【感想・ネタバレ】坂の上の雲(二)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年11月26日

▼2巻は好古・真之・子規を追いつつ、日清戦争勃発。▼結局、秋山兄弟は貧乏のために軍人になる。正岡子規は貧乏とは言えない。なので軍人にはならぬ。単に出世を目指すが落ちこぼれて文学を目指す。その際に「"初めて世代"は良いなあ。大したことなくても世に出れた」と、嘆き羨む。これはほぼ、「...続きを読む西洋化」の第一世代か。▼結局、正岡子規は、アメリカ開拓時代終盤の移民者が必死に空き土地を探すかのように、自分の居場所を探して俳句・短歌の文学評論にたどり着く。▼このあたりの心情は、デジタル化という現今の変化でも、似たようなことがあるんだろうなあ。

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Posted by ブクログ 2023年09月21日

ロシアの成り立ち、ロシアに関連する人の説明がメインでした。日露戦争がなぜおこったのか背景が丁寧に説明されている。
一転正岡子規の章は松山のお国言葉なども交じりあたたかい気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2023年01月04日

世界のうねり、日本の断捨離

◻︎感想
個人ドラマ、心情を通して近代国家の観念や盛衰を体感できる。だから司馬遼太郎氏の歴史小説はここまで有名になったのだろうとよくわかる。
近代以前の歴史や民族性にも触れながら、欧州国家や米露の成り立ち、清の現状が描かれており、その中で日本という国家がどういう意思決定...続きを読むをして、その中で躍動した日本人が居たわけである。秋山好古、真之、正岡子規に加え小村寿太郎なども加わる。

・思い切った西洋化はなぜ必要だったのか?
藩→県ではなく藩→国家、日本人(勝海舟の貢献が大きい)への転換期、帝国主義は必然だったのか

・秋山好古、真之の戦術家としての成長
企業人としても学ぶことが大きい(再)。戦略あってこその戦術だが、戦術を軽視してはいけないことがよくわかるし、戦術家になるということは多くの学びが(特に情報が不足していた120年前の時代は)必要なのだとわかる

・気の大切さ、ひいては観
頭脳明晰かどうかより、持って生まれた(後天的でも可?)性格が重要という描写が多い。好古の騎馬も真之の戦術実行もそうで、ロシアの皇帝にも使われている(父アレクサンドル3世と子ニコライ2世の比較)。
これは経営者は学歴よりも「観」が大切と説くことと、一致するわけではないものの、考え方としては近いのではないだろうか。後天的に勉強=studyによって鍛えるのではなく、経験によって観を鍛えさせることが大切であり、観がどれだけ磨かれるかはもはや生い立ちにまで遡る必要があるというのと、性格に帰結を求めるのは似ていると思える

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

好古、真之、子規。

それぞれが猛烈なスピードで成熟していく様がとても面白い。
3人に共通しているのは、物質的に不自由な環境下で、精神的に充実しているということ。

自身の目標を明確にし、覚悟を持ってその達成に邁進している姿は、率直に言って妬ましい。

覚悟の裏にあるのは責任感。
前巻では功名心に猛...続きを読むっていた3人の変わり様も鮮やか。

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Posted by ブクログ 2020年07月13日

この明治の時代に、主に清国を中心に各国がどのように応対していたのかがとてもよくわかった。司馬遼太郎は本当によく調べあげていて驚愕する。、

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月17日

海軍とはこう、艦隊とはこう、作戦とはこう、という固定観念(かきがら)がついてくる。おそのしいのは固定観念そのものではなく、固定観念が付いていることも知らず平気で指令室や艦長室の柔らかいイスにどっかりとすわりこんでいることじゃ

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Posted by ブクログ 2024年02月20日

自分は子規と比べるまでもなく凡庸な人だけど、幼なじみが出世して社会で影響力を増していく中で自分が燻っていることの悔しさとかこれでいいのかという気持ちはちょっとわかる。

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Posted by ブクログ 2023年09月09日

日清戦争の描写に臨場感があり、三人の登場人物に感情移入しながら読める。戦争の渦中において三者それぞれの役割やその中で感情の機微を感じ取ることができ、且つ日本史を学ぶうえで転機となる戦争を日本の勝因、清の敗因を冷静な切り口で分析されていて読み応えがある。

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Posted by ブクログ 2022年08月18日

日清戦争から義和団事件まで。
教科書の行間に埋もれた詳細な情景や外国視点での情報が豊富で文も読みやすい。

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Posted by ブクログ 2022年06月09日

とても面白かった。
ロシアという国がなんとなく分かった気がする。
当時の日本の雰囲気もよく想像できた。

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Posted by ブクログ 2022年03月01日

日清戦争勃発。真之の純粋、真面目な勤勉姿勢や正岡子規の死を意識した中での俳句への情熱。今とあまり変わらないロシアの思想、時代の世相を表した街の雰囲気。躍動的な時代を感じます。

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Posted by ブクログ 2022年02月21日

正岡子規の従軍について触れられた章では夏目漱石が登場したり、同郷の真之とのやり取りに触れられて良かった。
真之の渡米の様子はその尋常ではない勤勉さに感心する。戦争と言うものが、真之始め様々な人間によって行われ、当たり前の事ですが、全ては人間の手によってその命運も分かれると言うことを痛感する。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月15日



「たとえば、軍艦というものはいちど海洋航海に出て帰ってくると、船底にかきがらがいっぱいくっついて船あしがうんと落ちる。

人間もおなじで、経験は必要じゃが、経験によってふえる智恵のとおなじ分量だけのかきがらが頭につく。

智恵だけとってかきがらを捨てるということは人間にとって大切なことじゃが、老...続きを読む人になればなるほどこれができぬ。」


「人間だけではない。国も古びる、海軍も古びる。かきがらだらけになる。」

「山本権兵衛という海軍省の大番頭は、かきがらというものを知っている。日清戦争をはじめるにあたって、戊辰以来の元勲的な海軍幹部のほとんどを首切ってしまった。この大整理は海軍のかきがら落しじゃ。(中略)おかげで日本海軍の船あしは機敏で清国戦隊をどんどん沈めた」


秋山真之・正岡子規の会話より。
海軍や和歌の世界をひっくり返そうとするときの会話がすごく心に残った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月18日

ついに日清戦争勃発。
開国から30年ほどしか経っていない日本がなぜ中国やロシアに勝つことができたのか。

それは新興国であり勢いに乗った日本独特の時代の空気感だったんだろうなと。
その渦中にいた若者は、学ぶこと=自分が国を作っていくということにつながることをよく理解していて、
ある意味恵まれた時代で...続きを読むだったのだろうなと思う。

正岡子規や秋山兄弟の思想にも学ぶべきことが多々あった。
今はこの時代のようにシンプルな時代ではないけれど、自分の考えを持ちそれを論じるということは力強く生きるために必要なことと思う。

秋山真之の長旅を続ければ続けるほど船に付着していく牡蠣が戦闘力を弱める、古いものはしっかり管理して都度クリーンにせねばならない
正岡子規の要は運用である(誰がやり始めたかではなく誰が使ったか)
マハンの真似するだけでなく原理原則を学ぶことが重要
など学びあり

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Posted by ブクログ 2020年10月26日

明治維新から数年で、諸外国と肩を並べられたのはなぜだろう?
今同じことを成し遂げるだけのエネルギーは存在するだろうか。

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Posted by ブクログ 2020年06月07日

生き方みたいなものが学べる巻だった。

遊ばずに本をお読みや。本を読むのにさほどお金は要らんものぞな。

結婚をすれば家庭の雑事にやずらわされ、研究が疎かになり、物事を生み出す精神がぼやける。

戦いに勝つには、過去の功労や藩閥のお陰で階級を与えられている人を整理する必要がある。
また、かきがらも一...続きを読む掃する。新しい知識で入れ替える。

知識は半年ほどで得て、その後は得た知識を分解し、自分で自分なりの原理原則を打ち立てる。自分で立てた原理原則のみが応用の効くもの。

エナジーの一つは恐怖だ。外国から侵されるかもしれなぬというが、明治維新を起こした。

本は道具。乱読して、一冊につき、数行とか数頁を覚え、あとは捨てる。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

相変わらずの長さと研究量の膨大さ。
戦争が始まるといよいよ年号の順序が覚えられなくなるのでメモを取りながら読んだ。

この小説は大きく3つの内容に分けられると思う。
①好古、真之の時系列を追いつつ彼らの心情を見る
②その当時の歴史的背景を資料をもとにまとめる
③子規の物語

一巻はまだ①が多かったも...続きを読むのの、二巻になってくると
②が激烈に増えて、いよいよ世界史の教科書を読んでいる気分になってくる。
だから②の部分は遅々として進まず、我ながら読書に時間をかけてしまっていることを感じる一方で、
③は突然登場人物の物悲しさ、鬱屈さを描いていて、
一瞬で読み進めてしまう。こういうところが司馬さんの本らしい。

読む内にこれは名言!と思われるフレーズに出会ったので書き留めておこうと思う。


▼239ページ
1897年、真之がアルフレッド・セイヤー・マハン大佐から学んだこと。
「得た知識を分解し、自分で編成し直し、自分で自分なりの原理原則を打ち立てることです。自分でたてた原理原則のみが応用のきくものであり、他人から学んだだけではつまりません。」

▼324ページ
真之が子規に海軍のあるべき姿を論じるシーン
「軍艦というものはいちど遠洋航海に出て帰ってくると、船底にかきがらがいっぱいくっついて船あしがうんとおちる。人間も同じで、経験は必要じゃが、経験によってふえる智恵とおなじ分量だけのかきがらが頭につく。智絵だけ採ってかきがらを捨てるということは人間にとって大切なことじゃが、老人になればなるほどこれができぬ。」

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Posted by ブクログ 2019年08月02日

人間の頭に上下などはない。要点を掴むという能力と、不要不急のものは切り捨てるという大胆さだけが問題だ。

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Posted by ブクログ 2019年07月26日

維新からわずか20数年のこの国では、朝鮮を巡って大国「清」と交戦状態に。陸軍・海軍の秋山兄弟のそれぞれの想い、そして近代俳句・短歌を確立しようとの思いを強くする正岡子規。日清戦争後、日露戦争前のこの小国の姿。

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Posted by ブクログ 2019年02月10日

歴史の勉強にもなるし小説としても面白い。関心があるとここまで情報を突き詰められるものかと、人間の底力まで感じてしまうスケール感がある

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Posted by ブクログ 2019年01月13日

日清戦争ころの内容。
日本という国の青春を描いている。
貧乏で欧米には後れを取っているが
日本人の気概をもって追いつこうとする姿を
生き生きと描いている。

日清戦争~三国干渉あたりまでの時代。
明治維新後25年で清国に勝つとは
日本の成長は驚嘆に値すると思う。

特に印象に残った部分は
子規は俳句...続きを読む・短歌の真之は海軍の作戦の既成概念をひっくり返したいと語っている部分だ。
真之は固定観念(かきがら)が頭にはすぐついてしまい、古くなる。玄人が素人に負けることは多々あるんだ。
日本も清国に勝った固定観念に縛られることに危惧を感じているんだろう。
ユニクロの柳井社長も「成功体験は捨て去れ」と本を書いている。
私も、常に今を大事にし進化していく人間を目指していきたい。

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Posted by ブクログ 2018年11月30日

日清戦争ついに開戦!

感じたこと。
3人の主人公の目線で描かれるストーリーと高い視点で目線で描かれるストーリーと自分がその場にいるような視点の3つの視点から描かれている気がした。

情報量は多いはずなのに、自分がタイムスリップしてその場にいるような感覚。

司馬遼太郎の情報の集め方にも驚いた。どう...続きを読むしたらこれだけの情報が集められるのかな。

キューバやロシアの歴史なんかも調べてみたい。

歴史は常に勝者の視点でしかないけど、それ以前までいとまれた人々の暮らしや思想が表の歴史からは感じれらないから。知らないことが多すぎてワクワクする。

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Posted by ブクログ 2023年07月16日

日清戦争は、老朽しきった秩序の清国と新生したばかりの秩序の日本とのあいだにおこなわれた大規模実験のような性格を持つとのこと。
小学生か中学生の時、上記のような背景には触れず、「日本が勝利し、下関条約で台湾、遼東半島などを割譲された云々」みたいなことを淡々と話されたくらいでした。

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Posted by ブクログ 2023年01月03日

明治時代に興味がなかったせいで、時折出てくる偉人の名前が分からず、Googleで検索しながら読み進めた。
いつもの倍の時間がかかったが、更に先が気になる。

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Posted by ブクログ 2022年03月27日

秋山兄弟の境涯と、正岡子規のそれとを対比させて読んでいました。登場人物の人間味が、前作よりも強烈に感じられます。次巻の展開が楽しみです!

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Posted by ブクログ 2021年09月07日

大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
長くかかったことだけを覚えている。
文庫本は実家にあるか、売却した。
そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高...続きを読む地の長く暗い場面の印象が強い。
読むのにとても時間がかかった。
その後3回目を読んだ。
バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
※売却済み

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月22日

第二巻を文庫本で読もうと思ったら、最初の3つの章「日清戦争」「根岸」「威海衛」は、すでに前回読んだ内容だった。単行本(ハードカバー)と文庫本では、一巻に収められている章の数が異なっていたんだな。

そういうわけで、続き、「須磨の灯」の章から「渡米」「米西戦争」「子規庵」「列強」の章を文庫本第2巻で読...続きを読むみ進めた。この後は文庫で行こう。

新聞社に勤める正岡子規は、従軍記者を強く希望していた。そして念願かない従軍することが決定したのは、なんと日清戦争の決着の前後だった。彼が出発したときには、条約談判のために、李鴻章が下関に来ていた。

日清戦争では、おおかたの予想を覆し、大日本帝国の勝利となり、子規はほぼ一か月で帰国。従軍は、「こどものあそびのようなものだった」と表現されている。

それでも、彼はそれに救われたのではないか。帰国途上の船上で血痰を吐き、下船と同時に神戸病院に担ぎ込まれている。入院中には、そのころ京都にいた後輩の高浜虚子が見舞いに出向いていたようだ。そして、結局、須磨保養院から、故郷の松山に帰ることとなる。

そのタイミングが絶妙というか、帰ったころに大学時代の学友、夏目漱石が松山中学の英語の教師として赴任してきており、子規はその漱石の下宿に転がり込む。こんんな今にも死にそうな結核患者の子規と一緒に暮らしてよいものだろうか?

乗り込む方も乗り込む方なら、受け入れるほうも受け入れるほうだ。しかし、現実、それは成立し、しかも子規は、他人の下宿で活発に俳句作りの活動をする。この熱意は、病をも凌駕するのだろうか。

このころ、秋山好古は妻帯、そして弟の真之は、明治30年6月26日、米国留学の発令を受ける。日清戦争時にも出撃していたが、この渡米で彼はさらに海軍軍人としての資質を高めていくことになる。

ワシントンの日本公使館に勤務し、自ら、戦略・戦術の研究を決意するが、折よく、キューバをめぐって米西(アメリカースペイン)戦争が勃発し、彼は日本における観戦武官に任命される。この時真之が書いたレポートは優れもので、「的確な事実分析と創見に満ちた報告書」と評され、この実績で後のバルチック艦隊との交戦時の参謀に起用されるのである。

一方、子規。再び、陸羯南の新聞社「日本」に戻り、住居も根岸に移る。この根岸の家賃は月5円だったらしい。米屋への支払いは4円。そこへきて、菓子屋への支払いは1円50銭を下らなかったという。死にそうな結核を患いながら、菓子をバクバク食って短歌や俳句の創作活動をする男。まったく変わった人物だ。ある意味自由人だ。

そして、このころの子規の文筆活動が最も凄まじかったようである。量的な凄まじさもさることながら、その質というか、熱というか、それが凄まじかったようだ。

この時に「歌よみに与ふる書」というのを書いているが(今も青空文庫などで読めるが)、その舌鋒は強烈である。既成歌壇を滅多切りだ。歯に衣着せぬストレートな批評。「紀貫之はど下手だ」などと単刀直入に切り込んでいる。

おそらく、自分の残すべきものへの思いと、自分に残された時間とを意識し、自身の信念を100%ぶつけたのだろう。

当然のごとく、彼に対する反発も高まるが、まったく動じる所なし。反対にすべてを論駁していく。

最後の「列強」の章では、日露戦争の前段の模様が描かれている。帝国主義により、英仏に追い付けとアメリカ、そしてロシアの領土拡大意識が高まってくる。

日清戦争で、それまで巨獣と意識されていた清国が、死亡寸前の巨獣と化し、周囲の食肉獣(=列強)がその肉を狙いだした。

日清戦争での日本の戦利品の一つである遼東半島にロシアが目を付けた。南下政策の妨げとなる日本の遼東半島進出。ロシアは仏独を巻き込んで、「遼東半島を清国へ返還せよ」と干渉してくる。三国干渉である。

ついには、その遼東半島や満州を勝手にロシアが略奪していくのである。奪ったもの勝ちの帝国主義。

不凍港を獲得するために南下政策を実行し、シベリア鉄道を完成させた鋼鉄の意思の人・アレクサンドル三世は、満州と朝鮮を除く大陸を制覇した。それを受け継いだのがニコライ二世。性格は父の真逆らしい。

そのニコライ二世には、皇子の時に日本を訪れた際に、日本人の巡査から問答無用で切りつけられ大けがを負ったという経緯がある。明らかに日本人も外国から侵略されるという思想の異常性に侵されつつあった。彼は日本人を「猿」と呼んだ。

そのニコライ二世が、日露戦争の開戦にかかわりがあるのは当然すぎるかもしれない。

秋山真之は、子規のことをこう言った。
「升さんは、俳句と短歌というものの既成概念をひっくりかえそうとしている」

そう語る真之も海軍の既成概念をひっくり返そうとしていた。

歌壇革命と、日露の関係は、第三巻でどう展開していくのか楽しみだ。

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Posted by ブクログ 2019年09月15日

日清戦争のくだりは、ちょっと頭の中で想像するのが難しかったのですが、巻末の地図を見ながら読むともっと分かったかもしれません(読み終わる頃に巻末の地図に気づきました^^;)。
個人的には真之が戦術の研究をするあたり、子規が文学界を痛烈に批判し始める辺りがおもしろかったです。

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Posted by ブクログ 2018年11月17日

秋山兄弟の目で、日清戦争を。
正岡子規の目で、国内情勢を描く。
世界各国の思惑が渦巻く中で日本海軍がより、成長してゆく。
日露戦争へ向けて日露両国の緊迫感が続いてゆく。
各国が領土を広げる中で、近代国家としての日本が目指すものとは何なのか。
徐々に日本という国を世界に主張してゆく。

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Posted by ブクログ 2020年01月12日

<本の紹介>
戦争が勃発した…。世界を吹き荒れる帝国主義の嵐は、維新からわずか二十数年の小国を根底からゆさぶり、日本は朝鮮をめぐって大国「清」と交戦状態に突入する。陸軍少佐秋山好古は騎兵を率い、海軍少尉真之も洋上に出撃した。一方正岡子規は胸を病みながらも近代短歌・俳句を確立しようと、旧弊な勢力との対...続きを読む決を決意する。
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戦争を体験したことはない。ばーちゃんに少し当時の様子を聞いたことがある程度だ。
(今にして思えば、宿題として「戦争時の話を聞いてくること」を課した先生が誰だか忘れちゃったけど、すごく意味のある宿題を出してたんだなぁ、と思いますわ。そろそろ、ちゃんと語り継いでもらってる人と何も知らない人が出てきてて、そこがすっごい大きな差になってるのかもしれないな・・・)
でも、よく言われるように戦争の為に(自分の利益を守る為に)どういう情報をどう得て、そこから何を考えて、どういう対応をしていくべきなのかってとこは、スケールは違えど誰にも当てはまるケーススタディだと思います。

自分の得意な分野、不得意な分野、周りが必要としていること、組織に対して一番効果的な動き方、それが自分の志向に合っているかそうでないのか、そうでなくても受け入れていく覚悟があるのか。考えることはいくらでもあって、その考えがより深くまでまとまっていればまとまっている程、逆にやることはシンプルになっていくのかなと思います。
迷ってる時間なんて、今も昔もない。判断を迫られたときに自分のベストの判断を即断として下せるようにしておくには、普段どれだけその為の準備をしておけるのかってとこなのかなと。イメージトレーニングしかり、物資の充実しかり、人間関係を築いておくことしかり。

この本に出てくる登場人物の生き方がかっこよく見えるのは、単にそう書かれているからだけじゃなく、自分の生き方がブレていないってとこにもあるように思います。迷ってるとは思うんだ、人間だもの。迷いながら生きていくのは普通のことだと思うけど、でも、そこからどうしていこうって動くときには自分の動き方を決めて、覚悟を持って動いているように思います。そういう人が、一事を為すのかな、とか。

他の人からどう見えるかも大事だけど、自分で納得できてるかどうかってのがやっぱ一番根っこにあるべきだな、と思いました。

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