あらすじ
空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、その全てに反発する姉、そして思い付きで動く適当な祖父と比較的まともな祖母。そんな家の長男として生まれた山吹は、幼い頃から皆に合わせて成長してきた。だけど大人になり彼らの《嘘》がほどかれたとき、本当の家族の姿が見えてきて――?
これは破綻した嘘をつき続けた家族の、とある素敵な物語!
感情タグBEST3
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青磁を失ったことは同情するけど、あからさまに兄弟に優劣を付け紅と山吹と向き合わない母に対しては憤りを感じたな。 だからこそ、山吹のエッセイに気持ちがいっぱいになった。 共感したり、納得したり、グサッときたりする台詞や表現が多く、何度も読み返したい作品。あと、九州弁がとても良い。
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自分勝手で嘘つき、まともな大人が一人もいない!破綻寸前な羽猫家。長男山吹も嘘をつき、空想することで現実から逃げていた。
大人たちの身勝手の皺寄せが、子供たちの自立を急かしているようで切ない。都合のいい救いはない、それが現実。でも、この話が自分の存在を肯定してくれた気がして温かな気持ちになれた。祖母の言葉で涙が出た。
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地主のボンボンで持山に遊園地を作る、みたいな夢(実現のための努力はしない)を追う祖父。占いと霊感商法まがいでインチキ商品を売りつける祖母(この人が一番マトモ)。年上スナックのママと浮気する父。一番かわいい三人目の子が死んだことを認めない母。こんな連中に反発しまくる姉。
こんなとんでもなくろくでもない全員のウソや立場に寄り添おうとする長男山吹が主人公。ある時は祖父に頼まれ遊園地のマスコットイラストを描き、ある時はスナックに入っていく父を見てなかったことにし、ある時は祖母に自分のためにだけ生きろと説教され、ある時は弟のフリをして手紙を書く。そして姉に嫌われる。
嘘をつかざるを得ない事情や背景があるのかもしれない、優しい嘘もあるのだろう。でも嘘はちょっと調合を誤れば自分と周囲を蝕む毒と化しやすい。
母親が山吹の書いた手紙を読んで、憎しみの返事を書くシーンや、最後半の山吹の彼女とあこがれの女子の対決シーンはその毒がすさまじく感じられる大きな山場。
100%本当のことだけで生きることは無理にしても(そもそも小説も映画も詩も現実ではないというウソ)、せめて大事なところや踏ん張りどころではウソをつかずにウソでごまかさずに向き合おう。
後半、山吹が伴侶とした相手は、自分の気持であっても山吹の態度であってもきちんと表現することを求めた。きっとその道も辛いことはあるんだろうけど、ウソで塗り固めるよりは茨のとげが少ない生き方であろうと思うよ。
しかし、この手の寺地はるなに解説が彩瀬まるって、とんでもなく似合いのコンビ!
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ペットが出てくる本を読みたいと思い手に取りました。
犬を飼っている妄想をする男の子が主人公で羽猫家の1998年から2018年までの物語でした。
冴えない男の子。山吹を中心に、問題を抱えた家族の話。常にイライラしている姉 紅。空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、思いつきで動く適当な祖父。比較的まともで作り話が上手な祖母。暗い日常の中に、優しく光る瞬間みたいなものが感じられダメだなぁー。って思える人の弱さや悲しみにも惹かれるものがありました。
自分の日常の中でも、理解不能な生き方や家族なのにわかりあえない、一方的に理不尽な立場に追いやられているとか、人に打ち明けると自分が誤解されそうなので心の中に留めている事を俯瞰で見れたような気になれた本で、出会えて良かった。と思えました。
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はあ〜また寺地はるなさんの本で救われた。正しいかどうかわからなくてもいい、このままでいい。寺地はるなさんの本を読むと自己肯定感が守られる感じがする、安心する。複雑に考えすぎずシンプルに生きようと思える。やっぱり大好きだ〜〜寺地はるなさんの本
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物語は主人公、山吹の幼少期から中年期までの時系列になっている。弟は幼少期に事故死し、そこからは母が心の病気になり、父は町内で浮気、自分の夢を語る祖父と、家族から離れたい姉、育ててくれた祖母。
絵が得意で、空想が好きで、何をしていてもすぐに空想してしまう山吹。母をなだめるために、弟になりすまして手紙を書き続ける。歳をとり、勉強はできず塾に通い出す。そこで出会った1歳上のかな子に初恋をするが、想いを告げないまま、専門学校に進学を機に一人暮らしを始め、後の妻、頼と出会う。結婚、不妊、かな子や姉との再会、失業などあるが、最後はハッピーエンド。
幼少期の頃に幸せを感じられなかった紅や山吹を不憫に思っていたおばあちゃんと同じ気持ちになった。そういう境遇にあった2人がパートナーと出会って幸せになれて良かった。
頼っていい名前やなあって思った。「多くの人に頼られ、多くの人の助けとなれるように。」「じょうずに他人に頼れる子になってほしい」
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なんだか心地良かったです。
メンタル激落ちの時に読んでいたから、その時の状態にマッチしたのかもしれません。
重くなくて軽くなくて、押し付けがましくないけどかといって離れていってしまうわけでもなく。
今の自分のとっては心地よい距離感だったから、少し心が軽くなりました。
いいなー…って思った。
物語の紡ぎ方も、山吹の感じも、頼と山吹の関係も。
なんか良かった。
印象的だったところ。
「このお話の主人公であるおじさんは、僕の祖父です。父でもあり、もしかしたら、母でもあるのかもしれません。僕を含め、現実には存在しないなにか、を心の拠りどころとして生きている人たちです。
物語を読む、という行為にも、そういう要素はあります。物語というのは、言ってしまえば現実におこったことではない。嘘、です。
それでも物語には、それを書いた人の思いや、願いが、たくさんつまっています。
物語のかたちをとって伝えようとした思いや願いは、ぜったいに嘘でも架空でもなく、そこにあります。
現実にはないなにかを心の拠りどころとして生きることは、むなしいことでしょうか。でも現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは「確かにそこにある」ということなのです。生きるために、生きていくために、必要だったから、そこにあった。
僕はこれからも現実に「ない」ものを守りながら必死に生きます。現実に「ある」大切なもの、家族や、周囲の人たちと同じくらい、大切に守っていく。」
ここに持ってくるまでの、全てのストーリー。
母親のこととか、山吹の小学生時代とか、紅の反抗期のこととか、色々色々。
全部ここに集約できるんじゃないか。逆にここにくるまでに良くストーリーが自然と膨らみ、まとまりないように見せて、このまとまりにおさめられるとは。
今まで読んだ寺地はるなさんの作品の傾向とちょっと毛色が違う感じがしたのですが、今までのとは別格で好きかもしれません。
これは特別な気がします。
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まだ途中なんだけど、
感想書きたくなっちゃうくらい良い。
しんどい時、特に自分のことがなんかすごい嫌になっちゃう時に読みたい。とにかく何もかもから逃げ出したい時に読みたい。
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読み終わった。よくも悪くも、私の琴線に触れる本だった。この本読んでるからしんどくなるのかも、、、?って疑いたくなるくらい。 たまに泣きながら読んだ。
何も解決しないし、みんな色んな嘘をつく。
正しいだけじゃ他者に届かないってあとがきに彩瀬まるさんが書かれててぞくっとした。
Posted by ブクログ
ある家族の祖父祖母父母姉弟それぞれの立場での感情を極々自然に流れるような文章でまとめ上げている
起伏はないが、そこが逆にリアルで共感させられる部分が多かった
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嘘をつくしかなかった人に翻弄されて、嘘に付き合うしかなかった子という図式がとても寂しいなと思った
けれど、最後の一文で泣かされそうになった
「頼が笑うと、山吹はいつだってうれしい。」
Posted by ブクログ
映画化されて来年上映されるとのこと。
こうなると気になります。
と言うことで手に取った作品です。
家族の話でした。
それも少し暗い影のある家族。
家の中で一番年下の人が死に、家族経営していた店も傾きかけている。
そして、皆が現実から逃げたいと思っていて、それぞれが苦しみもがいていた。
決して明るい内容の物語ではないけれど、深刻にならずに読めました。
そして、崩れてバラバラになりそうな家族が持ち堪えて一歩前に進めたのは、読んでいてこちらも安心して心が温かくなりました。
作品名の「架空の犬と嘘をつく猫」
どういうことだろうと疑問に思っていましたが、作品を読み進めていくとわかりました。
ちょっぴり切なくて、「チリッ」と心が痛む気がする作品名でした。
Posted by ブクログ
羽猫家はとても不思議な家族である。
祖父は夢見がちでとても自由に生きている。
祖母は適当な嘘をつくようではあるが、観察力はいちばんあって人を見抜く。
父は浮気ばかりしている。
母は心がこの世に留まっていない。
2人の子どもの紅と山吹は、いつも誰かがいない家で成長していく。
父と母のすれ違いは、紅と山吹のあとに生まれた青磁が4歳で亡くなってからだ。
現実を見るように言う紅と優しい嘘をつく山吹。
そんな我が子のことをわかっているのに愛情を向けない父や母。
残酷でありながらも悲惨さを感じないのは何故なのかと。
普通ではない家族のようで、だけど落ちていくほどではない…表現し難い家族である。
大人になってやっと家族だと思えたところで終わる。遊園地がよかった。
Posted by ブクログ
一人一人のキャラクターが、本当に人間くさくて魅力的だった。寺地さんの繊細な心情描写と軽快な会話の応酬も遺憾無く発揮されていて、またしても良作だった。紅ちゃんがとっても好き。
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複雑な事情がある家族の話と思いながら読んでいたが後半に進むにつれ、自分の家族だって似たようなものかもしれない。とふと我に返る。そもそも、順風満帆で住宅販売のCMに出てくるような理想の家族なんて、本当に存在するのだろうか。
多様性という言葉が日常的に使われている時代だが、人の個性や悩みって大別すると″多様″ってほどでもないのではないかと思った。自分は他人と違うとか、自分の家族はちょっと変わってるとか、なんとなく自分は他者と違うということがひとつのステータスというか。唯一無二の存在でありたいという人々の潜在意識が生み出した文化であるように思えてくる。
もう少し引いた視点で世の中を見渡してみると、どの家族も似たり寄ったり、個性がある自分も誰かと似たり寄ったり。だったら細かいことは気にせず気楽に生きていきたい。
Posted by ブクログ
一見とても歪な羽猫家の物語。いわゆる「家族」のイメージとはかなりずれる。でも、やっぱりこれは「家族」の物語だった。これこそかもしれない。
家族だって、個の集まり。何でもかんでも同じ方向向いて足並み揃えてなんていけばいいけどそう簡単にはいかない。
家族だから分かりあえるなんて、愛せるなんて、確定してるものじゃない。
それを、受け入れること、認めること。
家族って、それでいい。
みんな、必死に生きてるんだ。「あー、あの人の頑張りはそっちなんだな…」くらいでいい。
みんなで、「おう、お互いよくここまで頑張ったよね」でいい。
それで十分家族だ。
まあさ、気になるけどね。家族だから。
でも無理に形を整えようとしなくても、それでもちゃんと家族には違いない。羽猫家がそうなんだから。
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空想人と、嘘を売る人と、軽い男と、現実逃避する女と、嘘つきが大嫌いな女と、嘘に寄り添う男。
そんな家族構成で成り立つ、羽猫家。
「山吹の嘘は、いつも、誰かをなぐさめたり、助けたりするために生み出される。」
「社会にとってなんの役にも立ってなくても、この世に存在しなくていい、という理由にはならない。」
「自分以外の人間のために生きたらいかん。」
「誰かを助けるために、守るために、って言うたら、聞こえはよかよ。でも、人生に失敗した時、行き詰まった時、あんたは絶対、それをその誰かのせいにする。その誰かを憎むようになる。そんなのは、よくない」
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祖母の‘自分以外の人間のために生きたらだめ’
っていう言葉とか
自分の物差しで他の人を測ったらだめとか
ちょっと日々の生活の中で あっって思うようなことが 多々あり
静かに気持ちの中に落ちてくる
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小学生の山吹の家庭は変。空想の世界に生きる母、それに目を向けず愛人の元に逃げる父、思いつきで動く適当な祖父、そのなかではまともな祖母、全てに嫌気がさし家から出たい姉。
なかなかヘビーな話かもと思ったけど、意外と山吹が成績がめちゃくちゃ悪かったり、山吹の友人錬司がいい奴だったりすることで、重苦しい雰囲気にならず読み進めれた。
Posted by ブクログ
身勝手な大人達ばかりの中で子供達は現実にしっかり向き合っている…
そんなお話です。
主人公の男の子は理不尽な事ばかりがおきている中でなんとかしようとする優しさに、周りの大人が甘えているように思えて腹ただしさを感じます。
そんな主人公が大人になりまた彼の優しさに甘えようとした相手に、自分を見くびる事に対して怒りを表します。
頼る方は優しさに甘えているつもりかもしれないけれど、これは甘えではなく優しさを利用しているのではと思えてしまいました。
色んな理不尽な事に合ってきたのにそれでも彼は大切な人へ優しさと守ろうとする気持ちは変わらず持っている事に優しさだけではなく強さも持っているのだと気付かされます。
彼に愛された人は幸せだろうなと。
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つらいことがあると犬を撫でました。現実にはいない、架空の犬です。犬を飼えるような家ではありませんでした。もう少し大きくなってからは本をよく読みました。空想上の犬も、物語も、僕の大切な友達でした。
主人公である山吹の書いた小説が出版されることになる。その刊行記念として書かれたエッセイ『架空の犬』
現実にはないなにかを心の拠りどころと生きることはむなしいことでしょうか。でも現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは「確かにそこにある」ということなのです。
町に遊園地を作る等、夢のようなことばかり言う祖父。愛人のもとに通う父。亡くなった子どもが生きているかのように振る舞う母。その子どもを装って、母に手紙を書く山吹。現実から目をそむけながら、それぞれが何とか生きていくためのさまざまな嘘。
「犬」という存在は私にとって、かなり特別なものだ。幼いころから一緒にいた犬たちの、ちょっとした表情やしぐさ、撫でているときの体温がいつも自分の中にある。
友だちの亜美ちゃんのところの犬を「現実に」迎えることになる山吹。現実に感じることのできる体温が、山吹をたくさん助けてくれることになるだろう、と思った。
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最近はまっている寺地さん作品で、家族をテーマにしたお話。
家族同士ってどうしてこうも素直になれないものなんでしょうね?
いや、世の中には何でも話せる関係性の家族もいると思います。ただ、我が家もどちらかというと羽猫家的な感じで。
羽猫家の祖父母や父母のようにぶっ飛んだ人はいないし、決してお互い仲が悪い訳ではないけど、どうも素直になれないと言うか。例えば学生時代に恋愛や友人関係の相談を母親や兄弟にしたことなんてない。
とはいえ、羽猫家と同じく、年がたったことで色々話せるようになったなと思います。
家族の形って本当に家族それぞれだけど、「私には家族がいる」と思えることほど心強いことはないので、羽猫家のように薄く細くてでもいいから繋がっていたいなと思いました!(母の日近いし母への感謝を忘れずに伝えよう...!)
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「嘘つき」というより、みんな現実と向き合うことができなくて逃げていたのかなと思います。そして、それは大小はあれど誰にも起こり得ること。
最後が幸せに終わったことが救われました。山吹がちゃんと自分の大切なものを選べて本当に良かった。人間は弱く危うい生き物なんだなと思うと同時に、どんな状況でも立ち上がって歩く強さを持つ生き物なんだと感じました。
いろいろな背景のせいにばかりしていないで、私も強く自分の人生を歩いていきたいと思った。
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破綻した嘘が解かれるとはどんなものなのかという期待から手に取り読んでいき、それぞれの家族の表裏が描かれ、人々の会話のほのぼのとしたやり取りやその中で急に訪れる問題との落差に惹きいったが、大きい落差はなく、ふわっとした部分が温かみがありそこは良いのだが、思ったのとは違うかなという点で星3にしました。
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んー実に寺地はるなさんらしいとゆうか。
起承転結がハッキリあるわけではなく、ただ淡々と物語が進んでいく。その中でフィクション感無く、他人事でもありそうな、すぐ近くで起きていそうな話しの中で、読者の感想もただ「そう、そうなんだよ」と喜怒哀楽がハッキリ出ることもなく終わっている。でも、内容が軽いとか無いとかではなく、ただ自然に馴染むように読後感を味わうからそう感じるのかな、と思った。
作品の感想って本当に難しい時があるが、最後の解説を書いている方はホントに凄いとつくづく思う。
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家族っていろんな形がある。
家族それぞれに合わせて接して成長した山吹。
相手のことを考えるあまり、
不器用に見える。
でも、それが山吹なりの処世術なのかもしれない。
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タイトルと表紙の絵がファンタジーな話を連想させるが、全くファンタジーとは無縁の羽猫家のバラバラな家族と、その長男山吹の物語。
現実にはいない架空の犬を撫でながら幼い頃から生きてきた山吹。
物語というのは、言ってしまえば現実におこったことではない。嘘、です。
物語を読む、現実にはないなにかを心の拠りどころとして生きること。
人は見えない嘘を心に抱えて生きているのかもしれない。
わかっていても誰もが触らないように生きていく。
家族だって架空の犬であり、嘘をつく猫なのだろう。
嘘がほどかれたとき、その糸を手繰り寄せてまた紡いでいく、家族にしかできないことなのかもしれない。
彩瀬まるさんの解説がとても的確で素晴らしかった。
解説を読むことで、この物語が厚みと深みを増して浮かび上がってくる。
作家さんってすごいな。
Posted by ブクログ
私も親と折り合いが悪かったので、なんともいえない気持ちで読んだ。
自分自身がアラフィフになって改めて感じることは、親だからって皆んなが大人ではないということ。母親は動物的本能で子供を無条件に愛するというのも、都市伝説・おとぎ話の類いだと思っている。
自分の親が世間一般の親と違うと感じても、子供としてはなかなかそれを認めたくないし、自分も他の子供のように愛されてると思いたいもの。でもどんなにジタバタしても事実は事実で、成長して現実を受け止められるようになっていくまでもがくことは仕方のないことだと思う。
とはいえ、実際には飼うことのできない妄想の犬を撫でることで寂しい現実をやりすごす子供のことを考えると、本当に切なく、胸が痛くなった。
苦しい子供時代を生き抜いた子供たちと、頑張ったねとハグを交わしたい。