ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    本作を読んで、まず胸に強く響いたのは"おばあちゃんと過ごした時間"の記憶だった。
    主人公まいが祖母と過ごす穏やかな日常を描く場面は、私自身の祖母との思い出を鮮やかに呼び起こした。父方の祖母と同居していたこと、母方の祖母も近くに住んでいたこと。昨年亡くなった祖母の姿が、まいの物語を通して甦ってくる。

    まいに強く感情移入してしまったのは、私の中にも「もっとこうすればよかった」「もっと好きだと伝えればよかった」という後悔が、今も頭のどこかで蠢いているからだ。
    人は、相手が亡くなったから悲しいのか、それとも、してあげられなかったことを数えて悲しくなるのか。私の場合は後者に近い。生

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    2026年06月06日
  • 倫敦スコーンの謎

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    満足!

    小市民シリーズの番外編集。
    完結?もう出ない?と思っていたので本屋で新刊を見つけたときには思わず声が出てしまった(笑)

    相変わらず小鳩くんの考え方というか、価値観というかがしっくり来すぎて、読むのがとても心地いい。
    私もミステリー読書の弊害か(笑)、真実を追求したい、はっきりさせたい、気づいたことを披露したい人間で、でもそれによって失敗したことも多く、今でも葛藤している。自己満になった瞬間、正義ではないんだよな。時には誰かを傷つけたり、白い目で見られることもある。

    特にザッハトルテ回の「配置の指摘」をためらってるシーン、小鳩くんの葛藤に共感しすぎてニヤニヤしてしまった…あるよねそ

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    2026年06月06日
  • ギリシア神話 神々と英雄に出会う

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    中公新書なのに平易な記述で、さらさら読めます。
    とっちらかって「諸説あり」なギリシア神話の世界を、変に整理せず、かといって情報の羅列にもならず、コンパクトに解説してくれているので、入門書として結構良いと思います。
    ただ、20年以上前の本なので、たまに登場するジェンダー分析の視点に新規性はないかと…まあ、つまらなくはないですけど。
    とはいえ、神話学的解釈に偏らず、色々な切り口でバランスよくギリシア神話の魅力を伝えてくれる入門書は貴重なので、最初の一冊には最適です。

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    2026年06月06日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    連句の大会で知り合ったきりん座の大輔さんは坂道の写真を撮るのが趣味だ。一葉の父も坂道の写真が趣味で以前はよく写真を撮っていたと話した所、昔と今の同じ場所の写真を並べた雑誌を作りたいと言い大輔さんと父と三人で写真を撮りに行く。
    連句は部屋に集まってその仲間だけで行われる会だが、連句の大会から文芸マーケットや朗読会と活動が広がって来た。

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    2026年06月06日
  • 青のナースシューズ

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    温かさに包まれた藤岡さんの作品、今回もとても良かった。
    男子看護学生の成道が家族と看護と向き合う4年間の物語。厳しい実習の様子や学生同士の苦悩の共有がとてもリアルで、分かりやすく思い描くことができた。弟のことを任せっきりで必死な母のことは、そんな言い方しなくても…と思いつつも、自分もあたってイライラしてしまうことも思い出されて全てを否定はできず。最後は向き合って変わろうとする姿があってよかった。
    看護師として奮闘する続きも見たい。

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    2026年06月06日
  • 正欲(新潮文庫)

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    性欲と正欲。動物の本能的な部分を残しながら頭が発達した人間の矛盾が生んだ正しさのぶつかりあい。人間が発達する中で、群れをなす中で生まれた社会性というマジョリティ、という名の暴力。でも時にそれは逆転し、聖域にもなりうる二律背反。。
    双方の立場を読者側から見ていて、どちらが正しいかと決める行為自体がまさにその本の中に描かれらている正欲であり、この本の着地はそういう自分の立場を考えるところになく、人間社会の構造を示しているだけに過ぎないのかなと。こうして正欲と正欲が交差しながら、歴史は刻まれていくのだという人間社会である以上変わらない真理を教えてくれた気がしている。この行為の繰り返しである世の中で大

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    2026年06月06日
  • 戦国無常 首獲り

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    戦功の証となる首。これをめぐる6つの短編集。
    やはり舞台の選択がいいというか、扇谷上杉とかコアな戦国ファンしか知らないと思うけど、それがいいんよね。

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    2026年06月06日
  • 国宝 下 花道篇

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    文学的な作品。
    仮に舞台が欧州で題材がバレエなら世界文学として受容されるのではないだろうか。
    血筋、家族、師弟、芸道……
    様々な事が描かれながら人生を駆け抜けていく。
    圧巻の一大絵巻。

    印象に残ったのは人の縁かな。
    縁があった人との関わりが今と違っていて血の通った感じがしたかな。

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    2026年06月06日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    ふーん、タイトルから想像するにビリヤードのプロ選手の話なのかな?専門用語も多そうだし、ビリヤード自体なんとなくしか知らないし、読んでも大丈夫かな?
    と思っていた時期が私にもありました。まず言えることは、もしビリヤードわかんない!っていう理由でこの本を読んでいないとしたらそれはまったくの取り越し苦労だということだ。ビリヤードという遊戯がこの世に存在するということだけわかっていればOK。
    ちなみにタイトルにある「ブレイクショット」は劇中に登場する自動車のことです。

    この「ブレイクショット」が様々な人物の手にわたり、そこで繰り広げられる人生模様を私たちはウォッチングすることになる。まさに『ブレイク

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    2026年06月06日
  • 雑草群落(上)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    松本清張全集44収録作品。表紙絵はカッパノベルズの新書版が好み。殺人は無し。若い愛人に嫉妬する心理描写が面白い。遅くとも還暦になるまでには、色欲を絶ちたいものである。当作品が好みの方は”真贋の森”もお気に召すかと。

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    2026年06月06日
  • エピクロスの処方箋

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    個人的には近年の医療モノで1番のマチ先生の続編。変わらぬ登場人物たちが少し淋しくも穏やかな死を描く。続編もアリな終わり方で楽しみ。エピクロス曰く、心が落ち着いていることこそが最高の快楽とのこと。…ココロせねば

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    2026年06月06日
  • いい子のあくび

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    みんなはこの本をどんな気持ちで読むんだろう。共感?反感?
    私は完全に共感。歩きスマホで向かってくるやつがいたら絶対に避けないし、子供と一緒のときはエスカレーターは2列に並んで乗って後ろから歩いてくるやつがいてもどかない。
    列を無視して我先にと電車に乗り込もうとするやつや、歩きタバコをするやつは、あとでものすごい辛い目に遭えと思う。
    ルールを破る人間は守られる必要なんてないと思う。(自分だってルールを守らないことたくさんあるけど)。

    通勤時間の駅って、いろんな人の悪意があふれているように思える。かと思いきや、急病人が出たらみんなで協力して助けたりして。そんな風景を見て「日本もまだ捨てたもんじゃ

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    2026年06月06日
  • 第三の嘘

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    『悪童三部作』の最終巻を読み終えました。すべてが虚構の「嘘」でありながらも、双子の感情には言葉にできない確かな生々しさと真実がありました。戦争という過酷な状況下での苦悩を超え、むき出しの生存戦略や普遍的な孤独は、平和な時代を生きる私たちにも深く通じるものがあります。冷徹で無機質な筆致でありながら、人間の奥底にある業と感情の真実を容赦なく暴き出す、不思議で圧倒的な名作でした。

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    2026年06月06日
  • 人魚が逃げた

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    読み始めたときは、「ファンタジー的なやつかな」と思ってました。
    でも実際は、銀座に現れた「王子」が登場してくる人物と触れ合いながら進める連続短編集みたいな物語だった。
    それぞれの章に、登場人物がみんな少しずつかかわっていて、また伏線がいろいろと張りめぐされていました。
    すれ違いの描写も良くて、お互いの心情を知ることができたのはとても良かったです。
    アンデルセンの童話を覚えてなかったので、ある意味新鮮な気持ちで読み進めることができた。
    こういう伏線回収の物語はもう一度読み返したくなりますね。

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    2026年06月06日
  • 普通の子

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    ネタバレ

    いじめに関わっている子どもの親としてどうすればいいのかを考えさせられる話だった。自分だったら、と比較しながら読み進めたが本当にそういう状況に置かれたときにどう反応するのかはわからない。
    たまに自分の許容範囲を越える子供や親がいる。
    そういった人と接しなくてはならない時に迎合する人が多いのではないだろうか?そしてその関わりから離れられた時に安堵し、自分に都合のいい記憶にすり替わっていくんだろう。
    この後、この家族は再生出来たらいいのだが、と思って読み終わる、はずだったのだが…
    ずっと美保の主観で話が進むことに違和感があったのだが最後に出てくる返信メールにひっくり返されてしまった。
    いじめられた側

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    2026年06月06日
  • いのちの車窓から【電子特典付き】

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    いのちの車窓から
    なぜ窓にしたんだろうか。その疑問があった
    視覚が悪く、かといって強い度のメガネもつけない。だからちょっと先がぼやける度のメガネをつけている、そうすると自分が窓の内側にいるように感じる。

    僕が身体の中にいて、身体という乗り物を動かしている。自分のからだを「いのちの車」と表現し、自分の意識を「窓から」と表現する。天晴れ。

    もともと歌手として源さんが好きだ。そしてエッセイを書く文筆家としての彼もまた好きになった。自分がいるときの流れ、感情の機微、風景を自分の視点で表現で描くところにエッセイの素晴らしさを感じた。

    ありがとう。

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    2026年06月06日
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

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    喜嶋先生と中村さんとの出会いにより、主人公が緩やかに成長しつつ、学問、研究に傾倒、そして没頭していく様が、静かで、でも確実にじんわりと染み込んできて心地よかった
    喜嶋先生のうち呑みと結婚式のところなんて喜嶋ワールド全開でほんとサイコーでした
    でもそれらは永遠ではなく、否応なく社会に取り込まれていく
    それからの最後の展開が切なく、残酷でもあり考えさせられました
    いい本でした

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    2026年06月06日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

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    友人が映画を観て原作を買って読んでいたので、気になってあらすじを読んだら惹かれました。

    いやー面白かった!
    爽やかとは言えない爽快感。
    嫌いになれない品性。
    たくましさと危うさが愛らしい!
    『やったれ!やったれ!』
    と、野次まがいの応援をしたくなりました。

    楽しすぎて映画はしばらく観たくない。
    でもいずれ観る。

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    2026年06月06日
  • 首なし晩餐 スローライフ警視の事件簿

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    お兄ちゃんとお姉ちゃんがいい。みんなに甘やかされる署長も可愛い。

    第1話 眸巳は新しく署長に配属された。兄が清臣、姉が那青。3人で山菜取りを楽しんできた。国枝というカウンセラーが刺殺され、知久というストーカー規制法で執行猶予中で行方不明が犯人と目星をつけられる。

    第2話 千賀湖女性首切り事件の頭部が発見された。下着泥棒は続いているが、逮捕された。しかし娘が2階から突き落とされた事件には関わっていなかった。

    第3話 眸巳は電話魔の相手をしている。那青が泊まり込みのため、清臣と眸巳はキャンプに来た。首なし死体の身元が判明する。今はバットで殴られた傷害事件を担当している。電話魔さんと甘味のお店

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    2026年06月06日
  • 生のみ生のままで 上

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    ネタバレ

    すごく引き込まれる作品だった。
    女性同士の恋愛を描く作品が少ないからこそ面白かった。
    誰にでも同性を好きになる可能性はあるのかなと思ったりもした。
    最後に、2人して面倒を見ようと思っていた莉乃が2人の様子を写真に撮ってそれを週刊誌に売っていたのはびっくりした。
    2人のキャリアを崩しているのにも関わらず、莉乃が打ったことを全く言わないことにさらにびっくりした。面倒を見たい以外に何か他の理由があるのかもしれない。
    早く下を読みたい。

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    2026年06月06日