【感想・ネタバレ】坂の上の雲(一)のレビュー

あらすじ

維新で賊軍とされた伊予・松山に、三人の若者がいた。貧乏士族の長男で風呂焚きまでした信さん(後の秋山好古)、弟で札付きのガキ大将の淳さん(真之)、その竹馬の友で怖がりの升さん(正岡子規)である。三人はやがて、固陋なる故郷を離れ、学問・天下を目指して東京に向かう。しかし、誰が彼らの将来を予見できただろうか。一人は日本陸軍の騎兵の礎をつくり、一人は日本海大海戦を勝利にみちびき、さらに一人は日本の文学に革命を起こすことになるのである。

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Posted by ブクログ

NHKのドラマを観て、復習のために読みました。松山の坂の上の雲ミュージアムや秋山兄弟生家なども行きました!松山城の案内役の方曰く、松山ではあまり秋山兄弟のことをそこまで取り上げて習ったりしなかったとのこと(近現代史は授業では深く扱われないですもんね) 近代日本の礎に秋山兄弟の功績があったことは脳裏に刻んでおきたいです。

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2025年12月11日

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明治初期の若者が何者かになろうとするエネルギーが詰まっていて、いつ読んでも元気を貰える。坂の上の雲は長編だけど、是非(一)だけでも読んでみて欲しい。

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2025年12月09日

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明治初期からの日本の変化、伊予松山や、大阪、東京の様子を、正岡子規や、秋山兄弟の軌跡を追いかけながら知り、感じることが出来、想像しながら読んでいる。小説とはいえ、当時の日本人の価値観と、現代の価値観の差を考えると、ベターになったものもあるし、なくなったものもたくさんあるなぁと思う。特に、明治は武士の心が色濃く残っているのがとても興味深い。これから日本がどのように近代化をさらに進め、国際社会に足を突っ込んでいくのか、続きを読むのが楽しみ。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

初めての司馬遼太郎。
もともと学校の授業では日本史が好きだったがこれまで小説を読むという習慣がなかったため、作家の名前は知っていたものの読む機会がなかった。
この一年、色んな本を読み漁る中で、今村翔吾氏の作品を通じて歴史小説、時代小説の面白さを知り、また小説を読むことで当時の時代風景や人の価値観を感じれることに魅力を感じ、
歴史小説といえば司馬遼太郎でしょ!ということで
この本を買ってみた。
やっぱり面白い。文体は硬く話のテンポは細かく感じ難しく感じるところはあるが、随所に刺さる言葉や当時の価値観を強烈に表現されていて読み応え抜群。
特に弟が兄に「人間とはどう生きるべきか」との問いに「難しく考えず、単純であろうとしている」と答え
生き方について迷うことなく自分の選んだ道でどう力を発揮するかを考えるに尽きる。
といったような人生指南を自分自身にされているような感覚がたまらなかった。
まだまだ物語は序盤でどうなっていくか。
大河ドラマを見ているように3人の主人公達の人生を追っていきたい。

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2025年10月04日

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司馬さんにとって近代日本の頂点は日露戦争の勝利であった。そこからはあの敗戦まで坂を転がり落ちる。日本が一番良かった頃の「のぼりさか」を登る時代を牽引した若者たちを描いた小説である。松山出身の3人に焦点をあてるがその選択が心憎い。貧しい地方都市出身の若者3人が世界を動かしたという痛快なものがたりでもある。

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2025年08月18日

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高円寺の文禄堂が潰れる最終日に、最後だし読もうと思っていたけど読んでこなかった本を買おうと思い購入。10年以上前に同著者による「人斬り以蔵」を読んだことはあったが、八冊に及ぶ本作を読めるかと不安であったので(一)を購入して読み進めると好古と真之の生き方にすぐに引き込まれて二日で読んでしまった。明治維新後の四国松山出身の二人の兄弟が日本を代表する軍人になる物語である。
江戸の頃には世襲を前提とした階級社会であったが、維新後はとにかく人材が足りないこともあり薩長土肥以外の下級の生まれであっても己の才覚で成り上がることができる様はある種、現代のなろう系的な物語に通ずるところがあると感じた。

さて、板垣恵介の著作である「刃牙シリーズ」は格闘漫画であるが強さがいきすぎた結果ギャグのように感じてしまうことがある。
本作の中で好古は軍人として武士として生きている中でストイックに生きすぎて、軍から支給されたもの以外は私物は持たず、弟である真之が松山から好古を頼って東京に来たときも茶碗は一つしかなく、同じ茶碗で好古が酒を飲み、真之が米を食う。そうして交互に茶碗を使い合う様はギャグ的であった。そういう話が混ざることにより読みやすさに拍車がかかる。

真之が大学予備校をやめて軍人になることを好古に伝える前段階で、好古に「人間というものはどう生きれば」と問う。「難しいことを言いやがる」といいつつ、兄であり師である好古はこのように答える。「おれは、単純であろうとしている」そこには軍人としての責務を全うするためにいかに勝つか、それ以外を余事として切り捨てる覚悟の上で生きていると解く。そこに好古らしさがあり、それを聞いて真之が自分は学者や官僚よりも軍人に向いていると確信する。しかし軍人を目指すということは書生として人生が終わり、規律の中に生きることを意味する。それが嫌すぎて泣いてしまう真之も捨てがたく押せる存在なのである。

※ 真之は東京大学をめざして好古のお金で予備校に通っていたが、好古の給与では大学に入っても途中で金が足りなくなることは知っている。

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2025年06月18日

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「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「峠」と、幕末小説を読み終わり、いざ明治へ。

時代はこうも変わるものだろうか。
幕末は、薩摩・長州・土佐や幕府など、あくまで「国内」が舞台だった。けれども時代変わり、舞台は一気に「世界」へと変わっていく。

身分も「士農工商」だけでなく、学者や政治家、軍部など、バラエティに富みはじめる。

この第一巻が、大体、明治20年前後までのお話。だからたった20年で、国民も、国も、世界も、こんなにも変わってしまうのである。

その時代の変化の、いかに激しいことか。ずっと幕末小説を読んでいたから、その変化のスピードと量に、驚いてしまった。

これから先、明治時代はどのように動きを見せていくのか。知識があまりないだけに、展開が楽しみである。

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2025年05月09日

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「男子は生涯一事をなせば足る」という言葉が印象的でした。

作中の人物の多くは立身出世を目指していて、時代もあってか勢いを感じる。

翻って、今はどうだろう?と考えていました。

「出世したい」「もっと給料がほしい」

そんな風に語る人は減っているように思いますし、かく言う私もそれらにはさほど欲がありません。

どちらが正しいということはないでしょうが、今となっては、本書で描かれるような「俺が世の中を動かすんだ」くらいの気概を持つことは大切なのかもしれないな、と考えた次第でした。

私にとっての「生涯をかけて成す一事」は何だろう?

常に考えて過ごしていきたいと思います。

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2025年04月14日

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明治初期において根強く残る「藩」意識に基づく格差。一方で、生まれにかかわらず学問によって身を立てる道が開かれた明治という時代。この時代の風に押されて、立身出世を目指して坂を駆け上がっていく若者たちの活気、爽やかさがありありと伝わってくる第一巻。

司馬史観に対する批判的な見方や、小説としての脚色はもちろんあれど、今日の日本という国民国家の基礎を(世界から猿真似と笑われながらも)必死に作り上げた偉大な先人たちの物語。いつの時代にあっても日本人として胸が熱くなる、読み返したくなる作品。

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2025年01月14日

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2025.01.02 再読

大連にいくことになったので。

好古は陸軍、真之は海軍へ。子規は病を。

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2025年01月02日

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 「坂の上の雲」先日、テレビドラマで再放送をしていた。
 大分前から積読に成っていたので、この際、読むことにした。
 ドラマの方は第一話しか見ていないが、本書の内容とほぼ同じだった。
 時代は明治に成って、まだ間もなく、旧幕府時代の慣習がまだ色濃く残っていた頃のお話。
 日露戦争でコサック騎兵を破った、秋山好古。日本海開戦でバルチック艦隊を破った、参謀の秋山真之兄弟と、俳人の正岡子規の四国松山での青春時代を綴っている。
 明治に成って、今までの封建社会のような身分に因われることが無くなった。
学問が出来れば立身出世が出来ることに成り、若者は競って学問をした。
 日清戦争での勝利、日露戦争の勝利と、負け知らずの日本の国民は有頂天に成り、太平洋戦争で大敗北をする。
 ともかくも明治という、この時代の人々は近代日本を作ろうという熱気で近代日本の礎を築いた。
 本書は、明治時代の熱気を秋山兄弟、正岡子規に焦点を当て俯瞰することに依って紐解いている。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

兄好古が陸軍に入隊した経緯や、真之、信さんの生い立ちなどドラマではわかりにくい部分を埋めてくれた。
明治の世に、軍隊に、列強に彼らはどのように振る舞ったか。その最初、原点がわかる。現在5巻まで読み終えた中で一番面白かったのはこの1巻である。

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2024年09月11日

Posted by ブクログ

歴史が好きであるものの、この作品は読んでこなかったので、ついに始まった感があった。
明治期の西洋に負けない国を作るという熱い思いが伝わってくる。最近何か燃焼しきれていない人におすすめの一冊。

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2024年05月15日

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上司から司馬遼太郎を語るならこれは外せないぞと言われ、全8巻まとめ買いして読み始めた。1巻目ではまだ面白さはわからないが、とにかく読破に向けて頑張っていく予定。

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2025年11月16日

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時代背景などの解説が細かく解説されているので日本史、世界史の知識ゼロに近いわたしでも楽しみながら読めた。一巻の時点で今の日本に足りないものを考えされられた。秋山兄弟や子規の成長を追っていくぞ〜!今の海上自衛隊幹部候補生学校の教育プログラムって海軍時代からさほど変わっていないのね…

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2025年08月15日

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この時代の言語や知識が少なかったため、読むのに時間を要した。現代の学問があるのはこの時代の人々が築き上げてきてくれたのだと感じた。本書を読み進めていくにあたって、秋山兄弟と正岡子規の生き様はどうであったのか、時代の流れと紐付けながらじっくりと読み進めていきたい。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大河ドラマの再放送をみて購入。
ドラマの光景が目に浮かびながらも、人間関係や時代背景などの細部まで知ることができ、面白い。江戸の旧藩主などの名残を残しながらも、明治の開かれた社会という時代の間。この時代の歴史の教科書で出るあの人物が、この人とこんな風に繋がっていたのだな、という発見ばかり。

印象に残ったのは真之、子規が大学予備門を目指して入学し、将来何になりたいのか?と葛藤するところ。今の現代人と同じだと感じた。中でも真之は自分の適性を自覚し、海軍の道に転向してその道で能力を発揮するのは持って生まれた才能なのかと思った。

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2025年03月29日

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明治は明るい。
「明るさは滅びの姿であろうか。
 人と家も暗いうちは滅亡せぬ」
とは、右大臣実朝の言葉だ。
いや、正確には、源実朝にそう語らせた太宰治の言葉だ。
太宰であれば、明治の明るさは滅びの姿だと言ったはずだ。
三四郎に電車で出会った東大教授の広田先生に日本は「亡びるね」と言わせたのは、漱石だ

漱石、太宰の予言とその成就を知っている司馬遼太郎は、本書で坂の上の雲を目指して歩む近代日本の姿を生き生きと描いている。
当然、坂を上ったら転げ落ちるしかない。
だが、坂を上っている時、それは苦難に満ちたものだが、希望にも満ちている。
だが必ず亡びると分かっている者には、その輝かしき希望は哀しい。

日本国の「滅び」「亡び」を切迫感を以て語るのが、日露戦争における日本海海戦の場面だ。
歴史の教科書では、東郷平八郎率いる帝国艦隊によるバルチック艦隊に対する勝利は、あたかも必然のような語られている。
しかし、本書を読むと、日本は敗北の瀬戸際ギリギリにいたことが分かる。
日本の敗北は、ロシア帝国による日本併合を意味する。
天皇制は廃され、皇居には赤の広場のような宮殿が建てられ、その中央にある金の玉座には、ツァーリが(ときたま)座る。
そして、ロシア帝国臣民となった元日本人は、当然、ロシア語を強制されて、「ダー、ダー」言っている。
数十年も経つと、日本語は廃れ、日本文学は忘れ去られ、漱石を読む者は(読める者)はほとんど居なくなる。
その代わり、ドストエフスキーをロシア語で読むようになり、作家たちは、ロシア語で小説を書くようになる。。。
そんな世界が現実となる一歩手前に日本はあった。

そんなはずはない。
いや、日本政府の高官たちは、その危機を現実のものとして考えていた。
大国ロシアは、総力を挙げて日本を滅亡させるつもりだった。
旅順を鉄壁の要塞として、そこに、日本艦隊に匹敵するロシア艦隊を温存した。
そして、黒海から、旅順にある艦隊と同規模のバルチック艦隊を極東に派遣する。
旅順艦隊とバルチック艦隊が合流したら、その規模は日本艦隊の2倍。
日本艦隊の壊滅は避けられない。
そして、日本艦隊の滅亡は、中国に派遣された日本陸軍の破滅を意味した。
日本陸軍は補給路を失い、孤立するからだ。
放っておいても壊滅する。

秋山兄弟の兄、好古は騎兵隊を率いてロシア陸軍と対峙していたが、戦況は膠着状態。
乃木希典は旅順の艦隊を攻撃すべく旅順のロシア要塞を攻めていたが、徒に戦死者を増やすだけだった。
そこに、バルチック艦隊が着々と迫ってくる。
バルチック艦隊と日本艦隊は勢力は互角。
上手くいけば勝利出来る。
だが、その最中に旅順艦隊に背後を襲われたら万事休す。
九分九厘日本は、ロシア帝国の植民地となることが決まっていた。

帝国日本の置かれた状況は、かくも薄氷を踏む状態だったのを、本書は教えてくれる。
乃木希典が人海戦術で、多くの死傷者を出してまでも、203高地奪取に努めたのは、それが大日本帝国を守るほとんど唯一の希望であり、方途だったからだ。
203高地を押さえれば、そこからは旅順港を一望出来、そこに温存されているロシア艦隊を高地から容易に攻撃することが出来るのだ。
それが叶わなければ、日本艦隊は全滅して、大陸に残されて補給路を断たれ日本陸軍は全滅する。
それは日本の滅亡を意味した。
それを痛いほど分かっていた乃木の心痛やいかばかりであったろう。
あれだけの犠牲を出しながらも、愚直に203高地を攻める乃木を愚将と呼ぶ者は多い。
だが、日本が生き延びるチャンスがそこにしかなかったとしたらどうか?

明治天皇も夏目漱石もそれは分かっていた。
だから、明治天皇は乃木を信じ、乃木は明治大帝が崩御するとそれに殉じた。
「こころ」の先生が、その乃木の殉死に倣って死を選んだのは、「明治」に対する鎮魂歌だった。

明治という近代日本の青春期を描いて、誰もがその輝かしさに眩しさを感じるだろう。
だが、その輝かしさは、薄氷の上のものであったことも明晰に語っている。
このバランスが司馬遼太郎をして、信頼しうる著者としている。

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2025年03月23日

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大学受験が終了して 日本史大好きだったこともあり 気になっていた作品だったのでスラスラと読めました! 教科書では、多くの偉人は有名になった頃の様子が描かれているが この作品は ある2人の兄弟を中心に 例えば 高橋是清や 山縣有朋などが
出世していく過程を垣間見ることができ
想像していた人柄と違ったり 同じだったりと
大変面白かったです!
大学受験で 日本史を頑張った人にとってこれほど
読んでいて興奮する作品はないと思います!
是非読んでください!!

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2025年03月08日

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大学生の時に途中で辞めてから時間経ての再挑戦。
やっぱりなんかのめり込めるものがまだないという印象、ただめちゃくちゃ面白い時代のことなので続けて読みたいと思う。

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2024年11月20日

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再放送を見てたら、読みたくなった。秋山兄弟、子規の時代、大変な時代をよく知りたい。松山にまた行きたくなった。

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2024年10月27日

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一冊ずつ記録すると冊数稼ぎみたいではありますが、ゆるゆると読み進めるための個人の記録として掲載。秋山兄弟の出立ちや、正岡子規の独特ながら存在感の大きさがよく分かる。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

ドラマの再放送が始まった。
すごく引き込まれたので、司馬遼太郎の原作を読み始めた。ドラマの登場人物が原作に忠実で素晴らしい。
正岡子規を調べていて、秋山兄弟を知ったというあとがきを読んで、この話を世に送り出してくれて、よかった。明治の時代、いえ江戸時代の武士の教育は素晴らしかったと思った。

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2024年10月08日

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国家公務員試験を受けて外務省目指すことに決めた、という後輩が、そのきっかけとして挙げた本なので読み始めた。
明治維新をしました、これから頑張っていこーっていう時代の空気感が伝わってくるのが面白い!
大街道など知ってる土地が出てくるのも、高橋是清とか昔勉強した人がサラッと出てくるのも良い。

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2024年08月31日

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日本騎兵の父、秋山好古
バルチック艦隊を破った参謀、秋山真之
俳句の正岡子規
維新で賊軍にまわった、伊予松山から同時期に出た3人の偉人の物語。

日本が無理くり主要国に成り上がるパワー
出自が賊軍だった為、ゼロから生み出すパワー
元気の無い現代日本人必読の書と思う。

男子は生涯一事を成せば足る

なりふり構ってる場合じゃないね

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2024年07月23日

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先日訪れた、松山の坂の上の雲ミュージアムでとても興味を惹かれたので、帰ってきてすぐポチった坂の上の雲全8巻。

歴史小説に昔から疎いこともあり、
恥ずかしながら司馬遼太郎さんは初読なのだが、1巻を読み終えた現時点では思ってたんとちょっと違っていた。
もっと劇的でドラマティックな筆致なのかと勝手に想像してたんだが、小説だということを忘れそうになるくらいドキュメンタリータッチでドライだな、と思った。

さてさて、さっそくこの1巻、
本編の感想。

正岡子規については、学生時代の勉強でふんわり知っており松山在住の頃にも馴染みのある偉人ではあったが、秋山兄弟については数年前に聴いてめちゃくちゃリピートしているCOTEN RADIOの日露戦争編で知ったぐらい。
物語はこの3人を中心に、明治維新から近代国家への仲間入りを標榜し、国民国家へと激動する明治日本を描くというのが主眼。

何年か前にドラマ化もされていたけど、確かにドラマ化されるわーって思えるほど本当に面白いし、何より勉強になる。
読んでいる時間、令和の今の価値観が足元から崩される快感を何度も覚えた。

あと、わりと軽視しがちな自分の歴史認識の不明瞭さを、土台から照らしてくれるような豆知識にうなる。
騎兵の章なんかは特にそれを強く感じたし、こういう新しい知識から義経逃亡後のチンギス汗伝説が囁かれた原因てコレなのでは?みたいな仮説も自分なりに思いついて、知的好奇心が爆上がりした。

それにしても明治20年代になっても藩意識が普通に強いところとか、私が思っていた以上に日本の国民国家化というのは歴史が浅いんだな。
この事実になんだかとても興奮した。
主要人物3人のキャラクターも立っていて、この先の史実として、既知の事象に、この物語の中で各キャラクターがどう振る舞うのか楽しみだ。
これはドラマも観たい…。

物語は子規が病床についたところ、好古はフランスにいて、真之はイギリスへ軍艦吉野を回航しにいくところで2巻へ続く。

…全8巻か。

暫くは他の本、
身を入れて読めないかもなー。

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2024年05月30日

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好古はドイツで修行中、本当はフランスで修行したいところだが単独修行
真之は海軍少尉になって、軍艦吉野の乗組員になった。軍艦吉野は清国が誇る定遠、鎮遠ごろしの猟犬とされる小型ではあるが速力のある英国産軍艦
子規は喀血、肺炎により病床にいる。元気ではあるから、よく食べるしよく野球をしている。
世界各国が列強国に負けじと国力を上げている最中である。明治二十六年。

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2024年05月02日

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記念艦三笠を見に行ったので、この本も読む時期が来たと思い読み始めました。学問を追求している身として、この時代の人々のお陰で今の学問があると考えると感慨深いです。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

明治維新ごろからの話。松山の徒士家系だった秋山好古、その弟松山真之、真之の同級生正岡子規を中心に物語は進んでいく。日本が文明開花し、先進国に追いつけ追い越せの時代に好古は騎馬隊へ、真之は海軍へとそれぞれ成り行きで進むことになるがこれが後の戦争勝利へどのように作用するのか今後のポイントか。
古来日本において騎馬隊なんてものはなく1から作り上げるという大きな役目を担うことになった好古だが多くは語らない感じがいい。軍自体はドイツ式を採用するものの騎馬方法に関してはフランス式の方が理にかなっていると感じたのも旧藩主の自費留学でフランスに随行したことによる恩恵か。
正岡子規の名前の由来が自身が結核にかかり喀血した際の声がホトトギスに似ていたからというのは面白い。

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2024年11月26日

Posted by ブクログ

もともと幕末にさほど興味もなかったのだが、愛媛に出かける用事もできたので、どうせならと家族の本棚から拝借して読み始めた。
歴史小説(?)ゆえに難しく感じる部分もあるが、面白かった。
こんな口調で感想を書く程度には影響を受けているのであろう。

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2024年08月15日

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