小説・文芸の高評価レビュー
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何か起きた時の物事の捉え方を変えることで、自分の人生がプラスにもマイナスにもなりうるということを学べた本。
運が良い、運が悪いのではなく、運がないと思う時は運を貯めているとき、運がいいと思う時は、運を使ったときと考える。
また、自分が努力している間は運が貯まり続けているが、必ずしも自分だけにその運が帰ってくるわけではなく、他人に与えている場合もある。また、他人から与えられている場合もある。
常に機嫌良く生きていくこと、何にでも興味を持つこと、損得を考えて動かないこと、結局すべてはどこかで繋がっているので、むしろそれでよかったと思うことが、これからの人生をより良く生きるための考え方だと学べる本。
また読み返したいと思える一冊。 -
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殺し屋の営業術を読んで、約1週後に読み始めた。
前作の関係性の記憶もあり、主人公・鳥井の環境や他の登場人物との関係性を想像することが出来、楽しく拝読できました。
今作は「出世術」ということで、如何にして無法者たちの世界でのし上がっていくのか、どんな営業法を駆使していく戦っていくのかを期待していました。終始劣勢でどうやってひっくり返すのだろうと、前作同様にページを捲る手が止まりませんでした。
今作は前作で描写が少なかった登場人物にもスポットライトがあたり、この話の世界観が広がっていくのを感じました。最後には次回作を匂わせる引きで終わっているので、楽しみに待っています。 -
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松本清張賞受賞作ということで手に取る。
駅伝に挑む女子高生の群像劇。殺人事件は起きないが、不可解な事件や謎が起こるミステリー要素もある。
かなり読みやすい。三浦しをんさんの作品のようにスラスラ読める。
物語全体に疾走感があって、どんどん読み進めていける。登場人物たちが走っている様子も迫力があって、読み応えがあった。
陸上界の悲しい過去も知れた。勝利至上主義はどの部活でも歪みを生んでしまう。
デビュー作とは思えない完成度。映像化して欲しい。
一つ残念だったのは、駅伝が門外漢すぎて、読み終えた後もタイトルの「ひなたの中継点」が何を指すのかわからなかったこと。 -
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毎度毎度、町田その子さんには泣かされる。人の想いってのをこんな丁寧に書ける人はなかなかいないと思う。みんな、誰かを想ってて、だれかに思われてる存在なのだと思わせてくれる。
時に人は、大切な人ほど、自分の幸せの物差しを押し付けてしまいがちだ。大切と思うほど傷つけてしまう。本当はみんな自分で幸せになる力を持ってるし、自分を幸せにできるのは自分だけなんだと思う。
だから、大切な誰かに幸せになってもらいたかったら、何かしてあげるんじゃなくて、振り向いた時にそこにいてあげることなんだと思う。
大丈夫だよ。ここにいるよ。だからまた、前を向いて。って言ってあげられることなんだと。
息子にとってのそういう存在になりたいと思いながらまた、今日も自分のこうするべき。こうした方がいい。を押しつけてしまうダメな母親だ。私。苦笑 -
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日本統治下の台湾を舞台に、日本人作家と台湾人通訳の女性二人が鉄道で旅をする物語。
台湾各地の料理が次々に登場するグルメ小説であり、鉄道小説であり、女性二人の友情、あるいは友情だけでは言い切れない感情を描いた物語でもある。しかし読み進めるうちに、その背後にある「統治する側」と「統治される側」の埋めがたい距離が見えてくる。
同じ列車に乗り、同じ景色を眺め、同じものを食べることで二人の距離は近づいていく。それでも二人がまったく同じ場所に立つことはできない。
いくつもの読み方が重なり合う、重層的な歴史創作小説。台湾料理を楽しみながら読み始め、最後には植民地支配とは何だったのかを考えさせられた。 -
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ネタバレ(上巻より)
冒頭にティリーが死んだと報道される場面は当然フェイクだと思っていたので、
何のための無差別殺人なのかという謎を解くところや、
ポーが前作の犯人ベサニー/クララに助言を求めに行く場面、
犯人を捕まれるための罠を仕掛け、ポーが直接捕まえるところも楽しく読めたが、
今回の作品はいつもに増してポーとティリーの友情がメインだったと思う。
ポーが自分が火に飛び込んでも助けようとするのが、婚約者ではなくティリーだと気づいたり、
ティリーがゲームのコンペティションに誘っていたのは女性蔑視の連中から身を守るためだったとポーが知ったり、
そして、自分の側にいることの危険を避けるために結婚式から逃げようとしていた
ポーをティリーが先読みして止めたりといろいろ感動的だった。
という訳で次回以降、
「羊たちの沈黙」のハンニバルのようなベサニーとの関係性どうなるのか、
新しく始めるポーとティリーの探偵社どうなるのか、楽しみだ。 -
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芥川賞受賞作ということで、手に取る。プロボクサーが選手兼任のトレーナーと組み、試合に向けて練習を積んでいく物語。
プロボクサーであること以外は、これと言った特徴のない主人公。彼の一人称視点によって、序盤の敗戦、そして復帰戦までの練習の日々が描かれる。
ボクサーが新たなトレーナーと出会って再起を図るサクセスストーリー、となるとボクシングを題材にした作品でありがちな展開。ただ、この作品は、サクセスストーリーでは、決してない。対戦相手を友人と妄想し、日常が全く上手くいっていない主人公は、別に大きな変化は起きない。変わったのはトレーナーによる指導と、本人の技術面の変化。内面的には、女性への急な暴力性や、感情的に素人に手を出す幼さなど、あまり成長は感じられない。
とはいえ、ボクサーとしての生活は続いていき、鬱々とした日々が続く。その内面が繊細に描かれていて、没入できた。
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