あらすじ
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。(解説・小池真理子)
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Posted by ブクログ
最初の1文にここまで心を奪われ、惹かれた作品は初めてだったと思う。
ライムのような作品だと思った。
みずみずしく爽やかな部分もあるが、人間の内なる苦い部分もある。
日本語の美しい表現とはまた違う、海外ならではの比喩表現や言葉選びに心が潤ったのと同時に、思春期の感情や経験したことのある感情を言い当てるような書き方に胸が苦しくなった。
18歳にしてここまで書けるのか。18歳だから書けるのか。
いずれにしても、若者が虜になった理由が分かった気がした。
Posted by ブクログ
いやー、、すごい、、
この作品を18歳で書いた、、18歳にしか書けないんだけど、すごい、、すごいしか出ん、、
漱石の「こころ」っぽい感覚があるんだけど、漱石は晩年の時に書いてて、サガンは18歳だもんなあ
うわー、サガンすごいわぁ
Posted by ブクログ
どんな感情であっても、きちんとあいさつしよう! (笑)
すこし前に、三島由紀夫さん『午後の曳航』の感想で、「解説」にフランソワーズ・サガンさん『悲しみよこんにちは』について書いてあったと教えていただきました。
『午後の曳航』の解説を確認、久間十義さんでした。
みると久間さんが二十代に初めて読んだときの感想が「古典悲劇的」と感じられたそうで、「・・・、意地悪く言えばサガンの『悲しみよこんにちは』の男女を取り違えた変形バージョンであり、・・・」(p216)、と書かれています。特に比較はされていないようでした。
それでは、わたしが片寄った考えで比べましょう。
主人公を比べます。『午後の曳航』は中学一年生13歳男子「登(のぼる)」、『悲しみよこんにちは』は17歳の女性「セシル」、男女は逆ですね。
同じかな、似ているなと思うものをあげます。
ひとつは、大人の「正しさ」や「考え」を押しつけられることへの反発でしょうか。
二つ目、「計画」かな。セシルの計画はコメディ、ちびまるこちゃん的ですけど。
三つめは、両作品とも家族の物語になっているところです。
『悲しみよこんにちは』は、セシルと父親、そして、父親をとりまく女性たちで「家族」だと思いました。
わたしには、アンヌ隊員も含め、みな「ダメダメ」な気がします。まとめて「ダメダメ一家」です。
次に、『午後の曳航』です。登と母親と航海士で家族です。こっちも、主人公の登からみると「ダメダメ一家」です。
同じ「ダメダメ一家」なのですが、主人公の立ち位置が逆なんです。
『午後の曳航』の登は「ダメダメはダメダメ少年団」の一員です。登やほかの団員は「ダメダメ」を許しません。
一方、『悲しみよこんにちは』のセシルは「ダメダメ上等!」のダメダメ姉さんです。
ということで、似てはいるんだけどちょっと違うように思いました。当たり前ですね。(笑)
出版年数とかも書いておきます。サガンさんのほうが古いんです。
・フランソワーズ・サガン 18歳 『悲しみよこんにちは』1954年
・三島由紀夫 38歳 『午後の曳航』1963年
『悲しみよこんにちは』で、強く印象にのこったのは、「文章のカッコよさ」ですね。マネしたくなる気持ちが高まります。でも、田舎のジジイには永遠にムリかなー。
とにかく、カッコよい文章でダメダメ上等!が書かれているように思いました。
これは「ダメダメ宣言」と言ってよいのではないでしょうか。自分はダメダメで生きていくと力強く語っています。
古い秩序からみればダメダメな自分だけど、そこから自由になって、どんなに傷が残ろうが、ダメダメで生きていくぞ、そんな18歳の宣言だと思いました。
わたしもダメダメなひとなので、とっても共感します。
たぶん、サガンさんの18歳の宣言は、彼女の人生をたどることで、答え合わせできるんじゃないかなと思いました。
Posted by ブクログ
父への近親相姦的な愛から生まれたとある計画。その行く末は……。
若くて生命力にあふれた文章を書けたのは、18歳だったからかもしれないけれど、そのうえ危なげで、自分自身の葛藤もこんなに繊細に書けたなんて、すごいね!
この本が古典とされるのは、文章が美しいからだ。
一文一文が短いので、海外文学初心者の人にもおすすめ。
Posted by ブクログ
一気読み。五感に残る、読むだけで南フランスを想像できる文章。18歳でこれを書いたの凄過ぎる。
十代で文学に造詣の深さができ過ぎているのを感じた。
彼女は文豪らしい、、麻薬中毒、度重なる再婚、脱税の発覚などもあった。それでも文学作品を作ることへの執念の炎は消えなかった。
所々に吹き出すくらい笑ってしまうセシルの行動もあるが、アンヌの人生の核心をつくような言葉に心が抉られたりもする。
結局若気の至りの恋って全く愛じゃないんだなぁ、、
アンヌみたいな、一途に人を愛せて自分を律する者が結局本能的に生きてる人たちから傷つけられてしまう。死にかたさえも優しかった。
人生本棚入り。さすがの名著。
Posted by ブクログ
主人公の家に台風がやってくるところからはじまります。台風はパリの海でバカンスをしていた「わたし」と父の夕食の時間を襲います。台風によって別荘の窓は割られ、そこから吹き込んできた暴風雨がサラダやコーヒーの容器を壁に叩きつけ割ったりと大惨事で、「わたし」はもうバカンスは中止になるだろうといらいらを募らせました。そこで「わたし」はこの一夏の海で起こったさまざまな思い出に再会します。「わたし」の身に起こったさまざまな思い出に彼女は胸を詰まらせ、名状しがたいさまざまな感情の渦にのまれてしまうのです。ユニークな書き方で笑ったり、深刻になったり、とても感情を揺さぶられました。最後の「わたし」が感情を抑えきれずに涙を流し続け、熱帯低気圧の中心で世界中に「わたし」の涙の雨を降らせるシーンは神秘的で笑えました。
ポール・エリュアールの詩の一節にある「悲しみよこんにちは」というのがタイトルになっています。当時、この詩からインスピレーションを受けて小説を書いたという作家は沢山いたのではないかと推測します。こんなに創作の意欲がかき立てられるような含意を持った詩は数少ないですから。「悲しみよこんにちは」の悲しみの描き方が沢山あったとしてもサガンの描いた悲しみは複雑でかつ、フランス文学の王道の物語を用いて組み立てられています。
僕も同じく悲しみについて書きたくなり冒頭の物語をつくりました。
Posted by ブクログ
これを18歳が書いたのか!と最初は驚いたけれど、18歳だから書けたのかもしれない。
恋愛は人をどうさせるのか、自由を求める気持ち、全編がなんだか哀しくて愛しい。
舞台は南仏の夏、退廃的で虚無的な雰囲気にはいい大人きなってもやっぱり憧れます。
新訳の新潮文庫の装丁も素敵。
Posted by ブクログ
2026.51
夏のおすすめとしてSNSで紹介されており気になっていたところに、新潮社文庫50周年のプレミアムカバーが藤色で素敵だったので購入。
美しい夏を感じる描写が多く、それらがみずみずしくて、これは確かに夏にぴったりの本だなあと思った。初夏に読むべきだった。
読みやすいのは河野万里子さんの訳だからなのかもしれない。他にも河野万里子さん訳の作品があるなら読んでみたい。
巻末にある作家の小池真理子さんによる文章も素敵だった。わたしの知らない"あの頃"の雰囲気を想像しながら読んだ。
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P31 わたしはコーヒーカップとオレンジを一個持って、ゆったり石段にすわり、朝の楽しみにとりかかった。まずオレンジをかじる。口じゅうに甘い果汁がほとばしる。続いて、やけどしそうに熱いブラックコーヒーをひと口。それからまた、さわやかなオレンジ。朝の太陽がわたしの髪をあたため、肌についたシーツの跡を消していく。あと五分で泳ぎに行こう。
P38 水底にすてきな貝がらがあるのを、わたしは見つけた。実際は、バラ色とブルーの小石だった。わたしはもぐってそれを拾うと、昼食まで大事に手のひらでころがしていた。これをお守りにして、夏のあいだずっと持っていよう、とわたしは決めた。なんでもなくしてしまうわたしが、なぜこれだけはなくさなかったのか、わからない。石は今も、わたしの手のひらにある。バラ色で、あたたかみを帯びて。そうしてわたしを、泣きたくさせる。
P73 ただ明け方、パリの車が流れていく音だけを聞きながらベッドにいると、ときどき記憶がよみかえる。夏かまた、すべての思い出を連れてやってくる。アンヌ、アンヌ!闇のなかで、わたしは彼女の名前を、低い声で、長いあいだくり返す。するとなにかが胸にこみあげてきて、わたしはそれをその名のままに、目を閉じて、迎えいれる。悲しみよ、こんにちは。
P182 ヒロインを演じた当時十九歳のジーン・セバーグの髪型が、「セシル・カット」と呼ばれて大流行し、『悲しみよ こんにちは』とサガンの名前は、ますます世界じゅうに広まっていった。
P192 全国を学園紛争の嵐が吹き荒れていた時代だった。運命を掲げ、論じ、デモの隊列の中から火炎瓶を投げては、機動隊にジュラルミンの橘で押しつぶされそうになっていた学生も、うすぐらいジャズ喫茶で煙草の紫煙に包まれながら、深夜まで、どこかで聞きかじったような言葉を連ね、仲間と議論し続けていた、無精髭とぼさぼさの長髪をトレードマークにした男たちも、私の知る限り、皆、こっそり陰でサガンを読んでいた。
Posted by ブクログ
一文一文を読むのがとても楽しかった。綺麗でした。
最初は、夏の別荘で過ごす少女の青春小説のようなイメージで読み始めたけれど、死までつながっていくとは思わず、思っていた以上に重い話だった。セシルの行動には、悪いことをした少女の話として片付けるのではなく、自由でいたい、自分の生活を変えたくないという気持ちが、少しずつ取り返しのつかない結果につながっていくところが印象に残った。
「罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である」という一文が印象的だった。罪そのものを肯定しているのではなく、社会の中で感情や欲望を抑えて生きる人間にとって、罪はむしろ自分の欲望や感情がむき出しになる瞬間なのかなと思った。そう考えると、セシルの自由への執着や、アンヌに対する複雑な感情も少し違って見えてきた。
Posted by ブクログ
主人公のセシルは、プレイボーイな父とその恋人エルザと共に海辺の別荘で夏を過ごすことに。そこへ、父のもう1人のガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚を考え始めたことを察したセシルは、ある計画を思い立つ。
セシルは17歳という多感な時期。文章からは、彼女の苦悩や迷いが読み取れる。
結末では、それでも日常は続いていくのだなと、とても切ない気持ちになった。
Posted by ブクログ
しばらく本を読んでいなかったのですが、出版社が推してたので買いました。好きな作詞家がこの本に影響を受けて歌詞を書いたということもあり、気にもなっていたというのもあります。
作者がこの話を18歳で書いたことが凄すぎてただただ唸るばかりです。
読んでいてセシルの感情に振り回されっぱなしでした。
Posted by ブクログ
私に父がいたら、きっとこんなふうに感じたのかもしれない。まるで初恋の人を奪われたような感覚だった。聖書においてヘビは神に最も近い知的な生き物とされるが、美しいヘビが「パンを取ってくれた」という描写には、「知性」を与えてくれたアンヌが重ねられているのかもしれない。原文を切り裂けば鮮血が溢れ出しそうな生々しさがありながら、その内側にはぽっかりと穴が空いているような作品だった。
Posted by ブクログ
18歳でこんなに色々な立場の人間の感情を表現できるの凄い(特に男の)
あぁ…美しくて悲しいものを読んだって感じ
たまに「男の心情」みたいなのを書くのが上手い女性作家と出会うけど、18歳って…ただただ凄い
Posted by ブクログ
普段の自分ならあまり好きではないであろう話にも関わらず和訳が読みやすかったのもあり不快にならなかった。
若さ故の過ちの計画でまさかアンヌが死ぬとも思わず結局その後の2人は各々奔放に暮らしているのでもっとアンヌに男を見る目があれば等考え楽しめた。
Posted by ブクログ
主人公、父、父の恋人の物語。
主人公にとって、父の恋人は心地の良い存在だった。彼女は完璧超人。越えられない壁。不安をとりのぞいてくれる。
邪魔者でもあった。一緒に暮らしていると不自由になる。でも不自由だからこそ心地よかった。
そんな彼女をいつか越えてしまうのではないか。
彼女がただの人間であると気づいたときの同情心。そして主人公は彼女の死への罪悪感に苛まれる。内面描写が上手く重なり合っていた。
Posted by ブクログ
とんでもない話です。
多感で奔放な一面のある少女が、彼女をとりまく大人たちから、愛について、家族について、形のないなにかを受け取ったり渡したりしてゆき、ゆっくりと事態が動きながらしかし突然に結末が訪れます。
正直なところ「悲しみよ こんにちは」じゃねえよ、と言いたくなってしまう気持ちもあります。でも、彼女にはどうしようもなかったのではないかという気もします。
そのような、若さゆえともいえる多面的で変わりやすく繊細な心情を、写真のように瞬間でとらえつつ、刻々と移ろっていく様を映像のように巧みに文章に写し取っていて、とても10代が著したものとは思えませんでした。
Posted by ブクログ
今なんで今年の新潮プレミアムがあの色なのかわかって!!!やばい!!って気持ち!!!
読み終わった。ポップに表現すると「どんより」が漂う作品だった。てかこれを18で書けるサガンすごすぎんだろ…
以下ネタバレ含むぐちゃぐちゃな感想
このさ〜、何か決定的なことが書いてあるわけではないのにこの人物死にそうだなって読者に思わせるのすごくない???精神疾患でも病気でもなく、思考も生き方もまともな1人の人間なのに。
どこかでアンヌ死にそうだな、自殺しそう〜って思ってたら本当に亡くなってしまってびっくりした。
セシルの、急になんなの?!の気持ちもわかるんだけど…なんか上手く言葉にできないんだけど、こういうことって自分に返ってくるからよくないよね。
アンヌに関して私はその行を読んだ時にほぼ自殺だと思った。わからないよ、死ぬ気なんてなくて本当に事故だったかもしれないけど、アンヌはあの時絶望していたに違いなくて、未来の伴侶の不貞を見た後、その娘にとどめを刺されているような状態。
私がアンヌだったらもし偶然ハンドル操作を間違って、その瞬間普通なら助かりたいから最善を尽くすけど、そのまま流れに身を任せちゃうかも!
もし私が助かったら2人を許そう、みたいな。
アンヌは今までちゃんとしていたから、こんな仕打ちをされてタダで許せなくない?自分へのプライドっていうか、なんかそういうのがありそう。自分がただで許すことは許さないみたいな。自分が助かって初めて2人を許す許可を貰えるみたいなね。
さらっと読めたけどすげ〜作品だったわ。
てか薄紫、きっと2人とアンヌが最後に会った時の服で、亡くなる時もきてた服で、彼女の瞳の色だよね〜〜〜この色のプレミアム装丁、最高です。
Posted by ブクログ
思っていたより軽い作品だった。
なんというか、日本でいう直木賞的な雰囲気であった。
(もう少し重ためではあるけれど…)
もちろんラストの喪失は悲しいものだし、主人公に同居する悲しさも人間らしく寂しいと感じる。
おそらく、そこに至るまでにある恋愛のあれこれ、描写の瑞々しい部分に作品の良さがあるのだと思う。
フランスの作家らしく生活と恋愛が一緒に在る作品だった。
Posted by ブクログ
恵文社で見つけて購入
これを18歳で執筆したサガン、どんな教育受けたのか気になる
物語の締めくくり方、いい感じ
てかジーンセバーグのセシルカットってここからきてたのか!!感動
Posted by ブクログ
17歳の少女特有の、多感で複雑怪奇な心情がたっぷり。主人公セシルの思春期の感じがホントめんどくさいし、もどかしいこと…!
父親への偏愛と、父の愛人エルザの存在、そして父の再婚相手アンヌへの憧れと嫉妬、そして反発。
私が17歳の時って、ここまでこじらせてなかったし、誰かを盲目的に愛するなんて経験はなかったからセシルに共感は微塵もできなかったけど、妙な気持ち悪さというか、剥き出しの愛情の危うさみたいはものを見たくて、ページを捲る手が止まらなかった。
サガンの本、他のもこんな感じなんかなぁ。読んでみるかぁ。
Posted by ブクログ
あとがきを読むと完全にフィクションのようだが、自伝的な語り口で臨場感がある(途中までエッセイだと思っていた)。
まだ10代の未熟な、うつろいやすく目の前の情に流されやすい心情がありありと描かれている。個人的にはこんな父親のもとで育ったらそうなるよね…という感想。
河野さんの翻訳が読みやすく理解できた。
Posted by ブクログ
主人公のセシルはプレイボーイの父とその愛人と別荘で過ごす。そこで、以前にあった聡明な女性であるアンナがやってきて、父と愛人との間の関係が変わっていく。
父、アンナそれぞれに違った意味で憧れを持ちながらも、自分自身の恋愛にも意識が生まれたセシル。彼女の振る舞いに賛同はできないが簡単に評することもできない自身がいる。短いながら、思春期特有の直情的で不安定な心情の移り変化が心にいつまでも残る。衝撃的な結末といい、フランスだけでなく世界で愛される名著ということに納得がいった。
Posted by ブクログ
推しがおすすめ本に選んでいたのを、やっと読みました。
今の私は大人すぎて、主人公が好きになれない…
あまりにも身勝手で理不尽な振る舞い…いやそれがいいのかもしれないけれど…
高校生の頃にこれを読んだらまた違った感想だったのかもしれないと思いました。
でも言葉が綺麗で、スルスルと入ってきて読みやすかったです!
訳者あとがきにもありましたが詩的だし情景もすっと浮かんでくる文章が本当に好きになりました。
Posted by ブクログ
主人公のことは、最後まで好きになれなかった。彼女は愚かだったと思う。そしてその父も。
18歳の頃に読めば、感じ方が変わったのだろうか。
最初から最後まで、私にとっては(恐らく、アンヌにとっても)この物語はずっと悲劇だった。
ただ、情景描写、心理描写は真に迫るものがあったし、どことなく退廃的な雰囲気が魅力的な小説だった。
個人的には、アンヌに自殺の意思は無かったと思いたい。身勝手な恋に振り回され少女の悲劇の材料にされるほど、彼女は弱くなかったと信じたいから。
追記: 他の方の感想で、2026年新潮文庫のプレミアムカバーが最期にアンヌの着ていた服と、彼女の瞳の色だと知った。新潮文庫の粋な計らいには脱帽する。素敵な色なので、ぜひ手に取ってほしい。
Posted by ブクログ
3.2
夏のプレミアムカバーが素敵だったので、手に取りました。
思春期特有の心の揺れ動きが細かく描写されていてファンになる人の気持ちもとてもよく分かる。
繊細だけど、なんか洒落てて、まるで本から海外の匂いが漂ってくるようです。
Posted by ブクログ
2026年のプレミアムカバー版を購入。
なんとなく読んでみたくなった。
結果が違えば、新しく母親になる人への反抗とか思春期だったねー的な笑い話で終わってたかもしれない。
本当に事故なのか、自殺なのか分からないけど、とっても悪い結果に。最後の終わり方も私は好きでした。なんやかんや新しい恋人出来たりしてていいと思います。一生心に残る傷でしょうが。
今まで自由にやってきた自分が好きだったのに、アンヌがいるとそれを否定されて落ち込む。というくだりが好きでした。なるほどと思いました。
父親との間でアンヌの話は厳禁になりそうw
野暮なツッコミですが、事故に遭った崖、今夏で6回目って大分異常だと思うのですが、対策はしてないのかw
あと、アンヌみたいな性格の人がなんで父親みたいな人好きになったのかとても疑問。恋は理屈じゃないんですね、きっと…
Posted by ブクログ
間違えて感想消してしまったので簡潔に……。
セシルの一貫性のなさにやや腹が立つが、「一貫性がないキャラとしての一貫性」がある。
アンヌも思ったより子供っぽくて登場人物みんな未熟。でも人間ってそんなものかも。フランスらしい。
空気感や文体は好きなので、もっと深くまで理解したいと思った。
Posted by ブクログ
解説で小池真理子さんが「虚無」や「倦怠感」が漂う物語と書かれていて、激しく同意。
それに加えて、人生をどこか俯瞰して見ているような「諦念」を感じた。
18歳でこの作品を書いたサガンが、人間の未熟さや矛盾をここまで冷静に見つめていたことに驚く。
アンヌは理性的で成熟した大人というより、自分の理想の家族像へセシルと父を当てはめようとする人に見えた。
一方でセシルも父との自由な生活を守るために人をコントロールしようとする。
結局は誰もが自分のエゴを抱え、相手を変えようとしていた。
印象的だったのは、セシルが葛藤を「分裂」と表現する場面。
アンヌを慕う気持ちと失いたくない日常、そのどちらも本心というのが、この「分裂」という表現でよく分かる。
若さゆえの残酷さも生々しい。
人を思い通りに動かせるという小さな万能感、自分の行動が生む結果を想像しきれない未熟さ、そして失って初めて自分のしてしまったことに気づく痛み。
それらが18歳という年齢ならではの瑞々しさで描かれていた。
エゴのぶつかり合い、若さゆえの過ちと後悔というテーマは序盤から予想でき、その印象を最後まで大きく覆されることはなかった。
それでも、「人を変えようとすることの傲慢さ」や「経験の少ないうちに自分を決めつけてしまう危うさ」というものをまざまざと見せられ、心に澱のように残る作品だった。