小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ものすごく、怖かった……。
コンコン、とノックされ、返事をしたら連れて行かれるよ…という噂話、小学生の頃、流行ったなぁ。担任が「先生の所に来ないかなぁ。一緒に遊んであげるのに。」と言って、みんなの恐怖を笑い飛ばしてくれたのを思い出した(本当に、素晴らしい先生だった!)。
この本の中に、昔の姥捨て山、いわゆる口減らし、について語られている部分があったけれど、集団で村で暮らしている中では逃げることもできず、そうせざるをえない時代のことを思うと、現代の福祉、医療、尊厳というのはなんとも素晴らしい、贅沢な高尚な思想なのかと思う。また、その頃の時代を知らずに有り難みを感じずにいてはいけないと、自分の無知 -
-
Posted by ブクログ
私は本屋でこの表紙を見た時に金持ちの話なのかなと勘違いしてました(笑)
その直後に「妻夫木(聡)くんのドラマ」と知り、ドラマを観るか本を読むか悩み、本を読もうという結論になりました。
競走馬を育て上げ、年末に開催される有馬記念を目指していく物語は『継承』というのがテーマになっているんだと読後感は、余韻が強く残りました。
『継承』と感じとるのは、父・山王耕造と息子・山王耕一の親子、そして競走馬と騎手との関係性は共に戦うこと、そして競走馬から人間へ。
馬主側は『最高の競走馬』に仕立てるのは性格・体格・筋力をバランスよく兼ね備えるために、分析力が問われる。それが周りが何を言おうと覆ることがない -
Posted by ブクログ
悩み迷いながらの子育て、と共に自分の親との関係を顧みる。分かるテーマだけに、美空の気持ちに添って読むとじわじわ響いてくるものがありました。
美空は、母の愛情を探していたのですね。
親子だからと、分かり合えることばかりではなく、隔たりを感じるのは、別の人間だから。
この母親は極端ですが。
理解は難しくても、後に見守り、距離をとるという、受容という形に変化してゆくのだなと思いました。
美空を助ける周りの人々は理想。美空が前を向いてしっかり歩いているからだと思います。
状況は様々でも、日々に沢山転がっている幸せとか、何者かになりたいと、そう願う美空の心情とか、やさしくゆっくり最後には強く訴えかけられ -
ネタバレ 購入済み
僕のクイズを問うている
僕の頭は藤川球児のストレートくらい回転している。
最序盤のこの文章から俄然引き込まれた。
すごく筋の通った展開で、タイトルとラストもリンクしていて読後感の良い作品。 -
Posted by ブクログ
時代小説は嫌いじゃないんですが、なかなか手が伸びないジャンルのひとつです。しかし、「直木賞」と「山本周五郎賞」ダブル受賞と言われるとさすがにおおおお!?ってなりますよね。
仇討ちというテーマに対してかなり控えめな、美しいデザインの表紙、さてどのようなお話なのかとページをめくってみると、仇討ちそのものは序盤であっさりと終わってしまいます。そこから物語は仇討ちを見た人たちの話に展開していきます。
久しぶりにとても面白い小説を読みました。時代小説なので所々難しい漢字や見慣れない言葉が出てきますが、気合いでいけます(電子なので都度検索しましたが)。
映画化もされるらしいですが、これは表紙含め文字で味わ