あらすじ
明治三十七年二月、日露は戦端を開いた。豊富な兵力を持つ大国に挑んだ戦費もろくに調達できぬ小国……。秋山好古陸軍少将の属する第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。また、連合艦隊の参謀・秋山真之少佐も、堅い砲台群でよろわれた旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。緒戦から予断を許さない状況が現出した。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
乃木・伊地知ペアには読んでてもちろん最大級にイライラした。
でも、最大の責任は藩閥政治に拘って乃木を押した山縣有朋にあるのでは?とも思う。それに、Wikipediaによれば、乃木軍への命令系統は曖昧で、混乱が生じたとも。
能力が足りなかった、頭が硬すぎた等確かに一理あるんだろうなと理解したけど、その状態を理解しつつも変えられなかった、そもそもその状態にした組織にも大きな問題があったのでは?
乃木希典は戦争で息子2人亡くし、「国民に申し訳が立つ」みたいなことを言ったらしい。明治帝にも愛されていた。人柄は尊敬される人だったんだろうなと、パパっとググって知り得た少ない情報でも、思う。
でも確かに、203高地から攻めるべきだったよね…
関係ないけど、ゴールデンカムイの登場人物たちは兵卒としてこの旅順で死闘していた(設定)と思うと、勝手に感慨深い。
Posted by ブクログ
1巻から読んできたが、4巻が一番面白かった。
海軍→黄海海鮮
陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞総攻撃
ユダヤ人との繋がり、下瀬火薬、
バルチック艦隊が英国漁船を誤って攻撃した話など、知らなかった事実を知れた。
といっても、戦場は悲惨。
食料や弾薬不足、合理性のない命令、失敗を学ばない総攻撃で何万人の兵が死んでいく。
司馬さんの乃木・伊地知への批判が続く。
これだけ読むと、日露戦争で勝てたのは
日本が強かったから、だけではなく
ロシア側が日本をアジアの小国だとなめかかっていたこと、上に立つ者の性格や思慮の浅さや独特な官僚世界の秩序など、かなり運が良かった部分もあるのではないかと感じた。
武力や勢力だけで真っ当にいくと、完全に負けていただろう。
また東郷平八郎、大山巌などの総大将としての在り方は
(部下の士気を高め、動揺を決して部下に見せてない、敗北心理を持たせない、など)
なるほどと思うところがあった。