体験で「想像力」を養う、というのはとても大切なことだと感じた。

僕は阪神・淡路大震災で27歳のとき、1週間ほど小学校で避難所生活を送った。

そのときの避難所には、作者の垣谷さんが本作を書くきっかけになったという「仕切り」などなかった。

その当時の僕は、「仕切りはない方が・・・」と説かれればそんなもんなのかと思っただろうし、「プライバシーの確保に仕切りは必要」と訴えられたら、それはそうだろう、と思ったことだろう。

どっちやねん、という感じだが、今なら、本作が「避難所」から「女たちの避難所」に改題され、しんどくなるほどしっかり書かれている福子の夫に対する不満、遠乃の舅や義兄に対する憤り、彼女たちの置かれている理不尽な状況がよく分かるようになった。

フォロワーさんとのやりとりがなければ、本作を手に取らなかったと思うので、まずはそこに感謝したい。

「想像力」と、それが自分に欠けているのではないかと自戒する気持ち、他者への「配慮」、それらを、自分が追い詰められているときに持ち続けることができるかどうか。

自問させられた作品であった。

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2024年04月25日

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東日本大震災の時、テレビでは助け合おう、みんなで頑張ろうって言うのを目にしたけど、現実はそうではないことを考えさせれた。避難所のしんどさと、どんどん神経がすり減っていくのを読んでて感じた。もちろん、助け合ってみんなで頑張った部分もあるかもしれないが、裏の部分もあったことをもっと世間に知ってもらうのも大事だと思う。勉強させられた小説でした。

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2023年06月25日

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すごい本です
まさにフィクションではない、現実をしっかりと正確に書いてあると感じます
東北の男性全てが、遠乃の舅や義兄のような人ばかりではない
でも、一部にいるのは確かだ

お金を与えなければ、どこにも行けないだろうと思っている
自分のもの以外も全て自分が管理
こっちで出すから、言ってこいとはいうものの、お金の話をすると、金の話ばっかりしてとこちらが金の亡者と言われる

嫁という立場は、本当に弱者だと思う
だから、震災後同居をしなくなる家庭が増えるのは当たり前だと思った

とにかく逃げてと応援しながら読んだ

化粧品やマッサージが前向きな力になった事で、私のやりたい事は間違ってないんだ!とも確信した

震災があったからこそ浮き彫りになった闇
我慢はいらない
同じ状態にある人は、逃げることを考えて実現して欲しい
簡単な事じゃないってわかってる
私も昔逃げた一人として、今があの時より自然体でいられているからこそ、心から応援したいと思います

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2023年04月16日

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意義深い小説。本書は東日本大地震の被災地を舞台に、避難所生活をする女性たちが経験した差別を題材にしたストーリー。「和を乱す」などという意味不明な理由で仕切りを使うことが許されず、そのため女性は着替えすらままならず、下着泥棒が多すぎて洗濯ができず、トイレに行こうものなら強姦の対象にされ、赤ちゃんに授乳をすると嫌らしい目で見られ、授乳中の身で普通より飲み物と食べ物が多めに必要なのにそれは許されず、身内の男性にさえDVを受け…悲惨だった。少なくともこの国では、女に生まれた時点で負けが決まっている。

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2025年11月06日

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数日かけて読み終え、読んでる期間は節水や節電をつい意識してしまった。こんな経験はしたくないなと思ってしまうが、明日は我が身。そんなことは言ってられないと感じた。
みんなでひとつになろうとか、家族同然とか、もっと辛い人がいるとか、きれいな言葉ほど同調圧力になって恐ろしい。男尊女卑文化がここまでくると殺意が湧くのも無理はない。
学生の時に被災地ボランティアに参加したことがあるけれど、今思うと全然当事者のことを考えていかなったな。いろいろ考えさせられる本だった。

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2025年10月27日

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好きな作家さんです
静かで深い感情とリアルさ
変化をおそれる思い
現状がつらくての決断
決断した先も苦労が続きます
女性に対しての応援歌だと思いました

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2025年05月26日

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東日本大震災から10年以上経ちその後も震災や災害があり避難生活をニュースで見るたびに心が痛んだ。この小説を読みよりその避難生活や個々に色々な事情があっただろうにとも思う。3人の世代の違う女性がヒロインとなっているけれど歳が近いせいか自分は福子の立場になって読み進めていた。親身になってしまったので14年経った今、3人の女性と昌也と智彦はどう成長しているのかと想像してしまう…

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2025年03月19日

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同じ災害に遭っても女だからの大変さがあります。避難所で会った3人の女性の苦しみと新しい生活が描かれています。

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2025年02月17日

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被災して大切な人や場所を失うということだけで充分に辛いのに、その後の避難生活も苦難の連続で読んでいるだけでも心が折れてしまいそう。
でも読んで良かったし、やはり知ることは大事。色々と考えさせられる。

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2025年02月07日

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東日本大震災の同じ避難所に集まった年代の違う三人の女性の話。
信じられないことだが、せっかく届いた間仕切りを、年配の男性リーダーが、「同じ避難所にいる我々は家族同然だから、間仕切りを使うなんて水くさい」と、設置を許してくれず、授乳や着替えなど、毛布の中でこっそり行っていたと言う。これは実際に何ヶ所かであったそうだ。
このことに限らず、田舎では、男尊女卑が根強く残り、女は意見を言うことすら許されない。
読んでいる間中、ムカムカしてたまらなかった。能登半島地震の避難所では、少し改善されたのだろうか?
東日本大震災の時は、やたらに、日本人は避難所でも譲りあっている、暴動を起こしたりもしないし、素晴らしい民族だ、みたいに報道されていたけれど、実際はそうでもないと改めて感じた。

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2024年10月27日

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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 

いきなり、スタートが衝撃でした。
震災が発生するところからスタートで、ドキドキ感が伝わってきて、吸い込まれていきました。

3人の主人公が交互に展開していく形で、どの主人公たちもつらい境遇。
そして、ほとんど、男がダメ。
やっぱり、男はダメだ、、、女性が男といるメリットはあるんだろうか、と、この作品でも痛感させられました。

とくに、田舎の男たちが、ほんとダメな感じで描かれていて、もう、男の私でも憎しみが湧いてくるような感じでした。まだ、いるのかな、、、こんな人たち(T . T)

最後に向けて、思うような展開になっていくので、ホッとしました。今の若い女性は、しっかりと収入を確保することと、結婚にこだわらないことですね。子ども欲しくても結婚せずに子ども産む選択肢を探した方がいい。ほんと、結婚なんて、期間決めてやるべきだなと、この作品を見ても思いました。

なかなかに、震災現場の辛さが伝わってきて、なんともいえない気持ちになります。死生観、しっかり考えないとだめですね。


/_/ あらすじ _/_/_/_/_/

3人の女性が主人公。
震災によって、人生が大きく変わって行ってしまう。
私と対面することで、死生観をつよく意識するようになり、新しい一歩を踏み出していく。


/_/ 主な登場人物 _/_/_/ 

椿原福子 55歳、ダメ夫を持つ、スーパーで被災
山野昌也 少年、渚息子
山野渚 40歳、1人親
漆山遠乃 うるしやまとおの、28歳、生後6ヶ月の子を持つ母、自宅で被災、白雪姫

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

これまでに起きた日本での震災をベースに書かれたフィクションだけどノンフィクションのような小説。
ここに描かれたこと、津波からの生還、別れ、古い田舎町ゆえに残る家父長制やモラハラ、正義や善意の皮を被った独裁、女性=時と場合によってはまだまだ弱者であること、なんかは少しずつ形を変えても実際にあったことなのではないか、と容易に想像することができる。
また、政府支援や義援金、救援物資の対応の鈍さや、実際に欲しいものが行き渡らないジレンマなどは、経験した人にしかわからないことで、テレビ越しに知ることには限界があるよなぁとまざまざと感じた。

主な登場人物である三人の女性は年齢も背景も当然異なるが、それぞれがそれぞれに傷ついて、やがて立ち上がる様子が清々しい。
今もどこかで頑張っているかな…と考えてしまうほどに、リアルだ。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

東日本大震災で被災した宮城県の某市(架空都市)。
そこで暮らしていた、パート主婦の福子、小さな飲食店を経営する渚、赤ん坊を抱える遠乃。
三人の女性の視点から、物語は進む。

福子が被災してから命が助かるまでの描写が壮絶だった。
以前、東日本大震災を題材としたドラマを見たとき、福子のように泥水の洪水の中、浮いているものや樹木にしがみついて男性が生き延びるシーンがあったことを思い出した。

遠乃は赤ん坊を抱えいるものの、20代で若く、福子が「白雪姫」と称するような美人だ。そんな遠乃が被災で夫を亡くし、義理家族や避難所の男性たちから性的被害になんども遭いそうになる。
夫が生きている間は遠乃を守ってくれていたが、その夫がいなくなったとたんの男たちの浅ましさよ。おぞましい。

私は渚と同年代で、小学生の子供がいる。
自分のせいで子供がいじめられていたと気付き、自分自身も地域の人達からよく思われていなかったことが浮き彫りになっていく過程、私も胸が潰れる思いだった。
渚への差別的な発言(離婚家庭、水商売にたいする偏見)や、親が主導する形での子供同士のいじめなんて、ありえない!と都会の人たちは思うかもしれない・・・でも、本当にあるんですよ。
私が生まれ育ったのは東北の中でも比較的人口の多い市ですが、大人が二人集まれば妬みや噂話ばかり。
今は、新幹線やネットも整い、地方から東京に遊びに行くことも容易になったので、今の若い大人世代は都会同様に推し活とか楽しいこともできるから、そういうのはないかもしれない。
他方で、自在に都会に遊びに行くこともできない娯楽の少ない時代を生きた東北の老人たちは、今でもこの本に書いてあることが悪意ある誇張ではないほどに、偏見と意地悪心、支配欲のようなものに取り憑かれて生きているのです。

避難所では、人間関係が形成されるものの、安全な地域に家族親戚がいて頼れるような人は、次々と避難所を出ていく。
避難所の中でも格差はあるのだ。
頼りになりそうな人として登場した山崎先生が、大きな改革を起こすでもなく、あっさりといなくなってしまったのも、なんかリアルだなぁと思った。
どんなに立派な人がいても、多勢に無勢。高齢者に避難所生活を長く続けさせることはできないのだろう。

「絆」「家族」「一心」を合言葉に人のプライバシーを奪い、仕切りすら作らせない老害たち。
どんな言葉を並べても、根底にあるのは支配欲と、自分がすべて把握したいという欲だろう。
この「自分がすべて把握していたい」という欲に、「支配欲」「庇護欲」のような適切な短い名前はあるのだろうか?とても厄介な欲。「支配」までいかなくても、こういう感情や欲望を持っている人は本当に多いのだから。
この本の3人の女性たちとその子供は、従来の「避難所」「仮設」を出て、別の場所に独自の避難所を作ることができた。でも、そんなに運の良い人ってきっとあまりいなかっただろう。それを思うと、自分が被災することが怖くなる。
今年(令和6年)1月1日に発生した能登半島地震では、その後避難所の様子がテレビで取り上げられることが多かったように思う。
おそらく、東日本大震災でのこのような反省、教訓が生きて、その時よりもプライバシーや人権に配慮した避難所生活を送ることができていると思いたい。
この本を読んで、もし私がこの本のような震災被害にあい、運良く生き延びることができたとしたら、その地域の避難所にとどまるのではなく、こどもを連れて早めに実家など安全な地域に避難しようと強く思った。
そう思ったら、実家の存在のありがたさを痛感した。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

震災にあい命からがら避難所へ。でもそこは決して居心地の良い安全な場所ではありませんでした。3人の女性目線で描かれたそれぞれの苦悩や思い、まだまだこれが日本の現実なのだと思い知らされました。最後は3人が新しい未来に向かって歩き出せて良かったです。

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2024年04月11日

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柿谷さんの作品を読んだ頃がなかったのですが、
簡単ではないテーマ、取材されて書かれているんだなーと思った。
フィクションである意味が、ここ本だと分かる気がした。

この本は、3人の女性の視点から、被災地の避難所とその後の避難生活の具体的な経験を伝える。

主流で語り継がれる震災の物語じゃない震災の物語。

絆、和、叫ばれたディスコースは、当時も批判はされてはいたけれど、個々人の体験として、想像させられた。

女性の居場所が、本当になかった。
でも確かにこれは、普通の都会の家庭でも起こっていることだと思う。

被災地が、日本社会の縮図であるように感じた、といったことがあとがきで書かれていた。


東日本大震災から13年たって、
この女性の視点で被災地や社会は見ると、どう変わったのかな、と思う。

地震で生まれた亀裂を梃子に、自分達のスペースを、確保する活動が今も続いてはいるのだと思う。

この息苦しさは、繰り返す必要がない。

教育。女性が非対等に依存することのリスクをまず若いときから教えられることがかかせないと思った。

家父長制の息苦しさは、いらない。

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2024年04月04日

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ただでさえ苦痛な避難所生活に、さらに女性には苦難がふりかかる。本当に解決しないといけない問題に気付かせてくれるお話でした。

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2024年02月04日

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「憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説』
まさに、ショックと悲しみと怒りまみれになった。
フィクションだが、描かれている避難所の様子はほぼ起きたのではないかと思います。
女性の立場の弱さに不安になりました。
生き残った登場人物の男性達...クソすぎる...

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2024年01月13日

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東日本大震災を被災した女性3人の話
おすすめ本
北陸で元旦に地震があったので手に取った
また同筆者のオヤジ改造計画がお気に入り

この本を読むことで、被災した方の辛さに触れられる。震災大国の日本では明日は我が身として一気に読める
行動(立候補・離婚・転職)へのきっかけが怒りであることも共感できた。

定期的な災害グッズの確認は子供がいる身として必須

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

東日本大震災にあった三人の女性が避難所や家族の男尊女卑に立ち向かい、自立していく姿を描いた話。
震災津波は小説の描写でも自分が想像していたより酷い状況で、いざという時の備えの大切さ、備えても無駄なほどの脅威を感じた。
そんな震災の中でもマスノさん、晶子さん、福子さんのようにいざという時人を助けられる余裕、負けない潔さを持ちたいと思った。

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2023年11月19日

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「絆を盾に段ボールの仕切りすら使わせない避難所が現実にあった。男達の横暴に、3人の女が立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説!」

裏表紙の内容紹介にあったとおり、本当に憤りで読む手が止まらなかった。あとがきにて作者の垣谷美雨さんが記されていたとおり、この震災大国日本で、誰がいつ被災してもおかしくない。明日は我が身と思いながら、多くの方に手にして欲しい作品だと思った。

東日本大震災の震災報道は、年月が経つにつれ随分と減った。また震災報道といえば、絆や人間愛、ボランティアをクローズアップした美談が多く、違和感を感じていた方も少なからずいると思う。かくいう私もその一人だ。

本作は、被災した3人の女性を主人公に、語られなかった被災地の実態をそれぞれの目線で丁寧に描くことで、臨場感が増しており、災害の怖さに加え、生死を前にした人間の本性を浮き彫りにした作品となっていた。

一見すると、田舎ならではの人間関係のしがらみや風習が色濃くうつるため、対岸の火事の様な気持ちになるが、今私が住んでいる場所で被災したら、どうなるだろう…と考えて、ゾクッとした。
自然災害に乗じた強姦や窃盗の話は何度も耳にした事がある。きっと、程度は違えど同種の問題はそのまま居座り、田舎町とはまた種類の異なる問題が勃発するであろうことは明確だ。

作中でも被災後に離婚する話が出てくるが、東日本大震災後に、結婚・離婚が増えたと聞いたことがある。限界の状況で人間の余分な物を極限まで削ぎ落とした時、或いはそれを擬似体験をした時、本当に必要なものが浮き彫りとなった結果なのだと思う。

タイトルにある『女たちの避難所』が体育館に作られた仮設の避難所ではなく、その先にある主人公3人の新たな避難所であったことが救いだった。
ネタバレになるのでこれ以上は避けるが、何処で住む道であれ、3人のそれぞれのこれからに希望の光があり続ける事を願わずにはいられなかった。

そして、本作を読んで、私自身、有事の時であっても己を忘れずに現実を打破し脱出する「強さ」をもてる人でありたいと思った。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

東日本大震災。
日本中の人々が忘れることのできない大きな災害だ。

地震直後から、命からガラの避難、肉親の死、そして避難所生活。

この中で東北の女性たちは、見ぬふりをしてきた大きな女性蔑視や男尊主義という戦前の価値観から苦しめられる。
その中から実際にあったことを丹念に取材し、古い体質と痛めつけられた女性たちの大脱出劇が語られる。

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2023年08月03日

Posted by ブクログ

災害が起こったときの避難所は有り難い存在に違いないが、そこで実際に何ヶ月も過ごすストレスは想像を絶するものだとわかる。
この作品では避難所で生活することになり知り合った3人の女性が主人公だ。いろんなものを失ったことで逞しく強くなった女性たちがこれからの未来を生きるために決断したことは…

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2023年06月28日

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東日本大震災での避難所生活を元にしたお話。非常事態の中では、女子供の立場はとても弱くて、地方はより男尊女卑なんだと思う。現実に近いだけにゾワゾワしながら読んだ。特に夫を亡くした嫁を兄弟にって、戦後か!と腹ただしかったが、実際にあったのかもしれない。

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2025年01月02日

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リアルな部分が多かったのですが、実際のシチュエーションをモデルに書かれたとのことで、なるほどなと思いました。冒頭部分では、自分は今まで想像しようとしない、隠れた部分を知ることができた気がします。
年明けから大きな地震や、最近も時々揺れを感じることがあるので予測というか、そんな意味でも読んでおいてよかったかなと思いました。

今の生活ではピンとこない避難所の窮屈さとか不安だとか、それから考えられないような驚くようなできごと。ありえないと思いましたが、残念ながら実際にありえることなんだろうなあ。
このお話ではラストはそれなりに希望をもてる、少し明るく終わらせてくれるところが良いと思いました。
とはいえ、生き残ったから物語ができること。大切な人でも亡くなってしまったり、死んでほしいと思っていた人が(小説の中の記載でです!)生きていたり、日常が一変して気持ちも穏やかではいられないだろうし、できることといえば平穏な日々を祈るしかできない…怖がりなので再読はないかな。

本の内容とは逸れますが、なにか問題があったときに、対応してくれる役場の方に怒鳴る方をたまに見かけます。内容によっては、仕方ないことももしかしたらあるもしれませんが、せめて命に関わるようなことでない場合は、街のために働いてくれている方々に感謝の気持ちをもって冷静でいたい。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

あとがきでも触れられていましたが実際のシチュエーションをモデルに書かれたということで、今まさに数多くの被災された方々をおもうと胸が締め付けられる思いです。
三人の女性がメインですが実際にも同じような境遇の方々がたくさんいらっしゃるのでしょう。
読んでよかった一冊です

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

10月-12。3.0点。
東日本大震災、被災して避難所に行く3人の女性。
夫を亡くし、赤ん坊と舅と義兄と一緒の若妻。55歳の中年女性、スナックを営む出戻り娘(小学生の息子)。

読みやすい。ありそうなストーリーだった。

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東日本大震災での津波から九死に一生をえたのもつかの間、避難所で待ち受けた現実。田舎の風習もあるのだろうが、明らかな男尊女卑に嫌悪感しか抱かなかった。人格の優れた人ばかり集まるわけではないし、そんな極限状態の時こそ普段は抑圧されていた本性が出てしまうのかもしれない。報道では絆とか助け合いという言葉でよい面が多く流れていたが、助かったのに死にたいと思う環境は地獄だ。

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2023年05月14日

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