あらすじ
明治三十七年二月、日露は戦端を開いた。豊富な兵力を持つ大国に挑んだ戦費もろくに調達できぬ小国……。秋山好古陸軍少将の属する第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。また、連合艦隊の参謀・秋山真之少佐も、堅い砲台群でよろわれた旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。緒戦から予断を許さない状況が現出した。
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乃木希典さん、伊地知幸介さん、毎月26日に決まって銃剣突撃を繰り返させて、2万人以上の兵を死傷させたとある。しかもロシアにバレバレだったというのも、たまらないな。
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乃木・伊地知ペアには読んでてもちろん最大級にイライラした。
でも、最大の責任は藩閥政治に拘って乃木を押した山縣有朋にあるのでは?とも思う。それに、Wikipediaによれば、乃木軍への命令系統は曖昧で、混乱が生じたとも。
能力が足りなかった、頭が硬すぎた等確かに一理あるんだろうなと理解したけど、その状態を理解しつつも変えられなかった、そもそもその状態にした組織にも大きな問題があったのでは?
乃木希典は戦争で息子2人亡くし、「国民に申し訳が立つ」みたいなことを言ったらしい。明治帝にも愛されていた。人柄は尊敬される人だったんだろうなと、パパっとググって知り得た少ない情報でも、思う。
でも確かに、203高地から攻めるべきだったよね…
関係ないけど、ゴールデンカムイの登場人物たちは兵卒としてこの旅順で死闘していた(設定)と思うと、勝手に感慨深い。
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【30年ぶりに読む「坂の上の雲」】
第四巻は「黄塵」「遼陽」「旅順総攻撃」など。陸海軍ともに激しい戦いを展開している。しかも少ない兵力で。維新後30余りで大国ロシアと戦争なんて、やはり尋常ではない。
「「旅順」というこの地名は、単に地名や言葉というものを超えて明治日本の存亡にかかわる運命的な語感と内容をもつつようになった(p225)」
第三軍(乃木・伊地知)に対する評価が酷すぎるかなと思いつつ、令和に読み返す「坂の上の雲」。五巻に進もう。
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▼日露戦争開戦。司馬さんは戦争が好きだ。ちょっと言い方が雑だけれど、司馬さんは戦争の細部や人間臭さが好きであろう。司馬さんは人間の明るさとか賢さとか合理性とか機能性とか合目的性とかが好きだし、そういうリーダーに率いられる人間の集団について、汲めども尽きない興味を持っておられる。▼そういうわけで、機械好きの子供がラジオを解体して仕組みを発見して喜び、そしてまた組み立てるように、司馬さんなりに明治日本と日露戦争を解体して検証しておられる。そして、司馬さんのような意では多くの人が戦争が好きであろう。「ガンダム」だって「銀河英雄伝説」だって「大河ドラマ」だって同じくでしょう。戦争が好きなのは男子が多いと思われる。自分もその意では、好きである。
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戦争禍において無能な上司の下に配属されることほど悔やまれる事はないとわかる。また派閥に基づく人事も碌でもない。令和の今となってもその悪しき習慣はある。残念すぎる。
無能無策な上に頑迷で、多くの日本兵を殺すことになった乃木という人間の描写が耐えられなかった。が、どうにか読み切った。次号に期待。
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日本史としてしか知り得ていなかった日露戦争。
その結果と背景しか知らなかったが、そのプロセスにはここまでも凄惨な生々しい戦争が繰り広げられていたとは。また、その上に自分たちの生活があることをありありと感じさせられる。
日本人として読むべき一冊。
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黄海海戦の緊迫感、遼陽会戦、沙河会戦での際どい戦い。バルチック艦隊のイギリス漁船攻撃。旅順攻略でのあまりに酷い乃木希典、伊佐知幸介の指揮による尋常ではない被害とそれを変えられなかった日本軍。色んなドラマが凝縮された4巻でした。
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1巻から読んできたが、4巻が一番面白かった。
海軍→黄海海鮮
陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞総攻撃
ユダヤ人との繋がり、下瀬火薬、
バルチック艦隊が英国漁船を誤って攻撃した話など、知らなかった事実を知れた。
といっても、戦場は悲惨。
食料や弾薬不足、合理性のない命令、失敗を学ばない総攻撃で何万人の兵が死んでいく。
司馬さんの乃木・伊地知への批判が続く。
これだけ読むと、日露戦争で勝てたのは
日本が強かったから、だけではなく
ロシア側が日本をアジアの小国だとなめかかっていたこと、上に立つ者の性格や思慮の浅さや独特な官僚世界の秩序など、かなり運が良かった部分もあるのではないかと感じた。
武力や勢力だけで真っ当にいくと、完全に負けていただろう。
また東郷平八郎、大山巌などの総大将としての在り方は
(部下の士気を高め、動揺を決して部下に見せてない、敗北心理を持たせない、など)
なるほどと思うところがあった。
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日露戦争 中盤
陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞攻撃
海軍→黄海海戦
常にハラハラしながら読んでた。日露戦争って勝利した煌びやかな歴史のみ語られがちだが、そんなに簡単に言い表せるものでもない。
また、組織統率者の重要性、部下に与える影響を教えられた一冊。
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正直1巻読んだときは、なぜこれが人気なの?と思ったけど、日露戦争始まってからが肝だった。小国日本がいかにして組織で大国ロシアに勝利したか、組織を統率する人たちの考え方や行動が勉強になる。経営者はこぞって読むわけだ。
4巻は、
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温泉に行く途中に車窓から橘神社を見て、何気なく調べたところ、軍神 橘中佐を祀った神社とのことだった。日露戦争で活躍されたとの事。司馬遼太郎先生の坂の上の雲を読んではいたが、この名前に聞き覚えがなかったので、改めて読んでみた。橘中佐自体は遼陽会戦の章中で一行だけの記載だったが、改めて司馬先生の淡々とした語り口に触れ、また、その語り口で際立つ先人の苦労に思いを馳せた。
別の機会に橘神社にも寄ってみたい。
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旅順でなかなか苦労していたんだな。
見てきたように描かれる情景に、やはり戦争は
いけないと改めて思う。
しかし自分の判断に、何人もの命、
一国の命運が懸かっているなんて、想像するだけでも恐ろしい。
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斜め読みになってしまったが、
日露戦争が、進んでいくさまがよくわかる。薩長がまだ関連していたり、戦いの仕方として、桶狭間の戦いなど、出てくるがすごいと思う。
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まるまる日露戦争
旅順攻撃とんでもない愚かさ
著者の乃木・伊地知軍に対する辛辣な紹介に当初は過剰だと感じたけど、読み進めると著者が優しく思えるほど苛立ちを覚える
何をしているんだよ全く
技術や能力、数で圧倒的に劣っているにも関わらずスピリチュアル的な、スポ根的なノリで戦争に勝てるわけがない
それ以外の海軍、陸軍はようやっとる
記者に対する待遇で日本の株価が暴落し、戦費を稼ぎにくかった話とかロシアの名将クロパトキン1人の動揺によって勝ち戦も逃してしまったりするところがなかなか面白い。
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巻全体を通して、組織の上に立ち、統率する立場にある人間の資質とは?について考えさせられる内容でした。
司馬遼太郎がこき下ろす、乃木希典と伊地知幸介という人物。終始モヤモヤしながら読み進めましたが、本作だけでなく、他の書籍も読んで、多角的に二人のことをもっと知りたいと思いました(それでも結果的にモヤモヤで終わるかもしれないけど)。
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203高地の戦いを経て佳境に入りつつある日露戦争の描写。その戦争のプロセスが生々しくも、日本に対し残念な描かれ方をしているのも、教育として学んだ以上の戦争の側面を、いつになっても戦争の終わらない現代に生きる自分たちに問われていると感じる。
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この巻の物語の中で乃木将軍を表すことば、エピソード、白襷隊のこと、これらの語られ方から乃木将軍を好まない人がいる理由を少しだけ理解しました。
明治帝に気に入られて、昭和天皇の教育も務められ、乃木坂駅に乃木神社がある。一般的に嫌われる訳以外のことがあるのでしょうね。
私はどちらかと言えば好きな方ですが(^^ゞ
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指揮官たるものの心得
日本軍とロシア軍のそれぞれの指揮官の気性や能力を通して、軍隊を率いるもの、現代においても組織を率いる経営者などに必要なことが学べる。
日本海軍の山本権兵衛、東郷平八郎、陸軍の大山巌や児玉源太郎とロシアのクロパトキンらの対比が面白い。もちろんロシアにも優れた指揮官はおり、クロパトキンも優秀である。だが優秀なだけでは統帥はできない。
■印象的なシーン
・6艦しかない戦艦のうち2艦を失っても平然としていた東郷平八郎
・黒木軍の勇猛さ
・この時代から根性突撃主義だった陸軍。勝ってしまったために反省せずそのまま大東亜戦争に突入してしまった
→これは高度経済成長期=日露戦争、失われた30年=大東亜戦争と読み替えて、日本企業に当てはめることもできる。。
・正しく情報を得て、正しく認識しないと判断を誤る→乃木軍
・情報は常に最前線でとる。情報化社会の今でも変わらない
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海軍による黄海での一大決戦から始まり、陸軍の遼陽・沙河・旅順大戦までが記されている。教科書ではほんの数行で説明されてしまう日露戦争の、悲劇的で薄氷を踏む戦いがありありと描かれており、怒り・悲しみと言ったあらゆる感情が胸の内から湧き上がってきた。
司馬の偏見も入ってるとは思うが、それにしても乃木・伊知地コンビは酷い。
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日露戦争開戦。
日本・ロシア双方に将軍の器のない人物が指揮を執ってしまい多数の死者を出していく。
戦記なのに少しおかしみを感じてしまうのは不謹慎か。
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世の中の状況を常に収集し、冷静な判断をしていく事が重要。成功に慢心せず常に新しい世の中の動向を役立てて行かないと置いていかれる。
日露戦争の中身がこれほどまでの犠牲を払っていた事は知らなかった。歴史の中の一つ一つの出来事に様々な背景がある事を改めて感じた。
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ロシアと日本、双方の思惑が理解でき、リーダーの性格のあり様が戦況に影響を及ぼしていること等、興味深かった。ロシア人の国民性も分かった。
恩田陸さんが、「坂の上の雲」全8巻を丸2日間かけて読破されたことをネット上で知り、作家になる人の意欲はすごいなあと思った。私もゆっくりだけど頑張るゾ!司馬遼太郎さんの文章のリズム感がよく、歴史に疎い私もここまで読めた。途中途中に入る、「余談」も良かった。
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日露戦争開始。日本海軍はロシア海軍と対峙するが、ロシア海軍は要塞旅順に籠り、バルチック艦隊と合流し日本海軍を撃破する作戦を取る。しかし、本国からウラジオストックへ行け命令が出たり、陸軍からの批判があったりしたことでウィトゲトフは旅順を出ることとなる。そこで東郷率いる日本海軍と戦い日本側は全艦を沈没させることはできなかったもののロシア海軍に大きなダージを与えることとなる。一方陸軍は遼陽、沙河でロシア陸軍と対峙する。少ない砲弾や兵員の中苦戦しながら、またロシア陸軍を率いていたクロパトキンの安全を期し過ぎる性格もあってロシア軍を後退させることに成功する。一方旅順を攻める乃木希典率いる陸軍は無能な参謀伊地知などのせいで多くの兵士を無駄死にさせてしまう。この旅順の攻防は読んでいてイライラするところ。なぜ伊地知はあそこまで頑固になって海軍や児玉ら上層部の案を聞かず正面突破しようとしたのだろうか。彼がいなければあれほどの人数が死ぬことなどなかっただろう。海軍からした203高地を早めに取り相手の海軍にダメージを与えるだけでバルチック艦隊にたいての準備ができるだけなのに。
バルチック艦隊の話も滑稽。ロジェストヴェンスキーがとてつもない臆病者で日本海軍が北海にいるはずもないのに、警戒してましてや一般の漁船を敵と見間違えて攻撃するなんて。
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坂の上の雲、4巻。
地理がわかってないとなかなか情景が想像出来にくい、日露戦争のど真ん中。
ウラジオストックに逃げる旅順艦隊、追う東郷。1隻たりとも逃してはいけない艦隊の殲滅を目的とする息を詰めるような黄海の戦い。
さらには、陸では遼陽会戦が始まり、これは本当に史実なのか?こんなギリギリの綱渡りで本当に日本がロシアに勝ったという歴史になるんだろうか?と、読みながら何度も思った。
この戦争、日本が優れていたわけでも、ロシアが弱かったわけでもない。
ただどちらともがある所ではわちゃわちゃのぐちゃぐちゃで、ある所では奇跡としか思えないような得体の知れない勢いが突出したり…。
たぶん古今東西の戦争のほとんどは、始まってみてはじめてどちらもが予想外の出来事に振り回されながら、紙一重でどちらかに勝敗が決まるというものなのかもしれないと思った。
こんなもの、始まってしまえば誰もコントロールなんかできない。とんでもない量の変数からなる不確定要素が多すぎる。
それにしてもこれは小説なのかな。
巻を追うごとにそう思ってしまう。
歴史のある一場面を司馬遼太郎と一緒に彼の視線を共有しながら眺めているような気持ちになる。
乃木希典や伊地知幸介に対する感想は、正しい所もあれど、著者のバイアスが多いに掛かっているのだろうとも思う。
彼らは確かに無能ではあったのだろうけど、第三軍への命令系統の不安定さがについて、その背後をちゃんと知らない後世の一読者にとっては、彼のバイアスを鵜呑みにするのも危険な気がした。
さて、遂に旅順要塞を本当にどうにかしないとどうにもならないところまでやってきた。
次回、本格的に203高地を攻める件にはいるのでしょう。
息が詰まる展開…。
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自分は乃木さんに関する知識をまったく持っていないですが、地名になったり神社まである人が本当にこんなふうに無能だったのかなというのは疑問に思った。乃木さんの他の評価も知ってみたいという思いと、司馬さんの評価の背景(エビデンスが何かということではなく考え方とか感じ方のパーソナリティ)も興味深いなと思った。
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バルチック艦隊が、日本艦隊を恐れるあまり英国の漁船を日本軍と見誤って襲撃してしまう事件はいたたまれない。
一つの戦争には数えきれない事由、国家的事情や背景などが複雑に絡み合い、勝敗などと言う結果だけでは説明のつかないものなのであると痛感する。
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大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
長くかかったことだけを覚えている。
文庫本は実家にあるか、売却した。
そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
読むのにとても時間がかかった。
その後3回目を読んだ。
バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
※売却済み