あらすじ
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 伊坂幸太郎、伝説のデビュー作見参!
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Posted by ブクログ
信頼できない語り手:
小説や映画などで、語り手の主観や記憶違い、あるいは悪意などによって、語られる内容の真実性が歪められ、読者や観客をミスリードする表現手法(叙述トリック)のこと。(ウィキペディアより)
伊坂さんの小説の魅力はこれの逆にあると思う。
主人公が受け手として誠実であるだけでなく、この人となら一緒にこの物語を旅してもいいな、案内人を任せられるな、と感じられる。
どんな状況に直面しても受け止めようとし、自分の気持ちやなすべきことについて考えることを止めない。
この物語の「伊藤」しかり、殺し屋シリーズの「天道虫」しかり。
まさに“心から信頼できる”語り手。
その分私たちは気を散らすことなく物語の“問い”に向き合い、贅沢な読書体験ができる。
Posted by ブクログ
不思議な体験だった。
心地よく、魅力的な登場人物との会話に引き込まれた。
島の物語の間に差し込まれる城山の残酷さ、
自分の欲のために行動する曽根川の卑しさに
嫌悪感を抱くものの、
島の不思議な雰囲気よりも
私たちにとっては身近なものだと感じた。
一方、島にも犯罪や悪意はあり、
島が夢の空間ではないことも実感させられる。
どんな現実にも愛に溢れる素敵な人間もいるし、
悪意に塗れた人間もいる。
その中で、一度しかない人生を受け入れて
生きていくしかないんだと思わされた。
Posted by ブクログ
なんだかとんでもない物語を始めてしまった気分になった
作者独特の世界観の自己満足ストーリー??と思って読んでいたけど、なんとも美しく軽快でシュールな世界にどっぷりハマってしまった
理解し難いと思っていたけど、読む手が止まらず読後は伊坂幸太郎大好きになっていた!
この文量を飽きさせずにずっとワクワク読ませる才能、すごい
終わり方も好き
解説読んで他作品も読みたくなった
Posted by ブクログ
おんもしろかった!!伊坂幸太郎ハマってしまった。解説で本小説のことをシュールだと言ったがその通りだ。シュールだった。
先が読めない展開、この文量なのでテンポが悪いかと言ったらそうでもない。スイスイ読める。
ただ、ミステリー特有の登場人物の多さからちょっと飛ばし読みしてしまった箇所があるのでぜひ再読したい。
Posted by ブクログ
この島に足りないものはなんなのか これを常に考えながら読み進める
夜は短し歩けよ乙女の森見さんとはまた違う独特な世界観。これが処女作だとはびっくり。
仙臺の話が多いので伊坂さんは宮城生まれかと思いきや、関西生まれで東北大卒らしい。
サンファン館に行った時に、支倉常長の小説ということで紹介されていたが、支倉常長を追う物語ではなかった。 シュールオブシュール。そして城山来てどうなっていくのか、でも残りページが少ないなと思ったら桜に呆気なくやられる。大事なのは城山ではなく音楽だったから。シュールなのに情景が浮かぶ不思議な体験でした。
Posted by ブクログ
仙台でコンビニ強盗未遂事件を起こした伊藤。事故に遭い起きるとそこは誰も知らない島「荻島」だった。
そこには未来を見通すカカシ・優午、嘘しか言わない元画家・園山、殺人を許された詩集を好む男・桜など癖のある者ばかり。
ー ある日カカシが殺された。未来が見えるカカシはなぜ自分の死を防げなかったのか。
伊藤は島の案内役を買って出た日比野とともにカカシを殺した犯人を探す。
古くから伝わる「この島に足りない何か」とは。
みなさんが言うように前半は我慢、後半(ラスト100ページくらいかな?)から大伏線回収劇が始まる。
不思議な物語だけど引き込まれる。読みながら予想してみたり推理してみたり。
カカシが伊藤にこの島にいなければならないと言った理由。なるほど、全てが繋がった。
伊坂さんの作品の中で突拍子もない、憎めないヤツが好きな私。今回は日比野でしたね。
「自分の投げた矢が絶対、的に当たっているものだと思っていてさ、それがてんで外れた地面に突き刺さっていたら、寂しいじゃないか」と言う伊藤に対し「落ちた場所に、自分で的を書けばいいんだよ」とこたえる日比野が印象的。
日比野のこういうところが好きなんだよなぁ、が詰まった会話だった。
今更ながら伊坂さんデビュー作を。
話の展開に使われる可愛らしいマーク、デビュー作から使われていたんですね。
癖のあるキャラクターばかりで楽しめました。
Posted by ブクログ
物語の中心にいるのは、未来を知り、人間の言葉を話すカカシの優午だ。未来が見えるはずの優午は、なぜ殺されなければならなかったのか。そして、未来を知っていながら、なぜそれを人々に伝えなかったのか。
カカシの死の謎だけでなく、島に足りないもの、住民たちの不可解な行動など、一見するとばらばらに見える要素が、物語が進むにつれて一つの結末へと向かっていく。伊坂さん特有の気の利いた会話やテンポのいい語り口によって、伏線や物語のパーツが自然に散りばめられている。そして最後には、それらがぴたりとはまっていく。この感覚がとても気持ちよかった。
特に印象に残ったのはラストシーンだ。優午が本当に聞きたかったものを、最後には無事に聞くことができたのだと分かる。読み終えた後もしばらく余韻が残った。
Posted by ブクログ
コンビニ強盗をしでかし逃げた主人公は隔離された島で目覚める
奇妙な住人たちと、未来がわかる喋る案山子の話
嘘をいう元画家、島と外を行き来する人、地面の音を聞く女の子、拳銃で人を殺す人⋯
未来を知る喋るカカシ
殺害されたカカシはなぜ自分の死を阻止出来なかったのか、を巡り展開していく
島には大事なものが欠けている
序盤からそう言われてどんどん引き込まれていった
派手な事件はないけど、日常がショッキング過ぎて目を見張った
軽やかなデンポで穏やかに話が進む感じがするのに全然穏やかじゃない独特さがある
これがデビュー作なんて!
っていうくらい印象的な物語
作家生活25周年限定カバー表紙がとてもいい
私が住むところは割に都会なんで、最近はカカシを見かけたこともない
どこか出かけた先でカカシを見れば、"優午"かもしれない、なんて思うかもしれない
おもしろかった
Posted by ブクログ
私が伊坂幸太郎を読み始めるキッカケになった1冊。長らく再読はしていなかったが、特殊仕様のカバーが付くとのことでこの機会に再読。色々忘れていたり覚えていたりしたが楽しめた。この頃から既に伊坂幸太郎っぽかったんだなぁとしみじみ。
Posted by ブクログ
独特な世界観!
優午の口調が穏やかで独特で好きだったなあ
優午が話を聞けなくなってから少し寂しかった。笑
メッセージ性の強いストーリーというより
世界観を楽しむ物語なのかなと思ったけど、
「大きな流れは止められない」みたいなフレーズは印象に残った
今生きているこの現実が止められない大きな流れの中にある感じがして怖くて、、
大きな流れは止められなくても、諦めずにできることをやる、それは小さなことかもしれないけど誰かに受け継がれていつか形になっていくことを追えて面白かったし勇気づけられた
城山は本当に酷すぎて読んでて辛くなったな、、島にいた税理士の男もだけど、現実(って言い方が適切かわからないけど)島にも物凄く残酷な人がいるっていうのも何か意味が込められてるのかなと思った
Posted by 読むコレ
デビュー作。
余りにも非日常世界で繰り広げられるミステリーの
枠を越えた不思議な作品。
「音楽」をこうやって表現するんだ!!と思い知らされた、
衝撃的な手法。カッコいいー。
それから回想でしか登場しない祖母のキャラクターも秀逸。
流石です。凄い人は最初っから凄い!
Posted by ブクログ
誰も知らない島でのファンタジーミステリー
その島は百年以上に渡り外界との交流をしておらず、島民は普通に生活しているようでも、少しずつ違和感のある世界を描いていて不思議な感覚になりました
島にとっての普通が主人公にとっての異常で、主人公にとっての普通が島にとっての異常で、現実とファンタジーとの境目が曖昧になっていくのが面白かったです
自分の常識が通じない脅“威の離”島に行っても、自分の使命を全うする主人公の力強さを感じました
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎のデビュー作であると聞いて読んだが、既に著者の世界観が確立されていて驚いた。閉ざされた島で「未来が見える」カカシを中心に物語が展開される。あらすじのこの部分だけを切り取ると子供向けの物語のように感じる。しかし、これこそが伊坂幸太郎の独自の世界観であり、このシュール(超現実感)は他の作家では感じることのないものだった。
物語に散りばめられた伏線(伏線に感じられないものも)が終盤にしっかりと回収される。一見、関係性の見つからない大小様々な出来事がラストに繋がっていき、とても気持ちよかった。
物語を読みながら、あれこれ自分で推理してみたのだが、ラストの展開は当てられなかった。構成が綺麗で文も読みやすく、あらすじで好き嫌いせずに様々な人に読んでもらいたい。お勧めしてくれた友人に感謝。
Posted by ブクログ
恥ずかしながら伊坂幸太郎さんのデビュー作とは知らずに、25周年限定カバーの装丁(by坂内拓さん)が素敵で購入。
序盤は外界から遮断された島、という設定の上で個性しかない登場人物とイベントに遭遇する。
奇抜だけど淡々としている、そこに田園や星空風景が加わり、なんともシュールで不思議な小説という印象。
後半はおとぎ話じゃなくてミステリーだったと、ハッとさせられる。ロマンティックとも言えるラスト。
主人公伊藤と当時の伊坂さんは
同年代、システムエンジニア、仙台と共通項がある。
伊藤はご自身のイメージで書かれたのでしょうか。
そして
論理的で極めて現実的な世界で仕事をしている伊藤がなぜコンビニ強盗をしたのか。この事実だけ解せない。
かすかにジャズが流れる空間で珈琲を飲みながら読みたい小説。
私はペンキ屋日比野さんが人間味があって好き。
Posted by ブクログ
10年以上ぶりに再読。
大好きな伊坂さんの原点にして頂点と言える作品。
読み直してみて、本作への思い入れは思い出補正も多分にあることが判明し、少し寂しい思いをするなどしつつ。
それでも存分に楽しめました。
「地図に載ってない閉ざされた島で、喋る案山子殺人の謎を追う」
という本作のあらすじだけを見ると、子供向けファンタジーのような感じがして避けられがちのように思います。
実際、幾度となく周囲に熱烈推薦してきましたが
「リアリティなさすぎて…(苦笑)」
みたいな反応をされることが多かったです。
忸怩たる思いです。もっと布教する力が欲しい。
自分が本作を初めて読んだのは10代で、鮮烈な衝撃を受けました。
物語自体が面白いのもそうですが、登場人物たちの中にある哲学がどれも素敵で、単純に「かっこいい人がたくさん出てくる話だな」と感じていました。
かっこよくて、しっかり自分を生きている。
俗っぽく周囲の目を気にしている自分のような人間はどこにもいなかった。
知らないことだらけで軸がブレブレだったあの頃に本作に触れられたことは、自我の形成にかなりかなり大きな影響を与えました。
そんな記憶も遠くなった今改めて再読してみたところ、あの頃とは違う感性を持って受け止める本作はまた違う味わいでした。
きっと当時とは違う一節が琴線に触れているだろうし、当時とは違う人物に共感している。
前述のとおり、有り体に言うと初回ほど面白くは感じませんでした。
だけど不意に、自分の歩んできた道はこの文章があったからなんだと感じる瞬間があり、小説を読みながら自分の半生を振り返ることができました。
経験や環境で感性は良くも悪くも変わってしまうけど、この作品を読み返すことで自分の現在地点を確認できるような気がします。
Posted by ブクログ
なんだこれー!面白すぎる。
読む手が止まらず、1日で読み終わってしまった!
なんというファンタジーミステリー。
冷たさだけじゃなく、人と人とのつながりの温かさもちゃんと描かれているのが良かった。
城山の最期は呆気なかったな〜。
ある意味、爽快でもあった。
最初は怖いなあと思っていた桜も、伊藤との会話や物語が進むにつれてどんどん好きになっていった。
園山さんの奥さんが生きていると分かった場面で、
「まいったな、ベッドは彼女が独り占めだ」
と、嬉しさと寂しさが混じった言い方をしたのが印象的で、、
そのシーンを読んで、草薙の百合ちゃんに対する向き合い方を思い出した。
荻島の男女は精神的に支え合っていて、
お互いがお互いを宗教的に信仰しているような、、
それほどまでに愛が深いのだとここで感じて、ぐっときた、、
すべての出来事に意味があるんだと、改めて気付かされたな
余韻がすごい〜、、面白すぎる一冊だった。
Posted by ブクログ
デビュー作とは思えない。。
喋るカカシだとか殺人が許されている住人だとか設定からワクワクした!
島に欠けているものを、道徳的なことじゃなくて音楽にしたところがなんか好き
Posted by ブクログ
ファンタジーの世界のミステリーって感じで、最後は科学的に解き明かされるのか、それとも何かオチがあるのかと思っていたら、ファンタジーはそのままだった。
でも色んな伏線があって繋がって、その世界の中では謎解きされてて、この設定を受け入れてしまえば面白いかも。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんのデビュー作。不思議な世界観のお話だった。
コンビニ強盗未遂を犯した主人公が目を覚ますと荻島という外界から閉ざされた島に辿り着いており、そこで嘘しか言わない画家や未来が見えるカカシ、殺しが許されている男など不思議な人物と遭遇し、さまざまな事件に巻き込まれていくというあらすじ。このあらすじを見たときは伊坂幸太郎作品ということもあり、ミステリーだと考えていたが、もちろんミステリーではあるのだがそれ以上に、人間の傲慢さといった部分が物語の根幹になっているのかなと考えた。
読後にこの小説のタイトルである、オーデュボンの祈りという言葉を考えると、カカシはまさに彼と同じ気持ちであったのだと思う。彼は未来が見えるが、それを変えることはできない、ただこの世界がより良くなることを祈りつづけているのではないかと考えた。
結末を知った後にもう一度、本編を読み返してみたい、そう思える作品でした。
Posted by ブクログ
不思議な設定の最後までよくわからない話。けどそのよくわからなさに全くストレスを感じることなく自然と受け入れて読み進められる。終盤で小さな伏線が次々ハマっていく感じが心地よかった。
Posted by ブクログ
今度は伊坂氏作品読みなおしです。
なんとも不思議な世界観。
舞台は現代の仙台沖の離島のようですが、カカシがしゃべります。ファンタジーかと思いきや、現実に沿った話のようで、なかなか突飛です。また、この島は本島と断絶しており、そこに住む人たちも風変わりですが、同じ人間です。
離島というとのんびりしたいい雰囲気を思い起こしますが、どうもここは本島の縮図のように、犯罪も起こるようで、妙な窮屈さを感じました。
非現実と妙な現実感が混ざった不安定な感じです。
リョコウバト絶滅の話は衝撃でした。何しろ数字が桁違い。ちょっと信じられない感じですが、事実なんですよね。
また、本島では悪意たっぷりな悪事が描写され、この2つの事柄が人間の恐ろしさを際立たせています。すごく凹みます。
それと対を為す存在として、全てを知るしゃべるカカシと、「桜」という断罪者がいます。彼らの存在によって、読感になんとかバランスが生まれてる感じがしました。それにしても「桜」の優雅さはいいですね。なかなか身につけることができない優雅さに憧れます…
あとオーデュポンって、どこかの神様の名前かと思ってましたが、人の名前だったのも意表をつかれました。
Posted by ブクログ
最初1/3はなんだかお話が進まず長く感じた。
面白いのかどうかも分からない。
後半からは気がついたら読み終わっていた。
面白いというのとは違う感覚。
好きか嫌いかでもない感じ。
ただ城山の登場シーンだけはどうにも受け付けられなくてこの本を手に取ったことを後悔している。早く忘れたい。
最後はなんというか
伏線は回収されたし
ファンタジーというのか現実なのか。
個人的にはやっぱり好きではない。
けど気がついたら読み終わってるくらいに文才があるのを感じた。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんの世界観に浸れた。あらすじだけ聞いたら、意味わかんなくてぜんぜんおもしろくないように思ってしまうけど、語りがおもしろい。最初の作品から今までこの世界観で一貫していて、伊坂幸太郎が伊坂幸太郎でよかったなぁと、この作家さんの作品を好きになれてよかったなぁと思える。
Posted by ブクログ
主人公のいる不思議な世界にぐるぐると巻き込まれていく。読み終えて、どういう話だったかと聞かれると、けったいな話でよくわからんまま終わってしまったというのが正直な感想であった。
本を読むというのが、読み終えて何かを得るというものではなく、読んでいる最中の作品への巻き込まれ具合に重きがあることならば、この本を読んでいる時間というのは実に良い読書ができていた、と言える。
まとめると、面白かったけど、どういう話でしたかと聞かれるとうまく説明できん。
Posted by ブクログ
先が気になりすぎて、数日であっという間に読み終わった。
場所を超えて、時代を超えて、話が繋がっていて繋がっていくのが気持ちよかった。
桜は繊細で美しい反面、
誰も逆らえないルール。
今の世の中、罰することは難しいけど、
SNSが悪と判断したら特定拡散されて、
人生が180度変わるのが、
物語のなかの警察と桜、
現実の警察とSNSの関係に少し似てるなと思った。