あらすじ
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。(解説・小池真理子)
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Posted by ブクログ
「ものうさと甘さがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しいりっぱな名前をつけようか、私は迷う」こんな一文から始まる話。
鮮やかな語彙で彩られる細やかな感情たち。美しいと思う。
狡猾な策士なのに、若々しくて至らなさのある主人公。最後のほうのアンヌへの手紙を書く場面は、青春、失敗という単語をイメージした。痛々しく、印象深い。好きなシーンだった。
読み返すと、案外車に関する描写が多い気がする。気のせいかな。
「車の中ほど人に対して友情を感じる場所はないのだ。/もしかしたら同じ死に身を委せているのだった」「車の中は/眠るために具合よくできている」なんだか車って、家みたいな場所だなぁ。そう思わせる意図が作者にあったかは分からないが。
あとがきにも作者の車の話が。さすがに関係ない気がするが!
何というか……甘いような苦いような。幻想的だが生々しい言葉で書かれている。そんな感じ。うーん。この美しい巧みな文章がどれほどよかったか、私は上手く説明できない。とにかく私はサガンの、鮮やかで瑞々しい文章に魅了された。
サガンの別の作品も読んでみたい。サガンの言葉をもっと見たい。
Posted by ブクログ
サガンの文体、作品から感じられる虚無感や退廃感、そこに思春期でもある主人公のセシルのキャラクターが合わさり、哀しいような、美しいような、そんな世界観だと印象を受けた。
セシルと父の快楽に身を任せる生き方や色んな形の愛(自己愛、恋愛、家族愛)に対する執着からくる、虚しさや惨めさがひしひしと伝わってくる。
そしてらそんな人間の醜い部分が招くアンヌの死という結果。愛について、その在り方や向き合い方について、深く考えさせられる。
Posted by ブクログ
女好きで女性をとっかえひっかえする父親が理想の母親のような女性と結婚すること。主人公セシルは普通の生活に拒否感が出てしまいこの結婚を白紙にする計画を立てる。
思春期の少女の恋愛に親子関係に揺れ動き戸惑う感情が夏の太陽にピッタリで読んでいてドキドキした。が、最後があまりにも…なのでタイトルは感傷的過ぎるだろう、と思ってしまう。あと父親はクズ(怒)
著者18歳の処女作。18歳でよくこれを書いたなぁ、すごい。
Posted by ブクログ
一文一文を読むのがとても楽しかった。綺麗でした。
最初は、夏の別荘で過ごす少女の青春小説のようなイメージで読み始めたけれど、死までつながっていくとは思わず、思っていた以上に重い話だった。セシルの行動には、悪いことをした少女の話として片付けるのではなく、自由でいたい、自分の生活を変えたくないという気持ちが、少しずつ取り返しのつかない結果につながっていくところが印象に残った。
「罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である」という一文が印象的だった。罪そのものを肯定しているのではなく、社会の中で感情や欲望を抑えて生きる人間にとって、罪はむしろ自分の欲望や感情がむき出しになる瞬間なのかなと思った。そう考えると、セシルの自由への執着や、アンヌに対する複雑な感情も少し違って見えてきた。
Posted by ブクログ
主人公のセシルは、プレイボーイな父とその恋人エルザと共に海辺の別荘で夏を過ごすことに。そこへ、父のもう1人のガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚を考え始めたことを察したセシルは、ある計画を思い立つ。
セシルは17歳という多感な時期。文章からは、彼女の苦悩や迷いが読み取れる。
結末では、それでも日常は続いていくのだなと、とても切ない気持ちになった。
Posted by ブクログ
18歳でこんなに色々な立場の人間の感情を表現できるの凄い(特に男の)
あぁ…美しくて悲しいものを読んだって感じ
たまに「男の心情」みたいなのを書くのが上手い女性作家と出会うけど、18歳って…ただただ凄い