感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月19日
きょうだいがいるっていいな、と思いました。
幼い頃、共通のあたたかな経験と記憶があって。成長とともに違う道を歩み、今、重なり合うところにきている。けれど、少し違っている。
文学、生き方、政治との付き合い方など、深く、骨太で、興味深い対談でした。
本とともにある生き方。本によるつながり。
時代や地...続きを読む域を越えて感じる、普遍的なものの存在。
本好きの私にとってはたまらない内容でした。
Posted by ブクログ 2024年03月06日
『ことばの白地図を歩く』。若者向けにゲーム仕立てでおもしろく読みやすいけれど、内容は驚くほど専門的。書いたのはどんな人なんだろう?と気になって経歴をみると紫式部文学賞を受賞した『夕暮れに夜明けの歌を』の著者であり、あの『同志少女』『歌われなかった海賊へ』の逢坂冬馬さんと姉弟だと知り驚いたり納得したり...続きを読む。
「有里先生」と「逢坂さん」。3歳ちがいのおふたりは対談の中でお互いをこのように呼び合い、「文学」「作家という職業」、「戦争や武器」について、専門家同士としてリスペクトしつつ、存分に語り合う。ご両親のエピソードも紹介されるがこれがまた
言葉かけと言い距離感といい、「親の背を見て子は育つ」の諺どおり。さて、私達も感心してばかりではなく同じ時代に生きているものとして、こんな社会だからこそきちんと次世代に伝えていく努力をしていかなければ。
Posted by ブクログ 2024年01月07日
ロシア文学者である姉・奈倉有里氏と小説家の弟・逢坂冬馬氏による、「小説」、「ロシア」、「戦争」についての対談を書籍化。
と、簡単に言ってしまっては勿体ないほど、とても良い本。「本を読むのは何のため?」という問いの答えを教えてくれたり、「戦争って止められないの?」という疑問に答えてくれている。今現在の...続きを読む(自分たちの)状況を打開する方法が分かりやすく書かれていて、単なる『対談集』ではなく『実用書』のようだと思った。様々な人にオススメの本です!
Posted by ブクログ 2023年10月29日
姉の奈倉有里さんと弟の逢坂冬馬さんの対談で構成されていて、お2人の育った家庭や仕事、戦争についてなど読み応えたっぷり。
特に「小説」について話されている箇所が、よかった。私が映画について深い感想をもてないのは、ビジュアルからすぐにその状況や意味を察知するのが得意じゃなく、察知しよう考えようとすると...続きを読むもう次のシーンにいってたりして、自分のペースではみれず、想像の余地もあまりなくて、っていうのが原因なのかも!
それに対して小説は読み手がどう受け止めても、想像してもいい、読者にゆだねられてるみたいな、だから好きなのかもしれない。
Posted by ブクログ 2023年10月19日
10月8日(日)に高田馬場芳林堂であった2人でのトーク参加の条件である書籍購入。2人のサインを頂き、帰宅して、速攻で読みました。キョーダイが普段は余り話をしないことと、お互いが何をやっているのか気にもしておらず、成果物のみでお互いを理解しているとか、育った環境やそれぞれ別の道を歩くことになったことと...続きを読むか、興味深く書かれています。
逢坂冬馬さんの前著『同志少女よ、敵を撃て』の内容とギャップのある平和主義を、思想面からも書かれています。とても興味深かったです。買う価値ありですね。
Posted by ブクログ 2023年10月14日
「同志少女よ、敵を撃て」の作者が男性と聞いて、逢坂先生に興味が湧いた。お姉さんとの対談本。2人がどのような環境で育ち、どのような考えを持っているのか。非常に考えさせられる本だった。
※ ネタバレがあるので、先に「同志少女よ、敵を撃て」を読んでからこの本を読んでください。
◎「ゆっくり見守ってく...続きを読むれる」「さかなクンになればいい」10-13ページ「受け取りかたをサポート」58ページ「大絶賛と大酷評の両極しかないわけじゃなくて、いい作品の
中にも変なところはあるし、評価が低い作品にも思わぬ良さがあるよね」62ページ
親はそれぞれ熱中しているものがあり、出世を促さない。自分の子供が社会に馴染めず、家にずっといたら、あれこれ言ってしまいそうだ。子供は自分ではないし、違う人間ということを肝に銘じよう。
本の書かれた背景を子供に説明し、楽しみながら子供とディスカッションできるようになろう
◎ 「好きなことを楽しんでやっていると、いつか同じような人に出会えるんだよ」71ページ「周りに合わせると一時的に楽なんですけど、長期的に見れば、自分の中の信念というものが死んでいく苦痛のほうが勝っていくんですよ」66ページ
転校先で思うように友達ができず、無理やりピエロを演じていた過去の自分に伝えたい。
◎ 「現代は文字を書いて人に見られるという作業をあまりに大量にやらされ続けている」
「Twitterでバズる言葉を出力する機械になっちゃうよ」150-151ページ
学校、会社、SNSは、自分ではなく、相手が良いと思う文章かどうかが重視されている。初めて気づいた。自分のために、文章を書くのは良い昇華。
◎小説を読む理由は「必ず世界が拡張する」「なんでなにかのためじゃなきゃいけないの」163ページ
以前は知識や技術を得るために本を読んでおり、小説を読んでいなかった。小説は楽しんで読んで良いのね。
◎ 「独裁者をキャラクターとして消費する 」214ページ
「パンとサーカス」221ページ
自分がその通り。権力者をキャラクター化して、それ以上は考えず面白がる。ちゃんと考えます。
◎「民主主義をどれだけ積極的に行使しているかということは、むしろ抑圧耐性下にない国の人が考えていかないといけない」226ページ
戦争はダメだと思うが、参加していない国の人間が訴えても意味がないと思っていた。成功した事例もあるし、参加している国の人こそ訴えられないことを知った。
まずは、背景を知り、自分の考えを持ち、行動していこうと思う。
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悲しい映像が頭から離れず、戦争について考えたり学ぶことをやめていた。この本は、それはいけないと気づかせてくれた。
映像ではなくても、文章であれば学ぶことは出来る。
まずは、戦争、世の中で今起きていることを
読書で学んでいきたい。
Posted by ブクログ 2023年10月14日
自身のロシアの大学で文学を勉強した経験を書いた『夕暮れに夜明けの歌を』著者の名倉有里さんと、『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂冬馬さんの姉弟対談。
彼らが姉弟だと知らずにそれぞれの著作に触れて感銘を受けた身としては、この2人の対談が読めるのはとても楽しみであったし、実際付箋を貼りながら夢中で読んだ。
...続きを読む
2人の幼少期や家族の話、そして文学について、戦争や平和について語られる言葉はどれも深く、考えさせられた。
「本を読むことが、風を吹かせることにつながる」
「(本を読むことは)必ず世界が拡張する」
「どんな言葉を拾っていったら平和につながるんだろう」
言葉と文学と平和について、言語化している2人の対話からは感じるものが多くあった。
言葉を扱う教員として、平和な世界のために自分にもできることがあるのではないか、と改めて考えさせられ、そして勇気づけられた一冊。
Posted by ブクログ 2023年10月13日
別々で買って読んでた本の著者が姉弟ってこの本のあらすじ読んでびっくりした。
「同士少女」読んだ人は読んで欲しいなと思っな。
「夕暮れに夜明けの歌を」も心地よい文章力と愛が伝わってくる。ニュースだけではないロシアの文学を愛する人々に触れられる、大事なものだと思う。
対談自体は情報量凄かったし、スピー...続きを読むド感もあって読みやすかった。
Posted by ブクログ 2023年10月05日
読み終わるのが惜しいくらい久々の大ヒット。
「夕暮れに夜明けの歌を」のな奈倉有里と「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬の姉弟が、忌憚のない意見をバンバン吐露してる貴重な対談本。互いに敬語を使うのに、(笑)、内容は忖度なしの言いたい放題で溜飲が下がること下がること!楽しい読書だった。
どうやったらこん...続きを読むな姉弟が育つのか、「夕暮れ〜」でも登場した両親がやはりキーパーソンのようだ。丁寧に愛情込めて育てられたのですね。理3の4人の子供を育てた佐藤亮子さんもかなり子どもの教育に関わってたけれど、彼女と違って、子どもに学歴よりも教養を身につけさせることにシフトしている姿勢が潔くて清々しい!価値観が真っ当で柔軟性もある本当に強いご両親だ。
逢坂さん曰く
「高等教育のありかたって、言ってみれば国家から独立した人間を育てる過程でもあるわけですよね。一元的な教育から離れて、知的に独立した人間を作るという。でも、知的に独立した人間を作るという発想そのものを憎悪している節が、現在の日本には見られるように思います。単なる利潤の追求や実学志向とも違う、知性の自立を恐れるという。もっと社会に従順で、経済を発展させる方向にだけ行きなさいと。」
まさしく!肘を打つ言葉。
逢坂さんは、「現代日本についてガンガン言っていく」行動する作家でいたいと宣言する。
プーチンをキャラクタナイズして茶化す風潮についての考えも慧眼だった。日本のオートバイ同好会がハーレーダビットソンに乗ったプーチンをもてはやしていたことに対して、安っぽいマッチョイズムの提示をしてプロパガンダをしているのに、それをまんま無邪気に受け取ってしまう現象に警鐘を鳴らしている。
こういう風潮は確かにあると思う。上から目線にもなれるし、すぐに冗談だと逃げることもできるし、どちら方向からの非難も交わすことができるずるいやり方だ。(私もよくやる)
つい最近、モディリアニ風に描かれたプーチンの絵画を見たので、あれはどうなんだろうと考えてしまった。風刺とキャラクタナイズとの線引きが難しとは思うが、「俺たちは本当はプーチンを崇拝しているわけではない」と言いつつ、プーチンの実際的な統治の方法には全く異論を唱えない、それを「冗談めかした迎合」として極めて危険な兆候だと逢坂さんは分析する。
パンとサーカスの例も出してくれていたが、政治的関心を失った民衆には食糧と娯楽さえ与えておけば支配はたやすい。抗う作家たちの登場に拍手です。
同じ土壌で育った二人だからこそ、何の遠慮もなく思ったままを開陳することができ、それを私たちは知ることができてラッキー。
ああ、こういう人たちが存在するのだ、と心を強くできる一冊でした。