小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
主人公の「マチ先生」。おそらく医者としてすごい腕の持ち主なのでしょうに飄々としたイメージが伝わる文体が好きです。
そして、心に残るフレーズも多い。
「地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ」
「患者の顔が見えるということは、共感するということです。共感というのは、心にとってはなかなかの重労働でしてね。とくに悲しみや苦しみに共感するときには、十分に注意が必要です。度が過ぎると、心の器にヒビが入ることがあります。ヒビだけなら涙がこぼれるのみですが、割れてしまえば簡単には元に戻りません。それを、精神科の世界では発病と -
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死刑囚である語り手は、残りの一週間の生で重ねた思考を独房内で綴っていく。
「死刑囚の思考を細かく示したこのノートには、死刑判決を下す連中に対する教訓が含まれている。思考する頭、人間の頭を司法の天秤に乗せるとき、今よりは慎重になるはず。死刑という手っ取り早い制度に苦悩は傲慢に続いていく」
「今わたしがこうして書を綴っているが、今の自分の命を救うことなど出来はしない。自分が登った後の死刑台を壊すのは何の意味があるのか。自然も自由も何もかも、わたしのモノではなく、未来の同じ立場になるはずだった人間のモノ」
「自分が罰せられるのは当然だが、自分か居なくなることによって寡婦となる母や妻や娘 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第64回メフィスト賞受賞作。
言語を操り、言葉によるコミュニケーションが可能なメスのゴリラ・ローズが愛する夫を殺されたことで裁判を起こす物語。
あまりにもインパクトの強い主人公とダイナミックな展開、考えらさせられる内容エンタメ小説としてとても面白かったです。仮に裁判を起こしたとしても読者のほとんどが被告側が勝訴するというだろうと考える内容に、どうやってここから面白くなっていくのかという所が見どころの作品。それに加えて、ローズへの優しさで包んだ中に隠れた利権や名誉など完全にきれいな人が出てこない作品の中で、ローズは自分とは何かを考えていく群像劇であり、リーガル作品でもある異色な物語に引き込まれま -
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読んだ。映画も見たことない。9月に新しい映画が公開されると知り予習として。令和の今読んでも先が気になって一気読みしたくなる面白さなのはすごい。
落武者の呪いが残る村で起きる連続殺人事件を金田一耕助が解決する、としか内容を知らなかった。間違ってはいないけど、実際に読むとイメージしてた推理小説っぽさはだいぶ薄い。それより伝奇小説の面が濃い。犯人の手がかりを追ったり落武者の残した宝を探したり鍾乳洞をうろつく場面がかなり多い。主人公も金田一耕助ではない。村一番の有力者一族の後継者の青年。小説は彼の手記の形式で書かれている。
読んでいて犯人は最後までわからなかった。重要人物がどんどん死んでいく